73 / 90
弐章 国づくり
73 夜酒の席
しおりを挟む
「さぁ、遠慮せず飲んで食べるといい」
鎌鼬を手懐けルーク達が戻った後の鉄石のタタラ場。
そこでは宴を開くと騒ぎタタラ場の住人が宴会を開いていた。
妖族の鬼族を含む人々はそれぞれ酒や食料を持ち寄り外に机を持ち出し豪華に料理した品々を並べルークや陰陽師のセイヨウ達を持て成す。
「ささ、ルーク様、器(うつわ)を」
「セイヨウ様もどうぞ遠慮せず」
住人達が周りで騒ぎ飲んで食べる中。
ルークそしてセイヨウはタタラの中でも美人な女性陣に囲まれ豪華なごちそうや酒を持てなされていた。
ルークのもとには鬼族の女性が、セイヨウには人間の女性が、そしてその正面では、タタラの長であるトモエゴゼンが座り酒を飲んでいる。
「セイヨウ殿に報酬の銭を」
トモエはセイヨウの横で酌を取る女性にそう指示を出すと、その女性は隣に置いてあった箱を取り膝の上で開けセイヨウに見せる。
「報酬です。
どうぞ、お納め下さい」
「いや…私は何も……」
そんなやり取りを横目にルークは鬼族の女性に盛り付けて貰った食事と注いでもらったお酒を飲みその場の雰囲気を満喫していた。
横に座る美人な鬼たちの服は大胆で高そうな着物を着ているのだが胸や足といった場所を少しはだかせている。
「ささ、どうぞ」
今まで研究室に籠もり、こういった店などといった場所で経験をした事が無い自分にとってはかなり毒だ。
お酒のせいか緊張のせいかまるで赤鬼にでもなったかのように顔を赤く染める。
「…ありがと」
ルークの赤いおちょこにトトト…トッと素晴らしく透き通った美しく透明な酒が注がれる。
その酒からはほのかに、ふくよかな香りがしおちょこに口をつけ一口飲む。
と同時に酒は最初にふんわりと下の上に広がり、同時に春の風を思わせる香りが鼻孔をくすぐりスッと味と共に消えていく。
「なんて、繊細な酒だ……」
元いた世界とは明らかに種類が違う酒だ。
向こうではビールが大半だ。
中にはエールやブランデーといった上流の酒もあるが…この今、目の前にある酒は…。
少なくとも個人的には自分が飲んだ中では一番好きな酒かもしれない。
「さぁ、ルーク様。
こちらも召し上がりください」
そう言われ横を向くと手を添え箸と呼ばれる道具で、干し肉を口まで運んでくれていた。
「お口をお開け下さい。
森で取れた鹿の干し肉でございます」
口を開け美女に食べさせて貰う。
幸せな、ひと時だ。
「まだまだ、ありますよ」
その後もルークは今だけはと少しハメを外し目の前に出された食事を堪能した。
……
「楽しんでいるようで何よりだ」
トモエは酒樽から枡(ます)に酒を注ぎグイと一息に飲む。
トモエはかなり酒で出来上がっているらしくフラフラと千鳥足で近づきルークの隣に座っている鬼族の美女を退け座る。
「いやはや、この度は本当に助かった。
この通りタタラの者達も感謝している。
お礼にハチロクと同盟の話以外にも何か欲しい物はあるか?」
顔を赤らめフラフラとしていたトモエであったがそう話すと真面目な表情になりルークをじっと見つめそして少し微笑んだ。
何か欲しい物…。
ルークはトモエを見返し迷う事無く。
「情報が欲しい。
今から名前を言う4人の居場所と情報を」
スサナ リオン カルナ そしてフィーネ。
しかし…。
トモエはしばらくの間、黙り込み考え込むと口を開いた。
「できれば、その人探し。
協力してやりたかったが…。
すまない。
その情報は持ち合わせていない」
トモエはそう謝罪すると、だが…その代わりにと二つの紙をルークに渡した。
一つはトモエが持っていたこの鉄石タタラ付近の正確な地図。
そして、一つのただの白い紙。
スラスラと何やらその場で筆を使い文を書き最後に赤い家紋の模様が入った判を押しルークに渡した。
そしてトモエは渡した地図の中、一つの都を指差す。
「もしかすると…。
ここにいる奴なら知っているかもしれないよ。
場所はまぁ。
そこに行けば分かる、なんせ派手好きなやつだからね…」
そしてトモエはルークをじっと足から頭へと目線を移動させ、こう続けた。
その都の一番でかい屋敷を探しな
一癖も二癖もあるやつだが…。
お前さんならきっと気に入られるだろうよ。
…と。
鎌鼬を手懐けルーク達が戻った後の鉄石のタタラ場。
そこでは宴を開くと騒ぎタタラ場の住人が宴会を開いていた。
妖族の鬼族を含む人々はそれぞれ酒や食料を持ち寄り外に机を持ち出し豪華に料理した品々を並べルークや陰陽師のセイヨウ達を持て成す。
「ささ、ルーク様、器(うつわ)を」
「セイヨウ様もどうぞ遠慮せず」
住人達が周りで騒ぎ飲んで食べる中。
ルークそしてセイヨウはタタラの中でも美人な女性陣に囲まれ豪華なごちそうや酒を持てなされていた。
ルークのもとには鬼族の女性が、セイヨウには人間の女性が、そしてその正面では、タタラの長であるトモエゴゼンが座り酒を飲んでいる。
「セイヨウ殿に報酬の銭を」
トモエはセイヨウの横で酌を取る女性にそう指示を出すと、その女性は隣に置いてあった箱を取り膝の上で開けセイヨウに見せる。
「報酬です。
どうぞ、お納め下さい」
「いや…私は何も……」
そんなやり取りを横目にルークは鬼族の女性に盛り付けて貰った食事と注いでもらったお酒を飲みその場の雰囲気を満喫していた。
横に座る美人な鬼たちの服は大胆で高そうな着物を着ているのだが胸や足といった場所を少しはだかせている。
「ささ、どうぞ」
今まで研究室に籠もり、こういった店などといった場所で経験をした事が無い自分にとってはかなり毒だ。
お酒のせいか緊張のせいかまるで赤鬼にでもなったかのように顔を赤く染める。
「…ありがと」
ルークの赤いおちょこにトトト…トッと素晴らしく透き通った美しく透明な酒が注がれる。
その酒からはほのかに、ふくよかな香りがしおちょこに口をつけ一口飲む。
と同時に酒は最初にふんわりと下の上に広がり、同時に春の風を思わせる香りが鼻孔をくすぐりスッと味と共に消えていく。
「なんて、繊細な酒だ……」
元いた世界とは明らかに種類が違う酒だ。
向こうではビールが大半だ。
中にはエールやブランデーといった上流の酒もあるが…この今、目の前にある酒は…。
少なくとも個人的には自分が飲んだ中では一番好きな酒かもしれない。
「さぁ、ルーク様。
こちらも召し上がりください」
そう言われ横を向くと手を添え箸と呼ばれる道具で、干し肉を口まで運んでくれていた。
「お口をお開け下さい。
森で取れた鹿の干し肉でございます」
口を開け美女に食べさせて貰う。
幸せな、ひと時だ。
「まだまだ、ありますよ」
その後もルークは今だけはと少しハメを外し目の前に出された食事を堪能した。
……
「楽しんでいるようで何よりだ」
トモエは酒樽から枡(ます)に酒を注ぎグイと一息に飲む。
トモエはかなり酒で出来上がっているらしくフラフラと千鳥足で近づきルークの隣に座っている鬼族の美女を退け座る。
「いやはや、この度は本当に助かった。
この通りタタラの者達も感謝している。
お礼にハチロクと同盟の話以外にも何か欲しい物はあるか?」
顔を赤らめフラフラとしていたトモエであったがそう話すと真面目な表情になりルークをじっと見つめそして少し微笑んだ。
何か欲しい物…。
ルークはトモエを見返し迷う事無く。
「情報が欲しい。
今から名前を言う4人の居場所と情報を」
スサナ リオン カルナ そしてフィーネ。
しかし…。
トモエはしばらくの間、黙り込み考え込むと口を開いた。
「できれば、その人探し。
協力してやりたかったが…。
すまない。
その情報は持ち合わせていない」
トモエはそう謝罪すると、だが…その代わりにと二つの紙をルークに渡した。
一つはトモエが持っていたこの鉄石タタラ付近の正確な地図。
そして、一つのただの白い紙。
スラスラと何やらその場で筆を使い文を書き最後に赤い家紋の模様が入った判を押しルークに渡した。
そしてトモエは渡した地図の中、一つの都を指差す。
「もしかすると…。
ここにいる奴なら知っているかもしれないよ。
場所はまぁ。
そこに行けば分かる、なんせ派手好きなやつだからね…」
そしてトモエはルークをじっと足から頭へと目線を移動させ、こう続けた。
その都の一番でかい屋敷を探しな
一癖も二癖もあるやつだが…。
お前さんならきっと気に入られるだろうよ。
…と。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冴えない建築家いずれ巨匠へと至る
木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」
かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。
安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。
現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。
異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる