十年監禁

小林マコト

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 母親の首を絞めたのは、もう耐えられなかったからだ。それまで我慢していたものを全部吐き出すのは、とても、気持ちがよかった。
 それは、許されないことで。手に持っていた紐と、母の首の絞めた跡を見て、上がった体温は急激に冷たくなっていった。指先から、体中の感覚がなくなって、残ったのは暴走する心臓の痛みだけだった。どうしたらいいのか、わからなかった。

 彼もそこにいた。どうしてかは、よく覚えていない。私はとにかく、倒れた母から目をそらせなくて固まっていて、彼に肩を叩かれてようやく、呼吸を再開することができた。近くに、父も倒れていた。

「どう、しよう。こんな、こんなつもりじゃ、なかった、のに」

 お母さんに話を聞いてもらいたかった。それだけだったのに。
 どうして私はお母さんを絞めてしまったんだろう。息を吸えるようになったら、もっと怖くなった。全身が震えた。手から紐が落ちていく。頭を抱えて、蹲ることしかできなかった。

「……逃げよう。僕がなんとかするから」

 軽々と私を抱き上げて、家を出る。彼の車の後部座席に下されて、鍵がどこにあるのか聞かれた。玄関のどこそこに、と働かない頭で答える。彼はうなずいて、横になっているように言った。外から見えないように、ブランケットを被せられる。真夏だったけど、冷えてしまった私の体には、ちょうどよかった。
 玄関の鍵をかけて戻ってきた彼は、一度、深呼吸をして、ハンドルを握った。ゆっくりと車が動き出す。私は言われた通り、外に見つからないように、荷物になったつもりで隠れる。心臓が破裂しそうだった。

 連れていかれた先は、彼の部屋だった。二十六歳にしては広くて、セキュリティもばっちりなマンションの一室。無知な私でも一目で高いんだろうなとわかった。そのマンションがどこに建っているのかはわからない。私は車の中で、気を失うように眠っていたから。
 眠ったことで少しは落ち着いたけど、やっぱり、怖かった。私はあの瞬間、人殺しになった。日本の警察は優秀らしいから、見つかって、捕まるのも、時間の問題だろう。体がまた、冷えていく。

「大丈夫。僕がなんとかするよ。簡単なことだから。そう、怯えないで」

 抱きしめる彼も、少し震えていた。十歳上の彼は、いつも余裕ある態度で、柔らかく微笑んでいたから、ちょっとだけ驚いた。彼も、震えることがあるんだ。顔は見えなかったけど、強めに抱きしめられるのは、私に安心をくれた。

 それから二か月くらい、彼の部屋にいた。朝早くから、夜遅くまで彼は忙しそうにしていた。私は部屋の中で、テレビをつけることも、新聞を読むこともせず、ほとんどをベッドの中で過ごした。何かをしていると、ふと倒れていた両親を思い出してしまったからだ。その度に苦しくなって、過呼吸を起こしたものだから、彼にできるだけ寝ているよう言われた。ベッドは彼のにおいがして、あの日、抱きしめられたことを思い出して、言われた通りにしていたら苦しくなることはなかった。

 彼はとても優しかった。あまり一緒にはいられなかったけど、忙しいのに、私の好きな料理を作ってくれた。大体は一緒に食べられないから、作り置きを温めて一人で食べていたけれど。夜中に目が覚めたら、寝つくまで手を握ってくれたこともあった。彼も、疲れていたはずなのに。

 上手くごまかせそうだから、君は七年、行方不明になって、死んだことにしよう。
 そう言われた日に、彼の部屋を出て、新しい、私のために用意したという部屋に連れていかれた。来たときと同じように、ブランケットを被って、荷物のふりをする。今度は目隠しもした。私が道順を覚えてしまうのも、危険らしい。もし、何か悪いことが起こったとき、私から居場所を伝えてしまうかもしれないから、と説明された。よくわからなかったけど、彼が言った通りにすべきだと思った。その頃にはもう、私は彼を何よりも正しい存在だと信じていた。

 実際、彼の言う通りにして失敗したことはなかった。彼はまさに優男といった風貌で、それに違わない性格をしているけど、そのわりに大胆で豪快な面も持っている。自分に自信を持っているのもはっきりとわかって、私はそんなところに憧れていた。




 彼との出会いは偶然で、どうして彼が私に興味を持ったのか、今になってもよくわからない。

 高校の入学式の日だった。私は特別に感動することも、これからを期待することもなく、淡々とその日を過ごしていた。意外かもしれないけど、私はわりと頭がいい方だった。新入生代表挨拶なんてものも任されたくらいには。勉強は好きだった。特に、数学。国語は嫌いだ。数学と違って、明確な答えが存在しないから。
 暗記した挨拶を、一文字も間違えず、噛まずに言い終えてほっとしたら、母が目に入った。何か、不機嫌な顔をしていた。それに動揺して、舞台から降りるとき、階段を踏み外しそうになってしまった。なんとかごまかして、何もなかったような顔をしたけれど、母に見られていたかもしれない不安で、手汗をひどく感じた。

 それから、ホームルームをやって、待っているはずの母を探しても、見つからなかった。先に帰られてしまったのかもしれない。学校の公衆電話から家に電話してみる。聞こえてきた声は、母のものだった。
 母は私に怒っていた。はっきりとしたことは何も言わないのに、私が謝っても、本当にそう思っているのかともっと怒ってしまう。
 何が悪かったのか自分で考えなさい、バスでも電車でも使えば帰れるでしょ、いつまで親に頼っているつもりなの。ごめんなさい、お母さん、バスと電車使って帰るね。急ぎなさいよ、遠いんだから、寄り道したらどうなるかわかってるわよね。うん、わかってるよ、すぐ帰るから、ごめんなさい。

 受話器を置くと、どっと疲れが押し寄せてきた。何が悪かったかなんて、少しもわかる気がしない。でも、お母さんが怒ってるってことは、私が悪かったんだろう。そう思うようにして、まだ軽い鞄を持ち直した。頭が痛い。学校から駅まではバスで、駅からは電車で、道順を考える。家から遠いこのあたりのことは、よく知らない。ちゃんと帰れるか不安だった。

 駅に着く頃には、頭痛がひどくなっていた。ふらふらしながら切符を買って、電車を待つ。帰るのが、憂鬱だった。
 そんなときだ。彼に声をかけられたのは。

「君、大丈夫? 具合悪そうだけど」

 スーツをぴしっと着た男の人が、私の顔を覗き込みながら、そう言ってきた。私の周りにはいないきれいな顔にびっくりして、ぼやけていた頭が一瞬ではっきりする。

「だ、大丈夫です」
「本当に? 顔、真っ青だよ。とりあえず、立っていないで、座ったほうがいい」
「あの、本当に、大丈夫ですから」
「……ああ、ごめんね。急に知らない男に声かけられたら、怖いよね。変なことはしないから。……本当だよ?」

 背も高くて、大人な雰囲気を醸し出しているのに、そう言った彼は子供っぽくもあった。
 あんまりこちらを気遣ってくれるものだから、指さされたベンチに腰掛ける。彼も、当然のように隣に座った。ホームにはほとんど人がいなくて、いても遠くの方だったから、不審に思われることもなかった。そのことにちょっと警戒を強める。きれいな顔をした、格好いい人だけど、だからといって初対面の女子高生に声をかけてきた人だ。必ずしも善意だけの人間だとは限らない。

 けど、頭の痛みが、私の思考力を奪っていく。頭痛持ちだから慣れているはずなのに、この日に限って、特別ひどく痛んだ。うつむいた体勢から、動けない。
 ふと彼が立ち上がる。ちょうどそのとき、電車が来たから、それに乗ってしまったのだと思った。私もそれに乗りたかったけど、とても立てる状態じゃなくて、悔しさみたいなものも感じながら、見送ることにする。

「これ、飲んで」

 電車が行ってしまって、これでお母さんにもっと怒られるんだろうな、と思いながら頭痛に耐えていたら、また彼の声が聞こえた。
 乗って行ってしまったと思っていたから、びっくりして、隣を向く。彼はこちらに冷えていないペットボトルの水を差しだしていた。

「頭、押さえてるから、頭痛なんじゃないかと思って。薬はさすがに、アレルギーがあるかもしれないから、買えなかったけど」
「……ありがとうございます。でも、もらえません。ごめんなさい。薬も持ってますから。あの、本当に、大丈夫です」
「あ、まだ開けてないよ? 変なものも入れてない」
「そう、じゃなくて」
「遠慮してるなら、それこそ気にしなくていい。僕がやりたくてやってるんだ。あとから何かを要求するなんてこともしないよ」
「……じゃあ、お金、出します」
「いいよ、僕は君が楽になればそれでいいんだから」

 そんな会話をしばらく続けて、折れたのは私の方だった。確かにもう、薬を飲まなきゃやってられなかった。頭痛はひどくなるばかりで、自分が何を言っているかすら、あいまいになってしまっていた。
 彼から水を受け取ると、満足げな笑みを向けられた。それはそれはきれいな顔だったけど、できれば余裕のあるときに見たかった。

 薬を飲んで、しばらく。もう一本、電車を見送った頃には、だいぶましになった。彼はずっと隣にいてくれて、なんというか、不信感しかなかった。見ず知らずの女子高生に話しかけるだけでなく、水を買ってやるなんて、私の常識では考えられない。顔のいい男は、みんなそうなんだろうか。

「ありがとうございました。もう、本当に大丈夫です」
「うん、顔色もちょっとよくなった。まだ心配だけどね」
「あの、お金、出させてください。申し訳ないです」
「それはいいって言ったでしょ」
「でも……」
「なら、こうしよう。今度、また会ったとき、ちょっとだけお喋りしてくれる? その制服なら、この駅、使うこともあるでしょ? 僕はいつもここを使ってるから、君が来たとき、僕がいたら、声をかけて」

 はめられた。次回を持ち出されるなんて、ありえない。やっぱりこの人、変な人だったんだ。何も要求しないと言ったのに
 それでも私は断れなかった。それくらいなら、まあいいか、と思ってしまったのだ。妥協案を出されてしまったら、断れるはずがない。

 次の電車は一緒に乗り込んだ。やっぱり、当然のように隣に座ってくる。人が多くなっていたけど、彼が私に話しかけるところを見た人は誰もいなかったから、変に思われることはなかった。彼があんまり格好いいもんだから、ちらちらこちらに視線を向ける女の人は多かったけど。
 なんというか、彼はキラキラしているのだ。顔もいいけど、纏う空気がキラキラしている。たまにいる、芸能人にもなかなかいないような、ずば抜けて格好いい男の人だった。

 彼より先に、私が降りた。約束、忘れないでねと耳元で囁かれたから、ちょっと顔が熱くなりながら、彼を乗せた電車を見送る。彼の声も、格好よかった。

 ただいまと言って、おかえりと帰ってくることはほとんどない。今日も例外ではなかった。こんなに時間がかかるはずないでしょ、と、明らかに怒っている母の言葉に、萎縮してしまう。
 私はいつも、ごめんなさいとしか言えない。弁明も、言い訳も、説明なんてできない。そんなこと、母の前では無意味なものだからだ。ただ私が母の想定より遅く帰ってきた、その事実が母を怒らせているのだ。火に油を注ぐような真似は、できない。

 母はただ、私のことを心配してくれているのだ。駅であんなに時間を取らなければ、もっと早く帰れていた。それなのにずいぶんと遅くなってしまったから、おかしなことに巻き込まれたり、変な人に絡まれたりしたのではないかと、心配しているのだ。それが怒りとなって表に出てきているだけで、その根底は、心配なのだ。

 わかっている。だから、何も言わない。言えない。――だけど、この日だけは、ちょっとだけ違った。
 お母さん、ごめんね、何もなかったから、次からちゃんと早く帰ってくるね、バスがよくわからなくて遅くなっただけだから。繰り返し同じことを言う。母が落ち着くまで、ずっとそうしていた。

 父は母に何も言わない。それは母を全面的に認めているからであり、他人に厳しい人だからでもあった。子どもは多少、厳しく育てた方がいい。そう信じていた。父が直接、私を叱ることはなかったけど。
 わかっているつもりでも、私は、窮屈さを感じていた。両親は私のために言っているのだとわかっていた。だから、満ち足りているのだと、自分に思い込ませた。そうでもしなければ、やっていけなかったから。

 彼とは時々会うようになった。私も通学で同じ電車を使うようになったからだ。毎朝、私が乗る時間帯にほとんど彼も乗っている。帰りなんて毎日同じだった。
 本来なら、気持ち悪く思ったり、嫌になったりするだろう。でも、彼は人の中に入ってくるのが上手い。いつの間にか私も警戒を解いていて、なついていた。
 彼はとても優しいのだ。私の話を聞いてくれる。私の話に、頷いてくれる。それがとてもうれしかった。高校で友人もできたけど、同年代の子とは、仲が悪くなることはないけど上手に喋れない。きっと、友人たちは、私のことをおとなしいとでも思っているんだろう。
 本当は、たくさん話したい。喋りたい。でも、邪魔をしてしまうかと思うと、声がでなくなってしまうのだ。

 彼は違った。私の言葉を引き出して、不思議なくらい饒舌にさせてくれた。私の両親の、愚痴を言ってしまうのも、仕方がなかった。

 両親が必要以上に厳しい気がする。もっと自由にさせてほしい。もう、そんなに幼くないのに。
 今までどんなことがあったか話しながら、そう言ったら、彼は私の手を握った。

「大変、だったね。ひどい」

 彼の手の温かさに、泣いてしまった。
 それが受け入れられるとは思っていなかった。私は満ち足りていて、何不自由なく暮らさせてもらっているのに、その生活を与えてくれる両親の文句を言うなんて、悪いのは私だと言われると思っていた。まるで私の気持ちを理解しているような言葉を言ってくれるとは、思っていなかった。

 以来、彼にもっとひどいことを話してしまうようになった。誰かに同情してもらえるのが、こんなに気持ちがいいことだとは知らなかった。これは何かおかしい、こんなことは言うべきではないと心のどこか、深いところで冷静な私が叫んでいたけど、あさましい私は泥を吐き続けた。
 その泥を、彼はすべて受け止めてくれた。優しく、君は悪くないと言ってくれた。
 彼のせいではない。決して、彼のせいではないけど、私は彼のその同情で、何かを間違えた。

 誰かに同情されることの、気持ち良さ。それは麻薬にも等しくて、現状を受け入れられなくなるのに時間はかからなかった。
 以前は耐えられたのに、耐えられなくなった。母にはじめて反論した。大喧嘩になった。そして、母の首を絞めた。

 すべては私が耐えなかったのが悪かったのだ。母は厳しかったけど、間違ったことは言っていなかった。私を否定していたわけでもなかった。それなのに、私は自分勝手な被害妄想をして、被害者面をして、加害者になった。本当に、ひどい。お母さんに、こう育てられたわけじゃ、なかったのに。

 あれから時間が経つにつれ、私の手から母の首の感触が消えていく。それなのに、抱え込んでしまった罪は重みを増していき、私を鎮めようとする。まるで、忘れるなと、相応に償えと責めるように。当然のことだ。罪を犯したら、償わなくてはならない。十六の小娘でさえそれは知っていた。知っていた、けれど。
 私はこうして生きている。十年間、引きこもって罪をないものとして生きている。私は平穏な生活を与えられている。――世間をだましながら。

 今年、私は二十六になった。
 けれど、人を殺した十六から、どこか変われただろうか。……何も変わっていない。私は、まだ、十六のあのときにとどまっている。

 それが情けなくて、ああやっぱり、外に出て、罪を償うべきだと、思った。




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