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5章 迷宮
5章ー26:激戦の時、【魔狼】小隊 対 【女霊樹】と【蔓女】の混成群
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「舞子、まだ力場集束はでけへんやろ? 3重の魔法力場使って効力不足を解消しい。包め《火炎の纏い》」
「はい! 包め《火炎の纏い》、包め《水流の纏い》。最後に、包め《旋風の纏い》」
勇子と舞子が魔法力場で身を包み、メイアと空太が展開した周囲系の精霊結界魔法から出て、追加で2体の〈シロン〉を破壊したツルメ達と対峙する。
「怖いか舞子?」
「はい。でも、今は動けます! 私は戦える、戦えるんです!」
ポマコンでの映像記録を通して、100体近いツルメが、命彦達4人に次々と討伐された場面を見たせいか。
舞子の意識下では、ツルメが恐ろしい魔獣から、少し恐ろしい魔獣へと格下げされたようであった。
そして、不意討ちかつ魔法具の力を借りたとはいえ、勇子を守るために戦い、ツルメを討ち取った事実が、舞子の心のうちに刻み付けられた心的外傷を急速に癒していた。
勇子が12体のツルメを見回して言う。
「恐れんでええ、芋の試練を突破した舞子やったら、1対1でもどうにか戦える。その上、舞子は親方の魔法具を装備しとるんや。有り弾全部使うつもりで行けば、ウチと舞子で8体くらいは余裕で討てる筈。負けることはあらへん。空太、しっかり援護しいや!」
「分かってるよ。舞子の援護を優先するから、勇子は好きに暴れててくれ」
「おうよ! ……じゃあ〈シロン〉も4体が揃ったし、行くで!」
「はい! やあああぁぁぁーっ!」
どうにか動ける状態の〈シロン〉達が、舞子と勇子の傍に集まると同時に、駆け出す舞子。
舞子とツルメの戦いが始まった一方で、結界魔法に空太と籠り、合掌して瞑目していたメイアは、残り僅かである魔力を有効に使うため、追尾系魔法弾のみでツルメ達を攻撃する横の空太を無視して、深く静かに呼吸し、自らの外に意識を拡散させていた。
身体から心が、魂が解放されて、見えている空間・次元の裏に入り込む想像図を脳裏で思い描き、自身の魔力に意識を乗せて、外へ外へと感覚を拡げて研ぎ澄ます。
そして、メイアは見付けた。
自身のすぐ傍の次元に潜む、神と呼ばれる魔獣、神霊種魔獣を。
「……っ!」
白い羽衣を纏い、天空を思わせる蒼の着物を身に付ける、神々しき黒髪紫眼の美女。
人の姿をしたその神霊種魔獣を見て、メイアは呼吸が止まるほど身を固くした。
1年前、メイアが〔魔工士〕の学科魔法士資格を取得したその日に、突然眼前へと現れ、メイアへ自らの加護を与えて、有無を言わさず眷属とした【雷命の女神:ミカヅチヒメ】。
それが、メイアの前に立つ神霊種魔獣であった。
力を求める多くの魔法士にとって、神霊種魔獣の加護は喉から手が出るほど欲しいモノ。それこそ己の人生の全てと交換してでも手に入れたい力であったが、メイアにとっての神霊種魔獣は、ただただ恐ろしい畏怖の対象であった。
そもそもどうしてメイアを眷属に選んだのか、その理由さえもよく分からず、突然国家をも転覆させるほどの力を持たされたのである。
魔法の才能に溢れること以外、魔法機械の開発に貪欲であること以外は、普通の少女であったメイアにとって、神霊種魔獣の力は余りに過ぎた代物だった。
余りあるその力が、いつか自分の身を、自分の親しい者達の身を滅ぼすのではと、メイアは神霊の加護を得てからずっと懊悩していたのである。
神霊種魔獣の力を肌身で感じるが故に、メイアはその力の行使に怯え、できる限りその力を使わぬように、自らを律していた。
そのせいで、メイアは神霊の加護を得ても、神の力に怯えてろくに神霊魔法を使えぬ半端者と判断され、国家魔法士委員会からは神霊魔法の使い手たる【神の使徒】にも認定されず、【神の使徒】の候補者止まりと見られていたのである。
このためメイアが神霊魔法を使えるということを知るのは、同じ三葉市に住む者でもごく少数であった。
しかし、これはメイアが自ら望んでいた扱い、立場でもある。
国家の宝であり、最高戦力でもある【神の使徒】は、望めばあらゆる物を国が用意し、与えてくれるが、自由だけは与えられず、何をするにも都市自衛軍や都市警察の護衛者が付き添い、私生活まで国の管理対象とされた。
力に怯え、魔法士としての自分の今の生活を守りたいメイアにとって、どちらかと言えば神霊魔法は、使える方が困る魔法系統だったのである。
ただ、今はその神霊魔法が必要だった。
自分の想いを曲げてでも、神の魔法を使う必要に迫られていたのである。
それ故に、メイアは怖がりつつも【雷命の女神:ミカヅチヒメ】に会釈した。
「……申し訳ありません。虫が良いのは分かっていますが、どうか今だけ力を貸してください」
神霊種魔獣は終始無言だったが、メイアの方にスッと近付いて来て、メイアとその姿を重ねた。
命彦が背後で爆発するように放出される魔力の奔流に気付き、フッと笑う。
「……神霊儀式魔法《神降ろし》。ようやく重い腰を上げたか、メイア。これで俺達の勝ちは確定だ」
『はい。お疲れ様でしたマヒコ』
勝利を確信して戦闘を止め、ドリアードから距離を取った命彦とミサヤ。
ドリアードも攻撃の手を止め、凄まじい魔力の発生源を己が目で確認する。
空太の横で、結界魔法に守られていたメイアが、ふわりと重力を無視するように浮き上がり、そのメイアの背後に、羽衣姿の美女が巨神のように投影された。
神々しいその姿にしばし見入る命彦と、以前にも見たとばかりに激しい殺意を全身で表現するドリアード。
ドリアードが火の範囲系魔法弾を具現化して、空を飛んでゆっくりと接近して来るメイアに放った。
その瞬間、火の範囲系魔法弾が一瞬で霧散し、ドリアードがメイアの手から迸った雷撃、神霊攻撃魔法に貫かれる。
【雷命の女神:ミカヅチヒメ】は、原始の海に数多の落雷が落ちて地球生命の基が誕生したことを裏付けるように、雷と生命を司る女神であり、攻撃魔法と治癒魔法を最も得意としている。
そもそも神霊魔法は、あらゆる魔法術式を一瞬で具現化する、魔法の常識をも逸脱した魔法系統であるが、その神霊魔法においても、特に【雷命の女神:ミカヅチヒメ】は、攻撃魔法術式と治癒魔法術式を得意とするわけである。
当然その攻撃魔法の破壊力たるや、天魔種魔獣【女霊樹】の想像を超えた。
「アアアアァァァ―ッ!」
メイアの反撃を予測して、移動系の結界魔法とはいえ、8重に重ねられた魔法防壁を瞬時に展開したにもかかわらず、ドリアードは感電して酷く負傷した。
天魔種魔獣の多重魔法防壁を、女神の雷撃は容易に貫通したらしい。
学科魔法士の間では、神霊攻撃魔法の防御には精霊魔法の魔法防壁が最低9枚は必要、と言われていた。
精霊融合魔法による魔法防壁であれば、4枚か5枚でも止められるだろうと想定されているが、そもそも精霊融合魔法を具現化している間に普通は即死させられるので、1対1で神霊魔法の使い手と戦う場合には、この想定自体が無意味である。
力の差を呪うように憎しみにまみれた目で、メイアを見るドリアードが、ボロボロの身体で追尾系魔法弾を多数放つが、ことごとくメイアの眼前に展開された神霊魔法、神霊結界魔法に阻まれ、霧散した。
ドリアードの常軌を逸した怒りを感じ取り、命彦は首を傾げる。
「これだけの力の差だ。普通は高位魔獣でもメイアに見入って固まるか、怖気づいて逃げる筈だが……滅茶苦茶怒って攻撃してるぞ、あいつ? 以前にも神霊魔法を見たことがあんのかね?」
『さて、それは分かりませんが……案外アズサあたりに一度コテンパンにのされて、逃げ出した過去でもあるのかもしれませんよ?』
「ははは、そりゃあいい。梓さんが取り逃がした高位魔獣を討ったら、メイアも自分の神霊魔法の制御に、少しは自信を持つかもしんねえ。こいつはメイアに任せて、俺達は退こうミサヤ? 残敵を掃討する」
『はい』
風の魔法力場で付与された機動力によって、一気に戦場を駆け抜ける命彦。
ドリアードを目指してゆるりと空を飛ぶメイアとすれ違い、命彦は一言だけ素早く言って離れた。
「きっちり仕留めろよ、メイア?」
「分かってるわ」
メイアの声を聞いて少し安心したように命彦が笑う。
神霊魔法の使用で気を付けるべきことはただ一つ。余りある神の力に呑まれ、心を失うことである。
メイアがメイアとして会話できる限り、神の力はメイアの力として使えた。
メイアとの会話が成立したが故に、命彦も安心したのである。
メイアとすれ違った命彦は、切り札を出したメイアの姿を見て、呆然とする舞子の横に降り立った。
「おい、敵が止まってる絶好機に攻撃しねえでどうすんだよ?」
ツルメ達も、勇子までもが、メイアの悠然と飛行する姿を目で追い、戦闘を忘れているのを見て、命彦がため息をつきつつ舞子に問うた。
すると舞子が慌てて指差して言う。
「あひゃあ、び、びっくりしました! 命彦さん! あ、あれ見てくださいよ、メイアさんが神霊魔法を!」
「知ってるよ。落ち着け、俺らはメイアの切り札である神霊魔法について、最初から知ってるっての。勇子は……よし、気付いて戦闘し始めた。舞子も今のうちだ、行け!」
「あ、はい!」
舞子を送り出した命彦は、手近にいたツルメを風の魔法力場を集束した刀身でサッと両断し、結界魔法内でギリギリまで追尾系魔法弾を具現化していた空太に話しかけた。
「待たせた、平気か空太?」
「いや、結構きわどいところだったよ。魔力切れ寸前だ」
「分かった。座って休んでろよ、もうじき終わる」
「ふふふ、そうさせてもらうよ……はあー疲れた」
空太がそう言って、結界魔法内部の瓦礫の塊に腰かけて座った時。
天空に3つの輝く球状の雷電が生じ、ドゴゴゴンと極太の雷撃が、3つの球状雷電からドリアードへと走った。
「終わりよ」
ドリアードとの距離を静かに詰めて行くメイアが、極太の雷撃を3発見舞う。
4重の魔法力場を纏い、ドリアードは12の魔法防壁を瞬時に展開したが、1発の雷撃で全ての魔法防壁が吹き飛び、2発目の雷撃が4重の魔法力場ごとドリアードを焼いた。
ズズンと倒れたがまだ息があるドリアードへ、3発目の雷撃が無慈悲に突き刺さる。
肩から下腹部まで丸く消し飛ばされ、遂に天魔種魔獣【女霊樹】は息絶えた。
神の力の全能感を堪えつつ、メイアが背後を見ると舞子と勇子、そして命彦がツルメを掃討していた。
舞子とツルメが1対1で戦えるよう、勇子と〈シロン〉、命彦がツルメ達を分断している。
「はあぁああぁぁーっ!」
1対1で戦う舞子の燃える右拳が、ツルメの腹を打った。
吹っ飛ばされて転がった先ですぐに起き上がり、どうにか距離を取ろうとするツルメに対して、舞子は徹底的に追いかけ、〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉を振るう。
止むを得ず接近戦のための地の魔法力場を身に纏ったツルメの腹に、もう一度3重の魔法力場を纏う舞子の拳がめり込んだ。
吹き飛ばされて廃墟にめり込むツルメへ、舞子がマグマフィストの回転式弾倉を手動で回して、止めを刺すべく肉迫する。
その時、舞子はツルメの怯える顔を視界に捉えてしまった。
一瞬、舞子の身体が止まる。ツルメの顔が、許しを請う人間の少女の顔に見えて、攻撃を躊躇ったのである。
まんまとツルメの戦術にはまった舞子は、追い詰めていた筈のツルメから、顔面を思い切り殴打され、吹き飛ばされた。
「ぐはっ!」
殴打で吹っ飛んだ衝撃で、マグマフィストの破砕杭が作動し、拳の先から魔法結晶に封入されていた《火炎の矢》が、明後日の方角へと飛んで行く。
弾を1発無駄撃ちして倒れた舞子が起き上がる前に、地の集束系魔法弾を具現化して、舞子に止めを刺そうとするツルメ。
そのツルメの側頭部に、命彦の風の追尾系魔法弾が1つ炸裂し、ツルメがもんどりうって倒れた。
そして、勇子の厳しい叱責が舞子の耳を打つ。
「アホンダラっ! 止めを刺そうとするこっちを迷わせるために、こいつらはか弱い女や子どもの姿をしとんねんぞ! 分かりやすい視覚心理戦に引っかかっとんちゃうわ!」
「ぐくっ、は、はいっ!」
多勢のツルメを4体の〈シロン〉と相手にしていた勇子は、命彦の援護もあったのか、すでにそのほとんどを倒し終えていた。
命彦の視線に気付いた舞子は即座に立ち上がると、こちらもようやく立ち上がったツルメへ飛びかかる。
「てえぃやっ!」
自分を殴り飛ばしたツルメに再度肉迫した舞子は、もはや躊躇わずにツルメの顔面へと、燃える右拳を叩き付けた。
ツルメがまた吹っ飛び、道路を転がる間に、もう一度弾倉を回転させて魔法結晶を装填し、今度こそ止めを刺すべく、舞子はツルメに迫る。
起き上がってこちらを見るツルメの怯える顔に、舞子の燃える右拳が再び炸裂した。
魔法力場と魔法力場がぶつかり合い、ガチンと固い衝撃が腕に走ると、〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉の拳の先から《火炎の矢》が至近距離から放たれ、ツルメの頭部を吹き飛ばした。
バタリと倒れたツルメの痙攣した胴体を見て、荒い呼吸の舞子。
「はあはあはあ……」
やっと1体のツルメを、自らの手で倒した舞子に、勇子が声をかける。
「ようやった、ようやった。見てみい舞子?」
勇子が指差す先では、僅かに生き残った2体のツルメが、逃げて行く姿が見えた。
「はい! 包め《火炎の纏い》、包め《水流の纏い》。最後に、包め《旋風の纏い》」
勇子と舞子が魔法力場で身を包み、メイアと空太が展開した周囲系の精霊結界魔法から出て、追加で2体の〈シロン〉を破壊したツルメ達と対峙する。
「怖いか舞子?」
「はい。でも、今は動けます! 私は戦える、戦えるんです!」
ポマコンでの映像記録を通して、100体近いツルメが、命彦達4人に次々と討伐された場面を見たせいか。
舞子の意識下では、ツルメが恐ろしい魔獣から、少し恐ろしい魔獣へと格下げされたようであった。
そして、不意討ちかつ魔法具の力を借りたとはいえ、勇子を守るために戦い、ツルメを討ち取った事実が、舞子の心のうちに刻み付けられた心的外傷を急速に癒していた。
勇子が12体のツルメを見回して言う。
「恐れんでええ、芋の試練を突破した舞子やったら、1対1でもどうにか戦える。その上、舞子は親方の魔法具を装備しとるんや。有り弾全部使うつもりで行けば、ウチと舞子で8体くらいは余裕で討てる筈。負けることはあらへん。空太、しっかり援護しいや!」
「分かってるよ。舞子の援護を優先するから、勇子は好きに暴れててくれ」
「おうよ! ……じゃあ〈シロン〉も4体が揃ったし、行くで!」
「はい! やあああぁぁぁーっ!」
どうにか動ける状態の〈シロン〉達が、舞子と勇子の傍に集まると同時に、駆け出す舞子。
舞子とツルメの戦いが始まった一方で、結界魔法に空太と籠り、合掌して瞑目していたメイアは、残り僅かである魔力を有効に使うため、追尾系魔法弾のみでツルメ達を攻撃する横の空太を無視して、深く静かに呼吸し、自らの外に意識を拡散させていた。
身体から心が、魂が解放されて、見えている空間・次元の裏に入り込む想像図を脳裏で思い描き、自身の魔力に意識を乗せて、外へ外へと感覚を拡げて研ぎ澄ます。
そして、メイアは見付けた。
自身のすぐ傍の次元に潜む、神と呼ばれる魔獣、神霊種魔獣を。
「……っ!」
白い羽衣を纏い、天空を思わせる蒼の着物を身に付ける、神々しき黒髪紫眼の美女。
人の姿をしたその神霊種魔獣を見て、メイアは呼吸が止まるほど身を固くした。
1年前、メイアが〔魔工士〕の学科魔法士資格を取得したその日に、突然眼前へと現れ、メイアへ自らの加護を与えて、有無を言わさず眷属とした【雷命の女神:ミカヅチヒメ】。
それが、メイアの前に立つ神霊種魔獣であった。
力を求める多くの魔法士にとって、神霊種魔獣の加護は喉から手が出るほど欲しいモノ。それこそ己の人生の全てと交換してでも手に入れたい力であったが、メイアにとっての神霊種魔獣は、ただただ恐ろしい畏怖の対象であった。
そもそもどうしてメイアを眷属に選んだのか、その理由さえもよく分からず、突然国家をも転覆させるほどの力を持たされたのである。
魔法の才能に溢れること以外、魔法機械の開発に貪欲であること以外は、普通の少女であったメイアにとって、神霊種魔獣の力は余りに過ぎた代物だった。
余りあるその力が、いつか自分の身を、自分の親しい者達の身を滅ぼすのではと、メイアは神霊の加護を得てからずっと懊悩していたのである。
神霊種魔獣の力を肌身で感じるが故に、メイアはその力の行使に怯え、できる限りその力を使わぬように、自らを律していた。
そのせいで、メイアは神霊の加護を得ても、神の力に怯えてろくに神霊魔法を使えぬ半端者と判断され、国家魔法士委員会からは神霊魔法の使い手たる【神の使徒】にも認定されず、【神の使徒】の候補者止まりと見られていたのである。
このためメイアが神霊魔法を使えるということを知るのは、同じ三葉市に住む者でもごく少数であった。
しかし、これはメイアが自ら望んでいた扱い、立場でもある。
国家の宝であり、最高戦力でもある【神の使徒】は、望めばあらゆる物を国が用意し、与えてくれるが、自由だけは与えられず、何をするにも都市自衛軍や都市警察の護衛者が付き添い、私生活まで国の管理対象とされた。
力に怯え、魔法士としての自分の今の生活を守りたいメイアにとって、どちらかと言えば神霊魔法は、使える方が困る魔法系統だったのである。
ただ、今はその神霊魔法が必要だった。
自分の想いを曲げてでも、神の魔法を使う必要に迫られていたのである。
それ故に、メイアは怖がりつつも【雷命の女神:ミカヅチヒメ】に会釈した。
「……申し訳ありません。虫が良いのは分かっていますが、どうか今だけ力を貸してください」
神霊種魔獣は終始無言だったが、メイアの方にスッと近付いて来て、メイアとその姿を重ねた。
命彦が背後で爆発するように放出される魔力の奔流に気付き、フッと笑う。
「……神霊儀式魔法《神降ろし》。ようやく重い腰を上げたか、メイア。これで俺達の勝ちは確定だ」
『はい。お疲れ様でしたマヒコ』
勝利を確信して戦闘を止め、ドリアードから距離を取った命彦とミサヤ。
ドリアードも攻撃の手を止め、凄まじい魔力の発生源を己が目で確認する。
空太の横で、結界魔法に守られていたメイアが、ふわりと重力を無視するように浮き上がり、そのメイアの背後に、羽衣姿の美女が巨神のように投影された。
神々しいその姿にしばし見入る命彦と、以前にも見たとばかりに激しい殺意を全身で表現するドリアード。
ドリアードが火の範囲系魔法弾を具現化して、空を飛んでゆっくりと接近して来るメイアに放った。
その瞬間、火の範囲系魔法弾が一瞬で霧散し、ドリアードがメイアの手から迸った雷撃、神霊攻撃魔法に貫かれる。
【雷命の女神:ミカヅチヒメ】は、原始の海に数多の落雷が落ちて地球生命の基が誕生したことを裏付けるように、雷と生命を司る女神であり、攻撃魔法と治癒魔法を最も得意としている。
そもそも神霊魔法は、あらゆる魔法術式を一瞬で具現化する、魔法の常識をも逸脱した魔法系統であるが、その神霊魔法においても、特に【雷命の女神:ミカヅチヒメ】は、攻撃魔法術式と治癒魔法術式を得意とするわけである。
当然その攻撃魔法の破壊力たるや、天魔種魔獣【女霊樹】の想像を超えた。
「アアアアァァァ―ッ!」
メイアの反撃を予測して、移動系の結界魔法とはいえ、8重に重ねられた魔法防壁を瞬時に展開したにもかかわらず、ドリアードは感電して酷く負傷した。
天魔種魔獣の多重魔法防壁を、女神の雷撃は容易に貫通したらしい。
学科魔法士の間では、神霊攻撃魔法の防御には精霊魔法の魔法防壁が最低9枚は必要、と言われていた。
精霊融合魔法による魔法防壁であれば、4枚か5枚でも止められるだろうと想定されているが、そもそも精霊融合魔法を具現化している間に普通は即死させられるので、1対1で神霊魔法の使い手と戦う場合には、この想定自体が無意味である。
力の差を呪うように憎しみにまみれた目で、メイアを見るドリアードが、ボロボロの身体で追尾系魔法弾を多数放つが、ことごとくメイアの眼前に展開された神霊魔法、神霊結界魔法に阻まれ、霧散した。
ドリアードの常軌を逸した怒りを感じ取り、命彦は首を傾げる。
「これだけの力の差だ。普通は高位魔獣でもメイアに見入って固まるか、怖気づいて逃げる筈だが……滅茶苦茶怒って攻撃してるぞ、あいつ? 以前にも神霊魔法を見たことがあんのかね?」
『さて、それは分かりませんが……案外アズサあたりに一度コテンパンにのされて、逃げ出した過去でもあるのかもしれませんよ?』
「ははは、そりゃあいい。梓さんが取り逃がした高位魔獣を討ったら、メイアも自分の神霊魔法の制御に、少しは自信を持つかもしんねえ。こいつはメイアに任せて、俺達は退こうミサヤ? 残敵を掃討する」
『はい』
風の魔法力場で付与された機動力によって、一気に戦場を駆け抜ける命彦。
ドリアードを目指してゆるりと空を飛ぶメイアとすれ違い、命彦は一言だけ素早く言って離れた。
「きっちり仕留めろよ、メイア?」
「分かってるわ」
メイアの声を聞いて少し安心したように命彦が笑う。
神霊魔法の使用で気を付けるべきことはただ一つ。余りある神の力に呑まれ、心を失うことである。
メイアがメイアとして会話できる限り、神の力はメイアの力として使えた。
メイアとの会話が成立したが故に、命彦も安心したのである。
メイアとすれ違った命彦は、切り札を出したメイアの姿を見て、呆然とする舞子の横に降り立った。
「おい、敵が止まってる絶好機に攻撃しねえでどうすんだよ?」
ツルメ達も、勇子までもが、メイアの悠然と飛行する姿を目で追い、戦闘を忘れているのを見て、命彦がため息をつきつつ舞子に問うた。
すると舞子が慌てて指差して言う。
「あひゃあ、び、びっくりしました! 命彦さん! あ、あれ見てくださいよ、メイアさんが神霊魔法を!」
「知ってるよ。落ち着け、俺らはメイアの切り札である神霊魔法について、最初から知ってるっての。勇子は……よし、気付いて戦闘し始めた。舞子も今のうちだ、行け!」
「あ、はい!」
舞子を送り出した命彦は、手近にいたツルメを風の魔法力場を集束した刀身でサッと両断し、結界魔法内でギリギリまで追尾系魔法弾を具現化していた空太に話しかけた。
「待たせた、平気か空太?」
「いや、結構きわどいところだったよ。魔力切れ寸前だ」
「分かった。座って休んでろよ、もうじき終わる」
「ふふふ、そうさせてもらうよ……はあー疲れた」
空太がそう言って、結界魔法内部の瓦礫の塊に腰かけて座った時。
天空に3つの輝く球状の雷電が生じ、ドゴゴゴンと極太の雷撃が、3つの球状雷電からドリアードへと走った。
「終わりよ」
ドリアードとの距離を静かに詰めて行くメイアが、極太の雷撃を3発見舞う。
4重の魔法力場を纏い、ドリアードは12の魔法防壁を瞬時に展開したが、1発の雷撃で全ての魔法防壁が吹き飛び、2発目の雷撃が4重の魔法力場ごとドリアードを焼いた。
ズズンと倒れたがまだ息があるドリアードへ、3発目の雷撃が無慈悲に突き刺さる。
肩から下腹部まで丸く消し飛ばされ、遂に天魔種魔獣【女霊樹】は息絶えた。
神の力の全能感を堪えつつ、メイアが背後を見ると舞子と勇子、そして命彦がツルメを掃討していた。
舞子とツルメが1対1で戦えるよう、勇子と〈シロン〉、命彦がツルメ達を分断している。
「はあぁああぁぁーっ!」
1対1で戦う舞子の燃える右拳が、ツルメの腹を打った。
吹っ飛ばされて転がった先ですぐに起き上がり、どうにか距離を取ろうとするツルメに対して、舞子は徹底的に追いかけ、〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉を振るう。
止むを得ず接近戦のための地の魔法力場を身に纏ったツルメの腹に、もう一度3重の魔法力場を纏う舞子の拳がめり込んだ。
吹き飛ばされて廃墟にめり込むツルメへ、舞子がマグマフィストの回転式弾倉を手動で回して、止めを刺すべく肉迫する。
その時、舞子はツルメの怯える顔を視界に捉えてしまった。
一瞬、舞子の身体が止まる。ツルメの顔が、許しを請う人間の少女の顔に見えて、攻撃を躊躇ったのである。
まんまとツルメの戦術にはまった舞子は、追い詰めていた筈のツルメから、顔面を思い切り殴打され、吹き飛ばされた。
「ぐはっ!」
殴打で吹っ飛んだ衝撃で、マグマフィストの破砕杭が作動し、拳の先から魔法結晶に封入されていた《火炎の矢》が、明後日の方角へと飛んで行く。
弾を1発無駄撃ちして倒れた舞子が起き上がる前に、地の集束系魔法弾を具現化して、舞子に止めを刺そうとするツルメ。
そのツルメの側頭部に、命彦の風の追尾系魔法弾が1つ炸裂し、ツルメがもんどりうって倒れた。
そして、勇子の厳しい叱責が舞子の耳を打つ。
「アホンダラっ! 止めを刺そうとするこっちを迷わせるために、こいつらはか弱い女や子どもの姿をしとんねんぞ! 分かりやすい視覚心理戦に引っかかっとんちゃうわ!」
「ぐくっ、は、はいっ!」
多勢のツルメを4体の〈シロン〉と相手にしていた勇子は、命彦の援護もあったのか、すでにそのほとんどを倒し終えていた。
命彦の視線に気付いた舞子は即座に立ち上がると、こちらもようやく立ち上がったツルメへ飛びかかる。
「てえぃやっ!」
自分を殴り飛ばしたツルメに再度肉迫した舞子は、もはや躊躇わずにツルメの顔面へと、燃える右拳を叩き付けた。
ツルメがまた吹っ飛び、道路を転がる間に、もう一度弾倉を回転させて魔法結晶を装填し、今度こそ止めを刺すべく、舞子はツルメに迫る。
起き上がってこちらを見るツルメの怯える顔に、舞子の燃える右拳が再び炸裂した。
魔法力場と魔法力場がぶつかり合い、ガチンと固い衝撃が腕に走ると、〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉の拳の先から《火炎の矢》が至近距離から放たれ、ツルメの頭部を吹き飛ばした。
バタリと倒れたツルメの痙攣した胴体を見て、荒い呼吸の舞子。
「はあはあはあ……」
やっと1体のツルメを、自らの手で倒した舞子に、勇子が声をかける。
「ようやった、ようやった。見てみい舞子?」
勇子が指差す先では、僅かに生き残った2体のツルメが、逃げて行く姿が見えた。
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ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
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