学科魔法士の迷宮冒険記(最終版)

九語 夢彦

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終章 決戦

終章-8:新しい〈魔甲拳〉と、3つの切り札

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 店舗棟3階の社宅村を出た命彦と舞子は、会話による足留めを避けるため、従業員達から隠れるように階段を降り、開発棟へと移動した。
 店舗棟と開発棟の間にある庭へ出ると、命彦達の視界に【精霊本舗】の三方を囲むようにくっ付く、3つの邸宅が映る。
 魂斬邸、鬼土邸、風羽邸。広い敷地を持つ3つの邸宅が【精霊本舗】にくっ付いて、上空300mほどで浮いている姿を間近で見て、舞子は思わず歩く足を止めた。
「……本当に、空の上に家があるんですね」
「おいおい、こういう景色は報道番組でもよく見られるだろうが? 富裕家庭や一流企業の避難訓練特集とか言ってさ。まあ実際、映像で見るのと間近で見るのとじゃ、受ける印象も違うんだろうが……ほら、行くぞ舞子」
「あ、はい」
 命彦に急かされ、舞子が歩き出す。
 いつもであれば庭でトンテンカンと槌を振るう〔魔具士〕の職人達、開発部の従業員達がいる筈だが、今回は宴会の用意に駆り出されているのか、全員の姿が庭から消えていた。
 それをありがたく思いつつ、命彦は開発棟の2階にある個室、開発部長のドワーフ翁が個人作業室として使う部屋に入って、口を開く。
「ドム爺、いるかい?」
「これは若様、もうお加減はよろしいのですかのう?」
 作業机の上で、一人黙々と書類の束を見ていたドワーフ翁が、嬉しそうにニコリと笑った。
「ああ、十分回復したよ。会いに来るのが遅れてごめん。あと……さっさと入れよ、舞子」
「し、失礼します」
 引き戸の影に隠れて、まだ迷いの見える舞子を作業室に呼び入れ、命彦が言う。
「舞子もドム爺に用があるってんで、一緒に連れて来た。まずは舞子の用件をさっさと済ませようか」
「おお、マイコ嬢も一緒かのう? 用件というのは魔法具の賃貸契約のことじゃろう? そう言えば、マイコ嬢は一度契約のために店へ来てくれとったそうじゃが、その時は若様が倒れたことでオタつくワシを気遣い、帰ったと店の者達から聞いた。気を遣わせてすまんかったのう、マイコ嬢」
「い、いえ……」
 まごつく舞子に気付かず、親方が作業机を立って、近付いて来る。
「どれ、マグマフィストを見せてくれるか? 契約書はもう用意しとる。軽く点検してから契約を結ぶとしよう。……ふむ? マイコ嬢、どうしたんじゃ、その〈旋風の外套〉は?」
 ドワーフ翁は、すぐに舞子の装備する手縫いで修復された〈旋風の外套〉に気付き、心配そうに問うた。
 舞子は意を決して、〈余次元の鞄〉から凹んだ〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉も取り出し、口を開く。
「お、親方! 実は……」
 舞子は、眷霊種魔獣の三葉市への襲撃に巻き込まれ、魔法攻撃を受け止めて〈旋風の外套〉とマグマフィストが壊れたことを説明した。
 ドワーフ翁は黙って舞子の話を最後まで聞き、感心したように優しく笑う。
「そうじゃったのか。エライ無茶をしたのう? ミツル様と一緒に、眷霊種魔獣の魔法攻撃に巻き込まれたことは聞いとったが、短時間とはいえ、まさか交戦までしとったは思わんかったわい。若様でさえ死にかけた相手の魔法攻撃に、よくぞ新人で挑んだ。戦士の務めをよう果たした」
「いえ、お店の魔法具が守ってくれたんです……申し訳ありません、魔法具を壊してしまって」
 舞子が頭を下げて、〈旋風の外套〉とマグマフィストをドワーフ翁に差し出すと、ドワーフ翁は魔法具達を受け取って言った。
「よいよい。この子らは、この世に生まれた役目を果たしたんじゃ。謝るよりも褒めてやってくれい」
「はい。私を守ってくれて……ありがとう魔法具達」
 舞子が魔法具達をじっと見て感謝すると、自分が手に持った2つの魔法具をサッと点検し、ドワーフ翁が言う。
「〈旋風の外套〉はもう駄目じゃのう? 封入した魔法も抜けて、ただの破れた外套と化しとる。マグマフィストの方は、封入した魔法はまだ残っとるが左腕の弾倉が回らんのか。ふーむ、〈魔甲拳〉は作りがちと面倒でのう? 修理をするのは難しいんじゃ。壊れた魔法具や凹んだ魔法具も、全部分解して使える素材を抜き出し、新しい〈魔甲拳〉を作った方が速いじゃろうて」
「あ、あの! マグマフィストは買い取りますので、その部品を使って私に新しい〈魔甲拳〉を作っていただけませんか?」
 ドワーフ翁の返答をビクビクして待つ舞子。答えはすぐにあった。
「分かったぞい。マグマフィストの素材を流用して、新しいマイコ嬢の〈魔甲拳〉を作ってやろう」
「ほ、ホントですか! ありがとうございますっ!」
 不安から解放され、嬉しさのあまりに勢いよく頭を下げた舞子。
 その舞子へ、ドワーフ翁は作業机の引き出しから布の包みを取り出し、差し出して言う。
「新しい〈魔甲拳〉ができるまでは……ほれ、これを使うとよかろう」
「こ、これって、まさか別の〈魔甲拳〉ですか!」
 包みを開いて出た純白の籠手状の魔法具を見て、驚きに目を丸くする舞子。
 その舞子へドワーフ翁が笑って言う。
「うむ。〈双聖そうせいの魔甲拳:セイクリッドフィスト〉じゃ。両腕に《陽聖の纏い》を封入した魔法具での、完成したばかりで商品として出すかどうか、迷っておったんじゃよ。こいつも、本来じゃったら廃棄する筈の素材達から、作ったモンじゃからのう?」
「また廃棄素材から作ってたのかよ、ドム爺?」
 呆れた様子で命彦が言うと、ドワーフ翁は苦笑を返した。
「捨てる素材の有効活用じゃて、見逃してくだされ若様。ほれマイコ嬢、装備してみてくれんかのう?」
「は、はい! ……凄い、腕に吸い付くみたい、マグマフィストより全然軽いですよっ!」
 舞子がセイクリッドフィストを装備して、感動の声を上げる。
「そいつは最初から女性が使用することを想定したからのう? また使用感を試してくれるとありがたいわい」
 ドワーフ翁がそう言って契約書を出すと、契約書に印字された〈地炎の魔甲拳:マグマフィスト〉の部分に2重線を引き、〈双聖の魔甲拳:セイクリッドフィスト〉に書き換えた。
 ドワーフ翁から契約書を受け取り、契約事項を確認して、立会人の欄に記入した命彦が言う。
「この賃貸契約書はマグマフィスト用だが、商品が壊れちまった以上は仕方ねえ。今回はそいつで契約を結べよ、舞子。俺が見届けてやる。別の書類を作るのも紙と時間の無駄だし、どうせ賃貸料は同じだろ、ドム爺?」
「うむ。使った素材は違うが、同じ廃棄素材じゃしのう? 価格も一律じゃて、ふぉふぉふぉ」
「壊れた〈魔甲拳〉の弁償は、舞子用の新しい〈魔甲拳〉が完成してからもらうことにする。〈魔甲拳〉は基本的に高額だし、魔法結晶の弾も必要だ。弁償額も新しい〈魔甲拳〉の価格も、相応に高いと思えよ?」
「さ、3000万円あっても足りませんか?」
「使う素材によるのう? まあ新しい〈魔甲拳〉の価格は、設計ができてから要相談じゃ。分割払いも受け付けておるから安心せい、マイコ嬢」
「は、はい! お2人ともありがとうございます」
 舞子が契約書に必要事項を記入している間、目に真剣さを宿した命彦がドワーフ翁に言う。
「舞子の用件が終わったところで、本題だドム爺」
「ほう、若様は別件かのう?」
「ああ。……眷霊種魔獣を討つため、《戦神》の上から魔法具を装備したい。急いでそれができる魔法具を作って欲しいんだ」
 一拍おいて、命彦が語った言葉にドワーフ翁が眉をピクリと上げ、舞子も契約書を書く手を止めた。

「ほぉう? 面白いことをおっしゃる。《戦神》は常軌を逸した戦闘力を発揮し得る、魔力物質製の外骨格じゃ。それ自体が全身を覆う架空の魔法具とも言える。その上に、改めて別の魔法具を装備したいとは……いやはや、師弟とはよく似るモンじゃわい」
 ドワーフ翁が太い腕を組み、感心するように言った。命彦が不思議そうに問う。
「師弟とはよく似るモン? どういうことだ、ドム爺?」
「かつて同じことを会長が、ワシと代表におっしゃったことがあるんじゃよ。《戦神》の上から装備できる魔法具を開発せよ、とのう」
「祖父ちゃんが、ドム爺と祖母ちゃんにか?」
「うむ。当時の会長も、今の若様のように、眷霊種魔獣を討つためと言っておられたわい。魔法具には、体格差のある亜人や人間でもすぐ装備できるよう、止め帯ベルト規格サイズの調節ができるモノもある。それだったら、《戦神》の上から装備できる魔法具もすぐに作れる筈だと、そうおっしゃられてのう?」
「それで、その眷霊種魔獣を討つための魔法具の開発は、成功したんですか?」
 契約書を書き終えて、好奇心から舞子が問うと、ドワーフ翁が苦笑した。
「いんや、見事に失敗したわい。《戦神》の上に装備できる魔法具を作ること自体は簡単じゃったが、当時の会長や今の若様が本当に求めておられる魔法具は、単に《戦神》の上から装備できればいい、と言うモノではございますまい? 《戦神》に、神霊魔法の攻撃に耐える防御力と、神霊魔法の防御を撃ち砕く攻撃力を、それぞれ上乗せできる魔法具の筈じゃ」
「ああ、そうだ。……失敗したってことは、ドム爺や祖母ちゃんでも、そういう魔法具を作ることは難しかったのか?」
「まあ1人や2人で作るのは、相当難しいですのう? 開発にも随分時間がかかりましたわい。やっとこさ防具型魔法具の試作品を数点作り、会長に試用してもらったんじゃが、これがまた随分不評でのう? 動きにくくて実戦じゃ使えん、装備しとる方が戦闘力が落ちると、散々に言われましたわい。あまりに不評だったもので、遂にユイト様が……代表がえらく怒ってのう? ふぉふぉふぉ、それでその魔法具の開発は凍結されたんじゃよ」
「そうだったんですか」
 舞子が命彦の方を見る。命彦はドワーフ翁の話を聞いて、考え込んでいる様子だった。
「参考までに聞かせてくれるか、ドム爺。祖父ちゃんは、どういう点に不満を持ってたんだ?」
「防具型魔法具しか試しとらんからのう。それについてしか言えんが、よろしいかの、若様?」
「構わん、是非聞かせてくれ」
 命彦の必死さを感じたのか、ドワーフ翁が真剣に語った。
「うむ。最たる不満点は動きにくさじゃった。《戦神》による戦闘は、物理法則を無視した高速戦闘。その動きの激しさは、そこいらの防具型魔法具ではとても耐え切れん。動作のたびに魔力物質と魔法具が激しくぶつかり合い、魔法具の方が損傷する。ゆえに、本来であれば防具型魔法具を付ける方が無意味じゃった。戦っとる間に、勝手に魔法具が壊れてしまうからのう? しかし、神霊魔法対策にワシと代表が作った防具型魔法具は、魔法防御力をひたすら高めた物じゃ。どれだけ激しく動こうが、少々のことでは破損せん。《戦神》の上からでも装備できる硬さを持っておったが、その硬さが、今度は会長の動きを阻害してしまったんじゃよ」
「そういうことか……それで祖父ちゃんは、装備した方が戦闘力が落ちる判断したわけだ」
「え、え? どういうことですか、命彦さん?」
 命彦が全てを理解したように首を縦に振ると、舞子が疑問の顔で問う。
 命彦はドワーフ翁と顔を見合わせ、舞子に解説した。
「高速戦闘時には、僅かにある動作の乱れが、思いも寄らん隙を生み、致命傷を招く。いつもよりほんの少し動きが違ったり、単に動きにくいだけでも、それが死を招く危険性があるんだよ。だから祖父ちゃんは、戦闘に使えんと言ったんだ」
「会長が求めた魔法具は、《戦神》の動きを阻害せずに戦闘力だけを高める魔法具じゃ。防具型魔法具に関しても然り。いつも通りに動ける上で、《戦神》に神霊魔法に耐え得る魔法防御力を与える。そういう防具型魔法具を求めておられた。いつも通りに動けん時点で、その防具型魔法具は装備に不適だったんじゃよ」
「あー……そういうことですか」
 舞子がコクコク首を振る姿を無視して、命彦はまた考え込む。
「祖父ちゃんに祖母ちゃん、ドム爺が、すでに同じことを一度試していたとは……しかも、開発に失敗してただと? どうするよ、これは誤算だったぞ? 確かに簡単にはできねえだろうと思ってたが、それでもドム爺だったらと、気楽に考えてた。マズい、これはマズい」
 命彦の言葉は平坦だったが、その表情は本気で焦っている様子が見えた。
 その命彦を見て、ドワーフ翁が苦笑する。
「若様、誤算は言い過ぎじゃぞい? ワシと代表は確かに魔法具開発に1度失敗したが、ワシにも代表にも、職人として、〔魔具士〕としての意地がある。開発が棟結された後も、会長を交えて、この《戦神》の上から装備できる魔法具については、議論することが多々あった。次回これを作る時は、試したい工夫も幾つか思い付いとったんじゃ。ただ、【夫婦魔神】と称されるあのお2人には、もうこの魔法具が不要と思うくらいの、眷霊種魔獣への対抗策があった。それゆえに、議論の結果を今まで試せんかったんじゃよ?」
「ということは、もしかして?」
 舞子が言うと、ドワーフ翁が少年のように目を輝かせる。
「うむ。ようやく試せる時が来たと言うことじゃ。店の人員と魔法具、素材に至るまで、好きに使っていいと若様が命じてくだされば、このドルグラム、全力を持って若様の望む魔法具を作って見せましょうぞ?」
「できるのかドム爺、時間は相当限られてるんだぞ? 神霊魔法による攻撃に耐え、防御を打ち砕くほどの魔法具って言うと、1つの精霊魔法を封入した魔法具ではまず無理だ。複数の精霊魔法を封入した魔法具か、精霊融合魔法を封入した魔法具しかあり得ねえ。その種の魔法具は、軽く製作期間が数カ月に及ぶ筈。たとえ店にある魔法具を流用したとしても、明日までに用意するのはほぼ不可能に近いぞ?」
 命彦の言葉に、ドワーフ翁は嬉しそうに笑った。
「ふぉふぉふぉ、若様は自分で不可能と思いつつも、ワシであればもしやと思い、こうして頼みに来られたわけか。嬉しいのう……〔魔具士〕冥利に尽きるわい」
「いやまあ、自分でも矛盾してるとは思うんだが、ドム爺だったらと思ったのは、事実だ。浅はかだったと、今は反省してる。少し冷静さを欠いていたのかもしれん」
 命彦がはずかしそうに言うと、ドワーフ翁が優しい目をして言う。
「よいよい、若いウチはそういうことがあるもんじゃて。まあ、今回のことは、このドルグラムに是非お任せくだされ。〔魔具士〕が1人で、一から十まで全て製作するから、時間がかかるんじゃ。魔法具の設計、素材集めに費用対効果の計算。素材の加工と異相空間処理に、封入する魔法の具現化。これらを1人でするから、時間がかかる。作業量にも魔力量にも限りがあるしのう? しかし……」
 ドワーフ翁が自信満々に言葉を続けた。
「腕の良い〔魔具士〕が60人も揃っておって、人海戦術を使っていいのであれば、相応の魔法具を短期間で作ることは十分に可能じゃ。今回の場合、会長や代表と話して魔法具の設計はすでにできとるし、素材集めもせんでええ。費用対効果も度外視して、最高のモノを作るだけと来ておる。素材の加工と異相空間処理、封入する魔法の具現化も、店の職人達や魔法士を使ってどうにかできるし、足らん部分は他の魔法具で補填して良いとまで言ってくださる。予算と人手、素材さえ気にせんで済むのであれば、明日の昼までには仕上げる自信がありますぞい?」
「ホントかドム爺! で、でも……多分徹夜で突貫作業だろ? きついぞ?」
「ワシを信じてくだされ、若様。宴会でたらふく飯をカッ喰らえば、まだまだ徹夜の1日2日は行けますわい!」
 ドワーフ翁がパシッと自分の太い腕を叩いて言う。命彦は感謝の念を瞳に宿し、語った。
「……分かった。店の従業員総出で手伝うよう、宴会の席でぶち上げる。俺と姉さん達は、別の切り札の用意で手伝えねえ。あと、もしかしたらトト婆とタロ爺も、手伝えねえかもしれん。それでも行けそうか?」
「十分ですわい。ただ、若様には素材の加工時に、一度顔を出して欲しいんじゃ。異相空間処理をして魔法を封入すれば、もう道具の加工はできん。装着感を確かめるのは、素材の加工時に絶対必要じゃからのう?」
「了解した。素材加工時には呼んでくれ」
「うむ、では時が来れば、声をかけさせてもらいますわい。しかし、ホウタロウやトトアまで駆り出すとは、文字通りの店一丸というわけか。若様が用意する切り札は、3つですかの?」
「ああ。全部揃って、ようやく勝率5割か6割ってとこだよ」
 神妙に言う命彦の言葉に、ドワーフ翁がしみじみ答える。
「げに恐ろしきは神霊魔法か。まあ、ワシらもエレメンティアで嫌と言うほど苦しめられましたからのう……このドルグラム、全力を尽くしますぞい」
「頼む。宴会は6時からだ。宴会後に作業があるから酒は駄目だが、8時くらいまでは騒いで、その後は」
「店を上げての突貫作業じゃの? ええ歳こいた爺じゃが、どうにも胸が躍るわい!」
「お、親方が……燃えています」
 拳を握り、ワクワクした様子のドワーフ翁を見て、思わず言う舞子。
 その舞子の横では、命彦がポマコンを取り出して、宴会の用意を取り仕切るエルフ女性に、酒は飲み物から外すよう、連絡していた。
「よし、ソル姉とも連絡がついた。これでいいだろう」
 命彦がポマコンを〈余次元の鞄〉へ仕舞おうとした時、折よくポマコンが震動する。
 ポマコンを見ると、空太から電子郵便が届いており、勇子と空太の親がもうすぐ店に到着することが分かった。
「意外と早く待ち人達が来てくれたか。それじゃ親方、また宴会で会おう。俺は、最後の関門をこじ開けに行って来るよ」
「うむ。楽しみに待つとするわい」 
 そう言って、命彦はドワーフ翁と別れ、開発棟の部屋から出て行った。舞子を置き去りにして。
「あ、待ってくださいよ! 親方、契約書をお願いします! あと、魔法具もありがとうございました。それでは失礼しますね! 命彦さーん」
 残された舞子は、契約書をドワーフ翁に差し出して一礼し、急いで命彦の後を追った。
 その2人を、ドワーフ翁はニコニコと見送った。
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