7 / 21
第7話 二度目の婚約破棄
しおりを挟む
セントフィールド魔法学園の卒業式。
リナージュは主席卒業ということで表彰された。
どうすればいいかだけは、リナージュが教えてくれたので問題はなかった。
けれどそれだけだ。
必要最小限の事以外は口にしてくれない。
さらに卒業生からも在校生からも、リナージュは尊敬の眼差しは向けられない。
向けられるのは侮蔑や嫌悪の表情。
通常なら性格が悪いことや、多少いじめを行っていたくらいではこうはならない。
これは全て王子とマリエアが裏で工作を行った結果だ。
全ての人間に疎まれ嫌われ、そして消えていく。
それがリナージュ・セントフィールド。
悲しませてしまったし、怒らせてしまった。
けれど私がそうはさせない。
式が終わりガヤガヤと沸く中、一人の男が爽やかな笑顔を貼りつけて近付いてくる。
金髪碧眼、痩身長躯。それでも筋肉質であり外見だけなら確かに完璧だと言える。
アイゼン王子をそのまま現実に下ろしたような容姿だが、私にとっては淀んだヘドロのような男。
それでも、リナージュからは愛しいという想いが流れ込んできて、私の心に複雑な想いを抱かせる。
「やぁやぁ、主席卒業おめでとう。流石は僕のリナージュだ。重大な発表があるから壇上に来てもらっても良いかな?」
笑顔も嘘っぱち。言葉も嘘っぱち。
悪を断罪したつもりで、セントフィールド家の私財を乗っ取ろうという計画を企てる男のどこが王子様だというのだろうか。
ヒロインである隣国の王女や、この王子に感情移入できる人間の神経を疑う。
壇上に上がれば待っているのは悲惨な結末。
とはいえ逃げるわけにはいかない。
リナージュには現実を知ってもらって、それから……。
「ありがとうございます。前々からずっと楽しみにしていたんです。重大な発表とはいったい何なのでしょうか?」
「はは。壇上に上がってからのお楽しみだよ」
本来なら手を取ってエスコートでもするべき場面だろうけど、王子は先に歩いていく。
分かっている。
どうせその顔には薄ら寒い笑いを浮かべていることくらい。
(気を確かに持ってよ。失敗すれば魔法を封じられてあなた……いや、同時に私も終わり。それはちょっとごめんだから)
【アイゼンが……そんなことをするわけ……アーシャが……スパイのわけ……】
周りを確認するとアーシャが壇上に近付いて来ようと、回り込んでいるのが見える。
リナージュから不安な気持ちが一気に膨らむ。
現実では見たことないけれど、マリエアの姿も壇上のすぐ下に確認できた。
フローリアの姿は見えないけれど……。
【本当に……カオリの言った通りなのですか? 私は最初から最後まで孤独だったのですか?】
(今は私がいるよ。現実を受け止めて、それから……私があなたの代わりに復讐してあげる)
【そんな……別に復讐だなんて……。けれど、なんとなくカオリの存在が心強いです。アイゼンのことはまだ……信じたい気持ちがありますけど】
(私の言ったことが本当に正しいかは、なってみないと分からない。もしかしたらという可能性も0ではないと思う)
【分かりました……。さっきは酷いこと言ってごめんなさい】
(ううん。ちょっと言い方失敗してたかも。それに大事なのはこれからだから。行くよ)
私は壇上で王子に向かい合った。普通なら隣り合うところだろうけれど、向かい合ったのだ。
王子もそれに異を唱えたりはしない。ニヤニヤと笑いながら私の全身を見つめている。
やはりというかマリエアが書類のようなものを持ちながら、壇上に上がってきて王子に並んだ。
リナージュの不安が押し寄せるようにやってくる。
ゲームの中とは言え一人でこんな気持ちで向かい合ってたんだとしたら、それは私がコウジから受けたものよりも辛かったに違いない。
幼少期からこの時まで嵌められるために生きてきたようなモノ。
それがどんなに辛い事であったのだろうか。
「で、重大な発表って結局何ですか?」
「まずはこれを見たまえ。リナージュがマリエアに行った数々の非道を立証する証拠だ!」
アイゼンはマリエアから書類を受け取ると、ばさっと私に向かって投げつけてきた。
正義の味方気取りなのかもしれないけれど、本当に性格が悪いと思う。
紙を拾い上げてみたけれど、リナージュがマリエアに何かをした、そんなことが誰か知らない人の名前の証言として書かれただけの紙だった。
現代でならこんなもの証拠になりはしない。ただのゴミ束だ。
【本当に真実だったのですね。私には心当たりのないようなこともたくさん書かれています】
嘘で塗り固められたものの中に、少しの真実を含ませる。
詐欺師の常套手段。
「私は毎日毎日リナージュに苛められて……何度死のうと思ったか分かりません!!」
アリエアの叫び声が響く。
私達を見ている観衆から膨大なブーイングが上がる。
知りもしない、分かりもしないくせに、その場の雰囲気と流れに観衆は乗せられる。
「それで……公衆の面前で貶めて、何が目的ですか?」
「はん。これで終わりじゃない! おい、連れて来い!」
いつのまにか後ろ手で縛られたアーシャが王子の前に突きだされる。
何という茶番劇。ゲーム内では細かいところは分からなかったが、さっきまでは自由に歩いていたというのに。
「こいつはリナージュ、いや! お前の専属メイドだな!?」
わざわざお前と言い換えて一体こいつはなんなんだろうか、そんな風に思ったがそれ以上にリナージュから流れ込んでくる悲愴感が、私の心を埋め尽くす。
アーシャはすがるような目をこちらに向けてきているが、それは演技だと分かっている。
どいつもこいつもくそだらけのゲーム。なぜゲームには悪役が必要になるのだろうか。
「ええ、幼少期に命を救ってあげまして、それから大切な大切な親友として、私の側で使えてくれていました」
これくらい嫌味として言ってもいいだろう。
スパイだか何だか知らないが、リナージュを陥れることで、隣国の貴族の妻として迎えられるという褒賞が待っているのだ。
それが人の人生を犠牲にしてでも得たい物だというのであれば、地獄に落ちればいい。
「こいつは隣国アプサロスのスパイだ。証拠は上がっているし自白もした。
幼少期から専属? ということはセントフィールド家は、アプサロスと内通していたのだ!」
さらに巨大化するブーイングの嵐。まるでハリケーンのような怒号に成長していく。
もうどうにもならないし、リナージュから伝わってくるのは半ばあきらめたような気持ち。
可哀そうだが、後は私が好きにやって叩き潰してやるだけ。
「そんな! 嘘です! アーシャはスパイなんかではありません!」
「こう言っているが……どうなんだ?」
アイゼンはアーシャに尋ねかける。
私は見下すように視線を向けた。
アーシャの顔がビクリと揺れる。
「わ、わ、わたし……は……リナージュ様に命じられて……」
「それ以上の嘘を口にしたらあなたは私の敵よ。それでも構わないのね?」
自分でも驚くほどに冷たい声音が出て、アーシャは歯をカチカチと鳴らした。
「私はアプサロスに情報を流しておりました!」
それでも意を決して口にした。
待ってましたと言わんばかりに、隠れていたのかフローリアが白のドレスを着こんだ状態で颯爽と現れる。
ヒロインであるがゆえにおっとりした雰囲気を持つ特別特徴のない女。
けれど、今リナージュが嵌められているのを見て喜んでいるのだとしたら、やはり中身は屑なのだ。
「僕、アイゼンは罪人リナージュ・セントフィールドとの婚約を破棄し、二国間の絆を強めるためフローリアと婚約することをここに宣言す!」
手を高々と上げて宣言し、そしてフローリアと口付けをしてみせた。
怒号のような歓声が沸く。私に向けてモノが投げつけられる。
このままでは裏から出てきた兵士に魔法を封じる手錠をかけられて終わり。
だから、なんとかしなくてはいけないのだけれど。
やはりというか婚約破棄をされるというのは辛い。
コウジの事が思い出されるが、あれは私が勝手に婚約していると思っていただけの事。
けれどリナージュは違う。
愛していた人に大した落ち度もなく嵌められるように婚約破棄された。
いや、それを言うなら私だって同じだった。
悪い事なんて何もしていない。相手のために必至で頑張ってきていたはずだったのに。
なんでこんな思いを二度も、それも短期間でいけないの?
分かっていても辛い。けれど、私の中のリナージュはもっと辛い。
リナージュの失意、絶望、悲観、憤怒、様々な感情が入り混じり私に襲い掛かってくる。
同時にリナージュの人生が、記憶が、想いが、全て流れ込んでくる。
大量の情報が私の頭をショートさせた故か、リナージュの心がショートしてしまったのかは分からないが、そのまま私は意識を失ってしまった。
リナージュは主席卒業ということで表彰された。
どうすればいいかだけは、リナージュが教えてくれたので問題はなかった。
けれどそれだけだ。
必要最小限の事以外は口にしてくれない。
さらに卒業生からも在校生からも、リナージュは尊敬の眼差しは向けられない。
向けられるのは侮蔑や嫌悪の表情。
通常なら性格が悪いことや、多少いじめを行っていたくらいではこうはならない。
これは全て王子とマリエアが裏で工作を行った結果だ。
全ての人間に疎まれ嫌われ、そして消えていく。
それがリナージュ・セントフィールド。
悲しませてしまったし、怒らせてしまった。
けれど私がそうはさせない。
式が終わりガヤガヤと沸く中、一人の男が爽やかな笑顔を貼りつけて近付いてくる。
金髪碧眼、痩身長躯。それでも筋肉質であり外見だけなら確かに完璧だと言える。
アイゼン王子をそのまま現実に下ろしたような容姿だが、私にとっては淀んだヘドロのような男。
それでも、リナージュからは愛しいという想いが流れ込んできて、私の心に複雑な想いを抱かせる。
「やぁやぁ、主席卒業おめでとう。流石は僕のリナージュだ。重大な発表があるから壇上に来てもらっても良いかな?」
笑顔も嘘っぱち。言葉も嘘っぱち。
悪を断罪したつもりで、セントフィールド家の私財を乗っ取ろうという計画を企てる男のどこが王子様だというのだろうか。
ヒロインである隣国の王女や、この王子に感情移入できる人間の神経を疑う。
壇上に上がれば待っているのは悲惨な結末。
とはいえ逃げるわけにはいかない。
リナージュには現実を知ってもらって、それから……。
「ありがとうございます。前々からずっと楽しみにしていたんです。重大な発表とはいったい何なのでしょうか?」
「はは。壇上に上がってからのお楽しみだよ」
本来なら手を取ってエスコートでもするべき場面だろうけど、王子は先に歩いていく。
分かっている。
どうせその顔には薄ら寒い笑いを浮かべていることくらい。
(気を確かに持ってよ。失敗すれば魔法を封じられてあなた……いや、同時に私も終わり。それはちょっとごめんだから)
【アイゼンが……そんなことをするわけ……アーシャが……スパイのわけ……】
周りを確認するとアーシャが壇上に近付いて来ようと、回り込んでいるのが見える。
リナージュから不安な気持ちが一気に膨らむ。
現実では見たことないけれど、マリエアの姿も壇上のすぐ下に確認できた。
フローリアの姿は見えないけれど……。
【本当に……カオリの言った通りなのですか? 私は最初から最後まで孤独だったのですか?】
(今は私がいるよ。現実を受け止めて、それから……私があなたの代わりに復讐してあげる)
【そんな……別に復讐だなんて……。けれど、なんとなくカオリの存在が心強いです。アイゼンのことはまだ……信じたい気持ちがありますけど】
(私の言ったことが本当に正しいかは、なってみないと分からない。もしかしたらという可能性も0ではないと思う)
【分かりました……。さっきは酷いこと言ってごめんなさい】
(ううん。ちょっと言い方失敗してたかも。それに大事なのはこれからだから。行くよ)
私は壇上で王子に向かい合った。普通なら隣り合うところだろうけれど、向かい合ったのだ。
王子もそれに異を唱えたりはしない。ニヤニヤと笑いながら私の全身を見つめている。
やはりというかマリエアが書類のようなものを持ちながら、壇上に上がってきて王子に並んだ。
リナージュの不安が押し寄せるようにやってくる。
ゲームの中とは言え一人でこんな気持ちで向かい合ってたんだとしたら、それは私がコウジから受けたものよりも辛かったに違いない。
幼少期からこの時まで嵌められるために生きてきたようなモノ。
それがどんなに辛い事であったのだろうか。
「で、重大な発表って結局何ですか?」
「まずはこれを見たまえ。リナージュがマリエアに行った数々の非道を立証する証拠だ!」
アイゼンはマリエアから書類を受け取ると、ばさっと私に向かって投げつけてきた。
正義の味方気取りなのかもしれないけれど、本当に性格が悪いと思う。
紙を拾い上げてみたけれど、リナージュがマリエアに何かをした、そんなことが誰か知らない人の名前の証言として書かれただけの紙だった。
現代でならこんなもの証拠になりはしない。ただのゴミ束だ。
【本当に真実だったのですね。私には心当たりのないようなこともたくさん書かれています】
嘘で塗り固められたものの中に、少しの真実を含ませる。
詐欺師の常套手段。
「私は毎日毎日リナージュに苛められて……何度死のうと思ったか分かりません!!」
アリエアの叫び声が響く。
私達を見ている観衆から膨大なブーイングが上がる。
知りもしない、分かりもしないくせに、その場の雰囲気と流れに観衆は乗せられる。
「それで……公衆の面前で貶めて、何が目的ですか?」
「はん。これで終わりじゃない! おい、連れて来い!」
いつのまにか後ろ手で縛られたアーシャが王子の前に突きだされる。
何という茶番劇。ゲーム内では細かいところは分からなかったが、さっきまでは自由に歩いていたというのに。
「こいつはリナージュ、いや! お前の専属メイドだな!?」
わざわざお前と言い換えて一体こいつはなんなんだろうか、そんな風に思ったがそれ以上にリナージュから流れ込んでくる悲愴感が、私の心を埋め尽くす。
アーシャはすがるような目をこちらに向けてきているが、それは演技だと分かっている。
どいつもこいつもくそだらけのゲーム。なぜゲームには悪役が必要になるのだろうか。
「ええ、幼少期に命を救ってあげまして、それから大切な大切な親友として、私の側で使えてくれていました」
これくらい嫌味として言ってもいいだろう。
スパイだか何だか知らないが、リナージュを陥れることで、隣国の貴族の妻として迎えられるという褒賞が待っているのだ。
それが人の人生を犠牲にしてでも得たい物だというのであれば、地獄に落ちればいい。
「こいつは隣国アプサロスのスパイだ。証拠は上がっているし自白もした。
幼少期から専属? ということはセントフィールド家は、アプサロスと内通していたのだ!」
さらに巨大化するブーイングの嵐。まるでハリケーンのような怒号に成長していく。
もうどうにもならないし、リナージュから伝わってくるのは半ばあきらめたような気持ち。
可哀そうだが、後は私が好きにやって叩き潰してやるだけ。
「そんな! 嘘です! アーシャはスパイなんかではありません!」
「こう言っているが……どうなんだ?」
アイゼンはアーシャに尋ねかける。
私は見下すように視線を向けた。
アーシャの顔がビクリと揺れる。
「わ、わ、わたし……は……リナージュ様に命じられて……」
「それ以上の嘘を口にしたらあなたは私の敵よ。それでも構わないのね?」
自分でも驚くほどに冷たい声音が出て、アーシャは歯をカチカチと鳴らした。
「私はアプサロスに情報を流しておりました!」
それでも意を決して口にした。
待ってましたと言わんばかりに、隠れていたのかフローリアが白のドレスを着こんだ状態で颯爽と現れる。
ヒロインであるがゆえにおっとりした雰囲気を持つ特別特徴のない女。
けれど、今リナージュが嵌められているのを見て喜んでいるのだとしたら、やはり中身は屑なのだ。
「僕、アイゼンは罪人リナージュ・セントフィールドとの婚約を破棄し、二国間の絆を強めるためフローリアと婚約することをここに宣言す!」
手を高々と上げて宣言し、そしてフローリアと口付けをしてみせた。
怒号のような歓声が沸く。私に向けてモノが投げつけられる。
このままでは裏から出てきた兵士に魔法を封じる手錠をかけられて終わり。
だから、なんとかしなくてはいけないのだけれど。
やはりというか婚約破棄をされるというのは辛い。
コウジの事が思い出されるが、あれは私が勝手に婚約していると思っていただけの事。
けれどリナージュは違う。
愛していた人に大した落ち度もなく嵌められるように婚約破棄された。
いや、それを言うなら私だって同じだった。
悪い事なんて何もしていない。相手のために必至で頑張ってきていたはずだったのに。
なんでこんな思いを二度も、それも短期間でいけないの?
分かっていても辛い。けれど、私の中のリナージュはもっと辛い。
リナージュの失意、絶望、悲観、憤怒、様々な感情が入り混じり私に襲い掛かってくる。
同時にリナージュの人生が、記憶が、想いが、全て流れ込んでくる。
大量の情報が私の頭をショートさせた故か、リナージュの心がショートしてしまったのかは分からないが、そのまま私は意識を失ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました
あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。
そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。
平民出身のヒロインの「善意」、
王太子の「優しさ」、
そしてそれらが生み出す無数の歪み。
感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。
やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。
それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。
なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。
これは、
「断罪される側」が最後まで正しかった物語。
そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。
どうぞお好きになさってください
みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる