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第7話 二度目の婚約破棄
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セントフィールド魔法学園の卒業式。
リナージュは主席卒業ということで表彰された。
どうすればいいかだけは、リナージュが教えてくれたので問題はなかった。
けれどそれだけだ。
必要最小限の事以外は口にしてくれない。
さらに卒業生からも在校生からも、リナージュは尊敬の眼差しは向けられない。
向けられるのは侮蔑や嫌悪の表情。
通常なら性格が悪いことや、多少いじめを行っていたくらいではこうはならない。
これは全て王子とマリエアが裏で工作を行った結果だ。
全ての人間に疎まれ嫌われ、そして消えていく。
それがリナージュ・セントフィールド。
悲しませてしまったし、怒らせてしまった。
けれど私がそうはさせない。
式が終わりガヤガヤと沸く中、一人の男が爽やかな笑顔を貼りつけて近付いてくる。
金髪碧眼、痩身長躯。それでも筋肉質であり外見だけなら確かに完璧だと言える。
アイゼン王子をそのまま現実に下ろしたような容姿だが、私にとっては淀んだヘドロのような男。
それでも、リナージュからは愛しいという想いが流れ込んできて、私の心に複雑な想いを抱かせる。
「やぁやぁ、主席卒業おめでとう。流石は僕のリナージュだ。重大な発表があるから壇上に来てもらっても良いかな?」
笑顔も嘘っぱち。言葉も嘘っぱち。
悪を断罪したつもりで、セントフィールド家の私財を乗っ取ろうという計画を企てる男のどこが王子様だというのだろうか。
ヒロインである隣国の王女や、この王子に感情移入できる人間の神経を疑う。
壇上に上がれば待っているのは悲惨な結末。
とはいえ逃げるわけにはいかない。
リナージュには現実を知ってもらって、それから……。
「ありがとうございます。前々からずっと楽しみにしていたんです。重大な発表とはいったい何なのでしょうか?」
「はは。壇上に上がってからのお楽しみだよ」
本来なら手を取ってエスコートでもするべき場面だろうけど、王子は先に歩いていく。
分かっている。
どうせその顔には薄ら寒い笑いを浮かべていることくらい。
(気を確かに持ってよ。失敗すれば魔法を封じられてあなた……いや、同時に私も終わり。それはちょっとごめんだから)
【アイゼンが……そんなことをするわけ……アーシャが……スパイのわけ……】
周りを確認するとアーシャが壇上に近付いて来ようと、回り込んでいるのが見える。
リナージュから不安な気持ちが一気に膨らむ。
現実では見たことないけれど、マリエアの姿も壇上のすぐ下に確認できた。
フローリアの姿は見えないけれど……。
【本当に……カオリの言った通りなのですか? 私は最初から最後まで孤独だったのですか?】
(今は私がいるよ。現実を受け止めて、それから……私があなたの代わりに復讐してあげる)
【そんな……別に復讐だなんて……。けれど、なんとなくカオリの存在が心強いです。アイゼンのことはまだ……信じたい気持ちがありますけど】
(私の言ったことが本当に正しいかは、なってみないと分からない。もしかしたらという可能性も0ではないと思う)
【分かりました……。さっきは酷いこと言ってごめんなさい】
(ううん。ちょっと言い方失敗してたかも。それに大事なのはこれからだから。行くよ)
私は壇上で王子に向かい合った。普通なら隣り合うところだろうけれど、向かい合ったのだ。
王子もそれに異を唱えたりはしない。ニヤニヤと笑いながら私の全身を見つめている。
やはりというかマリエアが書類のようなものを持ちながら、壇上に上がってきて王子に並んだ。
リナージュの不安が押し寄せるようにやってくる。
ゲームの中とは言え一人でこんな気持ちで向かい合ってたんだとしたら、それは私がコウジから受けたものよりも辛かったに違いない。
幼少期からこの時まで嵌められるために生きてきたようなモノ。
それがどんなに辛い事であったのだろうか。
「で、重大な発表って結局何ですか?」
「まずはこれを見たまえ。リナージュがマリエアに行った数々の非道を立証する証拠だ!」
アイゼンはマリエアから書類を受け取ると、ばさっと私に向かって投げつけてきた。
正義の味方気取りなのかもしれないけれど、本当に性格が悪いと思う。
紙を拾い上げてみたけれど、リナージュがマリエアに何かをした、そんなことが誰か知らない人の名前の証言として書かれただけの紙だった。
現代でならこんなもの証拠になりはしない。ただのゴミ束だ。
【本当に真実だったのですね。私には心当たりのないようなこともたくさん書かれています】
嘘で塗り固められたものの中に、少しの真実を含ませる。
詐欺師の常套手段。
「私は毎日毎日リナージュに苛められて……何度死のうと思ったか分かりません!!」
アリエアの叫び声が響く。
私達を見ている観衆から膨大なブーイングが上がる。
知りもしない、分かりもしないくせに、その場の雰囲気と流れに観衆は乗せられる。
「それで……公衆の面前で貶めて、何が目的ですか?」
「はん。これで終わりじゃない! おい、連れて来い!」
いつのまにか後ろ手で縛られたアーシャが王子の前に突きだされる。
何という茶番劇。ゲーム内では細かいところは分からなかったが、さっきまでは自由に歩いていたというのに。
「こいつはリナージュ、いや! お前の専属メイドだな!?」
わざわざお前と言い換えて一体こいつはなんなんだろうか、そんな風に思ったがそれ以上にリナージュから流れ込んでくる悲愴感が、私の心を埋め尽くす。
アーシャはすがるような目をこちらに向けてきているが、それは演技だと分かっている。
どいつもこいつもくそだらけのゲーム。なぜゲームには悪役が必要になるのだろうか。
「ええ、幼少期に命を救ってあげまして、それから大切な大切な親友として、私の側で使えてくれていました」
これくらい嫌味として言ってもいいだろう。
スパイだか何だか知らないが、リナージュを陥れることで、隣国の貴族の妻として迎えられるという褒賞が待っているのだ。
それが人の人生を犠牲にしてでも得たい物だというのであれば、地獄に落ちればいい。
「こいつは隣国アプサロスのスパイだ。証拠は上がっているし自白もした。
幼少期から専属? ということはセントフィールド家は、アプサロスと内通していたのだ!」
さらに巨大化するブーイングの嵐。まるでハリケーンのような怒号に成長していく。
もうどうにもならないし、リナージュから伝わってくるのは半ばあきらめたような気持ち。
可哀そうだが、後は私が好きにやって叩き潰してやるだけ。
「そんな! 嘘です! アーシャはスパイなんかではありません!」
「こう言っているが……どうなんだ?」
アイゼンはアーシャに尋ねかける。
私は見下すように視線を向けた。
アーシャの顔がビクリと揺れる。
「わ、わ、わたし……は……リナージュ様に命じられて……」
「それ以上の嘘を口にしたらあなたは私の敵よ。それでも構わないのね?」
自分でも驚くほどに冷たい声音が出て、アーシャは歯をカチカチと鳴らした。
「私はアプサロスに情報を流しておりました!」
それでも意を決して口にした。
待ってましたと言わんばかりに、隠れていたのかフローリアが白のドレスを着こんだ状態で颯爽と現れる。
ヒロインであるがゆえにおっとりした雰囲気を持つ特別特徴のない女。
けれど、今リナージュが嵌められているのを見て喜んでいるのだとしたら、やはり中身は屑なのだ。
「僕、アイゼンは罪人リナージュ・セントフィールドとの婚約を破棄し、二国間の絆を強めるためフローリアと婚約することをここに宣言す!」
手を高々と上げて宣言し、そしてフローリアと口付けをしてみせた。
怒号のような歓声が沸く。私に向けてモノが投げつけられる。
このままでは裏から出てきた兵士に魔法を封じる手錠をかけられて終わり。
だから、なんとかしなくてはいけないのだけれど。
やはりというか婚約破棄をされるというのは辛い。
コウジの事が思い出されるが、あれは私が勝手に婚約していると思っていただけの事。
けれどリナージュは違う。
愛していた人に大した落ち度もなく嵌められるように婚約破棄された。
いや、それを言うなら私だって同じだった。
悪い事なんて何もしていない。相手のために必至で頑張ってきていたはずだったのに。
なんでこんな思いを二度も、それも短期間でいけないの?
分かっていても辛い。けれど、私の中のリナージュはもっと辛い。
リナージュの失意、絶望、悲観、憤怒、様々な感情が入り混じり私に襲い掛かってくる。
同時にリナージュの人生が、記憶が、想いが、全て流れ込んでくる。
大量の情報が私の頭をショートさせた故か、リナージュの心がショートしてしまったのかは分からないが、そのまま私は意識を失ってしまった。
リナージュは主席卒業ということで表彰された。
どうすればいいかだけは、リナージュが教えてくれたので問題はなかった。
けれどそれだけだ。
必要最小限の事以外は口にしてくれない。
さらに卒業生からも在校生からも、リナージュは尊敬の眼差しは向けられない。
向けられるのは侮蔑や嫌悪の表情。
通常なら性格が悪いことや、多少いじめを行っていたくらいではこうはならない。
これは全て王子とマリエアが裏で工作を行った結果だ。
全ての人間に疎まれ嫌われ、そして消えていく。
それがリナージュ・セントフィールド。
悲しませてしまったし、怒らせてしまった。
けれど私がそうはさせない。
式が終わりガヤガヤと沸く中、一人の男が爽やかな笑顔を貼りつけて近付いてくる。
金髪碧眼、痩身長躯。それでも筋肉質であり外見だけなら確かに完璧だと言える。
アイゼン王子をそのまま現実に下ろしたような容姿だが、私にとっては淀んだヘドロのような男。
それでも、リナージュからは愛しいという想いが流れ込んできて、私の心に複雑な想いを抱かせる。
「やぁやぁ、主席卒業おめでとう。流石は僕のリナージュだ。重大な発表があるから壇上に来てもらっても良いかな?」
笑顔も嘘っぱち。言葉も嘘っぱち。
悪を断罪したつもりで、セントフィールド家の私財を乗っ取ろうという計画を企てる男のどこが王子様だというのだろうか。
ヒロインである隣国の王女や、この王子に感情移入できる人間の神経を疑う。
壇上に上がれば待っているのは悲惨な結末。
とはいえ逃げるわけにはいかない。
リナージュには現実を知ってもらって、それから……。
「ありがとうございます。前々からずっと楽しみにしていたんです。重大な発表とはいったい何なのでしょうか?」
「はは。壇上に上がってからのお楽しみだよ」
本来なら手を取ってエスコートでもするべき場面だろうけど、王子は先に歩いていく。
分かっている。
どうせその顔には薄ら寒い笑いを浮かべていることくらい。
(気を確かに持ってよ。失敗すれば魔法を封じられてあなた……いや、同時に私も終わり。それはちょっとごめんだから)
【アイゼンが……そんなことをするわけ……アーシャが……スパイのわけ……】
周りを確認するとアーシャが壇上に近付いて来ようと、回り込んでいるのが見える。
リナージュから不安な気持ちが一気に膨らむ。
現実では見たことないけれど、マリエアの姿も壇上のすぐ下に確認できた。
フローリアの姿は見えないけれど……。
【本当に……カオリの言った通りなのですか? 私は最初から最後まで孤独だったのですか?】
(今は私がいるよ。現実を受け止めて、それから……私があなたの代わりに復讐してあげる)
【そんな……別に復讐だなんて……。けれど、なんとなくカオリの存在が心強いです。アイゼンのことはまだ……信じたい気持ちがありますけど】
(私の言ったことが本当に正しいかは、なってみないと分からない。もしかしたらという可能性も0ではないと思う)
【分かりました……。さっきは酷いこと言ってごめんなさい】
(ううん。ちょっと言い方失敗してたかも。それに大事なのはこれからだから。行くよ)
私は壇上で王子に向かい合った。普通なら隣り合うところだろうけれど、向かい合ったのだ。
王子もそれに異を唱えたりはしない。ニヤニヤと笑いながら私の全身を見つめている。
やはりというかマリエアが書類のようなものを持ちながら、壇上に上がってきて王子に並んだ。
リナージュの不安が押し寄せるようにやってくる。
ゲームの中とは言え一人でこんな気持ちで向かい合ってたんだとしたら、それは私がコウジから受けたものよりも辛かったに違いない。
幼少期からこの時まで嵌められるために生きてきたようなモノ。
それがどんなに辛い事であったのだろうか。
「で、重大な発表って結局何ですか?」
「まずはこれを見たまえ。リナージュがマリエアに行った数々の非道を立証する証拠だ!」
アイゼンはマリエアから書類を受け取ると、ばさっと私に向かって投げつけてきた。
正義の味方気取りなのかもしれないけれど、本当に性格が悪いと思う。
紙を拾い上げてみたけれど、リナージュがマリエアに何かをした、そんなことが誰か知らない人の名前の証言として書かれただけの紙だった。
現代でならこんなもの証拠になりはしない。ただのゴミ束だ。
【本当に真実だったのですね。私には心当たりのないようなこともたくさん書かれています】
嘘で塗り固められたものの中に、少しの真実を含ませる。
詐欺師の常套手段。
「私は毎日毎日リナージュに苛められて……何度死のうと思ったか分かりません!!」
アリエアの叫び声が響く。
私達を見ている観衆から膨大なブーイングが上がる。
知りもしない、分かりもしないくせに、その場の雰囲気と流れに観衆は乗せられる。
「それで……公衆の面前で貶めて、何が目的ですか?」
「はん。これで終わりじゃない! おい、連れて来い!」
いつのまにか後ろ手で縛られたアーシャが王子の前に突きだされる。
何という茶番劇。ゲーム内では細かいところは分からなかったが、さっきまでは自由に歩いていたというのに。
「こいつはリナージュ、いや! お前の専属メイドだな!?」
わざわざお前と言い換えて一体こいつはなんなんだろうか、そんな風に思ったがそれ以上にリナージュから流れ込んでくる悲愴感が、私の心を埋め尽くす。
アーシャはすがるような目をこちらに向けてきているが、それは演技だと分かっている。
どいつもこいつもくそだらけのゲーム。なぜゲームには悪役が必要になるのだろうか。
「ええ、幼少期に命を救ってあげまして、それから大切な大切な親友として、私の側で使えてくれていました」
これくらい嫌味として言ってもいいだろう。
スパイだか何だか知らないが、リナージュを陥れることで、隣国の貴族の妻として迎えられるという褒賞が待っているのだ。
それが人の人生を犠牲にしてでも得たい物だというのであれば、地獄に落ちればいい。
「こいつは隣国アプサロスのスパイだ。証拠は上がっているし自白もした。
幼少期から専属? ということはセントフィールド家は、アプサロスと内通していたのだ!」
さらに巨大化するブーイングの嵐。まるでハリケーンのような怒号に成長していく。
もうどうにもならないし、リナージュから伝わってくるのは半ばあきらめたような気持ち。
可哀そうだが、後は私が好きにやって叩き潰してやるだけ。
「そんな! 嘘です! アーシャはスパイなんかではありません!」
「こう言っているが……どうなんだ?」
アイゼンはアーシャに尋ねかける。
私は見下すように視線を向けた。
アーシャの顔がビクリと揺れる。
「わ、わ、わたし……は……リナージュ様に命じられて……」
「それ以上の嘘を口にしたらあなたは私の敵よ。それでも構わないのね?」
自分でも驚くほどに冷たい声音が出て、アーシャは歯をカチカチと鳴らした。
「私はアプサロスに情報を流しておりました!」
それでも意を決して口にした。
待ってましたと言わんばかりに、隠れていたのかフローリアが白のドレスを着こんだ状態で颯爽と現れる。
ヒロインであるがゆえにおっとりした雰囲気を持つ特別特徴のない女。
けれど、今リナージュが嵌められているのを見て喜んでいるのだとしたら、やはり中身は屑なのだ。
「僕、アイゼンは罪人リナージュ・セントフィールドとの婚約を破棄し、二国間の絆を強めるためフローリアと婚約することをここに宣言す!」
手を高々と上げて宣言し、そしてフローリアと口付けをしてみせた。
怒号のような歓声が沸く。私に向けてモノが投げつけられる。
このままでは裏から出てきた兵士に魔法を封じる手錠をかけられて終わり。
だから、なんとかしなくてはいけないのだけれど。
やはりというか婚約破棄をされるというのは辛い。
コウジの事が思い出されるが、あれは私が勝手に婚約していると思っていただけの事。
けれどリナージュは違う。
愛していた人に大した落ち度もなく嵌められるように婚約破棄された。
いや、それを言うなら私だって同じだった。
悪い事なんて何もしていない。相手のために必至で頑張ってきていたはずだったのに。
なんでこんな思いを二度も、それも短期間でいけないの?
分かっていても辛い。けれど、私の中のリナージュはもっと辛い。
リナージュの失意、絶望、悲観、憤怒、様々な感情が入り混じり私に襲い掛かってくる。
同時にリナージュの人生が、記憶が、想いが、全て流れ込んでくる。
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