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第14話 復讐の狼煙は魔法で派手にあげるよ
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私は自宅の安アパートでリナージュと共に眠りについたはずだった。
夜の帳がすっかり落ち、リナージュが日本の文化に驚き、そしてその反応を楽しく思いながらベッドに横になったはず。
しかし気付いた時、目の前に現れたのは薄ら笑いを浮かべるアイゼンの姿と、その横で腕を組んでいるフローリア。
人々の罵倒の声。裏切者のアーシャ。割とどうでもいいマリエア。
つまり、再度リナージュの体を私が動かす状況になっていたのだ。
しかも寝て起きたと思った瞬間、前の続きかのように。
これ、夢と間違えてもおかしくないって!
(リナージュ! 起きてる?)
【はい、起きていますよ。こちらに戻ってきたという訳ですか。いやはや、目に映る光景に差があり過ぎて違和感が半端じゃないです】
(うん、まだ寝ぼけ眼って感じだよ。肉体的には覚醒しているというのに)
【しゃんとしてもらわないと困りますよ。私、アイゼンとアーシャ……いえ、今目に映っている全てのものが許せないのですから】
(分かった。じゃ、こっちの世界は私が全力でやっちゃうからね)
【ええ、魔力枯渇にだけは気を付けてください】
リナージュの知識や人生が流れ込んできた今、私はこの体の扱い方や魔力量と、以前は分からなかったことも手に取るようにわかっている。
問題ない。
私が人生の重みというものを、リナージュの嘆きというものを10倍で返す!
私は腕を組むと、指をつきつけたまま悦に浸っているアイゼンに向かって言い放った。
「婚約破棄。面白いですね。つまり、あなたは私に対して宣戦布告をした。この魔法学園主席リナージュ・セントフィールドに対してね!」
「な! 開き直ったか! おい、手筈通り拘束するんだ!」
当然私はそれを知っている。
影に隠れていた兵士が魔封錠を構えていることくらい。
全てが予習済み。全てが計算済み。まるで答案用紙に答えを書き写しているかのような感覚。
って、答案とか大分昔の事だなと思って少し落ち込んだのは内緒だよ。
「あはははは。誰に向かってそのようなことを言っているのですか? あなたの手筈では私は今項垂れているところでしょう?」
【私の体だというのになんだかゾクゾクします。悪役。いいですね、悪役って】
(い、いきなり口を挟まれるとびっくりするじゃない。このままいくよー)
【ええ、思う存分悪役を謳歌しちゃってください】
リナージュの楽しそうな声を聞くと私の心も奮いたつ。
アイゼンは僅かな焦りを見せたが、気を取り直したのか言葉を荒げた。
「いくらお前と言えども衆目も私の味方。つまり今のお前は完全な四面楚歌だ! 大人しくお縄につくがいい!」
「見誤りましたね」
「は……!?」
「あなたは私の実力というものを見誤っていると言ったのです。実力とは常に変化するもの。それをあなたは見誤った」
「な、何を言っているんだ……? 早くこの生意気なくそ女をひっとらえろ!」
駆けつけていた兵士が、さらにその足を速めようとした瞬間。
私は魔法を使用した。
壇上を駆けていた兵士たちの足がまるで石のように動かなくなり、そして地面から這うように霜柱が上がっていく。
ピキピキと乾いた音が耳に届き心地がいい。ゆっくりとつま先から膝、腰へと凍りついていく。
「な、何をしたんだっ!?」
「氷属性の魔法を強化するために分子の運動を止めるイメージで魔法を使用したのです。ま、あなたには生涯理解できることはないと思いますがね」
兵士は最終的に頭の先まで凍り付いて、恐怖に顔を染めた表情でごろんと壇上に転がった。勿論私が地を振動させて足元の氷を砕いたのだ。
死んだか死んでないかは難しいところだけど、上手く蘇生されることを祈ることにする。
「おい! 援軍を呼べ! 誰か、こいつをひっ捕らえろぉ!」
「流石にここで死屍累々の山を築く訳にはいきませんか。けれど、あなたたち……、必ず地に沈めてやりますから……。楽しみに待っててくださいね」
ドタドタと多くの人が集まってくる音が耳に届く。
予め人を用意しておいたのだろう。生徒たちは悲鳴をあげていて、私に何かしてくることはないし。
といってもこれで逃げるのは精神衛生上よろしくない。
まだまだやりたりない。
少しはアイゼンの化けの皮を剥がしておくべき。
そう思い私は魔法で石飛礫を作り上げるとアイゼンの腕に向かって放つ。
回転の力を加えることでその貫通力は格段に増す。鉄砲の原理だね。
「ぎゃぁ!」
アイゼンは防御をしようと試みたようだけど、飛礫はアイゼンの腕を容易く貫通し痛みと恐怖に顔を歪めた。
楽しくて仕方がないのは私の性格が悪くなったのかな?
「だ、誰に向かってこ……ぎゃっ!」
今度は生意気な口を開きかけたので腿を打ち抜いた。涙を流しながら地を這いつくばって逃げていく。
そのまま私の様子を見てか後ろに退いていたフローリアの後ろに隠れながら、ドレスをの裾を引っ張った。
フローリアは主人公だけあって油断できない相手だと感じる。
「ひぃぃ。フローリア、助けてくれ! サイゼリスの聖女とよばれたお前ならあいつをなんとかできるだろう?」
「ア、アイゼン。女の、しかも婚約者の私を盾にするというのですか?」
「い、今はそんな場合じゃないだろ!? あいつをなんとかしないといけない!」
「いつもの格好良いあなたはどこへいってしまったんですか? アイゼンだって魔法を使えるでしょう?」
「うるさいっ! 僕の魔法障壁を紙のように打ちぬいてきたんだ。あれは化け物だ!」
笑いをこらえるのが大変すぎる。
私の内からリナージュも楽しそうに笑ってるのも聞こえてくるし。
【アイゼンはやはり自分さえよければいいタイプの人間だった訳ですか。騙されていた自分が本当に情けないです】
(ま、仕方ないよ。そういうもんだから。というより私も同じだしね。さて、そろそろ逃げるよ?)
【ええ。すんなり片を付けては面白くないですから】
(うん、それもあるんだけど……。でもそれよりセントフィールドの屋敷も今攻められようとしてるわけだから、ここでのんびりはしていられないんだ)
【あ、そういえばゲームではそうでしたね。とりあえず、地盤を固めないといけませんか】
(うん。この目の前のやつらを片付ければ終わりってわけじゃない)
【ですね……。じゃ、最後にアーシャに……やっちゃってください】
(おっけい! 心抉るよー)
私はとびきりの笑顔を壇上に座り込んでいるアーシャに向けながら優しく声をかける。
「アーシャ……」
アーシャは驚きつつも不安げな顔で私の事を見上げてきた。
スパイをずっとやっていたというのに白々しい。自分だけ見逃してもらえるとでも思っているのだろうか。
「リナージュ様……」
はい、ここで一気に真顔に変化させて、
「かならずこうかいさせてあげるからおぼえておきなさい」
冷たく見下しながら言い放ってやるとアーシャは体をビクンと震わせた。それを見て、私の心はとりあえず満足したようだ。
勿論、今は……とつくけどね。
「では、さよなら。アイゼンと愚かな仲間たちさん」
「なっ、まてっ! ……は!?」
温かな上昇気流を作り上げ風魔法を融合て飛び上がる。アイゼンが間抜けな声を漏らす。
飛行魔法を知らないこの世界の人々は顔を驚愕に染めている。正直気持ちがいい。
ふわりと体を宙に浮かべ、ぐんぐんと高く飛び上がっていく。
何か言ってるような声も聞こえたが今はどうでもいい。
最後の仕上げが残っているので。
私は地上を見下ろしながら大きな水弾を空中に作り上げると風の力と火の力、全てのイメージを掛け合わせ高温の水流弾を作り上げた。
直径5メートル程で直接人にぶつければおそらく死に至るだろう。
勿論、そんなことはしない。
「いっくよー。熱湯の雨!」
といってもかなりの高度なので下に届くころには大分熱も引くと思う。それでも今はこれで十分。
ばしゃぁと水流弾は弾けると、地上に向かって熱い湯の雨が降り注ぐ。それに逃げ惑う人々。まるで人がゴミのようだ。
あがる阿鼻叫喚もリナージュを利用していたクズどものモノだと思うだけで、最上の交響曲のように心に響く。
人の人生は重い。軽はずみな気持ちで貶めては必ずしっぺ返しが来るのだ。
【中々に爽快でしたが、これがまだ序章だというんですよね」
「うん。そうだね。というか、これで完全に私たちは国の敵だから、やらなきゃどうしようもないってのがあるけど」
【そうは言ってもカオリ楽しそうです】
「楽しいよ。リナージュも楽しそうに思えるけど?」
【一人だったらどうだったかは分かりませんが、カオリと一緒だと凄く楽しいです。ああ、私も向こうで動きたいです】
「それも楽しみにしてる。寝れば変わるのかな? ま、今は私のターンだから!」
【待ち遠しいですよ。ま、この待ち遠しさもぶつけてあげますよ】
「うん、じゃ行くよ。ええっと……あれだね、やっぱ囲まれてるっぽいなぁ」
そう言って私は空からセントフィールドの屋敷の方向へと飛んでいく。
身体は薄い風の被膜でガードしている。けれど気持ちいい風が体を撫でていくのは分かる。
ドレスがバサバサとはためいているのは、なんとも不格好なような気がするけどね。
夜の帳がすっかり落ち、リナージュが日本の文化に驚き、そしてその反応を楽しく思いながらベッドに横になったはず。
しかし気付いた時、目の前に現れたのは薄ら笑いを浮かべるアイゼンの姿と、その横で腕を組んでいるフローリア。
人々の罵倒の声。裏切者のアーシャ。割とどうでもいいマリエア。
つまり、再度リナージュの体を私が動かす状況になっていたのだ。
しかも寝て起きたと思った瞬間、前の続きかのように。
これ、夢と間違えてもおかしくないって!
(リナージュ! 起きてる?)
【はい、起きていますよ。こちらに戻ってきたという訳ですか。いやはや、目に映る光景に差があり過ぎて違和感が半端じゃないです】
(うん、まだ寝ぼけ眼って感じだよ。肉体的には覚醒しているというのに)
【しゃんとしてもらわないと困りますよ。私、アイゼンとアーシャ……いえ、今目に映っている全てのものが許せないのですから】
(分かった。じゃ、こっちの世界は私が全力でやっちゃうからね)
【ええ、魔力枯渇にだけは気を付けてください】
リナージュの知識や人生が流れ込んできた今、私はこの体の扱い方や魔力量と、以前は分からなかったことも手に取るようにわかっている。
問題ない。
私が人生の重みというものを、リナージュの嘆きというものを10倍で返す!
私は腕を組むと、指をつきつけたまま悦に浸っているアイゼンに向かって言い放った。
「婚約破棄。面白いですね。つまり、あなたは私に対して宣戦布告をした。この魔法学園主席リナージュ・セントフィールドに対してね!」
「な! 開き直ったか! おい、手筈通り拘束するんだ!」
当然私はそれを知っている。
影に隠れていた兵士が魔封錠を構えていることくらい。
全てが予習済み。全てが計算済み。まるで答案用紙に答えを書き写しているかのような感覚。
って、答案とか大分昔の事だなと思って少し落ち込んだのは内緒だよ。
「あはははは。誰に向かってそのようなことを言っているのですか? あなたの手筈では私は今項垂れているところでしょう?」
【私の体だというのになんだかゾクゾクします。悪役。いいですね、悪役って】
(い、いきなり口を挟まれるとびっくりするじゃない。このままいくよー)
【ええ、思う存分悪役を謳歌しちゃってください】
リナージュの楽しそうな声を聞くと私の心も奮いたつ。
アイゼンは僅かな焦りを見せたが、気を取り直したのか言葉を荒げた。
「いくらお前と言えども衆目も私の味方。つまり今のお前は完全な四面楚歌だ! 大人しくお縄につくがいい!」
「見誤りましたね」
「は……!?」
「あなたは私の実力というものを見誤っていると言ったのです。実力とは常に変化するもの。それをあなたは見誤った」
「な、何を言っているんだ……? 早くこの生意気なくそ女をひっとらえろ!」
駆けつけていた兵士が、さらにその足を速めようとした瞬間。
私は魔法を使用した。
壇上を駆けていた兵士たちの足がまるで石のように動かなくなり、そして地面から這うように霜柱が上がっていく。
ピキピキと乾いた音が耳に届き心地がいい。ゆっくりとつま先から膝、腰へと凍りついていく。
「な、何をしたんだっ!?」
「氷属性の魔法を強化するために分子の運動を止めるイメージで魔法を使用したのです。ま、あなたには生涯理解できることはないと思いますがね」
兵士は最終的に頭の先まで凍り付いて、恐怖に顔を染めた表情でごろんと壇上に転がった。勿論私が地を振動させて足元の氷を砕いたのだ。
死んだか死んでないかは難しいところだけど、上手く蘇生されることを祈ることにする。
「おい! 援軍を呼べ! 誰か、こいつをひっ捕らえろぉ!」
「流石にここで死屍累々の山を築く訳にはいきませんか。けれど、あなたたち……、必ず地に沈めてやりますから……。楽しみに待っててくださいね」
ドタドタと多くの人が集まってくる音が耳に届く。
予め人を用意しておいたのだろう。生徒たちは悲鳴をあげていて、私に何かしてくることはないし。
といってもこれで逃げるのは精神衛生上よろしくない。
まだまだやりたりない。
少しはアイゼンの化けの皮を剥がしておくべき。
そう思い私は魔法で石飛礫を作り上げるとアイゼンの腕に向かって放つ。
回転の力を加えることでその貫通力は格段に増す。鉄砲の原理だね。
「ぎゃぁ!」
アイゼンは防御をしようと試みたようだけど、飛礫はアイゼンの腕を容易く貫通し痛みと恐怖に顔を歪めた。
楽しくて仕方がないのは私の性格が悪くなったのかな?
「だ、誰に向かってこ……ぎゃっ!」
今度は生意気な口を開きかけたので腿を打ち抜いた。涙を流しながら地を這いつくばって逃げていく。
そのまま私の様子を見てか後ろに退いていたフローリアの後ろに隠れながら、ドレスをの裾を引っ張った。
フローリアは主人公だけあって油断できない相手だと感じる。
「ひぃぃ。フローリア、助けてくれ! サイゼリスの聖女とよばれたお前ならあいつをなんとかできるだろう?」
「ア、アイゼン。女の、しかも婚約者の私を盾にするというのですか?」
「い、今はそんな場合じゃないだろ!? あいつをなんとかしないといけない!」
「いつもの格好良いあなたはどこへいってしまったんですか? アイゼンだって魔法を使えるでしょう?」
「うるさいっ! 僕の魔法障壁を紙のように打ちぬいてきたんだ。あれは化け物だ!」
笑いをこらえるのが大変すぎる。
私の内からリナージュも楽しそうに笑ってるのも聞こえてくるし。
【アイゼンはやはり自分さえよければいいタイプの人間だった訳ですか。騙されていた自分が本当に情けないです】
(ま、仕方ないよ。そういうもんだから。というより私も同じだしね。さて、そろそろ逃げるよ?)
【ええ。すんなり片を付けては面白くないですから】
(うん、それもあるんだけど……。でもそれよりセントフィールドの屋敷も今攻められようとしてるわけだから、ここでのんびりはしていられないんだ)
【あ、そういえばゲームではそうでしたね。とりあえず、地盤を固めないといけませんか】
(うん。この目の前のやつらを片付ければ終わりってわけじゃない)
【ですね……。じゃ、最後にアーシャに……やっちゃってください】
(おっけい! 心抉るよー)
私はとびきりの笑顔を壇上に座り込んでいるアーシャに向けながら優しく声をかける。
「アーシャ……」
アーシャは驚きつつも不安げな顔で私の事を見上げてきた。
スパイをずっとやっていたというのに白々しい。自分だけ見逃してもらえるとでも思っているのだろうか。
「リナージュ様……」
はい、ここで一気に真顔に変化させて、
「かならずこうかいさせてあげるからおぼえておきなさい」
冷たく見下しながら言い放ってやるとアーシャは体をビクンと震わせた。それを見て、私の心はとりあえず満足したようだ。
勿論、今は……とつくけどね。
「では、さよなら。アイゼンと愚かな仲間たちさん」
「なっ、まてっ! ……は!?」
温かな上昇気流を作り上げ風魔法を融合て飛び上がる。アイゼンが間抜けな声を漏らす。
飛行魔法を知らないこの世界の人々は顔を驚愕に染めている。正直気持ちがいい。
ふわりと体を宙に浮かべ、ぐんぐんと高く飛び上がっていく。
何か言ってるような声も聞こえたが今はどうでもいい。
最後の仕上げが残っているので。
私は地上を見下ろしながら大きな水弾を空中に作り上げると風の力と火の力、全てのイメージを掛け合わせ高温の水流弾を作り上げた。
直径5メートル程で直接人にぶつければおそらく死に至るだろう。
勿論、そんなことはしない。
「いっくよー。熱湯の雨!」
といってもかなりの高度なので下に届くころには大分熱も引くと思う。それでも今はこれで十分。
ばしゃぁと水流弾は弾けると、地上に向かって熱い湯の雨が降り注ぐ。それに逃げ惑う人々。まるで人がゴミのようだ。
あがる阿鼻叫喚もリナージュを利用していたクズどものモノだと思うだけで、最上の交響曲のように心に響く。
人の人生は重い。軽はずみな気持ちで貶めては必ずしっぺ返しが来るのだ。
【中々に爽快でしたが、これがまだ序章だというんですよね」
「うん。そうだね。というか、これで完全に私たちは国の敵だから、やらなきゃどうしようもないってのがあるけど」
【そうは言ってもカオリ楽しそうです】
「楽しいよ。リナージュも楽しそうに思えるけど?」
【一人だったらどうだったかは分かりませんが、カオリと一緒だと凄く楽しいです。ああ、私も向こうで動きたいです】
「それも楽しみにしてる。寝れば変わるのかな? ま、今は私のターンだから!」
【待ち遠しいですよ。ま、この待ち遠しさもぶつけてあげますよ】
「うん、じゃ行くよ。ええっと……あれだね、やっぱ囲まれてるっぽいなぁ」
そう言って私は空からセントフィールドの屋敷の方向へと飛んでいく。
身体は薄い風の被膜でガードしている。けれど気持ちいい風が体を撫でていくのは分かる。
ドレスがバサバサとはためいているのは、なんとも不格好なような気がするけどね。
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