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第17話 公爵はリナージュを溺愛してるのね……
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私がそう宣言した途端フォレアス公爵はガタンと椅子を揺らして、大声で笑い声をあげた。
「はっはっはっは! リナージュ、三国を滅ぼすと言ったのか? これはまた大きく出たな……!?」
【ええ。父の言うとおりですよ。カオリはそんなことを考えていたのですか? 国を滅ぼすだなんて……】
(だって、そうじゃない? 私利私欲のために公爵家を滅ぼしたんならその報いは受けるべきだよ。
となると10倍じゃこの国だけじゃ足りいないし、手を組んでたのは三国なんだから)
【確かに言われてみればそうなのかもしれませんが……】
(だって、想像してよ? リナージュが捕らわれて、まぁおそらくはいずれ殺されちゃうはずだった。
で、ここの家も攻められて、お父さんもアレスくんたちもエルビスさんも皆殺されちゃうんだよ。私は許せないよ、そんなの)
【改めて聞くと私も心に怒りがふつふつと沸いてきました。しかし……大変ですよ? リンガイア帝国はゲームでは関わることのない国でしょう?】
(そうだね。でも、もうそういう次元の話じゃない。だってこの国だけをどうにかしても意味ないし、亡命なんて以ての外。そうじゃない?)
【先ほどカオリが言っていた家を捨てなければというのは……?】
(一時的に……だよ。この家を守れるのならベストだけど……ね。と、あんまり話しているとお父さんに不審に思われちゃうから)
私は考えていたふりをしていたのをやめ、真剣なまなざしを向けた。
「大きくなんて出ていません。ただ本気でそう思っているまでのこと。
私は分かったんです。嵌められた恨みは10倍で返すのが礼儀なんだと。容赦をしていてはまた同じことを繰り返されるんだと」
「ふむ……。だが、それが可能だとは思えん。まずどうやってリンガイアと同盟を結ぶ?」
「私が直々に赴いて交渉を行います」
そう言い放つとフォレアス公爵は椅子から立ち上がって目を見開いた。
「なんだとっ!? リナージュが? 確かにそれは……。いや、まて、まずこの状況をどう切り抜けるのだ?
それができないとお話にならん。絵に描いた餅だ。それに移動手段も確保できるとは思えん。まず追手がかかるだろう」
「それも私が何とかしますよ。私、目覚めてしまったのです。魔法の理というものに。
魔力が無限であるなら一人で国を落とすことも出来ると思いますけど……有限なのが残念です」
「な……? 一人で国を落とす……? リナージュ、お前は一体……。いや、流石は私の娘というべきなのか……?
絶対佳人とも言えるほどに可愛い上に他人が羨む程に優秀に育ってくれて……父さんは涙が溢れてきたぞ」
そう言って懐からハンカチを取り出すと本当に流れた涙を拭き始めた。
私のイメージではこんなキャラではなかったのだけど……んん。
(お父さんってこう言うキャラ? リナージュの事溺愛してる?)
【恥ずかしながら父は私の事となると見境が……。婚約の時のことも知識としてあるのでは……?】
(た、確かに。王様にワインをぶっかけてんじゃん。それでも怒らなかったのは計略のためってことね……腹黒……」
記憶を探ってみるとリナージュの婚約を申し込んできたときに、フォレアス公爵は盛大にワインをぶっかけていたようだ。
しかも注ぎ直して二回も。むちゃくちゃだ!
それで婚約破棄されたとなったらはらわた煮えくり返っても仕方がないだろう。意外と冷静だと思ってたんだけど。
「私もお父様の娘として生まれて心の底から誇らしいと思っていますよ」
「リナーーーージュゥゥゥゥ!!」
さらにボロボロと涙を流し始めハンカチで必死に拭いている。
ハンカチは涙でぐしゃぐしゃだ。イケメンダンディなおじさまももうどこにもいない。なんだか可愛いけど。
【こら! カオリ、また悪ノリしてるでしょう? 父は直ぐその気になるんですから!」
「いや、面白くてつい……」
「ん? リナージュ……今何か言ったか……?」
「あ、いえ、なんでもございません。少し気になったことがありまして……気にしないで頂けると嬉しいでしゅ」
ついつい口に出てしまいそれを早口で誤魔化そうとしたら噛んでしまった。なんたること。なんたること
【口に出ちゃってるし噛んじゃってるじゃないですか! 危険です、危険】
(いや、これこそつい……。リナージュが話しかけてくるんだもん。でも、ほら見てよ)
フォレアス公爵は「珍しく慌てて噛んだリナージュ可愛いな」と惚けた様子だった。
噛んだことによるごまかし作戦は大成功という訳だ。ということにしておこう。
「コホン……。それでですね、ご相談したいことがあってここに馳せ参じたわけです」
私の態度を見てかフォレアス公爵も居住まいをただした。
「どうした、急に改まって。父さんとリナージュの二人だけだ、そんなにしゃっちょこばる必要はないぞ」
「事態が事態ですから。
それでですね、ご相談したいことはどこまで戦線を保てるか……ということなのです」
「それは敵の導入戦力によるな。今囲んでいるレベルであるならうちを落とす事は敵わん」
「でしょうね。ですが、今のこの戦力は先遣隊にすぎません。本来であれば私を捕らえて、それから増強した兵力で叩こうというのがあちらの出方だったはずです」
「いや、お前が捕らえられなくて本当に良かったと思う。もしそうなっていたら私も我を忘れていたかもしれん」
その言葉を聞き、それも狙いだったのかもしれないと頭をよぎる。
ゲームではその描写はなかったけれど、当然視野に入れることのはず。
(リナージュが捕らえられて人質として使われたって可能性がある……?)
【今考えてみればその可能性は高いです。普通に全面戦争が起きれば、セントフィールド公爵家が容易く落とされることはないと思いますから】
(それも計算づくってことかな……。無実の人質を取るとかどんだけ卑劣なんだ。やっぱ三国は滅んで良し)
【ふふ。カオリが滅ぼしてくれるんでしょう?】
(あ、うん、リナージュの体でね。……もし元に戻ることがあったらごめんね?)
【構いませんよ。稀代の悪役令嬢。そう呼ばれるのも悪くはありません】
(地べたに這いつくばらせて、泣いて命乞いをしても絶対許さない。なってやりましょう、悪役に!)
【なんだか楽しそうですね】
リナージュと心を共にしてればなんでもできる、そんな気がする。
やれるだけやってこの手で人生を掴みとる。それが私たちの生きる道だ。
「私はあのような低俗の輩に捕らえられたりはしませんよ。実力が不足し過ぎてますから」
「そうか、そうだな。リナージュは私の誇り、セントフィールド家の象徴だ」
「いや、流石にそれは大袈裟です」
「大袈裟なことがあるか! 父さん亡き後はリナージュにセントフィールド家を継いでもらいたかったくらいなのだ」
「そんなことを言ったらアレスが妬みますし、いさかいを生みます。私は私で自分で未来を掴みとりますから」
「そ、そう言われると寂しいではないか。…………昔みたいに父さんと一緒に寝てくれてもいいんだぞ?」
「無事にミッションを達成できたら、一度くらいは添い寝をして差し上げてもいいでしょう」
「な、な、な、な、なんだってぇぇぇ!? よし、父さんは頑張るぞ! まずは何をすればいいんだ?」
フォレアス公爵はテキパキと体を動かしたが、結局何をやればいいのか分からず膝に手を置いた。
非常に面白い動きだったよ。やっぱりなんか可愛いし。
(リナージュのお父さん楽しい人だね。添い寝してあげてね)
【カオリが煽り過ぎなんです! 添い寝は……別に構いませんけど、カオリがすることになるのでは?】
(ん、ん。別にいいけど、私が添い寝すると普通に男の人と添い寝って感じになっちゃうんだよね。実年齢からしたら全然気にならないレベルだし)
【変なことはしないでくださいよ】
(そ、それはしないけどさ……。まぁいいや。いつまで敵も待ってくれるか分かんないし、動くならこっちから動きたい)
ということで、話を続けていく。
必要なのはここをなるべく守ること。
ただ相手を倒すよりもこちらの犠牲を減らすことを優先して、動くこと。
それでも守り切れないようだったら家を捨ててでも逃げること。
だからといってそれが負けという訳ではない。戦術の一つとして逃げるが勝ちということ。
普通なら聞き入れてくれないだろう願いも、リナージュからの頼みということでフォレアス公爵は素直に聞き入れてくれた。
「では、まずはこの周りにいる蟻の群れを蹴散らしてくるとしますか」
「う、うむ……。本当にわが愛しの愛娘だけで良いのか?」
「なんですか、その言い回しは……。大丈夫です。言ったでしょう? 魔法の理を理解したと……」
そう口にし私は部屋を後にし玄関に向かっていった。
「はっはっはっは! リナージュ、三国を滅ぼすと言ったのか? これはまた大きく出たな……!?」
【ええ。父の言うとおりですよ。カオリはそんなことを考えていたのですか? 国を滅ぼすだなんて……】
(だって、そうじゃない? 私利私欲のために公爵家を滅ぼしたんならその報いは受けるべきだよ。
となると10倍じゃこの国だけじゃ足りいないし、手を組んでたのは三国なんだから)
【確かに言われてみればそうなのかもしれませんが……】
(だって、想像してよ? リナージュが捕らわれて、まぁおそらくはいずれ殺されちゃうはずだった。
で、ここの家も攻められて、お父さんもアレスくんたちもエルビスさんも皆殺されちゃうんだよ。私は許せないよ、そんなの)
【改めて聞くと私も心に怒りがふつふつと沸いてきました。しかし……大変ですよ? リンガイア帝国はゲームでは関わることのない国でしょう?】
(そうだね。でも、もうそういう次元の話じゃない。だってこの国だけをどうにかしても意味ないし、亡命なんて以ての外。そうじゃない?)
【先ほどカオリが言っていた家を捨てなければというのは……?】
(一時的に……だよ。この家を守れるのならベストだけど……ね。と、あんまり話しているとお父さんに不審に思われちゃうから)
私は考えていたふりをしていたのをやめ、真剣なまなざしを向けた。
「大きくなんて出ていません。ただ本気でそう思っているまでのこと。
私は分かったんです。嵌められた恨みは10倍で返すのが礼儀なんだと。容赦をしていてはまた同じことを繰り返されるんだと」
「ふむ……。だが、それが可能だとは思えん。まずどうやってリンガイアと同盟を結ぶ?」
「私が直々に赴いて交渉を行います」
そう言い放つとフォレアス公爵は椅子から立ち上がって目を見開いた。
「なんだとっ!? リナージュが? 確かにそれは……。いや、まて、まずこの状況をどう切り抜けるのだ?
それができないとお話にならん。絵に描いた餅だ。それに移動手段も確保できるとは思えん。まず追手がかかるだろう」
「それも私が何とかしますよ。私、目覚めてしまったのです。魔法の理というものに。
魔力が無限であるなら一人で国を落とすことも出来ると思いますけど……有限なのが残念です」
「な……? 一人で国を落とす……? リナージュ、お前は一体……。いや、流石は私の娘というべきなのか……?
絶対佳人とも言えるほどに可愛い上に他人が羨む程に優秀に育ってくれて……父さんは涙が溢れてきたぞ」
そう言って懐からハンカチを取り出すと本当に流れた涙を拭き始めた。
私のイメージではこんなキャラではなかったのだけど……んん。
(お父さんってこう言うキャラ? リナージュの事溺愛してる?)
【恥ずかしながら父は私の事となると見境が……。婚約の時のことも知識としてあるのでは……?】
(た、確かに。王様にワインをぶっかけてんじゃん。それでも怒らなかったのは計略のためってことね……腹黒……」
記憶を探ってみるとリナージュの婚約を申し込んできたときに、フォレアス公爵は盛大にワインをぶっかけていたようだ。
しかも注ぎ直して二回も。むちゃくちゃだ!
それで婚約破棄されたとなったらはらわた煮えくり返っても仕方がないだろう。意外と冷静だと思ってたんだけど。
「私もお父様の娘として生まれて心の底から誇らしいと思っていますよ」
「リナーーーージュゥゥゥゥ!!」
さらにボロボロと涙を流し始めハンカチで必死に拭いている。
ハンカチは涙でぐしゃぐしゃだ。イケメンダンディなおじさまももうどこにもいない。なんだか可愛いけど。
【こら! カオリ、また悪ノリしてるでしょう? 父は直ぐその気になるんですから!」
「いや、面白くてつい……」
「ん? リナージュ……今何か言ったか……?」
「あ、いえ、なんでもございません。少し気になったことがありまして……気にしないで頂けると嬉しいでしゅ」
ついつい口に出てしまいそれを早口で誤魔化そうとしたら噛んでしまった。なんたること。なんたること
【口に出ちゃってるし噛んじゃってるじゃないですか! 危険です、危険】
(いや、これこそつい……。リナージュが話しかけてくるんだもん。でも、ほら見てよ)
フォレアス公爵は「珍しく慌てて噛んだリナージュ可愛いな」と惚けた様子だった。
噛んだことによるごまかし作戦は大成功という訳だ。ということにしておこう。
「コホン……。それでですね、ご相談したいことがあってここに馳せ参じたわけです」
私の態度を見てかフォレアス公爵も居住まいをただした。
「どうした、急に改まって。父さんとリナージュの二人だけだ、そんなにしゃっちょこばる必要はないぞ」
「事態が事態ですから。
それでですね、ご相談したいことはどこまで戦線を保てるか……ということなのです」
「それは敵の導入戦力によるな。今囲んでいるレベルであるならうちを落とす事は敵わん」
「でしょうね。ですが、今のこの戦力は先遣隊にすぎません。本来であれば私を捕らえて、それから増強した兵力で叩こうというのがあちらの出方だったはずです」
「いや、お前が捕らえられなくて本当に良かったと思う。もしそうなっていたら私も我を忘れていたかもしれん」
その言葉を聞き、それも狙いだったのかもしれないと頭をよぎる。
ゲームではその描写はなかったけれど、当然視野に入れることのはず。
(リナージュが捕らえられて人質として使われたって可能性がある……?)
【今考えてみればその可能性は高いです。普通に全面戦争が起きれば、セントフィールド公爵家が容易く落とされることはないと思いますから】
(それも計算づくってことかな……。無実の人質を取るとかどんだけ卑劣なんだ。やっぱ三国は滅んで良し)
【ふふ。カオリが滅ぼしてくれるんでしょう?】
(あ、うん、リナージュの体でね。……もし元に戻ることがあったらごめんね?)
【構いませんよ。稀代の悪役令嬢。そう呼ばれるのも悪くはありません】
(地べたに這いつくばらせて、泣いて命乞いをしても絶対許さない。なってやりましょう、悪役に!)
【なんだか楽しそうですね】
リナージュと心を共にしてればなんでもできる、そんな気がする。
やれるだけやってこの手で人生を掴みとる。それが私たちの生きる道だ。
「私はあのような低俗の輩に捕らえられたりはしませんよ。実力が不足し過ぎてますから」
「そうか、そうだな。リナージュは私の誇り、セントフィールド家の象徴だ」
「いや、流石にそれは大袈裟です」
「大袈裟なことがあるか! 父さん亡き後はリナージュにセントフィールド家を継いでもらいたかったくらいなのだ」
「そんなことを言ったらアレスが妬みますし、いさかいを生みます。私は私で自分で未来を掴みとりますから」
「そ、そう言われると寂しいではないか。…………昔みたいに父さんと一緒に寝てくれてもいいんだぞ?」
「無事にミッションを達成できたら、一度くらいは添い寝をして差し上げてもいいでしょう」
「な、な、な、な、なんだってぇぇぇ!? よし、父さんは頑張るぞ! まずは何をすればいいんだ?」
フォレアス公爵はテキパキと体を動かしたが、結局何をやればいいのか分からず膝に手を置いた。
非常に面白い動きだったよ。やっぱりなんか可愛いし。
(リナージュのお父さん楽しい人だね。添い寝してあげてね)
【カオリが煽り過ぎなんです! 添い寝は……別に構いませんけど、カオリがすることになるのでは?】
(ん、ん。別にいいけど、私が添い寝すると普通に男の人と添い寝って感じになっちゃうんだよね。実年齢からしたら全然気にならないレベルだし)
【変なことはしないでくださいよ】
(そ、それはしないけどさ……。まぁいいや。いつまで敵も待ってくれるか分かんないし、動くならこっちから動きたい)
ということで、話を続けていく。
必要なのはここをなるべく守ること。
ただ相手を倒すよりもこちらの犠牲を減らすことを優先して、動くこと。
それでも守り切れないようだったら家を捨ててでも逃げること。
だからといってそれが負けという訳ではない。戦術の一つとして逃げるが勝ちということ。
普通なら聞き入れてくれないだろう願いも、リナージュからの頼みということでフォレアス公爵は素直に聞き入れてくれた。
「では、まずはこの周りにいる蟻の群れを蹴散らしてくるとしますか」
「う、うむ……。本当にわが愛しの愛娘だけで良いのか?」
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