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第21話 カオリの実家に電話します
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柔らかに沈む体の感覚を感じながら眼を開けて私はぽつりと呟いた。
「知らない天井です……」
《あっはははは! リナージュの口からまさかその言葉が聞けるとは!》
(あら、おはようございます、カオリ。私はなぜ笑われてしまったのでしょうか……ああ、そういうことですか……)
《おはよ! いやいや、昨日はなんだか嫌な夢見ちゃったよ。いや、いい夢だったのかな?》
(私に聞かれても分かりませんが……、私も嫌な夢をみました)
私の言葉にカオリが笑ったのはよくある小説の台詞だったからということみたいです。
寝起きに笑われるとはなんとも遺憾ですが、気にしないようにしました。
《そうなんだ……? もしかしたら夢の傾向とかは感情やら脳波やらの影響を受けるのかな?》
(分かりません、分かりませんが、あまり思い出したくはないです)
《そうだね……うん。ええと、今日はどうするの? 準備して実家に行く?》
(お仕事は……土曜日は休み。そういえば年月などの概念は全く一緒なんですよね。ならそうすることにしましょうか)
《うんうん。あー緊張するなぁ。会うのって半年ぶりだよ……。あーあーあー! 緊張する!》
(カオリ、うるさいですよ。とりあえず借金の事など電話で伝えてしまいますね)
《え、ええ!? 電話で言っちゃうの!? 直接会ってからの方がいいんじゃない?》
(ストレートにではなくやんわりと伝えますよ。お金の準備に時間はかかるもんでしょう?)
《いや、うちの家ならそんなには……。とりあえず準備したら?》
(そ、そうですね……。一人で朝の準備も久しぶりですし、カオリの体というのも慣れないもので)
《夜は楽しそうにお風呂入ってたじゃん。くねくね変なポーズとったりしてさ! 見てる方が恥ずかしかったよ》
(いや、なんだか楽しくてですね……)
カオリと話していると楽しいですが、確かにこのままでは何も前に進みません。
一通りの身支度を整えてから朝食をとることにします。
(何を食べればいいですか? なんだか色々変わっていて……)
知識があっても現実に直視すると未知のものの処理は難しいもの。
カオリは僅かに迷った様子を見せた後、答えを返してくれました。
《そうだね。グラノーラでも食べる? ドライフルーツ入ったやつ結構美味しいから》
(変わった名前の食べ物ですね。それをありがたくいただきます。……ええと、これですか)
綺麗な野菜や果物の絵が描かれた袋。写真……というものみたいですが素晴らしい表現力です。
牛乳をかけて食べればさくりとした食感とフルーツの甘味、香ばしい香りが口腔を抜けていき、ただ袋から出しただけのものだというのに信じられない美味しさでした。
《リナージュが美味しそうに食べてくれるとなんだか私も幸せだ。ほらほらヨーグルトも食べな》
ヨーグルトはあちらの世界にもあります。
けれど、食べてみるとまるで違います。大分さっぱりしていて……今まで食べたことがあったのは濃厚な物だったので、これはどちらがいいかは好みが分かれそうです。
朝、と考えるとこれでいいような気がします。ジャム美味しいです。
(ごちそうさまでした。カオリのお食事を頂いてばかりでなんだか悪い気がしますが、身体はカオリのものなんですものね。複雑な気分です)
《ははは。そんなのいいって! リナージュが遊びに来てくれたとしてもたらふくごちそうしてあげるよ》
(そ、そんなには食べませんけれどね。……それでは、電話をかけさせていただきましょうか)
《あ、うん。使い方は分かる?》
(大丈夫です。携帯、パソコン、使い方はさえ分かってしまえば操作は簡単です)
《あはは。流石才女……。じゃあ……何か困ったら教えてね? 私の口調とかできるのかが不安だけど……》
(甘く見ないでくださいよ。勉学で他人に後れを取ったことは一度もありません)
《完璧超人設定最強だな……》
(何か言いましたか?)
《あーいや! なんでもない、なんでもない。電話お願いしまーっす》
何だかもやもやとした気分ですが、カオリのスマートフォンというものを利用し電話をさせて頂きました。
どちらも私の国にはない文化。そういえば風と振動で音を伝える魔法をカオリは使ってましたね。
けれど……さすがにこれはそんなレベルではないでしょう。カオリのご両親はとても見えないほどに遠く離れた場所にいるらしいのですから。
小さな機械から流れ出る音。まるで音楽隊が奏でているかのような……。
――もしもし、カオリ?
聞こえてきたのは女性の声。おそらくはカオリのお母様ということなのでしょう。
「はい。カオリです」
――どうしちゃったの! 突然! ぜんっぜん連絡ないからお母さん心配で心配で。
《いや、確かに電話はしてなかったけど、連絡とってなかったことはないと思うんだけど……》
(心配してくれるということはいいことですよ。話を続けますね)
「ごめんなさい。少し忙しかったの。たまには…………お母さんの声を聴きたくてね」
――何かあったの……? いつもと喋り方が違うわね。
《言葉遣いはいいんだけど、喋り方の問題かな。私お母さんと話すときは結構はきはきと喋るから》
(なるほど、分かりました)
「そんなことはないよ! いや、何かあったって言えばあったのかもしれない。ちょっと大変なことになっちゃって……」
――そ、そうなの……? 何かあったらいつでも頼ればいいって言ってるじゃないの! それで、どうしたの?
「ええと、悪い男に騙されちゃって……」
――え!? 大丈夫なの!? まさか…………。
「ううん、そうじゃないの。暴行とかそういったことはないから……。ただ借金を作っちゃって……」
《結局言っちゃうかー》
(し、仕方ないじゃないですか! 暴行されてないのにされたなんて言えません。不必要に心配はかけたくないです)
《まぁそうだね。仕方ないか》
――借金……いくらなの…………?
「五百万……です……」
――ーごひゃくまん!? たったそれだけでそんなに心配してたの?
(ほらやっぱり私が言った通りじゃないですか)
《き、金額の問題じゃないんだよ……!》
「たったって……大金だよ。金額の問題じゃないし」
――カオリが無事ならそれでいいのよ。とりあえずそれはすぐ返済しちゃいなさい。……そうね、一度戻って来られるくらいのお金はある?
「それは大丈夫。数日暮らすくらいのお金は手元にあるから」
――今日は土曜日ね……。お母さんはずっとうちにいるから今すぐにでも戻ってきなさい。
「分かりました……。ありがとう、お母さん……」
――気にしなくていいのよ。お金なんかよりもあなたのほうがよっぽど大切なの。とりあえず、待ってるからね。
「はい、すぐ向かいます」
そう会話を交わして電話は切れた。
(良い方ですね。少し涙がにじんでしまいました)
《うん。一人で苦しんでたのは駄目だったのかな……。利子で借金増えちゃったし……》
(カオリは実家のお金は一切当てにしなかったんですよね。本当に偉い事です)
《はは、よしてよ。ただ自由に生きてきたってだけ。それにそのせいでまるでツケを払うかのようになっちゃったんだから》
(それでも、です。私はセントフィールド家から出ようと思ったことはありませんでしたよ)
《うーん。まぁ公爵家だしねぇ。出ようと思っても出れないでしょ。ま、いいや。待ってるだろうし行こう》
(ですね。移動は……電車……ですか。本当にすごい世界です)
《ん。魔法もすごかったけどねぇ。思い出しただけでぶるって震えちゃう》
(あんなに激しいことをしたことは今までにありませんでしたよ。さて……行きましょう)
さらに身支度を整えて、準備を行い私は玄関のドアに手をかけた。
「知らない天井です……」
《あっはははは! リナージュの口からまさかその言葉が聞けるとは!》
(あら、おはようございます、カオリ。私はなぜ笑われてしまったのでしょうか……ああ、そういうことですか……)
《おはよ! いやいや、昨日はなんだか嫌な夢見ちゃったよ。いや、いい夢だったのかな?》
(私に聞かれても分かりませんが……、私も嫌な夢をみました)
私の言葉にカオリが笑ったのはよくある小説の台詞だったからということみたいです。
寝起きに笑われるとはなんとも遺憾ですが、気にしないようにしました。
《そうなんだ……? もしかしたら夢の傾向とかは感情やら脳波やらの影響を受けるのかな?》
(分かりません、分かりませんが、あまり思い出したくはないです)
《そうだね……うん。ええと、今日はどうするの? 準備して実家に行く?》
(お仕事は……土曜日は休み。そういえば年月などの概念は全く一緒なんですよね。ならそうすることにしましょうか)
《うんうん。あー緊張するなぁ。会うのって半年ぶりだよ……。あーあーあー! 緊張する!》
(カオリ、うるさいですよ。とりあえず借金の事など電話で伝えてしまいますね)
《え、ええ!? 電話で言っちゃうの!? 直接会ってからの方がいいんじゃない?》
(ストレートにではなくやんわりと伝えますよ。お金の準備に時間はかかるもんでしょう?)
《いや、うちの家ならそんなには……。とりあえず準備したら?》
(そ、そうですね……。一人で朝の準備も久しぶりですし、カオリの体というのも慣れないもので)
《夜は楽しそうにお風呂入ってたじゃん。くねくね変なポーズとったりしてさ! 見てる方が恥ずかしかったよ》
(いや、なんだか楽しくてですね……)
カオリと話していると楽しいですが、確かにこのままでは何も前に進みません。
一通りの身支度を整えてから朝食をとることにします。
(何を食べればいいですか? なんだか色々変わっていて……)
知識があっても現実に直視すると未知のものの処理は難しいもの。
カオリは僅かに迷った様子を見せた後、答えを返してくれました。
《そうだね。グラノーラでも食べる? ドライフルーツ入ったやつ結構美味しいから》
(変わった名前の食べ物ですね。それをありがたくいただきます。……ええと、これですか)
綺麗な野菜や果物の絵が描かれた袋。写真……というものみたいですが素晴らしい表現力です。
牛乳をかけて食べればさくりとした食感とフルーツの甘味、香ばしい香りが口腔を抜けていき、ただ袋から出しただけのものだというのに信じられない美味しさでした。
《リナージュが美味しそうに食べてくれるとなんだか私も幸せだ。ほらほらヨーグルトも食べな》
ヨーグルトはあちらの世界にもあります。
けれど、食べてみるとまるで違います。大分さっぱりしていて……今まで食べたことがあったのは濃厚な物だったので、これはどちらがいいかは好みが分かれそうです。
朝、と考えるとこれでいいような気がします。ジャム美味しいです。
(ごちそうさまでした。カオリのお食事を頂いてばかりでなんだか悪い気がしますが、身体はカオリのものなんですものね。複雑な気分です)
《ははは。そんなのいいって! リナージュが遊びに来てくれたとしてもたらふくごちそうしてあげるよ》
(そ、そんなには食べませんけれどね。……それでは、電話をかけさせていただきましょうか)
《あ、うん。使い方は分かる?》
(大丈夫です。携帯、パソコン、使い方はさえ分かってしまえば操作は簡単です)
《あはは。流石才女……。じゃあ……何か困ったら教えてね? 私の口調とかできるのかが不安だけど……》
(甘く見ないでくださいよ。勉学で他人に後れを取ったことは一度もありません)
《完璧超人設定最強だな……》
(何か言いましたか?)
《あーいや! なんでもない、なんでもない。電話お願いしまーっす》
何だかもやもやとした気分ですが、カオリのスマートフォンというものを利用し電話をさせて頂きました。
どちらも私の国にはない文化。そういえば風と振動で音を伝える魔法をカオリは使ってましたね。
けれど……さすがにこれはそんなレベルではないでしょう。カオリのご両親はとても見えないほどに遠く離れた場所にいるらしいのですから。
小さな機械から流れ出る音。まるで音楽隊が奏でているかのような……。
――もしもし、カオリ?
聞こえてきたのは女性の声。おそらくはカオリのお母様ということなのでしょう。
「はい。カオリです」
――どうしちゃったの! 突然! ぜんっぜん連絡ないからお母さん心配で心配で。
《いや、確かに電話はしてなかったけど、連絡とってなかったことはないと思うんだけど……》
(心配してくれるということはいいことですよ。話を続けますね)
「ごめんなさい。少し忙しかったの。たまには…………お母さんの声を聴きたくてね」
――何かあったの……? いつもと喋り方が違うわね。
《言葉遣いはいいんだけど、喋り方の問題かな。私お母さんと話すときは結構はきはきと喋るから》
(なるほど、分かりました)
「そんなことはないよ! いや、何かあったって言えばあったのかもしれない。ちょっと大変なことになっちゃって……」
――そ、そうなの……? 何かあったらいつでも頼ればいいって言ってるじゃないの! それで、どうしたの?
「ええと、悪い男に騙されちゃって……」
――え!? 大丈夫なの!? まさか…………。
「ううん、そうじゃないの。暴行とかそういったことはないから……。ただ借金を作っちゃって……」
《結局言っちゃうかー》
(し、仕方ないじゃないですか! 暴行されてないのにされたなんて言えません。不必要に心配はかけたくないです)
《まぁそうだね。仕方ないか》
――借金……いくらなの…………?
「五百万……です……」
――ーごひゃくまん!? たったそれだけでそんなに心配してたの?
(ほらやっぱり私が言った通りじゃないですか)
《き、金額の問題じゃないんだよ……!》
「たったって……大金だよ。金額の問題じゃないし」
――カオリが無事ならそれでいいのよ。とりあえずそれはすぐ返済しちゃいなさい。……そうね、一度戻って来られるくらいのお金はある?
「それは大丈夫。数日暮らすくらいのお金は手元にあるから」
――今日は土曜日ね……。お母さんはずっとうちにいるから今すぐにでも戻ってきなさい。
「分かりました……。ありがとう、お母さん……」
――気にしなくていいのよ。お金なんかよりもあなたのほうがよっぽど大切なの。とりあえず、待ってるからね。
「はい、すぐ向かいます」
そう会話を交わして電話は切れた。
(良い方ですね。少し涙がにじんでしまいました)
《うん。一人で苦しんでたのは駄目だったのかな……。利子で借金増えちゃったし……》
(カオリは実家のお金は一切当てにしなかったんですよね。本当に偉い事です)
《はは、よしてよ。ただ自由に生きてきたってだけ。それにそのせいでまるでツケを払うかのようになっちゃったんだから》
(それでも、です。私はセントフィールド家から出ようと思ったことはありませんでしたよ)
《うーん。まぁ公爵家だしねぇ。出ようと思っても出れないでしょ。ま、いいや。待ってるだろうし行こう》
(ですね。移動は……電車……ですか。本当にすごい世界です)
《ん。魔法もすごかったけどねぇ。思い出しただけでぶるって震えちゃう》
(あんなに激しいことをしたことは今までにありませんでしたよ。さて……行きましょう)
さらに身支度を整えて、準備を行い私は玄関のドアに手をかけた。
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