のんびりダンジョン経営してたら億万長者になりました。

こたつぬこ

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013.キャルアの初めての戦い。

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 ダンジョンへと戻ってきた僕たちは、まずはキャルアの実力を見てみることにした。

 現在は入口は閉ざしている。

 どうやら中に入れるのは一つのパーティーだけらしく、これもコンソールで変更できる様子。
 もっとも、今の状況でそれをやると評価が下がるとのことなので(当然とは思うけど)もう少し成長したら考えてみようかと思う。

「キャ、キャルア、スライムって初めてみたのです!」

 キャルアはスライムに剣を構えている……が、足が僅かに震えている。
 見た目は凄く可愛らしいスライム、怖がる理由はないはずだ。
 僕が実際に戦うとなると腰が引けるかもしれないけど。

「大丈夫だよ、キャルア。ピュイ、スライムって弱いんでしょ?」

「はいなのです! ピュイなら一息で吹き飛ぶなのです!」

 ちなみに僕は、このダンジョン内でモンスターを倒したり宝箱を開けたとしても、何も手に入れることは出来ないらしい。

 あくまで人を使ってダンジョンを成長させるのみ。

 それはピュイも同じ。
 キャルアもコンソールを使うか、ギルドでパーティーを組めば似たような感じになるらしいが、今はそれは必要ないので、キャルアはスライムを倒せば成長もするしドロップ品も手に入る。
 ただ、普通にしてればダンジョンに入れば僕とピュイのことが見えなくなってしまうので、それだけはコンソールで変更しておいた。

「がんばれ! 動きをよく見て、先制攻撃を仕掛ければいけるよ!」

 言ってから自分は戦った事なんてないので無責任かとも思ったけど、ここは発破をかけるべきだと思って訂正はしなかった。
 スライムはノンアクティブ(受動的)モンスター。
 攻撃を仕掛けない限り、襲ってきたりはしない。

「がんばりますっ!」

 はぁはぁふぅふぅ深呼吸をしていたキャルアだったが、意を決したのか剣を振りかぶりながら飛び込んだ。

「って、はやっ!」

 キャルアはビュンと剣を振りスライムの身体を両断し、そして壁に水滴が飛散した。
 身のこなしも剣の振りもあまりに速過ぎる。
 僕の目では追いきれないほどに速い。

「や、やった! やりました! キャルア、やりましたです!」

 諸手を掲げて万歳をして飛び跳ねているが、もはやそんなレベルではない。
 どう見てもオーバーアタックであるし、レベル差があり過ぎるように感じた。

「キャルアってモン……いや、魔物と戦ったことあるの……?」

「ないです。初めて戦いましたです」

 戦ったことがなくてこれ……?と思っているとスライムがキャルアに迫っていた。
 どうやらノンアクティブではあるが、仲間を攻撃されると全てアクティブに変わるという設定らしい。
 けれど、一度倒した相手だからか、キャルアはまるで気後れしていない。
 ぶちゅん、ばちゅん、と悲し気な音を発しながら、僕のスライムは飛散して水たまりとなって消えていった。

「あはは。キャルア、凄いね」

 拍手をしながら歩み寄ると、嬉しそうに笑って耳をひょこと動かした。

「良かったです。うまくできましたです」

 そんなキャルアを見ながらピュイがつんと顔をそっぽにむけた。

「ピュイの方がもっとすごいです! でも、キャルア意外とやるなのです! 見直したのです!」

「ピュイさんありがとうです。キャルア、もっともっと頑張るです」

「うん、一緒に頑張ろう。スライム倒して何か変わったことある?」

「スライムゼリーというのを三個と30コリア、そして経験値を頂きました」

「へぇ……。スライムゼリーってどんなもの?」

「ひんやり冷たいらしいです」

「それだけ……?」

「それだけみたいです」

(ま、スライムだしね)

 そう思い、今度は自分がダンジョンを成長させる番だなと気合を入れた。
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