13 / 36
013.キャルアの初めての戦い。
しおりを挟む
ダンジョンへと戻ってきた僕たちは、まずはキャルアの実力を見てみることにした。
現在は入口は閉ざしている。
どうやら中に入れるのは一つのパーティーだけらしく、これもコンソールで変更できる様子。
もっとも、今の状況でそれをやると評価が下がるとのことなので(当然とは思うけど)もう少し成長したら考えてみようかと思う。
「キャ、キャルア、スライムって初めてみたのです!」
キャルアはスライムに剣を構えている……が、足が僅かに震えている。
見た目は凄く可愛らしいスライム、怖がる理由はないはずだ。
僕が実際に戦うとなると腰が引けるかもしれないけど。
「大丈夫だよ、キャルア。ピュイ、スライムって弱いんでしょ?」
「はいなのです! ピュイなら一息で吹き飛ぶなのです!」
ちなみに僕は、このダンジョン内でモンスターを倒したり宝箱を開けたとしても、何も手に入れることは出来ないらしい。
あくまで人を使ってダンジョンを成長させるのみ。
それはピュイも同じ。
キャルアもコンソールを使うか、ギルドでパーティーを組めば似たような感じになるらしいが、今はそれは必要ないので、キャルアはスライムを倒せば成長もするしドロップ品も手に入る。
ただ、普通にしてればダンジョンに入れば僕とピュイのことが見えなくなってしまうので、それだけはコンソールで変更しておいた。
「がんばれ! 動きをよく見て、先制攻撃を仕掛ければいけるよ!」
言ってから自分は戦った事なんてないので無責任かとも思ったけど、ここは発破をかけるべきだと思って訂正はしなかった。
スライムはノンアクティブ(受動的)モンスター。
攻撃を仕掛けない限り、襲ってきたりはしない。
「がんばりますっ!」
はぁはぁふぅふぅ深呼吸をしていたキャルアだったが、意を決したのか剣を振りかぶりながら飛び込んだ。
「って、はやっ!」
キャルアはビュンと剣を振りスライムの身体を両断し、そして壁に水滴が飛散した。
身のこなしも剣の振りもあまりに速過ぎる。
僕の目では追いきれないほどに速い。
「や、やった! やりました! キャルア、やりましたです!」
諸手を掲げて万歳をして飛び跳ねているが、もはやそんなレベルではない。
どう見てもオーバーアタックであるし、レベル差があり過ぎるように感じた。
「キャルアってモン……いや、魔物と戦ったことあるの……?」
「ないです。初めて戦いましたです」
戦ったことがなくてこれ……?と思っているとスライムがキャルアに迫っていた。
どうやらノンアクティブではあるが、仲間を攻撃されると全てアクティブに変わるという設定らしい。
けれど、一度倒した相手だからか、キャルアはまるで気後れしていない。
ぶちゅん、ばちゅん、と悲し気な音を発しながら、僕のスライムは飛散して水たまりとなって消えていった。
「あはは。キャルア、凄いね」
拍手をしながら歩み寄ると、嬉しそうに笑って耳をひょこと動かした。
「良かったです。うまくできましたです」
そんなキャルアを見ながらピュイがつんと顔をそっぽにむけた。
「ピュイの方がもっとすごいです! でも、キャルア意外とやるなのです! 見直したのです!」
「ピュイさんありがとうです。キャルア、もっともっと頑張るです」
「うん、一緒に頑張ろう。スライム倒して何か変わったことある?」
「スライムゼリーというのを三個と30コリア、そして経験値を頂きました」
「へぇ……。スライムゼリーってどんなもの?」
「ひんやり冷たいらしいです」
「それだけ……?」
「それだけみたいです」
(ま、スライムだしね)
そう思い、今度は自分がダンジョンを成長させる番だなと気合を入れた。
現在は入口は閉ざしている。
どうやら中に入れるのは一つのパーティーだけらしく、これもコンソールで変更できる様子。
もっとも、今の状況でそれをやると評価が下がるとのことなので(当然とは思うけど)もう少し成長したら考えてみようかと思う。
「キャ、キャルア、スライムって初めてみたのです!」
キャルアはスライムに剣を構えている……が、足が僅かに震えている。
見た目は凄く可愛らしいスライム、怖がる理由はないはずだ。
僕が実際に戦うとなると腰が引けるかもしれないけど。
「大丈夫だよ、キャルア。ピュイ、スライムって弱いんでしょ?」
「はいなのです! ピュイなら一息で吹き飛ぶなのです!」
ちなみに僕は、このダンジョン内でモンスターを倒したり宝箱を開けたとしても、何も手に入れることは出来ないらしい。
あくまで人を使ってダンジョンを成長させるのみ。
それはピュイも同じ。
キャルアもコンソールを使うか、ギルドでパーティーを組めば似たような感じになるらしいが、今はそれは必要ないので、キャルアはスライムを倒せば成長もするしドロップ品も手に入る。
ただ、普通にしてればダンジョンに入れば僕とピュイのことが見えなくなってしまうので、それだけはコンソールで変更しておいた。
「がんばれ! 動きをよく見て、先制攻撃を仕掛ければいけるよ!」
言ってから自分は戦った事なんてないので無責任かとも思ったけど、ここは発破をかけるべきだと思って訂正はしなかった。
スライムはノンアクティブ(受動的)モンスター。
攻撃を仕掛けない限り、襲ってきたりはしない。
「がんばりますっ!」
はぁはぁふぅふぅ深呼吸をしていたキャルアだったが、意を決したのか剣を振りかぶりながら飛び込んだ。
「って、はやっ!」
キャルアはビュンと剣を振りスライムの身体を両断し、そして壁に水滴が飛散した。
身のこなしも剣の振りもあまりに速過ぎる。
僕の目では追いきれないほどに速い。
「や、やった! やりました! キャルア、やりましたです!」
諸手を掲げて万歳をして飛び跳ねているが、もはやそんなレベルではない。
どう見てもオーバーアタックであるし、レベル差があり過ぎるように感じた。
「キャルアってモン……いや、魔物と戦ったことあるの……?」
「ないです。初めて戦いましたです」
戦ったことがなくてこれ……?と思っているとスライムがキャルアに迫っていた。
どうやらノンアクティブではあるが、仲間を攻撃されると全てアクティブに変わるという設定らしい。
けれど、一度倒した相手だからか、キャルアはまるで気後れしていない。
ぶちゅん、ばちゅん、と悲し気な音を発しながら、僕のスライムは飛散して水たまりとなって消えていった。
「あはは。キャルア、凄いね」
拍手をしながら歩み寄ると、嬉しそうに笑って耳をひょこと動かした。
「良かったです。うまくできましたです」
そんなキャルアを見ながらピュイがつんと顔をそっぽにむけた。
「ピュイの方がもっとすごいです! でも、キャルア意外とやるなのです! 見直したのです!」
「ピュイさんありがとうです。キャルア、もっともっと頑張るです」
「うん、一緒に頑張ろう。スライム倒して何か変わったことある?」
「スライムゼリーというのを三個と30コリア、そして経験値を頂きました」
「へぇ……。スライムゼリーってどんなもの?」
「ひんやり冷たいらしいです」
「それだけ……?」
「それだけみたいです」
(ま、スライムだしね)
そう思い、今度は自分がダンジョンを成長させる番だなと気合を入れた。
0
あなたにおすすめの小説
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。
ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。
ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。
ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。
なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。
もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。
もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。
モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。
なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。
顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。
辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。
他のサイトにも掲載
なろう日間1位
カクヨムブクマ7000
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた
黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆
毎日朝7時更新!
「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」
過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。
絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!?
伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!?
追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
若返った老騎士の食道楽~英雄は銀狼と共に自由気ままな旅をする~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
あるところに、数百年周期で現れる魔王がいた。
人族から生まれ、闇に魅入られし者、妖魔を統べる魔王と呼ばれる存在。
度々現れては、人々を恐怖のどん底に貶めてきた。
此度、その魔王との戦いに終止符を打った男がいた。
名をシグルド卿といい、六十歳を迎えた老人の男だ。
元平民にも関わらず、爵位を得て史上初の将軍にまで上り詰めた英雄である。
しかし、魔王と一騎討ちの末に相打ちになった……と世間では言われていた。
当の本人は実は生きており、しかも若返っていた。
そして自分が生きていることが知られると、色々と面倒なことになると悟った。
それにどうせなら、自由の身になって世界を旅したいと。
これは役目を終えた英雄が旅をし、様々な人と出会い、美味い物を食べていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる