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014.ダンジョンを広げます。

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 コンソールを使用して僕は持っていたお金70000コリアを70DPに変換した。
 残るお金は19000コリアで所持DPは71。

 無駄遣いをする余裕はもはやないし、ダンジョン作成に失敗する訳にもいかない。
 といっても、このポイントで出来る事なんて本当に限られたことだけだろう。

 攻略本でもあれば簡単だと思うが、残念ながらそんなものはないし、ダンジョンを作ったことがある人はこの世界にはいない。

「ええっと……、ピュイ、何をすべきだと思う? 部屋増やせばいいかな?」

「はいなのです! あまり一部屋にごちゃごちゃするのはよくないのです! 大きい部屋は作るのに必要なDPも多いので、ここと同じ大きさで作るのです!」

 部屋の作成にも形やら大きさやらと色々な種類がある。
 作成した後に部屋の属性や景観等も変えれるみたいだけど、こちらは別仕様で消費DPもすごく多い。

「でも、まずは通路を作る必要があるのです! 部屋と部屋は必ず通路で繋げないといけないという決まりがあるなのです!」

 言われてみればその通りだなと感じた。
 部屋と部屋を直接くっ付けることは出来ない。
 通路は消費DPが低いのでそこまで気にしなくてもいいだろう。

「キャルアはどんなダンジョンにして欲しいとかある?」

「うーんと……、ムサシが決めればいいですよ。キャルアはどんなダンジョンでも、ムサシが作ったなら楽しむです!」

 と言われて、なんだか顔の温度が上がったような気がした。
 しかし、そう言われると困ってしまうのも僕だ。
 優柔不断、それは欠点であると思う。

「ダンジョンってさ、失敗してやり直したりとかってできる?」

「やり直しはいくらでもできるのです! ただ、DPを消費するのです! DPがないとやり直しはできないのです!」

 なるほどなるほど。ということならば、そこまで神経質になることもないだろう。
 僕はお団子のように三つの部屋を作ろうと思ったところで、ピュイに話しかけた。

「ダンジョンって地上に影響したりする? 地盤沈下とか……」

「ないなのです! ダンジョンは異空間みたいなものなので、地上に与える影響は全くないのです! 同様に地上を掘り進んだとしても、ダンジョンには到達できないのです!」

 その言葉に安心して部屋『10』を三つと通路『1』を三つ設置した。これで残るは38DP。

 ゴゴゴゴゴとダンジョン全体が揺れ、ズザザザザと通路にと考えていた部分の壁が崩れダンジョンの先が現れた。
 当然というか、灯りはないしここの光は届ききらないので暗闇だ。

「いやはや、結構簡単に部屋って出来ちゃうんだね。何だかドキドキしたよ」

「ほんとです。凄いです、ムサシ! ムサシは神様ですか?」

「ち、違うよ。ただの凡人だよ。凄いのはこの……」

 と、言いかけて口を閉ざしてしまう。コンソールはキャルアには見ることが出来ない。

 ということは、本当に神の所業に見えているかもしれない。
 実際このコンソールは神様の力を借りているようなものだと思う。
 僕自身には本当に何の力もないんだから。

 どう説明しようかなと思っていると、ピュイが代わりに答えてしまう。

「ご主人様は凄いなのです! もっと褒めるです! 跪くのです!」

 その言葉を真に受けたのかキャルアは本当に「ははぁ~」と言いながら跪いてしまった。

「こら、ピュイ!」

 と言ってピュイの額を押してから、キャルアの頭をポンポンと撫でて、立ち上がるように促した。
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