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036.あの少年はさっきの。
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冒険者ギルドを後にした僕は、人々の笑い声で賑わう街を歩きながら、ギルドでの視線を思い出しピュイに声を掛けた。
「ピュイはさ、ナビゲーターっていったよね? その姿を隠したりとか、僕にしか見えないようになったりとかできるの?」
現状では僕の事はテイマーと称された。それは正直な話全く正しくない評価だ。
僕の知識ではテイマーというのは生物、魔物を育て使役し、敵を倒していく人々の事。
ピュイは成長するし、僕の事をご主人様と考えているが、関係としてはテイマーというものとは全く違う。
似ているが違う。
本当にただ守ってくれる存在でしかない。ダンジョンの成長と連動するように成長すると言ったが、それは僕が成長させてるわけではない。
ギブアンドテイクの関係ではないのだ。
僕が一方的に受け取るだけの関係。
それは確かにありがたいとは思うのだけど、それで評価を得て喜んでいたらおそらく僕は成長しない。
今すぐピュイをどうこうといった事ではないけれど、いつかは僕の、僕自身の頑張りを認めてもらうのが現在の目標。
(引きこもりたいって言ってたのは、どこに行っちゃったんだろ)
と考え、小さく笑うとピュイが長い髭を持ち上げた。
「できるなのです! といっても、僕はご主人様の魂や望む心から造られた存在なのです!
ご主人様からピュイは離れることは出来ないなのです! 意識を手放してご主人様に潜ることは出来るなのです!」
その言葉に素直にうれしいと感じた。
ピュイは望む心と言った。だからこそ、この姿で顕著してくれたんだということになるのだろう。
ナビゲーターが毒々しいギョロリとした一つ目のコウモリだったりするならば、感謝はしつつ今のように腕の中で抱いて撫でるようなことはしていない。
(いや……、どうかな。一緒にいるうちに意外と愛着が湧いてくるかも……?)
そんなことを考えていると僕の目にある物が飛び込んでくる。
「あれは……さっきの……」
先ほどのスリの少年が二人組の男たちに腕を掴まれ、薄暗い路地裏へと連れ込まれている姿。
艶のない灰色の髪をしなだれさせ、ボロのマントもまるで彼の内面を映し出すかのように寂しく揺れている。
男たちは粗暴に造作された鉄板の鎧を着こみ、筋肉が盛り上がりそれを押し上げている。
遠目でも分かる様な傷がいくつか見え、どこか僕の恐怖感を煽った。
(捕まっちゃったのか)
スリの少年はキャルアよりもさらに若いくらいの見た目。男たちは僕よりも大分上、おそらく二十歳前後であるだろう。
どちらにシンパシーを感じるかといえば少年。けれど、スリをしたのであればそれは犯罪。
(この世界でも僕の知識が正しければだけど……)
もっとも連れ込まれているのだから正しいのだろう。それでも、この先に思い浮かぶのは凄惨な光景。
日本でスリをしたとは話が違う。
僕も彼にお金を盗られた。些細な金額とは言え確かに盗られた。
(本当は罰せられたほうが良いのかもしれない。けれど……なんだか命まで奪われてしまうような気がして……)
そう思った瞬間、僕の足は自然とそちらに向け歩み出していた。
「ね、ピュイ。見てたよね?」
「勿論なのです! ご主人様からお金を盗った少年を懲らしめるなのです!」
そういうつもりではないのだけど、と思いながら僕は建物の陰からこっそりと様子を伺った。
「ピュイはさ、ナビゲーターっていったよね? その姿を隠したりとか、僕にしか見えないようになったりとかできるの?」
現状では僕の事はテイマーと称された。それは正直な話全く正しくない評価だ。
僕の知識ではテイマーというのは生物、魔物を育て使役し、敵を倒していく人々の事。
ピュイは成長するし、僕の事をご主人様と考えているが、関係としてはテイマーというものとは全く違う。
似ているが違う。
本当にただ守ってくれる存在でしかない。ダンジョンの成長と連動するように成長すると言ったが、それは僕が成長させてるわけではない。
ギブアンドテイクの関係ではないのだ。
僕が一方的に受け取るだけの関係。
それは確かにありがたいとは思うのだけど、それで評価を得て喜んでいたらおそらく僕は成長しない。
今すぐピュイをどうこうといった事ではないけれど、いつかは僕の、僕自身の頑張りを認めてもらうのが現在の目標。
(引きこもりたいって言ってたのは、どこに行っちゃったんだろ)
と考え、小さく笑うとピュイが長い髭を持ち上げた。
「できるなのです! といっても、僕はご主人様の魂や望む心から造られた存在なのです!
ご主人様からピュイは離れることは出来ないなのです! 意識を手放してご主人様に潜ることは出来るなのです!」
その言葉に素直にうれしいと感じた。
ピュイは望む心と言った。だからこそ、この姿で顕著してくれたんだということになるのだろう。
ナビゲーターが毒々しいギョロリとした一つ目のコウモリだったりするならば、感謝はしつつ今のように腕の中で抱いて撫でるようなことはしていない。
(いや……、どうかな。一緒にいるうちに意外と愛着が湧いてくるかも……?)
そんなことを考えていると僕の目にある物が飛び込んでくる。
「あれは……さっきの……」
先ほどのスリの少年が二人組の男たちに腕を掴まれ、薄暗い路地裏へと連れ込まれている姿。
艶のない灰色の髪をしなだれさせ、ボロのマントもまるで彼の内面を映し出すかのように寂しく揺れている。
男たちは粗暴に造作された鉄板の鎧を着こみ、筋肉が盛り上がりそれを押し上げている。
遠目でも分かる様な傷がいくつか見え、どこか僕の恐怖感を煽った。
(捕まっちゃったのか)
スリの少年はキャルアよりもさらに若いくらいの見た目。男たちは僕よりも大分上、おそらく二十歳前後であるだろう。
どちらにシンパシーを感じるかといえば少年。けれど、スリをしたのであればそれは犯罪。
(この世界でも僕の知識が正しければだけど……)
もっとも連れ込まれているのだから正しいのだろう。それでも、この先に思い浮かぶのは凄惨な光景。
日本でスリをしたとは話が違う。
僕も彼にお金を盗られた。些細な金額とは言え確かに盗られた。
(本当は罰せられたほうが良いのかもしれない。けれど……なんだか命まで奪われてしまうような気がして……)
そう思った瞬間、僕の足は自然とそちらに向け歩み出していた。
「ね、ピュイ。見てたよね?」
「勿論なのです! ご主人様からお金を盗った少年を懲らしめるなのです!」
そういうつもりではないのだけど、と思いながら僕は建物の陰からこっそりと様子を伺った。
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頑張ります!
今後ともよろしくお願いします。