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第三章 天下布武編「愛しき光 妖しき影」
第三話① 桶狭間 前編
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五月十八日夜。清州城広間。
佐々隼人正は、迫りくる今川軍にそなえ戦法を議論する重臣たちにまぎれ、じっと座っていた。
かつての小豆坂の戦いでは、七本槍に挙げられた功績を持つ、剛腕巨体の隼人正。
槍の名手ではあるが、こうした議論の場においてはあまり意見は言わない男だった。
籠城か、清州の城から打って出るか。選択は二つに一つ。
喧々諤々、家臣たちが言い合っているが、上座に座った信長は、黙りこくって腕を組み、そのひとりひとりの顔を、順にじっと見つめている。
隼人正の陽に焼けた広い額に、汗が噴き出た。
───あの視線が、もうすぐ俺に向けられる。
次の瞬間、信長はのそりと立ち上がった。
全員がその顔を見上げると、信長は、隼人正をじっと見据えた。視線の矢で射抜かれた隼人正は、凍りついたように動けなくなった。
信長の目つきはすでに、戦の最中のそれだった。
信長が口を開く。
「もう夜も更けた。みな帰れ」
明日の作戦について、信長の口からはひとことも語られないまま、軍議は終わった。
隼人正はそのとき知った。戦闘はすでに始まっている。
───そしてたった今俺は、信長殿にとって「敵兵」とみなされたのだ
隼人正は恐怖にわなないた。
───俺が今川に通じていること、信長殿にバレた
だからこそ、俺の目を見つめ、作戦を明かさぬまま軍議を解散したのだ。
兵の数で明らかに勝敗が見えているこの戦で、一門の兄弟全員が信長につけば、佐々家が滅亡するのは必定だった。
─── 一族の血を絶やさぬためにも、嫡男である隼人正殿は今川につくべき
今川の隠密のそうした説得によって、隼人正は寝返った。そして信長軍の作戦を今川に密告する約束をしていたのだ。
───信長にその思惑がバレた。ここにいればおそらく信長に処刑される。かといって今川軍に付こうにも、戦法は信長の胸中に留め置かれ、自分にはわからない。
両者ともに隼人正を見捨てたも同然だ。
もはや、隼人正が救われる場所は無くなってしまったのだ。
明くる午前三時。
桂女に扮した橘が、息も絶え絶えに城に駆け戻り、そのまま信長の寝所までもつれる脚で駆け込んだ。
───殿、最前線の今川軍が、織田方の砦に攻撃を始めた
信長は立ち上がり、小姓たちに言った。
「支度だ」
帰蝶は知らせを聞いて廊下を走った。
戦支度の信長は、胴と袖を付け終え、脇差を差し、太刀も佩いたところだった。
「信長」
いよいよ帰蝶は感情を隠し切れずに叫んだ。
───もう信長は帰ってこないかもしれない
これまでこらえていた恐怖と不安と悲しみが、堰を切ったようにあふれ出てしまう。
言葉もなく、鎧を纏った信長に抱き着き、嗚咽を堪えて歯を食いしばる。
人払いをし、ふたりだけになった部屋で、信長は帰蝶と向かい合った。
「帰蝶、鼓を持て」
帰蝶はうなずくと、大きく一つ息をつき、部屋に備えてあった鼓を構えて座った。
信長の呼吸に注意を払い、じっとその横顔を見つめる。
鎧の金具が触れ合う音がガチガチと鳴り響いた。
信長の全身が、震えているのだ。
ひとつ、打つ。
信長の腰が、ぐっと地面に引かれるように据わった。
とたんに震えは鎮まり、美しい動きで腕を差し向け、闇を見据える。
帰蝶の鼓に合わせ、信長が静かに動き出した。
「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」
胸の奥底から絞り出す、低く響くその声は、恍惚に酔うようにも、慟哭のようにも聞こえた。
帰蝶は信長の動きに目を奪われた。
これまでに何度となく見てきた、信長の「敦盛」。
信長のその舞はいつも、どこか洒脱で、女の仕草のような妖艶さがあった。
それが、今はちがう。ときに重く踏みしめ、ときに流麗に床を滑る足さばき。重厚な身のこなし。
力強さと勢いと、しなやかさが同居するその姿に、これまで信長を支えた荒武者たちの姿が重なって見えた気がした。
信長の父・信秀の、勇猛果敢な戦いぶり、斎藤道三の、強引ともいえる力強さ、佐久間大学の、若い力を信じるしなやかさ。
何人もの武将の魂が、信長の舞に宿ったように見える。
昨夜、佐久間大学が丸根砦へと発つまえに、帰蝶に言い残した言葉が蘇る。
───守護職の斯波氏をかしずかせ、宿敵義元と対決できるまでに信長殿は成長した。まるで夢を見ているかのような大躍進だ。
信長殿はここから先も邁進し、父以上のことを成し遂げるだろう。それを私は見極めた。
信秀さまのもとへ行き「あなたの生きざまは今、信長殿の心の内で、まだ命の炎となって燃え続けている」とお知らせしたい。
───どうか、信長に力を
帰蝶は祈りを込めて鼓を打った。
十九日、午前四時。
信長は先頭を切って清州城を飛び出していった。
あとに従う武者はわずか五騎。その五騎も散り散りに分かれ、各人の命を果たすために走り去った。
城内の館で寝起きしている重臣たちが、信長の出陣を察知し慌てふためいた。すぐさま自らの兵を率いて信長を追いかけていく。
帰蝶はいてもたってもいられず、朝方清州城を飛び出した。
熱田神社の大鳥居で、大宮司の名代・千秋季重に会い、信長軍が熱田神社で集合したのちに善照寺砦に向かったことを聞いた。
帰蝶は戦功を祈るべく、拝殿に向かおうとした。
そのとき、馬の綱を握って立ちすくむ、佐々隼人正の姿を楠の下に見つけた。
「隼人正殿、どうしたの」
隼人正は大きな肩を震わせて、刀の鞘を固くつかんでいる。
「帰蝶殿。私は信長殿に不忠を働きました。これから自分の館に戻り腹を切ります」
「何を言ってるの」
帰蝶は慌てた。全員が戦へと向かっている中、隼人正は孤独に自刃するというのだ。
事情を聴くと、隼人正は今川の間者として軍議に参加し、作戦を漏洩するつもりが未遂に終わり、しかもその行動が信長に露見していた。
信長殿に見せる顔がない。手勢の軍は弟の成政にあずけたので、自分はひとり、責任を取って自害すると言う。
帰蝶は、後悔に顔を歪めている隼人正を見つめた。
小豆坂ではなみなみならぬ戦功をあげた猛将だが、帰蝶が知る限りでは、心根がまっすぐで、嘘をつけない男だ。
今川にそそのかされて、どんなに苦しい思いをしたことか。一度は今川に寝返ったとは言っても、同情せずにはいられなかった。
人を欺くことができないこの正直な隼人正が、間者としての汚名を着たまま命を落とすなんて。絶対に嫌だと帰蝶は思った。
信長は昨日の軍議で、作戦をひと言も打ち明けなかったという。
信長はおそらく、隼人正が寝返るのを直前で阻止しようとしたのだ。
このくらいのことでみすみすこの男を手放したくない・・・そう思ってのことだったのだろう。
「隼人正殿が間者だと知って、なぜ信長はすぐにあなたを処罰しなかったのかしら」
帰蝶は隼人正に尋ねた。
「それはわかりません」
「多分、まだあなたのことを信じていたい、と思ってるのよ」
「それは帰蝶さま、私にもまだ信長殿の信頼を取り戻すことができるかもしれない、ということですか」
隼人正の顔に光が差した。帰蝶がうなずく。
「今川のほうはもうおそらく、あなたを見限っている。でも信長はきっと、いまもあなたの到着を、善照寺砦で待っている」
「帰蝶殿。私は本当に申し訳ないことをした。いまから信長殿のもとに行きます」
隼人正は馬にまたがった。先ほどまで青かった顔に、赤みが差している。
「お願いします。隼人正殿の力で信長を支えてあげて。武功を、お祈りします」
帰蝶は隼人正を見送った。
───戦は殺し合いだけでなく、騙し合いでもある。人を疑う心を焚きつけて、体だけでなく、心にまで傷を負わせるのだ。
帰蝶は拝殿で手を合わせた。
───だれも、これ以上傷を負わないように・・・
参拝を終えて大鳥居に向かって歩いていると、騎馬の大軍がやってくる音が聞こえて来た。
みな戦地に向かっているはずなのに、何事か。いぶかって見れば、鳥居のもとに集まったのは、騎馬兵約二百。「隅立て四つ目鶴の丸」を旗印に掲げている。
「六角承禎殿!」
帰蝶は驚き、駆け寄った。
信長の父・信秀が存命の頃、病床から聞かされていた。
───尾張織田家には、六角氏の援軍が控えている
六角承禎が、援軍を率いて尾張に到着したのだった。
「あなた様はもしかして、帰蝶殿か」
馬上から見下ろし、微笑むのは剃髪の老人だった。
「はい、承禎様」
「すぐに信長殿の援軍に向かう。場所は」
「善照寺砦です」
帰蝶は言った。
「うむ。承知。では」
馬首を巡らせ、軍勢は駈けて行った。
帰蝶は胸に手を当てて、軍勢が見えなくなるまで見送った。
六角氏の騎馬が出払ったところに、一騎の騎馬が居残り、たたずんでいた。
その馬に気づいた帰蝶は顔を向けた。
そして、目を見張った。
佐々隼人正は、迫りくる今川軍にそなえ戦法を議論する重臣たちにまぎれ、じっと座っていた。
かつての小豆坂の戦いでは、七本槍に挙げられた功績を持つ、剛腕巨体の隼人正。
槍の名手ではあるが、こうした議論の場においてはあまり意見は言わない男だった。
籠城か、清州の城から打って出るか。選択は二つに一つ。
喧々諤々、家臣たちが言い合っているが、上座に座った信長は、黙りこくって腕を組み、そのひとりひとりの顔を、順にじっと見つめている。
隼人正の陽に焼けた広い額に、汗が噴き出た。
───あの視線が、もうすぐ俺に向けられる。
次の瞬間、信長はのそりと立ち上がった。
全員がその顔を見上げると、信長は、隼人正をじっと見据えた。視線の矢で射抜かれた隼人正は、凍りついたように動けなくなった。
信長の目つきはすでに、戦の最中のそれだった。
信長が口を開く。
「もう夜も更けた。みな帰れ」
明日の作戦について、信長の口からはひとことも語られないまま、軍議は終わった。
隼人正はそのとき知った。戦闘はすでに始まっている。
───そしてたった今俺は、信長殿にとって「敵兵」とみなされたのだ
隼人正は恐怖にわなないた。
───俺が今川に通じていること、信長殿にバレた
だからこそ、俺の目を見つめ、作戦を明かさぬまま軍議を解散したのだ。
兵の数で明らかに勝敗が見えているこの戦で、一門の兄弟全員が信長につけば、佐々家が滅亡するのは必定だった。
─── 一族の血を絶やさぬためにも、嫡男である隼人正殿は今川につくべき
今川の隠密のそうした説得によって、隼人正は寝返った。そして信長軍の作戦を今川に密告する約束をしていたのだ。
───信長にその思惑がバレた。ここにいればおそらく信長に処刑される。かといって今川軍に付こうにも、戦法は信長の胸中に留め置かれ、自分にはわからない。
両者ともに隼人正を見捨てたも同然だ。
もはや、隼人正が救われる場所は無くなってしまったのだ。
明くる午前三時。
桂女に扮した橘が、息も絶え絶えに城に駆け戻り、そのまま信長の寝所までもつれる脚で駆け込んだ。
───殿、最前線の今川軍が、織田方の砦に攻撃を始めた
信長は立ち上がり、小姓たちに言った。
「支度だ」
帰蝶は知らせを聞いて廊下を走った。
戦支度の信長は、胴と袖を付け終え、脇差を差し、太刀も佩いたところだった。
「信長」
いよいよ帰蝶は感情を隠し切れずに叫んだ。
───もう信長は帰ってこないかもしれない
これまでこらえていた恐怖と不安と悲しみが、堰を切ったようにあふれ出てしまう。
言葉もなく、鎧を纏った信長に抱き着き、嗚咽を堪えて歯を食いしばる。
人払いをし、ふたりだけになった部屋で、信長は帰蝶と向かい合った。
「帰蝶、鼓を持て」
帰蝶はうなずくと、大きく一つ息をつき、部屋に備えてあった鼓を構えて座った。
信長の呼吸に注意を払い、じっとその横顔を見つめる。
鎧の金具が触れ合う音がガチガチと鳴り響いた。
信長の全身が、震えているのだ。
ひとつ、打つ。
信長の腰が、ぐっと地面に引かれるように据わった。
とたんに震えは鎮まり、美しい動きで腕を差し向け、闇を見据える。
帰蝶の鼓に合わせ、信長が静かに動き出した。
「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」
胸の奥底から絞り出す、低く響くその声は、恍惚に酔うようにも、慟哭のようにも聞こえた。
帰蝶は信長の動きに目を奪われた。
これまでに何度となく見てきた、信長の「敦盛」。
信長のその舞はいつも、どこか洒脱で、女の仕草のような妖艶さがあった。
それが、今はちがう。ときに重く踏みしめ、ときに流麗に床を滑る足さばき。重厚な身のこなし。
力強さと勢いと、しなやかさが同居するその姿に、これまで信長を支えた荒武者たちの姿が重なって見えた気がした。
信長の父・信秀の、勇猛果敢な戦いぶり、斎藤道三の、強引ともいえる力強さ、佐久間大学の、若い力を信じるしなやかさ。
何人もの武将の魂が、信長の舞に宿ったように見える。
昨夜、佐久間大学が丸根砦へと発つまえに、帰蝶に言い残した言葉が蘇る。
───守護職の斯波氏をかしずかせ、宿敵義元と対決できるまでに信長殿は成長した。まるで夢を見ているかのような大躍進だ。
信長殿はここから先も邁進し、父以上のことを成し遂げるだろう。それを私は見極めた。
信秀さまのもとへ行き「あなたの生きざまは今、信長殿の心の内で、まだ命の炎となって燃え続けている」とお知らせしたい。
───どうか、信長に力を
帰蝶は祈りを込めて鼓を打った。
十九日、午前四時。
信長は先頭を切って清州城を飛び出していった。
あとに従う武者はわずか五騎。その五騎も散り散りに分かれ、各人の命を果たすために走り去った。
城内の館で寝起きしている重臣たちが、信長の出陣を察知し慌てふためいた。すぐさま自らの兵を率いて信長を追いかけていく。
帰蝶はいてもたってもいられず、朝方清州城を飛び出した。
熱田神社の大鳥居で、大宮司の名代・千秋季重に会い、信長軍が熱田神社で集合したのちに善照寺砦に向かったことを聞いた。
帰蝶は戦功を祈るべく、拝殿に向かおうとした。
そのとき、馬の綱を握って立ちすくむ、佐々隼人正の姿を楠の下に見つけた。
「隼人正殿、どうしたの」
隼人正は大きな肩を震わせて、刀の鞘を固くつかんでいる。
「帰蝶殿。私は信長殿に不忠を働きました。これから自分の館に戻り腹を切ります」
「何を言ってるの」
帰蝶は慌てた。全員が戦へと向かっている中、隼人正は孤独に自刃するというのだ。
事情を聴くと、隼人正は今川の間者として軍議に参加し、作戦を漏洩するつもりが未遂に終わり、しかもその行動が信長に露見していた。
信長殿に見せる顔がない。手勢の軍は弟の成政にあずけたので、自分はひとり、責任を取って自害すると言う。
帰蝶は、後悔に顔を歪めている隼人正を見つめた。
小豆坂ではなみなみならぬ戦功をあげた猛将だが、帰蝶が知る限りでは、心根がまっすぐで、嘘をつけない男だ。
今川にそそのかされて、どんなに苦しい思いをしたことか。一度は今川に寝返ったとは言っても、同情せずにはいられなかった。
人を欺くことができないこの正直な隼人正が、間者としての汚名を着たまま命を落とすなんて。絶対に嫌だと帰蝶は思った。
信長は昨日の軍議で、作戦をひと言も打ち明けなかったという。
信長はおそらく、隼人正が寝返るのを直前で阻止しようとしたのだ。
このくらいのことでみすみすこの男を手放したくない・・・そう思ってのことだったのだろう。
「隼人正殿が間者だと知って、なぜ信長はすぐにあなたを処罰しなかったのかしら」
帰蝶は隼人正に尋ねた。
「それはわかりません」
「多分、まだあなたのことを信じていたい、と思ってるのよ」
「それは帰蝶さま、私にもまだ信長殿の信頼を取り戻すことができるかもしれない、ということですか」
隼人正の顔に光が差した。帰蝶がうなずく。
「今川のほうはもうおそらく、あなたを見限っている。でも信長はきっと、いまもあなたの到着を、善照寺砦で待っている」
「帰蝶殿。私は本当に申し訳ないことをした。いまから信長殿のもとに行きます」
隼人正は馬にまたがった。先ほどまで青かった顔に、赤みが差している。
「お願いします。隼人正殿の力で信長を支えてあげて。武功を、お祈りします」
帰蝶は隼人正を見送った。
───戦は殺し合いだけでなく、騙し合いでもある。人を疑う心を焚きつけて、体だけでなく、心にまで傷を負わせるのだ。
帰蝶は拝殿で手を合わせた。
───だれも、これ以上傷を負わないように・・・
参拝を終えて大鳥居に向かって歩いていると、騎馬の大軍がやってくる音が聞こえて来た。
みな戦地に向かっているはずなのに、何事か。いぶかって見れば、鳥居のもとに集まったのは、騎馬兵約二百。「隅立て四つ目鶴の丸」を旗印に掲げている。
「六角承禎殿!」
帰蝶は驚き、駆け寄った。
信長の父・信秀が存命の頃、病床から聞かされていた。
───尾張織田家には、六角氏の援軍が控えている
六角承禎が、援軍を率いて尾張に到着したのだった。
「あなた様はもしかして、帰蝶殿か」
馬上から見下ろし、微笑むのは剃髪の老人だった。
「はい、承禎様」
「すぐに信長殿の援軍に向かう。場所は」
「善照寺砦です」
帰蝶は言った。
「うむ。承知。では」
馬首を巡らせ、軍勢は駈けて行った。
帰蝶は胸に手を当てて、軍勢が見えなくなるまで見送った。
六角氏の騎馬が出払ったところに、一騎の騎馬が居残り、たたずんでいた。
その馬に気づいた帰蝶は顔を向けた。
そして、目を見張った。
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