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Mission:インサイダー・パーティー
第22話:浮気 ~心当たりなんてない~
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翌日、伊勢兄弟を囲み、報告会が始まった。
「裕くん、その後はどうでした? なにか、めぼしい情報はありましたか?」
章がいかに合コンの話を面白おかしく話しても、三嶋は微笑みを全く崩そうとはせず、冷静に報告会を進めていた。
「いや。婚約破棄は事実で、ナオちゃんの浮気が原因だってことくらい」
「浮気? ナオってそういう奴だったっけ?」
「俺も驚いたよ。二次会で聞いた話では、婚約破棄になった日は、龍平とナオちゃんと他数人で、龍平の家で宅飲みしてたらしいんだ。
で、ナオちゃんの後輩が、『この間レストランでナオさんを見ました』って言っちまったらしい」
話が若干見えてきた。おそらく、それが浮気現場だったのだろう。
「その後輩って奴は、男を龍平と勘違いして言ったみたい」
「なるほど。でも、廣田にはレストランに心当たりはなかった、と」
「ああ。それで、そこから大騒ぎになってね。
龍平は逆上して彼女を平手打ち、彼女は彼女で、弁解しつつ龍平を殴る殴る」
修羅場である。
普段冷静な裕だが、今回ばかりは情緒たっぷりに語る。
おかげで、二人の顔を見たことのない諏訪でも、喧嘩の場面が脳裏に浮かんだ。
「結局、龍平が婚約破棄を宣言して、ナオちゃんを叩き出したらしい」
「ひょえー。そういうことやったんですねぇ。
まあ、今回の事件には関係なさげですけど」
芸能関係に明るい分、ゴシップにも熱い春日が、口元に手を当てて言った。
「まあね。それより俺は、どうしてインサイダーじゃないと分かったのか知りたい」
そう、廣田がインサイダー取引を行っているという前提で話が進んでいたのだから、インサイダーでなければ捜査は終了である。
合コンが、本当にただの合コンにしかならない。
「だから、奴のスマホを見たんだよ」
章は、廣田のスマートフォンのロック解除法を皆に示して見せた。
「すげぇ」
「でも章くん、ロックの解除は素晴らしいと思いますが、インサイダーじゃないとわかるまでスマホを調べるのは、ちょっとリスキーですよ」
三嶋が眉をひそめた。確かに、章の席は廣田の真横だった。
いくら気をつけていても、ふとした瞬間にバレてしまう距離だ。
「あ、違う違う」
章は笑顔で否定する。
「スパイウェアを、奴のスマホにインストールしたんだ」
「……スパイウェアってなんや?」
「端的に言うと、コンピュータウィルスの親戚」
裕は春日にそっと耳打ちをした。
スパイウェアに詳しくない多賀は、顔に出さずに心のメモに、一生使わないだろうその知識を書き加える。
そのスパイウェアというのも、きっと伊勢家のコネで得たのに違いない。
「データというデータを全て僕のパソコンに転送して、終わったら自動でアンインストールするという、極めて一般的なタイプだね。
それをスマホでざっと見て、インサイダーじゃないと判断したまでだ」
「ざっと見て、分かるもんなんすか?」
「普通わからないよ。でも、とんでもないものを見つけたんだ」
章は鞄からパソコンを取り出す。
エクセルにまとめられた一枚のファイルを章は開いた。
目が回るような大量の数字の羅列に、多賀は失神しそうになる。
「何ですか? これ」
「これね、多分、裏帳簿」
「裕くん、その後はどうでした? なにか、めぼしい情報はありましたか?」
章がいかに合コンの話を面白おかしく話しても、三嶋は微笑みを全く崩そうとはせず、冷静に報告会を進めていた。
「いや。婚約破棄は事実で、ナオちゃんの浮気が原因だってことくらい」
「浮気? ナオってそういう奴だったっけ?」
「俺も驚いたよ。二次会で聞いた話では、婚約破棄になった日は、龍平とナオちゃんと他数人で、龍平の家で宅飲みしてたらしいんだ。
で、ナオちゃんの後輩が、『この間レストランでナオさんを見ました』って言っちまったらしい」
話が若干見えてきた。おそらく、それが浮気現場だったのだろう。
「その後輩って奴は、男を龍平と勘違いして言ったみたい」
「なるほど。でも、廣田にはレストランに心当たりはなかった、と」
「ああ。それで、そこから大騒ぎになってね。
龍平は逆上して彼女を平手打ち、彼女は彼女で、弁解しつつ龍平を殴る殴る」
修羅場である。
普段冷静な裕だが、今回ばかりは情緒たっぷりに語る。
おかげで、二人の顔を見たことのない諏訪でも、喧嘩の場面が脳裏に浮かんだ。
「結局、龍平が婚約破棄を宣言して、ナオちゃんを叩き出したらしい」
「ひょえー。そういうことやったんですねぇ。
まあ、今回の事件には関係なさげですけど」
芸能関係に明るい分、ゴシップにも熱い春日が、口元に手を当てて言った。
「まあね。それより俺は、どうしてインサイダーじゃないと分かったのか知りたい」
そう、廣田がインサイダー取引を行っているという前提で話が進んでいたのだから、インサイダーでなければ捜査は終了である。
合コンが、本当にただの合コンにしかならない。
「だから、奴のスマホを見たんだよ」
章は、廣田のスマートフォンのロック解除法を皆に示して見せた。
「すげぇ」
「でも章くん、ロックの解除は素晴らしいと思いますが、インサイダーじゃないとわかるまでスマホを調べるのは、ちょっとリスキーですよ」
三嶋が眉をひそめた。確かに、章の席は廣田の真横だった。
いくら気をつけていても、ふとした瞬間にバレてしまう距離だ。
「あ、違う違う」
章は笑顔で否定する。
「スパイウェアを、奴のスマホにインストールしたんだ」
「……スパイウェアってなんや?」
「端的に言うと、コンピュータウィルスの親戚」
裕は春日にそっと耳打ちをした。
スパイウェアに詳しくない多賀は、顔に出さずに心のメモに、一生使わないだろうその知識を書き加える。
そのスパイウェアというのも、きっと伊勢家のコネで得たのに違いない。
「データというデータを全て僕のパソコンに転送して、終わったら自動でアンインストールするという、極めて一般的なタイプだね。
それをスマホでざっと見て、インサイダーじゃないと判断したまでだ」
「ざっと見て、分かるもんなんすか?」
「普通わからないよ。でも、とんでもないものを見つけたんだ」
章は鞄からパソコンを取り出す。
エクセルにまとめられた一枚のファイルを章は開いた。
目が回るような大量の数字の羅列に、多賀は失神しそうになる。
「何ですか? これ」
「これね、多分、裏帳簿」
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