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Mission:大地に光を
第47話:教団 ~スパイだから気付かれない~
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「大地の光」は、今から二十年ほど前に設立された宗教団体だった。仏教系の大きな宗派から、創設者である富士隆が独立させたのが始まりだった。
大地の光という名前ですらなかった当初の規模は実に小さく、教義もよく練られ、かなりしっかりした、まっとうな宗教団体だったと言えよう。
それが変わったのは、創設から十二年、富士隆が急死した時だった。
独身だった彼の跡を継ぐものは、はじめ一人もいなかった。
そもそも、彼の親族にとって、有名宗派から独立し、そこから白い目で見られていた富士隆の死は、ある意味歓迎すらされていた。
しかし、彼の死から二ヶ月、跡継を名乗り出た者がいた。
甥の隆之だった。
大学院に入ったばかりの彼は、院をすぐにやめ、親の反対を押し切って跡を継いだ。勘当同然だったという。
檀家の者たちは跡継ぎが出たことを喜んだ。
しかし、その喜びはすぐに消え失せる。隆之は、隆とはまるで違う男だった。
教団は変わった。名前も大地の光と変え、活動は不穏な方向へと向かった。
大地の光では、自己献身、あるいは自己犠牲が求められるようになった。
他者に尽くす、という姿勢は、代表が富士隆だった頃からあったが、隆之はそれに自己犠牲を加えた。それが全ての始まり、そして全てを体現している。
当初からいた信者は、団体の変化についていけず、半分以上が大地の光を去った。
しかし、教団は新しい信者を増やし、隆之は二年で教団の規模を倍にした。
その数、千五百名。十分な人数だと判断した隆之は、自分の目的を達成するため、次の行動に出る。
隆之は教団の構造を変え、ピラミッド式にした。一般の信者の上に、自らを絶対的な管理者とおき、信者の中でも序列を設けたのである。
同時に、自らを預言者と称するようになった。代表交代から三年、信者は献身の限りを尽くして体力の限界を迎え、判断能力を失っている者も多かった。
隆之はそれにつけこみ、信者を簡単に絡め取ってみせた。
その裏で、隆之は、とあるシステムを設けた。幹部候補生制である。
優秀な者を幹部候補生とし、教団の運営を任せるようになった。システムは成功、一年に十名ほどの幹部候補生が誕生し、信者はますます増えるようになった。
しかしその頃、公安警察及び公安庁が教団に目をつけた。
信者の一人が、過労死と思われる不審死を遂げ、遺族が教団に責任があるのでは無いかと疑ったのである。
公安庁は、海外に似た事例があったことから、若干の警戒を始めた。
警察もまた、信者の死の直前の不自然な様子に、腰を上げて動き始めた。
しかし、所詮は疑いにしか過ぎず、教団の規模も大きくはない。
だが、新興宗教である以上、手遅れになれば被害は甚大だ。そこで、公安警察と公安庁は、一人ずつ、幹部候補生としてスパイを送り込んだ。
隆之は、はじめそれには気づかなかった。
活動はそこから一年続いた。教団の真の目的が、二人の諜報員に見えかけていた。
大地の光という名前ですらなかった当初の規模は実に小さく、教義もよく練られ、かなりしっかりした、まっとうな宗教団体だったと言えよう。
それが変わったのは、創設から十二年、富士隆が急死した時だった。
独身だった彼の跡を継ぐものは、はじめ一人もいなかった。
そもそも、彼の親族にとって、有名宗派から独立し、そこから白い目で見られていた富士隆の死は、ある意味歓迎すらされていた。
しかし、彼の死から二ヶ月、跡継を名乗り出た者がいた。
甥の隆之だった。
大学院に入ったばかりの彼は、院をすぐにやめ、親の反対を押し切って跡を継いだ。勘当同然だったという。
檀家の者たちは跡継ぎが出たことを喜んだ。
しかし、その喜びはすぐに消え失せる。隆之は、隆とはまるで違う男だった。
教団は変わった。名前も大地の光と変え、活動は不穏な方向へと向かった。
大地の光では、自己献身、あるいは自己犠牲が求められるようになった。
他者に尽くす、という姿勢は、代表が富士隆だった頃からあったが、隆之はそれに自己犠牲を加えた。それが全ての始まり、そして全てを体現している。
当初からいた信者は、団体の変化についていけず、半分以上が大地の光を去った。
しかし、教団は新しい信者を増やし、隆之は二年で教団の規模を倍にした。
その数、千五百名。十分な人数だと判断した隆之は、自分の目的を達成するため、次の行動に出る。
隆之は教団の構造を変え、ピラミッド式にした。一般の信者の上に、自らを絶対的な管理者とおき、信者の中でも序列を設けたのである。
同時に、自らを預言者と称するようになった。代表交代から三年、信者は献身の限りを尽くして体力の限界を迎え、判断能力を失っている者も多かった。
隆之はそれにつけこみ、信者を簡単に絡め取ってみせた。
その裏で、隆之は、とあるシステムを設けた。幹部候補生制である。
優秀な者を幹部候補生とし、教団の運営を任せるようになった。システムは成功、一年に十名ほどの幹部候補生が誕生し、信者はますます増えるようになった。
しかしその頃、公安警察及び公安庁が教団に目をつけた。
信者の一人が、過労死と思われる不審死を遂げ、遺族が教団に責任があるのでは無いかと疑ったのである。
公安庁は、海外に似た事例があったことから、若干の警戒を始めた。
警察もまた、信者の死の直前の不自然な様子に、腰を上げて動き始めた。
しかし、所詮は疑いにしか過ぎず、教団の規模も大きくはない。
だが、新興宗教である以上、手遅れになれば被害は甚大だ。そこで、公安警察と公安庁は、一人ずつ、幹部候補生としてスパイを送り込んだ。
隆之は、はじめそれには気づかなかった。
活動はそこから一年続いた。教団の真の目的が、二人の諜報員に見えかけていた。
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