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Mission:大地に光を
第64話:達成 ~この役職はもったいない~
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「できたやん」
お話の会の帰り道、ハンドルを握る辻は、飛び跳ねるように喜んだ。彼女の横顔は心底喜んでいるであろう笑顔、今までに見たことがないほど輝いていた。
「うん……」
疲れもあり、反応は鈍くなってしまったものの、三嶋も喜んでいた。辻の眩しい顔が三嶋の心に染みる。
「富士さんに報告して、弥恵さんにも報告して、後は朝礼でも言わなあかんな」
辻は片手を指折り数える。大事にされそうになって三嶋は焦った。
「そこまでしなくても……」
「何言うてんの、大事なことやで。これをクリアして初めて、幹部候補生と認められるんやから」
「はぁ」
叱られることの多かった辻にここまで手放しで褒められると逆に落ち着かない。
いや、彼女も三嶋をいじめたくて叱り続けたのではないことは分かっている。この教団の伝統と流れの一環であり、そして幹部候補生として至らない三嶋を必死に育てている結果であるが、何せ叱られることが多いと三嶋としてはキツかった。
「博実を担当してよかった。いい幹部になってくれそうや」
「ありがとう。僕も嬉しいよ」
辻にここまで褒められると気分が良くなる。ようやく認められたと安堵する気持ちも大きい。
* * *
「三嶋博実くん。あなたには教育部の部長となってもらいます」
翌朝、名前が呼ばれて三嶋は心底驚いた。本当に朝礼で呼び出されるとは思いもしなかった。三嶋の心の中に、恥ずかしい気持ちと誇らしい気持ちが半分ずつ入り混じっている。
朝礼で前に呼び出された三嶋は、荘厳に辞令を読み上げる坂上弥恵の声に合わせて深く一同に向かって礼をした。
「ありがとうございます」
三嶋は恭しく頭を下げる。
教育部は、新規信者や二世信者に対して教義を説く部署だ。一見すると小規模な部署であり、いかにも初めて部署を受け持つ人間が受け持ちそうな部署だが、信者の教義を扱う以上、本来それは非常に重要な部署である。
それを三嶋に任せると判断したのは誰か。富士や坂上と関わりは薄かったから違うだろう。となると、おそらく辻だ。
「つじまちゃん」
三嶋は朝礼後に後ろから彼女の肩を叩く。
「僕を教育部の部長に推薦してくれたのは、もしかしてつじまちゃん?」
可愛らしく尋ねるが、三嶋にはほぼ百パーセントの自信があった。
「そうやけど、それがどうしたん?」
辻はきょとんとした顔で訊き返す。
「僕がこんなにもったいない役職につけるなんてね。すごく驚いたよ。つじまちゃんが推薦してくれたおかげなんだね」
三嶋は直接はっきりと礼を言う主義だ。辻が目を丸くする。彼女が初めて照れた。
「……私も、この子に目をかけてよかったって思ったよ。こちらこそありがとうね」
辻の嬉しそうな顔は、随分かわいらしかった。
お話の会の帰り道、ハンドルを握る辻は、飛び跳ねるように喜んだ。彼女の横顔は心底喜んでいるであろう笑顔、今までに見たことがないほど輝いていた。
「うん……」
疲れもあり、反応は鈍くなってしまったものの、三嶋も喜んでいた。辻の眩しい顔が三嶋の心に染みる。
「富士さんに報告して、弥恵さんにも報告して、後は朝礼でも言わなあかんな」
辻は片手を指折り数える。大事にされそうになって三嶋は焦った。
「そこまでしなくても……」
「何言うてんの、大事なことやで。これをクリアして初めて、幹部候補生と認められるんやから」
「はぁ」
叱られることの多かった辻にここまで手放しで褒められると逆に落ち着かない。
いや、彼女も三嶋をいじめたくて叱り続けたのではないことは分かっている。この教団の伝統と流れの一環であり、そして幹部候補生として至らない三嶋を必死に育てている結果であるが、何せ叱られることが多いと三嶋としてはキツかった。
「博実を担当してよかった。いい幹部になってくれそうや」
「ありがとう。僕も嬉しいよ」
辻にここまで褒められると気分が良くなる。ようやく認められたと安堵する気持ちも大きい。
* * *
「三嶋博実くん。あなたには教育部の部長となってもらいます」
翌朝、名前が呼ばれて三嶋は心底驚いた。本当に朝礼で呼び出されるとは思いもしなかった。三嶋の心の中に、恥ずかしい気持ちと誇らしい気持ちが半分ずつ入り混じっている。
朝礼で前に呼び出された三嶋は、荘厳に辞令を読み上げる坂上弥恵の声に合わせて深く一同に向かって礼をした。
「ありがとうございます」
三嶋は恭しく頭を下げる。
教育部は、新規信者や二世信者に対して教義を説く部署だ。一見すると小規模な部署であり、いかにも初めて部署を受け持つ人間が受け持ちそうな部署だが、信者の教義を扱う以上、本来それは非常に重要な部署である。
それを三嶋に任せると判断したのは誰か。富士や坂上と関わりは薄かったから違うだろう。となると、おそらく辻だ。
「つじまちゃん」
三嶋は朝礼後に後ろから彼女の肩を叩く。
「僕を教育部の部長に推薦してくれたのは、もしかしてつじまちゃん?」
可愛らしく尋ねるが、三嶋にはほぼ百パーセントの自信があった。
「そうやけど、それがどうしたん?」
辻はきょとんとした顔で訊き返す。
「僕がこんなにもったいない役職につけるなんてね。すごく驚いたよ。つじまちゃんが推薦してくれたおかげなんだね」
三嶋は直接はっきりと礼を言う主義だ。辻が目を丸くする。彼女が初めて照れた。
「……私も、この子に目をかけてよかったって思ったよ。こちらこそありがとうね」
辻の嬉しそうな顔は、随分かわいらしかった。
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