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葵義一と新庄小太郎
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「痛たた…」
殴られた右頬を抱え、少年はよろよろと頼りなく歩いている。時刻は15時30分、場所はとある高校の校舎裏、一人の少年が歳上であろう数人の男子生徒にボコボコにされていた。
「また手出さなかったね、義一」
顔を腫らした少年に向けてもう一人の少年が声をかける。
「うるさい、小太郎。簡単に手は出さないのが俺の武士道なんだよ。」
「またまた。出さないんじゃなくて、出せないんだろ?」
この揶揄っている少年の名は新庄小太郎。幼稚園、小学校、中学校、そして高校と上がる度に上級生に目を付けられるという、謎の資質を持っていた。容姿が良く、女子にモテることも目をつけられる要因の1つとは思われるが、一番の理由はどこか人に目をつけられやすい雰囲気があるように思われた。
「でも凄いね義一。俺が先輩に呼び出されて殴られそうになったら必ず庇ってくれるじゃん。殴り返さないのがマジに不思議だけど。」
「そろそろお前、楽しんでないか、それ。」
顔がアンパンのヒーローみたいに腫れ上がった少年の名前は葵義一(あおい ぎいち)。小太郎とは幼稚園からの付き合いであり、小太郎の言うように、彼のピンチには必ず駆けつけていた。
「いやぁ、3階のトイレまで壁伝いに駆け上がって助けに来てくれた時なんか、凄い笑っちゃったよ。」
「武士に不可能は無い。」
「その"武士"って何なのさ。」
「困ってる人の元に颯爽と助けに現れてくれる、そんな男のことだ。」
「テレビの見過ぎかな」
「まあ、由来は何でも良いさ。色々と誤解されやすいからな、小太郎は。俺がいつでも助けてやるさ、友達だしな。」
荷物を拾い、帰路へと向かう義一と小太郎。幼稚園から続く、いつも通りの2人の関係。が、後にこの日常にも変化ぎ訪れる。義一の語る"武士"にも変化が訪れる日も、そう遠くない…。
殴られた右頬を抱え、少年はよろよろと頼りなく歩いている。時刻は15時30分、場所はとある高校の校舎裏、一人の少年が歳上であろう数人の男子生徒にボコボコにされていた。
「また手出さなかったね、義一」
顔を腫らした少年に向けてもう一人の少年が声をかける。
「うるさい、小太郎。簡単に手は出さないのが俺の武士道なんだよ。」
「またまた。出さないんじゃなくて、出せないんだろ?」
この揶揄っている少年の名は新庄小太郎。幼稚園、小学校、中学校、そして高校と上がる度に上級生に目を付けられるという、謎の資質を持っていた。容姿が良く、女子にモテることも目をつけられる要因の1つとは思われるが、一番の理由はどこか人に目をつけられやすい雰囲気があるように思われた。
「でも凄いね義一。俺が先輩に呼び出されて殴られそうになったら必ず庇ってくれるじゃん。殴り返さないのがマジに不思議だけど。」
「そろそろお前、楽しんでないか、それ。」
顔がアンパンのヒーローみたいに腫れ上がった少年の名前は葵義一(あおい ぎいち)。小太郎とは幼稚園からの付き合いであり、小太郎の言うように、彼のピンチには必ず駆けつけていた。
「いやぁ、3階のトイレまで壁伝いに駆け上がって助けに来てくれた時なんか、凄い笑っちゃったよ。」
「武士に不可能は無い。」
「その"武士"って何なのさ。」
「困ってる人の元に颯爽と助けに現れてくれる、そんな男のことだ。」
「テレビの見過ぎかな」
「まあ、由来は何でも良いさ。色々と誤解されやすいからな、小太郎は。俺がいつでも助けてやるさ、友達だしな。」
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