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第3章 校外学習で色々稼ごう
31.荒野で訓練
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「今日はちょうどこの校外学習の中間辺りで、ダンジョンではなくこの荒野まで来てもらった。
何を今日やるかと言うと召喚術が得意な先生方をお呼びして、魔物を召喚してもらう。何故、わざわざそんなことをするかと考える者もいるだろうがこれは意義のあることだ。どういうことかと言うとそろそろ魔物に手子摺る者も少なからず出てきたと思う。
そこで、だ。手子摺るということは危険且つ倒し方がうまくいっていないということになる。だから、こうして安全な環境でダンジョンに入る前に力を付け直そうという訳だ」
ここは地平線とまではいかないが普通の都市一帯くらいの広さの岩肌剥き出しとなった大地が広がる。普段からこのような魔法の実験のようなものを行っていてかは分からないが、地面が溶解したような後や隕石でもまるで堕ちたかの様な大小様々な大きさのクレーターと同様の跡があちこちに点在している。
ごつごつの岩肌には草木などの生物が入る余地は無く、灰色の大地が広がる。
そんな中で俺たちは訓練が行われるらしい。
「これから、詳しい説明をしていく。先ずは、ダンジョンで手子摺る相手、または挑んでみたい魔物を召喚術の先生方に伝えてくれ。まあ、実際には魔物の特徴を細部まで再現したものだから、最悪はその先生方の判断次第では魔法を解除をできるから安全ではある。遠慮は要らないということだ。勿論、ダンジョンで一緒に組んでいるパーティーメンバーで挑むんだぞ。では、いつも通りグループでここに準備ができたら来るように」
「どの魔物にする?」
「そうだな……ボクは無難に次のボスでいいと思うがどうだ?」
「私もそれがいいと思います」
他のみんなも、頷いてくれて賛同してくれているようだ。ベゼーヌさんも「いいんじゃないですか?」と肯定してくれていることだから決定ということでいこうか。
「じゃあ、4階層のボスということで。ところで、ふと思ったことなんだがパーティーって普通リーダーが指揮を執って魔物を倒すじゃん?で、いつもボクたちは各々の判断で、魔物に攻撃をする感じでこのままでいいのか疑問なんだがどうする?」
「ボクも、リーダーはなんとなく必要だと思っていたから賛成だぞ。多数決で決めないか?」
「多数決いいね!じゃあせーのでリーダーに相応しい人のことを指で指すよ」
「「せーの」」
……みんなの指先がこちらに向かっている。
「セシリアちゃんで決まりのようですね」
「じゃあ、よろしく頼むぞ」
俺はソロプレイ中心の人間だぞ?本当に俺に指揮なんか執れるかな。
「ああ、頑張ってみるよ」
パーティーリーダーは俺となった。
◇
「はい、では君たちは次の訓練ですね。次は……あなたたちですか。挑戦したい魔物を言ってください。よくわからない場合は『〇〇よりもこのぐらいの強い魔物』や『〇〇の様な魔物』等曖昧でも構わないですよ」
俺たちの番が回ってきた。
みんな、一階層のボスや二階層にいる魔物を指名するなど様々だ。しかし、四階層のボスというのはまだ来ていない。果たして、挑戦させてくれるだろうか。
まあ、いつもダンジョンについてきてくれるベゼーヌ先生がいるので最悪は大丈夫だということを伝えてもらおう。
「四階層のボスでお願いします」
予め俺たちで次の階層のボスにしようと決めていたのだ。もちろんベゼーヌ先生からの了承ももらっている。
「すいません、ベゼーヌさんは大丈夫だと思いますか?」
やはり、こうなるか。ベゼーヌ先生がうまく説明してくれるから、大丈夫だろうが、その心配の理由が俺たちの実力が不足しているように見えてなのか、四階層のボスが滅茶苦茶強いのか気になるが、最悪倒せなくても問題は無いのでいい。
「それなら多分大丈夫だと思いますよ。私の予想だと最初は少し困惑をして、それにも臨機応変に対応していくと思います。それに、これは訓練ですから万が一のことは無いと思います」
多分というのが少し気になったがこれは、あくまでも訓練なので倒せないで困るというような心配は要らなそうだ。
「分かりました。では、召喚しましょう。みなさん、準備はいいですか?」
「「はい!」」
灰色の大地の一角に小さな直径2メートルの幾何学模様の魔方陣が広がるように形成された。
それは、昼間の光を前にしても目が眩むような目映い光を放ち、四階層のボス(四階層のボスと同じ特徴を持つもの)が召喚されようとしていた。
召喚の光が消え、そこから現れたのは―――金属の塊の高さ5メートルほどの人型のゴーレムだった。
「始めていいですよ」
その言葉をスタートに召喚された敵の排除へと移る。
「あいつを今から倒す。カリス、ここから一番大きな魔法を放ってくれ」
「わかったよ!」
カリスは、自身の頭上に直径2メートルほどもある水素をプラズマに変えた摂氏一万度はある球を作る。
もしかしたら、金属とは言えど液体になるだろうと判断してプラズマを生成したのかもしれない。
「いくよ!」
カリスがゴーレムに向かい勢いよくプラズマの球を投げ飛ばす。
ゴーレムは不思議なことに躱そうとせずに正面から食らった。
「立て続けに行くぞ!カリスの攻撃の砂埃が晴れたらアリクスが氷の魔法でゴーレムを足止めをして、ティアナは動きが止まったゴーレムに斬りかかって、カリスは一旦休んでいてくれ。ボクとエンセリアは剣だけ構えて様子見だ」
徐々に砂埃が晴れて、次第にゴーレムの影が見えてくる。
そこにいたのは、融解している地面にどこも融けた様子が見えないゴーレムだった。
「やっぱ、ちょっと様子が可笑しいから待ってくれ。試しに俺も魔法で攻撃してみる」
このゴーレムは不思議なことに魔法が効いている様子が見受けなれない。
それは、カリスの魔法のせいではない。何故なら、地面は融けているからだ。
俺はだめ押しで、クォーク・グルーオン・プラズマ(原子核同士をぶつけ作られたプラズマ)というカリスの最大40,000,000倍にも達するプラズマを発生させゴーレムにくらわせる用意をする。
勿論、4兆度なんてのは普通に物理的に考えれば陽子や中性子までも融けるのだから辺り一帯がとんでも無いことになってしまうので試験のときに使った透明之断界を使って発生も当てるときも全てこの中で行う。
そうでもしないとこの世界ではどうかは知らないが少なくとも地球だったらここにいるみんなどころか、この惑星自体が大変なことになる。(そこまでの被害は結界が無くとも出ません)ただ、これには膨大なエネルギーを要するためゴーレムに直接ぶちこむしかない。
そして、俺は―――おっと。これは訓練でした。俺はすぐに全ての魔法を一旦解除する。
俺としたことが何を本気になってみんなの役目を奪おうとしているんだ。
「このゴーレムは魔法が効かないようだ。だから、魔法を使わずに倒さなければならない。確かティアナの剣はミスリルだったよな?」
「はい、そうですよ」
「では、一緒に二人で殺ってくる。普通の剣では多分傷ぐらいしかつかないから危険だから3人は待機しててくれ」
「分かったよ」
「任せるぞ」
「私の分も頑張ってください!」
我ながらに、上手く失態を誤魔化せた感じだ。みんな、多少空に試験のときほどではないが魔方陣がたくさん浮かび上がり、いきなり結界が現れるということが起き、疑問に思ったかもしれないが、このまるで何事も無かったかのように、状況を冷静に判断し指示を出す。いい感じじゃないか俺。
と呑気なことを思っている場合ではない。
「ティアナは右から頼む、ボクは左から斬りかかるからよろしく」
剣のみの戦いが始まるのであった。(防御魔法などは使います)
俺とティアナは自身に身体強化の魔法をかける等して剣を構える。
それに対しゴーレムは、そんな俺らを見向きもしない様子で武器も何も手にせずただこちらの方を見ている。これ以上奥の手とか持っているかのようで少し不気味である。
「ティアナはそのまま攻撃をしてすぐ、一旦離脱してくれ。あいつはどんな手を隠し持ってるか分からないから慎重にだ。ボクはティアナの攻撃で隙ができたところに瞬間移動で一気に間合いを詰めティアナと同じように攻撃をしたら離脱をする。一撃離脱戦法というやつだな」
「分かりました、ではいきますね」
ティアナは身体強化の魔法を使ったのかは分からないがいつもの約2倍程の速さの時速100キロメートルくらいで300メートルくらいあった距離を瞬時に詰め斬りかかる。
不思議なことにゴーレムはその攻撃を避けようとしなかった。
攻撃を受けたゴーレムから剣の攻撃とは明らかに違う爆煙が上がる。
その爆煙からティアナが吹き飛ばされていたが見事に衝撃を吸収できたようでほぼノーダメージだった。
今の状況から予想するにゴーレムはさっきのように自動で攻撃をされると迎撃をする仕組みだと考える。
だから、俺は自身に防御魔法を展開しながら瞬間移動で一気に距離を詰め爆煙が収まる前に攻撃を加える。
するとやはり、予想通り攻撃をすると同時にゴーレムに衝撃が加わったところから爆発が起きる。
一撃離脱戦法なので、一旦距離を取る。
「ティアナ大丈夫だったか?」
「警戒していたので大丈夫ですよ。それより、セシリアさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
まさか、ティアナがやられたのを見て自分だけ防御魔法を使っていたので大丈夫ですとは言えない。
ゴーレムの方へ目をやると金属のボディに2本の数百メートル離れたここからでも少し見えるくらいの深い傷が入っていた。そんなゴーレムはこちらへこのままでは、不味いと判断したらしく双剣を手にして、大きい図体の割に素早い動きで地を蹴り向かってくる。
「こっちに向かって来ていますがどうしますか?」
「やつの後ろに回り込めるよな?」
「はい」
「なら、爆発に気を付けながら斬り込むぞ。ボクは先に片腕を切り落とすからティアナはそれに立て続けで首を出来れば切り飛ばしてくれ。もし、ボクの攻撃の爆発が大きすぎて無理そうなら、出直す」
未だこちらに向かって来るゴーレムの背後に俺は瞬間移動をして、剣に強化魔法の金属切断という強化を施し、剣を持つ腕ごと切り落とした。ついさっきまで俺がいたところに片腕を斬られバランスを崩しながらも爆発は起こることなく剣を振る。爆発のオン、オフできるのかと思ったがそんなことはどうでもいい。
瞬間移動が無かったら結構危なかった。
剣を振り切り完全に不意だらけとなったゴーレムにティアナが強化魔法によるものなのかよく分からないが凄い禍禍しくなった剣でゴーレムの首もと目掛け剣を振る。
それに、ゴーレムは避けることは叶わず激しい金属音と共に首が落ちる。そして、魔物を倒したときとは違い、白い霧となり当たり前だが何もドロップしなかった。
「よくやったな!見事だった」
「あ、ありがとう……ございます」
「君たち、よく魔法が効かないことが分かりそれに対応することができましたね。こういった魔物もいるということをしっかりと頭に入れておきましょう」
ベゼーヌ先生から倒したことを褒めてくれて、アドバイスも、もらったので覚えておこう。
「まさかほんとに倒すとは驚くべき才能をお持ちなのですね。よくやったと思いますよ、君たち」
召喚をしてくれた人も俺たちを認めてくれたようだ。
「「ありがとうございます!」」
俺たちの訓練はこれで終わりなので、再び担任のいる最初に集まったところに向かう。
「全然活躍出来なかった……」
「傷一つつけられなかったぞ……」
2人は活躍出来なかったことに対し落ち込んでいるようだ。
「人には得手不得手があるんだから気にする必要はない。お互いに補ってこその仲間なんじゃないか?」
散々ソロでやってきたやつが何言ってんだ、という感じだがこっちに来てからはずっとソロではやっていないのでなかなか説得力があると思う。
「確かにそうかもしれないけど……それをセシリアに言われてもなーいまいち説得力に欠けるぞ」
「今だって剣使えるし魔法も凄いし」
あれ?逆効果だったかな。
「確かに剣を使ったが魔法ゴリ押しでやったから魔法の延長線上だから魔法だけだと思う。まだ気付いてないかもしれんが、魔法を使って補助しないと細かい作業なんにもできないぞ?」
特に細かい作業が苦手という訳ではないが、状況がこんな感じになってしまったので取り敢えずそういう設定にする。
「それよりやっぱり経験値は入らないんだな。少し残念だ」
このままでは、よくないので話題を変えることにした。
「ボスは数千も経験値が手に入るんだよね?もし今ので経験値が入ってたら一気にレベルが上がったのに……」
「厳密に言えば魔物では無いから仕方ないと思うぞ。………でも、正直ボクも欲しかった」
よし、方向を変えるのに成功したな。
何を今日やるかと言うと召喚術が得意な先生方をお呼びして、魔物を召喚してもらう。何故、わざわざそんなことをするかと考える者もいるだろうがこれは意義のあることだ。どういうことかと言うとそろそろ魔物に手子摺る者も少なからず出てきたと思う。
そこで、だ。手子摺るということは危険且つ倒し方がうまくいっていないということになる。だから、こうして安全な環境でダンジョンに入る前に力を付け直そうという訳だ」
ここは地平線とまではいかないが普通の都市一帯くらいの広さの岩肌剥き出しとなった大地が広がる。普段からこのような魔法の実験のようなものを行っていてかは分からないが、地面が溶解したような後や隕石でもまるで堕ちたかの様な大小様々な大きさのクレーターと同様の跡があちこちに点在している。
ごつごつの岩肌には草木などの生物が入る余地は無く、灰色の大地が広がる。
そんな中で俺たちは訓練が行われるらしい。
「これから、詳しい説明をしていく。先ずは、ダンジョンで手子摺る相手、または挑んでみたい魔物を召喚術の先生方に伝えてくれ。まあ、実際には魔物の特徴を細部まで再現したものだから、最悪はその先生方の判断次第では魔法を解除をできるから安全ではある。遠慮は要らないということだ。勿論、ダンジョンで一緒に組んでいるパーティーメンバーで挑むんだぞ。では、いつも通りグループでここに準備ができたら来るように」
「どの魔物にする?」
「そうだな……ボクは無難に次のボスでいいと思うがどうだ?」
「私もそれがいいと思います」
他のみんなも、頷いてくれて賛同してくれているようだ。ベゼーヌさんも「いいんじゃないですか?」と肯定してくれていることだから決定ということでいこうか。
「じゃあ、4階層のボスということで。ところで、ふと思ったことなんだがパーティーって普通リーダーが指揮を執って魔物を倒すじゃん?で、いつもボクたちは各々の判断で、魔物に攻撃をする感じでこのままでいいのか疑問なんだがどうする?」
「ボクも、リーダーはなんとなく必要だと思っていたから賛成だぞ。多数決で決めないか?」
「多数決いいね!じゃあせーのでリーダーに相応しい人のことを指で指すよ」
「「せーの」」
……みんなの指先がこちらに向かっている。
「セシリアちゃんで決まりのようですね」
「じゃあ、よろしく頼むぞ」
俺はソロプレイ中心の人間だぞ?本当に俺に指揮なんか執れるかな。
「ああ、頑張ってみるよ」
パーティーリーダーは俺となった。
◇
「はい、では君たちは次の訓練ですね。次は……あなたたちですか。挑戦したい魔物を言ってください。よくわからない場合は『〇〇よりもこのぐらいの強い魔物』や『〇〇の様な魔物』等曖昧でも構わないですよ」
俺たちの番が回ってきた。
みんな、一階層のボスや二階層にいる魔物を指名するなど様々だ。しかし、四階層のボスというのはまだ来ていない。果たして、挑戦させてくれるだろうか。
まあ、いつもダンジョンについてきてくれるベゼーヌ先生がいるので最悪は大丈夫だということを伝えてもらおう。
「四階層のボスでお願いします」
予め俺たちで次の階層のボスにしようと決めていたのだ。もちろんベゼーヌ先生からの了承ももらっている。
「すいません、ベゼーヌさんは大丈夫だと思いますか?」
やはり、こうなるか。ベゼーヌ先生がうまく説明してくれるから、大丈夫だろうが、その心配の理由が俺たちの実力が不足しているように見えてなのか、四階層のボスが滅茶苦茶強いのか気になるが、最悪倒せなくても問題は無いのでいい。
「それなら多分大丈夫だと思いますよ。私の予想だと最初は少し困惑をして、それにも臨機応変に対応していくと思います。それに、これは訓練ですから万が一のことは無いと思います」
多分というのが少し気になったがこれは、あくまでも訓練なので倒せないで困るというような心配は要らなそうだ。
「分かりました。では、召喚しましょう。みなさん、準備はいいですか?」
「「はい!」」
灰色の大地の一角に小さな直径2メートルの幾何学模様の魔方陣が広がるように形成された。
それは、昼間の光を前にしても目が眩むような目映い光を放ち、四階層のボス(四階層のボスと同じ特徴を持つもの)が召喚されようとしていた。
召喚の光が消え、そこから現れたのは―――金属の塊の高さ5メートルほどの人型のゴーレムだった。
「始めていいですよ」
その言葉をスタートに召喚された敵の排除へと移る。
「あいつを今から倒す。カリス、ここから一番大きな魔法を放ってくれ」
「わかったよ!」
カリスは、自身の頭上に直径2メートルほどもある水素をプラズマに変えた摂氏一万度はある球を作る。
もしかしたら、金属とは言えど液体になるだろうと判断してプラズマを生成したのかもしれない。
「いくよ!」
カリスがゴーレムに向かい勢いよくプラズマの球を投げ飛ばす。
ゴーレムは不思議なことに躱そうとせずに正面から食らった。
「立て続けに行くぞ!カリスの攻撃の砂埃が晴れたらアリクスが氷の魔法でゴーレムを足止めをして、ティアナは動きが止まったゴーレムに斬りかかって、カリスは一旦休んでいてくれ。ボクとエンセリアは剣だけ構えて様子見だ」
徐々に砂埃が晴れて、次第にゴーレムの影が見えてくる。
そこにいたのは、融解している地面にどこも融けた様子が見えないゴーレムだった。
「やっぱ、ちょっと様子が可笑しいから待ってくれ。試しに俺も魔法で攻撃してみる」
このゴーレムは不思議なことに魔法が効いている様子が見受けなれない。
それは、カリスの魔法のせいではない。何故なら、地面は融けているからだ。
俺はだめ押しで、クォーク・グルーオン・プラズマ(原子核同士をぶつけ作られたプラズマ)というカリスの最大40,000,000倍にも達するプラズマを発生させゴーレムにくらわせる用意をする。
勿論、4兆度なんてのは普通に物理的に考えれば陽子や中性子までも融けるのだから辺り一帯がとんでも無いことになってしまうので試験のときに使った透明之断界を使って発生も当てるときも全てこの中で行う。
そうでもしないとこの世界ではどうかは知らないが少なくとも地球だったらここにいるみんなどころか、この惑星自体が大変なことになる。(そこまでの被害は結界が無くとも出ません)ただ、これには膨大なエネルギーを要するためゴーレムに直接ぶちこむしかない。
そして、俺は―――おっと。これは訓練でした。俺はすぐに全ての魔法を一旦解除する。
俺としたことが何を本気になってみんなの役目を奪おうとしているんだ。
「このゴーレムは魔法が効かないようだ。だから、魔法を使わずに倒さなければならない。確かティアナの剣はミスリルだったよな?」
「はい、そうですよ」
「では、一緒に二人で殺ってくる。普通の剣では多分傷ぐらいしかつかないから危険だから3人は待機しててくれ」
「分かったよ」
「任せるぞ」
「私の分も頑張ってください!」
我ながらに、上手く失態を誤魔化せた感じだ。みんな、多少空に試験のときほどではないが魔方陣がたくさん浮かび上がり、いきなり結界が現れるということが起き、疑問に思ったかもしれないが、このまるで何事も無かったかのように、状況を冷静に判断し指示を出す。いい感じじゃないか俺。
と呑気なことを思っている場合ではない。
「ティアナは右から頼む、ボクは左から斬りかかるからよろしく」
剣のみの戦いが始まるのであった。(防御魔法などは使います)
俺とティアナは自身に身体強化の魔法をかける等して剣を構える。
それに対しゴーレムは、そんな俺らを見向きもしない様子で武器も何も手にせずただこちらの方を見ている。これ以上奥の手とか持っているかのようで少し不気味である。
「ティアナはそのまま攻撃をしてすぐ、一旦離脱してくれ。あいつはどんな手を隠し持ってるか分からないから慎重にだ。ボクはティアナの攻撃で隙ができたところに瞬間移動で一気に間合いを詰めティアナと同じように攻撃をしたら離脱をする。一撃離脱戦法というやつだな」
「分かりました、ではいきますね」
ティアナは身体強化の魔法を使ったのかは分からないがいつもの約2倍程の速さの時速100キロメートルくらいで300メートルくらいあった距離を瞬時に詰め斬りかかる。
不思議なことにゴーレムはその攻撃を避けようとしなかった。
攻撃を受けたゴーレムから剣の攻撃とは明らかに違う爆煙が上がる。
その爆煙からティアナが吹き飛ばされていたが見事に衝撃を吸収できたようでほぼノーダメージだった。
今の状況から予想するにゴーレムはさっきのように自動で攻撃をされると迎撃をする仕組みだと考える。
だから、俺は自身に防御魔法を展開しながら瞬間移動で一気に距離を詰め爆煙が収まる前に攻撃を加える。
するとやはり、予想通り攻撃をすると同時にゴーレムに衝撃が加わったところから爆発が起きる。
一撃離脱戦法なので、一旦距離を取る。
「ティアナ大丈夫だったか?」
「警戒していたので大丈夫ですよ。それより、セシリアさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
まさか、ティアナがやられたのを見て自分だけ防御魔法を使っていたので大丈夫ですとは言えない。
ゴーレムの方へ目をやると金属のボディに2本の数百メートル離れたここからでも少し見えるくらいの深い傷が入っていた。そんなゴーレムはこちらへこのままでは、不味いと判断したらしく双剣を手にして、大きい図体の割に素早い動きで地を蹴り向かってくる。
「こっちに向かって来ていますがどうしますか?」
「やつの後ろに回り込めるよな?」
「はい」
「なら、爆発に気を付けながら斬り込むぞ。ボクは先に片腕を切り落とすからティアナはそれに立て続けで首を出来れば切り飛ばしてくれ。もし、ボクの攻撃の爆発が大きすぎて無理そうなら、出直す」
未だこちらに向かって来るゴーレムの背後に俺は瞬間移動をして、剣に強化魔法の金属切断という強化を施し、剣を持つ腕ごと切り落とした。ついさっきまで俺がいたところに片腕を斬られバランスを崩しながらも爆発は起こることなく剣を振る。爆発のオン、オフできるのかと思ったがそんなことはどうでもいい。
瞬間移動が無かったら結構危なかった。
剣を振り切り完全に不意だらけとなったゴーレムにティアナが強化魔法によるものなのかよく分からないが凄い禍禍しくなった剣でゴーレムの首もと目掛け剣を振る。
それに、ゴーレムは避けることは叶わず激しい金属音と共に首が落ちる。そして、魔物を倒したときとは違い、白い霧となり当たり前だが何もドロップしなかった。
「よくやったな!見事だった」
「あ、ありがとう……ございます」
「君たち、よく魔法が効かないことが分かりそれに対応することができましたね。こういった魔物もいるということをしっかりと頭に入れておきましょう」
ベゼーヌ先生から倒したことを褒めてくれて、アドバイスも、もらったので覚えておこう。
「まさかほんとに倒すとは驚くべき才能をお持ちなのですね。よくやったと思いますよ、君たち」
召喚をしてくれた人も俺たちを認めてくれたようだ。
「「ありがとうございます!」」
俺たちの訓練はこれで終わりなので、再び担任のいる最初に集まったところに向かう。
「全然活躍出来なかった……」
「傷一つつけられなかったぞ……」
2人は活躍出来なかったことに対し落ち込んでいるようだ。
「人には得手不得手があるんだから気にする必要はない。お互いに補ってこその仲間なんじゃないか?」
散々ソロでやってきたやつが何言ってんだ、という感じだがこっちに来てからはずっとソロではやっていないのでなかなか説得力があると思う。
「確かにそうかもしれないけど……それをセシリアに言われてもなーいまいち説得力に欠けるぞ」
「今だって剣使えるし魔法も凄いし」
あれ?逆効果だったかな。
「確かに剣を使ったが魔法ゴリ押しでやったから魔法の延長線上だから魔法だけだと思う。まだ気付いてないかもしれんが、魔法を使って補助しないと細かい作業なんにもできないぞ?」
特に細かい作業が苦手という訳ではないが、状況がこんな感じになってしまったので取り敢えずそういう設定にする。
「それよりやっぱり経験値は入らないんだな。少し残念だ」
このままでは、よくないので話題を変えることにした。
「ボスは数千も経験値が手に入るんだよね?もし今ので経験値が入ってたら一気にレベルが上がったのに……」
「厳密に言えば魔物では無いから仕方ないと思うぞ。………でも、正直ボクも欲しかった」
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