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終息へむけて
5 戦うニート
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何の前兆もなく、突然ピピ・コリンの街の空に巨大な魔法陣が現れ、そこから大量のモンスターが降ってきた。
当たり前だが、逃げ惑う人々で街は大混乱に陥った。
主要な都や街であれば、敵から攻められることを考え、外周に外壁が張り巡らされる。
周囲にモンスターが多く棲んでいるヴェニカの街もそうだ。強固な防護壁が築かれていた。
しかし、このピピ・コリンの街が作られてから、他国の軍から攻められたことも、街の周りを縄張りとするモンスターの群れが襲ってきたこともなかった。
なので防護壁なんてものはない。
あるのは開放的な保養地で、羽目を外し過ぎる愚か者を取り締まるための警備兵。そして住民たちが自ら作った自衛団。
当然、対人への取り締まりであるため、モンスターと戦った経験は少ない。
「ぐあっ!」
異様な様相をしたモンスターに、剣を構えていた騎士の1人が吹き飛ばされる。
新入隊員として騎士団に入ってすぐの頃、経験のためにモンスター討伐をした日以来だ。
殺気を漲らせたモンスターと戦うのは。
しかも目の前に立つモンスターは、その時より遥かに凶悪で、剣を構えていても、恐怖心で体が固まってしまっている。
騎士たちは決して日頃の訓練を怠り、LVの低い者はいないというのに、無傷の者は誰一人いなかった。
「おのれ!モンスター風情に好き勝手はさせん!」
隊を率いていた隊長のセガルが、側面から隙の出来た敵に魔力をまとわせた剣を振り下ろす。
しかし応戦した騎士たちは、高LVのモンシスターたちの前に、1人、また1人と倒れていく。同じモンスターでも記憶の中のモンスターとは様相が異なり、騎士たちが多勢でようやく一匹を倒せるかどうかの力の差で、過去に戦ったどのモンスターより遥かに強い。
ピピ・コリン中にモンシスターが空から降ってきて、逃げ惑う人々をどこに逃がせばいいのかも分からない。
街は逃げ惑い右往左往する人々で、完全に混乱に陥っていた。
(今日は冒険者ギルドも街の巡回をしているはず!彼らは何をしているのだ!?だいたい、このモンスターはどこから転移されてきている!?まさか他国からの侵略か?)
他国の魔術士たちが召喚魔法を使い、コリンの街を侵略するべく大量のモンスターを送りこんできているのかと考えたが、こんなモンスターの襲来は他に聞いたことがない。
「セガル様!ここは引いてノアン殿と連絡を取り、体勢を立て直しましょう!」
「くそっ!やむをえないか!?」
壁に吹き飛ばされた部下を、他の部下たちが急いで抱え上げ立ち上がらせる。
しかし退くとしてもモンスターは一方方向から攻めてきたのではなく、空から振ってきている。
(冒険者ギルドの方でも動いているハズだが、一体何が起こっているんだ!?)
堅牢でモンスターに攻め込まれても多少は耐えられる壁に囲まれた堅牢な建物となれば、もう領主であるザナトリフ邸しか思いつかない。
丘の上に建つ領主の館は、大きく広い敷地を持つ。
街が攻められる可能性は低くても、街にやってきた他国の主要人物を迎えいれて、暗殺など許してしまえば外交問題になる。
だから領主の館はピピ・コリンで、唯一高い外壁に取り囲まれ、建物自体も館というより要塞感のある作りだった。
戦うか退くか、決断を迫られ、
「ダメだ!空から降ってくる相手に、この街でどこへ退いても同じだ!怪我をした者、街の人々はザナトリフ様の館へ避難させろ!あの館なら堅牢な外壁が館を守っている!」
「はっ!」
部下たちがセガルの命令に一斉に応える。
苦渋の判断だが致し方ない。あまりにもモンスターが広範囲に出現したせいで、配置している各所との連絡網が機能しなくなったのが痛すぎた。
負傷した部下に手を貸し、次のモンスターと遭遇する前に退去させようと振り返った瞬間だった。
すぐ真上の空から出現し、鋭い爪と牙、剛毛を生やした獣:ケアゾンデスが降ってきたのは。
「上だ!モンスターが降ってくるぞ!」
咄嗟に叫んだセガルの声に、部下の騎士たちが慌てて上を振り返る。
しかも負傷している者を庇っていた者は、すぐに体勢を整えることが出来なかった。
魔法陣から現れ、すぐに自らの真下に獲物を見つけたケアゾンデスが、その鋭い牙をむいて襲い掛かろうとセガルたちに迫り、
「くそが、だからめんどくせぇのは嫌いなんだよ」
セガルの顔のすぐ耳横から飛び出てきた長身の銃口が火を噴き、眼前に飛びかかろうとしていたケアゾンデスの頭部を吹き飛ばした。
圧縮された魔力が耳元で放たれた衝撃で、激しい耳鳴りと頭痛がする。思わずセガルは横に飛びのき側頭を押さえつつ、銃を打った相手を振り返った。
そこには、ここにいるはずのない人物が立っていて、
「ツヴァング!?貴様裏ダンジョンを攻略しに行っていたのではないのか!?いつ街に戻った!」
振り返った人物に見覚えがあった。
セガルが仕えるザナトリフ侯爵の1人息子。けれど、酒と女遊びが過ぎて、とうとう勘当するしかなくなった厄介者。
まだ勘当される前、何度セガルが問題を起こしたツヴァングを探しに行ったか分からない。
ツヴァングが冒険者ギルドの闘技場で高ランク冒険者数人を、1人で倒したと聞いたときは、何の冗談か鼻で笑ったものだ。同じ年頃で、共に剣術を学んだが、ツヴァングの方はいつもサボってばかりだった。
真面目とは一番程遠い性格だった。
そのツヴァングが冒険者たちと共に裏ダンジョン攻略に同行するなど、にわかには信じられなかった。
現に、見つかったという裏ダンジョンの入口は、街から2週間かかる距離だ。走れば数時間で戻れる距離ではない。
(こいつ、まさか裏ダンジョンに行くのが嫌で、途中で引き返してきたのか!?)
裏ダンジョン攻略を放って逃げ帰るなどありえない。
だが、そっちの方がセガルの記憶の中のツヴァングらしい。十分ありえる。
自分の考えに納得しつつも、やっぱり闘技場での話は嘘だったのだとして、不意にツヴァングの手に握られている銃に視界に入った。
(なんだ、この銃。これをツヴァングは使うのか?)
セガル自身は銃を使ったことは一度もない。銃装士が戦うのをたまたま見たことがある程度だ。遠距離から魔力を弾として打つ銃は、戦闘では圧倒的有利になる。
なのに銃装士の数が少ないのは、ランクの高い銃ほど扱い辛さに拍車がかかるから。
剣ならば身の丈に合わないランクの高い剣を装備しても、ある程度戦える。しかし銃は弾を打つことすらままならない。
銃を扱うには、熟練の鍛錬と経験が必要なのだ。
セガル自身に武器鑑定のスキルはない。銃についても詳しくない。
だが、ツヴァングの持っている銃は、素人目にもかなりランクが高いようにしか見えない。一目見て、銃の放つ威圧感に引き込まれそうになる。
そんなセガルたちを他所にツヴァングの視線は周囲に向けられたままだ。
「んなこと今話してる場合かよ。俺がここら一帯の魔物は引き受けるから、逃げ遅れてるやつら連れてノアンの方と合流しろ」
「まさかこの魔物たちと1人で戦うつもりか!?正気か!?」
「正気だぜ、一応な」
軽く肩を竦め、そう言う傍から顔はセガルに向けたまま、ツヴァングの持つ【ジャッジメント・ルイ】は、右の小道から顔を出した魔物を一発でしとめる。
ーキシャァァアア!!!
甲高い悲鳴を上げてモンスターが倒れこんだ。
空から現れた魔物たちはどれも高LVでセガルたちが複数で戦ってようやく一匹倒せるほどの強さだというのに、たった一発でツヴァングは倒してしまった。
口からでた出まかせではないのだと証明する。
全く見ていなかった筈なのに、気配だけで魔物が右の小道から出てくると気づいていたのだろうか。
赤くひび割れたように発光し、濃厚な魔力が溢れ、そこでツヴァング自身もこれまで感じたことのないような、赤く強大な魔力を纏っている。
魔力の影響か、ツヴァングのコートが微かにふわりと浮遊しているのを視界の端に見捉える。
(こいつは本当に俺の知っているツヴァングなのか?ツヴァングの姿をした別人ではないのか?)
生唾を飲み込み、本気でセガルは思う。
自分が苦戦していた魔物を前にしても、全く動じず、容易く倒してしまう。
これまで手合わせした騎士たちや冒険者、討伐してきたどの魔物たちとも違う、圧倒的強者を前にして無意識に足がいすくむような感覚。
それをこれまでずっと軽蔑してきたツヴァングに抱いてしまったことを自覚して、驚愕を隠しきれなかった。
「さっさといけって。じっとしていても被害が広がるだけ、…チッ…」
不意に言っている途中でツヴァングが舌打ちし、斜め下を見やる。そこには地面しかなく、何にツヴァングが反応しているのかセガルには全く分からなかったが、突然ツヴァングから魔力がブワリと溢れでて、その濃い魔力を近距離で浴び、反射的に身構えた。
だが、やはりツヴァングは何もない空間をじっと見やり、眉間に皺を寄せている。
何を見ている?
「どうした!?」
「雑魚が多過ぎる。LV高いやつは無理だがまぁいい」
いい終わり様、ツヴァングは【ジャッジメント・ルイ】に特殊魔法弾をアイテムボックスから選択し、銃の弾奏にセットする。
派手な技だが、威力は分散してしまうので、あまり期待しない。あくまで自分自身より劣る多数雑魚を蹴散らすのに有効な技だ。
セガルの返事を待たずに軽く地面を蹴り空へと飛び上がり、【ジャッジメント・ルイ】を空へと向ける。
呼応して銃口の分離ギミックが展開し、6つのパーツへと分かれた。
しかしシエルと戦ったときのように魔弾を放つのではなく、ツヴァングを中心として半径5mほどの円状に分散し、そのパーツを支点として赤い円形魔法陣が光り走る。
目標としてロックするのは、先ほどツヴァングが舌打ちする原因になったマップウィンドウに無数に広がる紫にマーカー全てだ。
銃装士専用:対多数爆散弾スキル【エ・ヴリガン】
魔力を込めた1発の特殊魔法弾を、展開した魔法陣が弾を分散させ1000の弾に変換する。当然威力は減るのでLVの高いモンスターには通じない。
しかし、自らよりLVの低い魔物をまとめてに倒すには打ってつけの技だ。ツヴァングのLVは200であり、使用している武器はS10。
分散した弾といえど、汚染されているモンスターにもある程度効くはずだ。
空高く放たれた無数の弾が、一定の高さまでいくと爆散するように四方へと弧を描き降り注いでいく。
それはまるで光の噴水のような光景だったかもしれない。
モンスターが降ってきていた空が急に明るく輝いたかと思うと、そこから降ってくる白い弾が、ピピ・コリンで暴れている魔物たちを狙い定めたように貫いていくのだ。
自分達を襲っていたモンスターたちが次々と光の弾に消されていく。
無数の光が空から降り注ぎ、魔物たちを駆逐していく様を目撃したのはピピ・コリンの民、全員だったろう。
あまりにも美しい光に、それまで逃げ惑っていた恐怖を忘れさせた。
まして、その光を放ったツヴァングをすぐ傍で見てしまったセガルや騎士たちは、ただ、ただ、その圧倒的な光の技に、瞳を大きく見開き瞬きもせずその光景を瞳に焼き付けられていた。
ダンと空中で反転し地面に着地し、マーカーの数が半分ほど減ったことをツヴァング確認する。
だがそれでも半分だ。汚染され強化された高LVのモンスターには威力が減った弾では効かなかったか、避けられたかしたのだろう。
いつまでモンスターが降ってくるか分からないが、こればかりは裏ダンジョンのボスをシエルが一秒でも早く倒してくれることを期待する他ない。
不幸中の幸いか、【エ・ヴリガン】から逃れた魔物たちは、弾を放ったツヴァングを敵として狙い始めたようで、残った紫のマーカーが自らを中心に集まりだしている。
(LVが高いからか、知能があるのばかり残ったな。それならそれで好都合)
高LVモンスターだけを意図して残したのはツヴァング自身だが、厄介なヤツラが残ったと内心愚痴りつつ、囲まれる前にこの場を離れ、順に倒していくしかない。
幸運なことにシエルからもらったお土産:エアーボードという高速移動の手段がある。いい具合に残った魔物たちを誘導できるだろう。
「俺が囮になる。その間に逃げろ」
フッと。
アイテムボックスからエアーボードを取り出し、手早くツヴァングは乗ると、返事を待たずに呆然としているセガルたちを残し、空へと飛翔した。
エアーボードに乗ってモンスターたちが自分を取り囲まんとしているのをマップで見ながら、つくづく面倒なことになったとツヴァングは愚痴をこぼす。
(早とちりの誤解だってゆーか、誰でもそう誤解するだろ?周りでウロウロされたらよ)
店で鑑定報酬として【ジャッジメント・ルイ】を見せられた時も、内心関わるのは危険だと思った。
そして、最初に街に転送されてきたモンスターとシエルの戦いを見て、真っ先に関わらない方がいいと判断した。
餌(S10武器)に釣られてリアルに戻されては、たまったものじゃない。鑑定報酬は無視して近づかずにしようと思った。
なのにシエルは騒ぎになった避難場所として、自分の店に逃げ込んできた。泊っている宿や人が押しかけてきてとても帰れないから、ヴィルフリートが戻るまで匿ってくれと。
ヴィルフリートが戻ってきても、ツヴァングが酒を飲んでいる隣でモンスターが転送されてきた詳細だけでなく、裏ダンジョンの魔法陣の発動条件を平気でしゃべったりする。
(アレは絶対俺を関係者に巻き込む気満々だったろ?聞きたくもないことべらべらと喋りやがって)
そもそも出会いからして、ツヴァングと初めて会ったとき、シエルは名乗ってもいないルヴァングの名前を呼んだ。
自分がプレイヤーであるとシエルにバレていると確信した。
自分に近づいてきた目的は?
鑑定?本当に?
なぜリアルを匂わせる?
自分を試しているのか?
相談する相手もなく、シエルの言動全てに疑心暗鬼になった。
最終的に、シエルの目的が何にせよ、自分がこのままアデルクライシスにい続けるためには、どちらにせよシエルが邪魔になるという結論に至ったのだ。
【黒玉】を使い、汚染されて、危険を犯してまで。
なのにシエルはツヴァングがプレイヤーと分かっていて、ゲーム内に居続けたいのであれば放置するとのたまった。
しかも異常なこの世界にログインしたのは個人的都合であるから、捕らわれたプレイヤーにはあまり関心がないのだと付け足して。
(まじで勝手に先走って、馬鹿みてぇじゃん俺)
こうしてシエルに命じられるがまま【ジャッジメント・ルイ】を手に、敵の標的になって、モンスター討伐なんて、間違っても自分の理想とするニートのやることじゃない。
エアーボードを駆使して街の上空を飛びつつ、狙ってくるモンスターを打ち落とす。
途中途中でモンスターのヘイト(標的)を集める散弾を打って、わざとモンスターを引き寄せた。
汚染モンシスターはそれなりに強敵だし、【ジャッジメント・ルイ】がなければもっと苦戦していただろう。
だがシエルと戦った時のことを思い出せば可愛く思える。
あれは強さの次元が違う。
戦って手が届くとか、そういう問題ではない。
あれは、絶対に敵対してはいけないものだ。
しばらくエアーボードを飛ばしてモンスターを倒していると、モンスターを転送していた魔法陣が消滅する。
これで追加のモンスターが転送されて来ることはないだろう。
一応の目処がついて、ほっと一息つく。
「やっとダンジョンボス倒したのか。遅ぇよ神様。あんだけチートステータスあるくせに、時間かけすぎじゃねぇの?」
悪態をつきつつ地上を見下ろせば、初めは混乱していた騎士団や冒険者たちも、隊を組んで確実に一体一体を倒している。
これで残りを倒しきれば終わりだ、と思ったのも束の間だった。
魔法陣が閉じた矢先に、まだ討伐されていないモンスターたちが浜辺の一角に集まり始めた。
マップを見れば、それまでツヴァングを執拗に狙っていた紫のマーカーまで、一斉に進路を変える。
残っているモンスターたちのほとんどが知性がある。何かする気だ。
「これは………」
浜辺で一番高い建物の屋根に降り立ち、集まったモンスターたちが一つのモンスターになっていく様子をジッと傍観した。
汚染されたモンスターたちが次々と黒い霧のようなモノに取り込まれていく。
うねうねと蠢く黒いものが、取り込むモンスターの数に比例して大きくなり、最終的には黒く巨大なドラゴンの姿を模した別物になった。
鱗なんてない。
体は黒い霧が常に波打ったように脈動していて、赤い眼だけがギラギラこちらを睨んでいた。開いた口の中心に、蠢く魔力の塊が見える。
どうやら街ごと自分を吹き飛ばすつもりらしい。
「またでけぇ図体になりやがって」
ずっと空を飛びながらモンスターを倒し続けていたことで、【ジャッジメント・ルイ】の闘魔力ゲージはとっくにMAXだ。
屋根の上で、【ジャッジメント・ルイ】を巨大な霧の塊にゆるりと向ける。
【ジャッジメント・ルイ】の銃口ギミックが発動する。銃口の先に展開される10m大の赤い魔法陣。銃身の赤い発光がバチバチと音を立て、銃身に青い呪の帯が浮き上がった。
「そんなデカい的、外したら俺が恥ずかしいじゃねぇか」
飄々とした声は真剣みは全く感じられない。
言葉だけを聞いたなら、とても戦闘の最中だとは誰も思わないだろう。
まるでダーツをしていて、手に構えた矢を的に狙うくらいの気概だ。
敵が口から砲撃を放ったと同時に、究極スキル【ウォートルギア 】を放った。
砲撃そのものはドラゴンが放った方が大きい。
しかし、ツヴァングが放った【ウォートルギア 】が砲撃をものともせず、ドラゴンの胴を打ちぬき、その胴にぽっかり穴をあけた。
当たり前だが、逃げ惑う人々で街は大混乱に陥った。
主要な都や街であれば、敵から攻められることを考え、外周に外壁が張り巡らされる。
周囲にモンスターが多く棲んでいるヴェニカの街もそうだ。強固な防護壁が築かれていた。
しかし、このピピ・コリンの街が作られてから、他国の軍から攻められたことも、街の周りを縄張りとするモンスターの群れが襲ってきたこともなかった。
なので防護壁なんてものはない。
あるのは開放的な保養地で、羽目を外し過ぎる愚か者を取り締まるための警備兵。そして住民たちが自ら作った自衛団。
当然、対人への取り締まりであるため、モンスターと戦った経験は少ない。
「ぐあっ!」
異様な様相をしたモンスターに、剣を構えていた騎士の1人が吹き飛ばされる。
新入隊員として騎士団に入ってすぐの頃、経験のためにモンスター討伐をした日以来だ。
殺気を漲らせたモンスターと戦うのは。
しかも目の前に立つモンスターは、その時より遥かに凶悪で、剣を構えていても、恐怖心で体が固まってしまっている。
騎士たちは決して日頃の訓練を怠り、LVの低い者はいないというのに、無傷の者は誰一人いなかった。
「おのれ!モンスター風情に好き勝手はさせん!」
隊を率いていた隊長のセガルが、側面から隙の出来た敵に魔力をまとわせた剣を振り下ろす。
しかし応戦した騎士たちは、高LVのモンシスターたちの前に、1人、また1人と倒れていく。同じモンスターでも記憶の中のモンスターとは様相が異なり、騎士たちが多勢でようやく一匹を倒せるかどうかの力の差で、過去に戦ったどのモンスターより遥かに強い。
ピピ・コリン中にモンシスターが空から降ってきて、逃げ惑う人々をどこに逃がせばいいのかも分からない。
街は逃げ惑い右往左往する人々で、完全に混乱に陥っていた。
(今日は冒険者ギルドも街の巡回をしているはず!彼らは何をしているのだ!?だいたい、このモンスターはどこから転移されてきている!?まさか他国からの侵略か?)
他国の魔術士たちが召喚魔法を使い、コリンの街を侵略するべく大量のモンスターを送りこんできているのかと考えたが、こんなモンスターの襲来は他に聞いたことがない。
「セガル様!ここは引いてノアン殿と連絡を取り、体勢を立て直しましょう!」
「くそっ!やむをえないか!?」
壁に吹き飛ばされた部下を、他の部下たちが急いで抱え上げ立ち上がらせる。
しかし退くとしてもモンスターは一方方向から攻めてきたのではなく、空から振ってきている。
(冒険者ギルドの方でも動いているハズだが、一体何が起こっているんだ!?)
堅牢でモンスターに攻め込まれても多少は耐えられる壁に囲まれた堅牢な建物となれば、もう領主であるザナトリフ邸しか思いつかない。
丘の上に建つ領主の館は、大きく広い敷地を持つ。
街が攻められる可能性は低くても、街にやってきた他国の主要人物を迎えいれて、暗殺など許してしまえば外交問題になる。
だから領主の館はピピ・コリンで、唯一高い外壁に取り囲まれ、建物自体も館というより要塞感のある作りだった。
戦うか退くか、決断を迫られ、
「ダメだ!空から降ってくる相手に、この街でどこへ退いても同じだ!怪我をした者、街の人々はザナトリフ様の館へ避難させろ!あの館なら堅牢な外壁が館を守っている!」
「はっ!」
部下たちがセガルの命令に一斉に応える。
苦渋の判断だが致し方ない。あまりにもモンスターが広範囲に出現したせいで、配置している各所との連絡網が機能しなくなったのが痛すぎた。
負傷した部下に手を貸し、次のモンスターと遭遇する前に退去させようと振り返った瞬間だった。
すぐ真上の空から出現し、鋭い爪と牙、剛毛を生やした獣:ケアゾンデスが降ってきたのは。
「上だ!モンスターが降ってくるぞ!」
咄嗟に叫んだセガルの声に、部下の騎士たちが慌てて上を振り返る。
しかも負傷している者を庇っていた者は、すぐに体勢を整えることが出来なかった。
魔法陣から現れ、すぐに自らの真下に獲物を見つけたケアゾンデスが、その鋭い牙をむいて襲い掛かろうとセガルたちに迫り、
「くそが、だからめんどくせぇのは嫌いなんだよ」
セガルの顔のすぐ耳横から飛び出てきた長身の銃口が火を噴き、眼前に飛びかかろうとしていたケアゾンデスの頭部を吹き飛ばした。
圧縮された魔力が耳元で放たれた衝撃で、激しい耳鳴りと頭痛がする。思わずセガルは横に飛びのき側頭を押さえつつ、銃を打った相手を振り返った。
そこには、ここにいるはずのない人物が立っていて、
「ツヴァング!?貴様裏ダンジョンを攻略しに行っていたのではないのか!?いつ街に戻った!」
振り返った人物に見覚えがあった。
セガルが仕えるザナトリフ侯爵の1人息子。けれど、酒と女遊びが過ぎて、とうとう勘当するしかなくなった厄介者。
まだ勘当される前、何度セガルが問題を起こしたツヴァングを探しに行ったか分からない。
ツヴァングが冒険者ギルドの闘技場で高ランク冒険者数人を、1人で倒したと聞いたときは、何の冗談か鼻で笑ったものだ。同じ年頃で、共に剣術を学んだが、ツヴァングの方はいつもサボってばかりだった。
真面目とは一番程遠い性格だった。
そのツヴァングが冒険者たちと共に裏ダンジョン攻略に同行するなど、にわかには信じられなかった。
現に、見つかったという裏ダンジョンの入口は、街から2週間かかる距離だ。走れば数時間で戻れる距離ではない。
(こいつ、まさか裏ダンジョンに行くのが嫌で、途中で引き返してきたのか!?)
裏ダンジョン攻略を放って逃げ帰るなどありえない。
だが、そっちの方がセガルの記憶の中のツヴァングらしい。十分ありえる。
自分の考えに納得しつつも、やっぱり闘技場での話は嘘だったのだとして、不意にツヴァングの手に握られている銃に視界に入った。
(なんだ、この銃。これをツヴァングは使うのか?)
セガル自身は銃を使ったことは一度もない。銃装士が戦うのをたまたま見たことがある程度だ。遠距離から魔力を弾として打つ銃は、戦闘では圧倒的有利になる。
なのに銃装士の数が少ないのは、ランクの高い銃ほど扱い辛さに拍車がかかるから。
剣ならば身の丈に合わないランクの高い剣を装備しても、ある程度戦える。しかし銃は弾を打つことすらままならない。
銃を扱うには、熟練の鍛錬と経験が必要なのだ。
セガル自身に武器鑑定のスキルはない。銃についても詳しくない。
だが、ツヴァングの持っている銃は、素人目にもかなりランクが高いようにしか見えない。一目見て、銃の放つ威圧感に引き込まれそうになる。
そんなセガルたちを他所にツヴァングの視線は周囲に向けられたままだ。
「んなこと今話してる場合かよ。俺がここら一帯の魔物は引き受けるから、逃げ遅れてるやつら連れてノアンの方と合流しろ」
「まさかこの魔物たちと1人で戦うつもりか!?正気か!?」
「正気だぜ、一応な」
軽く肩を竦め、そう言う傍から顔はセガルに向けたまま、ツヴァングの持つ【ジャッジメント・ルイ】は、右の小道から顔を出した魔物を一発でしとめる。
ーキシャァァアア!!!
甲高い悲鳴を上げてモンスターが倒れこんだ。
空から現れた魔物たちはどれも高LVでセガルたちが複数で戦ってようやく一匹倒せるほどの強さだというのに、たった一発でツヴァングは倒してしまった。
口からでた出まかせではないのだと証明する。
全く見ていなかった筈なのに、気配だけで魔物が右の小道から出てくると気づいていたのだろうか。
赤くひび割れたように発光し、濃厚な魔力が溢れ、そこでツヴァング自身もこれまで感じたことのないような、赤く強大な魔力を纏っている。
魔力の影響か、ツヴァングのコートが微かにふわりと浮遊しているのを視界の端に見捉える。
(こいつは本当に俺の知っているツヴァングなのか?ツヴァングの姿をした別人ではないのか?)
生唾を飲み込み、本気でセガルは思う。
自分が苦戦していた魔物を前にしても、全く動じず、容易く倒してしまう。
これまで手合わせした騎士たちや冒険者、討伐してきたどの魔物たちとも違う、圧倒的強者を前にして無意識に足がいすくむような感覚。
それをこれまでずっと軽蔑してきたツヴァングに抱いてしまったことを自覚して、驚愕を隠しきれなかった。
「さっさといけって。じっとしていても被害が広がるだけ、…チッ…」
不意に言っている途中でツヴァングが舌打ちし、斜め下を見やる。そこには地面しかなく、何にツヴァングが反応しているのかセガルには全く分からなかったが、突然ツヴァングから魔力がブワリと溢れでて、その濃い魔力を近距離で浴び、反射的に身構えた。
だが、やはりツヴァングは何もない空間をじっと見やり、眉間に皺を寄せている。
何を見ている?
「どうした!?」
「雑魚が多過ぎる。LV高いやつは無理だがまぁいい」
いい終わり様、ツヴァングは【ジャッジメント・ルイ】に特殊魔法弾をアイテムボックスから選択し、銃の弾奏にセットする。
派手な技だが、威力は分散してしまうので、あまり期待しない。あくまで自分自身より劣る多数雑魚を蹴散らすのに有効な技だ。
セガルの返事を待たずに軽く地面を蹴り空へと飛び上がり、【ジャッジメント・ルイ】を空へと向ける。
呼応して銃口の分離ギミックが展開し、6つのパーツへと分かれた。
しかしシエルと戦ったときのように魔弾を放つのではなく、ツヴァングを中心として半径5mほどの円状に分散し、そのパーツを支点として赤い円形魔法陣が光り走る。
目標としてロックするのは、先ほどツヴァングが舌打ちする原因になったマップウィンドウに無数に広がる紫にマーカー全てだ。
銃装士専用:対多数爆散弾スキル【エ・ヴリガン】
魔力を込めた1発の特殊魔法弾を、展開した魔法陣が弾を分散させ1000の弾に変換する。当然威力は減るのでLVの高いモンスターには通じない。
しかし、自らよりLVの低い魔物をまとめてに倒すには打ってつけの技だ。ツヴァングのLVは200であり、使用している武器はS10。
分散した弾といえど、汚染されているモンスターにもある程度効くはずだ。
空高く放たれた無数の弾が、一定の高さまでいくと爆散するように四方へと弧を描き降り注いでいく。
それはまるで光の噴水のような光景だったかもしれない。
モンスターが降ってきていた空が急に明るく輝いたかと思うと、そこから降ってくる白い弾が、ピピ・コリンで暴れている魔物たちを狙い定めたように貫いていくのだ。
自分達を襲っていたモンスターたちが次々と光の弾に消されていく。
無数の光が空から降り注ぎ、魔物たちを駆逐していく様を目撃したのはピピ・コリンの民、全員だったろう。
あまりにも美しい光に、それまで逃げ惑っていた恐怖を忘れさせた。
まして、その光を放ったツヴァングをすぐ傍で見てしまったセガルや騎士たちは、ただ、ただ、その圧倒的な光の技に、瞳を大きく見開き瞬きもせずその光景を瞳に焼き付けられていた。
ダンと空中で反転し地面に着地し、マーカーの数が半分ほど減ったことをツヴァング確認する。
だがそれでも半分だ。汚染され強化された高LVのモンスターには威力が減った弾では効かなかったか、避けられたかしたのだろう。
いつまでモンスターが降ってくるか分からないが、こればかりは裏ダンジョンのボスをシエルが一秒でも早く倒してくれることを期待する他ない。
不幸中の幸いか、【エ・ヴリガン】から逃れた魔物たちは、弾を放ったツヴァングを敵として狙い始めたようで、残った紫のマーカーが自らを中心に集まりだしている。
(LVが高いからか、知能があるのばかり残ったな。それならそれで好都合)
高LVモンスターだけを意図して残したのはツヴァング自身だが、厄介なヤツラが残ったと内心愚痴りつつ、囲まれる前にこの場を離れ、順に倒していくしかない。
幸運なことにシエルからもらったお土産:エアーボードという高速移動の手段がある。いい具合に残った魔物たちを誘導できるだろう。
「俺が囮になる。その間に逃げろ」
フッと。
アイテムボックスからエアーボードを取り出し、手早くツヴァングは乗ると、返事を待たずに呆然としているセガルたちを残し、空へと飛翔した。
エアーボードに乗ってモンスターたちが自分を取り囲まんとしているのをマップで見ながら、つくづく面倒なことになったとツヴァングは愚痴をこぼす。
(早とちりの誤解だってゆーか、誰でもそう誤解するだろ?周りでウロウロされたらよ)
店で鑑定報酬として【ジャッジメント・ルイ】を見せられた時も、内心関わるのは危険だと思った。
そして、最初に街に転送されてきたモンスターとシエルの戦いを見て、真っ先に関わらない方がいいと判断した。
餌(S10武器)に釣られてリアルに戻されては、たまったものじゃない。鑑定報酬は無視して近づかずにしようと思った。
なのにシエルは騒ぎになった避難場所として、自分の店に逃げ込んできた。泊っている宿や人が押しかけてきてとても帰れないから、ヴィルフリートが戻るまで匿ってくれと。
ヴィルフリートが戻ってきても、ツヴァングが酒を飲んでいる隣でモンスターが転送されてきた詳細だけでなく、裏ダンジョンの魔法陣の発動条件を平気でしゃべったりする。
(アレは絶対俺を関係者に巻き込む気満々だったろ?聞きたくもないことべらべらと喋りやがって)
そもそも出会いからして、ツヴァングと初めて会ったとき、シエルは名乗ってもいないルヴァングの名前を呼んだ。
自分がプレイヤーであるとシエルにバレていると確信した。
自分に近づいてきた目的は?
鑑定?本当に?
なぜリアルを匂わせる?
自分を試しているのか?
相談する相手もなく、シエルの言動全てに疑心暗鬼になった。
最終的に、シエルの目的が何にせよ、自分がこのままアデルクライシスにい続けるためには、どちらにせよシエルが邪魔になるという結論に至ったのだ。
【黒玉】を使い、汚染されて、危険を犯してまで。
なのにシエルはツヴァングがプレイヤーと分かっていて、ゲーム内に居続けたいのであれば放置するとのたまった。
しかも異常なこの世界にログインしたのは個人的都合であるから、捕らわれたプレイヤーにはあまり関心がないのだと付け足して。
(まじで勝手に先走って、馬鹿みてぇじゃん俺)
こうしてシエルに命じられるがまま【ジャッジメント・ルイ】を手に、敵の標的になって、モンスター討伐なんて、間違っても自分の理想とするニートのやることじゃない。
エアーボードを駆使して街の上空を飛びつつ、狙ってくるモンスターを打ち落とす。
途中途中でモンスターのヘイト(標的)を集める散弾を打って、わざとモンスターを引き寄せた。
汚染モンシスターはそれなりに強敵だし、【ジャッジメント・ルイ】がなければもっと苦戦していただろう。
だがシエルと戦った時のことを思い出せば可愛く思える。
あれは強さの次元が違う。
戦って手が届くとか、そういう問題ではない。
あれは、絶対に敵対してはいけないものだ。
しばらくエアーボードを飛ばしてモンスターを倒していると、モンスターを転送していた魔法陣が消滅する。
これで追加のモンスターが転送されて来ることはないだろう。
一応の目処がついて、ほっと一息つく。
「やっとダンジョンボス倒したのか。遅ぇよ神様。あんだけチートステータスあるくせに、時間かけすぎじゃねぇの?」
悪態をつきつつ地上を見下ろせば、初めは混乱していた騎士団や冒険者たちも、隊を組んで確実に一体一体を倒している。
これで残りを倒しきれば終わりだ、と思ったのも束の間だった。
魔法陣が閉じた矢先に、まだ討伐されていないモンスターたちが浜辺の一角に集まり始めた。
マップを見れば、それまでツヴァングを執拗に狙っていた紫のマーカーまで、一斉に進路を変える。
残っているモンスターたちのほとんどが知性がある。何かする気だ。
「これは………」
浜辺で一番高い建物の屋根に降り立ち、集まったモンスターたちが一つのモンスターになっていく様子をジッと傍観した。
汚染されたモンスターたちが次々と黒い霧のようなモノに取り込まれていく。
うねうねと蠢く黒いものが、取り込むモンスターの数に比例して大きくなり、最終的には黒く巨大なドラゴンの姿を模した別物になった。
鱗なんてない。
体は黒い霧が常に波打ったように脈動していて、赤い眼だけがギラギラこちらを睨んでいた。開いた口の中心に、蠢く魔力の塊が見える。
どうやら街ごと自分を吹き飛ばすつもりらしい。
「またでけぇ図体になりやがって」
ずっと空を飛びながらモンスターを倒し続けていたことで、【ジャッジメント・ルイ】の闘魔力ゲージはとっくにMAXだ。
屋根の上で、【ジャッジメント・ルイ】を巨大な霧の塊にゆるりと向ける。
【ジャッジメント・ルイ】の銃口ギミックが発動する。銃口の先に展開される10m大の赤い魔法陣。銃身の赤い発光がバチバチと音を立て、銃身に青い呪の帯が浮き上がった。
「そんなデカい的、外したら俺が恥ずかしいじゃねぇか」
飄々とした声は真剣みは全く感じられない。
言葉だけを聞いたなら、とても戦闘の最中だとは誰も思わないだろう。
まるでダーツをしていて、手に構えた矢を的に狙うくらいの気概だ。
敵が口から砲撃を放ったと同時に、究極スキル【ウォートルギア 】を放った。
砲撃そのものはドラゴンが放った方が大きい。
しかし、ツヴァングが放った【ウォートルギア 】が砲撃をものともせず、ドラゴンの胴を打ちぬき、その胴にぽっかり穴をあけた。
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