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38.お茶会
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お茶会の会場に使おうと決めた場所は、この城で一番広い応接室だ。
本日は、子爵家から三家、男爵家五家の八家からいらっしゃる。
そのうち、お嬢様を連れてこられるところもあるそうなので、お客様は総勢十二人だ。
ノエル様は二十人近くなるかもしれないとおっしゃっていたが、今回は私の初お茶会ということで、ノエル様の方で調整をしてくださったようだ。
今日のお客様は、混沌の森に領地が近く、森から出てくる魔獣が多い年は一緒に討伐を行う家の方々だ。その際はご婦人も、混沌の森近くまで行き、救護活動に携わるのだと聞いた。
(つまりは、私以外は皆顔見知りなのね)
実際、ご婦人同士で一緒にいらっしゃった人達もいる。
ちなみに、少し人数が多いけれど、今回は皆一つのテーブルについている。
私はお誕生日席に、そこからご夫人方が座り、下座の方にご令嬢方が座っている。ご令嬢方は顔見知りだそうなので、今回は気兼ねなく話せるようにとそのように分けた。
出迎えた際に個別に挨拶はしたが、 全員がそろったところで、改めて挨拶を行った。
「皆様はじめまして。ルフォール辺境伯の元に嫁いで参ったシャルロットと申します。本日は、私の茶会にようこそおいでくださいました。どうぞ、楽しんでいかれてください」
挨拶が終わると、侍女達がお茶をサーブしていく。
私はまずは席が近くのご夫人方の様子を窺った。
「まぁ! とても華やかなお茶ね」
「クリームが乗っているわ!」
「あら、その下にあるのはレモンかしら? 輪切りにして浮かべてあるのね」
「斬新な飲み物ね!」
最初に好意的な感想を言ってくれたのは、グノー子爵夫人だ。
子爵夫人の言葉に他の招待客も頷いて好意的な感想が広がっていく。
私はお茶の説明のために口を開いた。
「こちら、浮かべているのは、辺境伯領で育てているブラッドオレンジです。お好みで、上に乗せているクリームを溶かしながら召し上がってください。王都では通常のオレンジを乗せる飲み方が流行しているのですが、ルフォール辺境伯領ではブラッドオレンジの栽培に力を入れていると伺いましたので、今回、このお茶会のためにブラッドオレンジで調整しております」
王都で流行という言葉を使ったからか、ご令嬢方の興味も引けたようだ。
「王都で流行っているの? なら、飲んでみようかしら」
「あら、香りも華やかだし、レモンティよりも飲みやすいわ!」
「……意外と飲みやすいのね」
「それに、お菓子も凝っているわよ」
「このクリームを使ったケーキ、お茶にも合うし、王都からいらっしゃっただけあって、洗練されておられるのね」
彼女達はお茶よりもお菓子の方に目が行っているようだが、ご夫人達だけではなく、ご令嬢方の口にもあったようだ。
好意的な感想ばかりが聞こえてきて、ひとまずほっとする。
そうして会場の様子に気を配っていると、グノー子爵夫人に話しかけられた。
「辺境伯夫人、こちらのお茶、大変美味しいです。家でも真似しても良いかしら」
「そのように気に入っていただけて嬉しいです。見た通り、普段お飲みの紅茶にブラッドオレンジを浮かべ、クリームを乗せるだけで簡単にできますので、どうぞ試されてください」
「あら、なら、私もやっていいかしら」
「もちろんです」
お茶をきっかけに、ご夫人方から話しかけられる。
「辺境伯夫人は嫁いで来られたばかりだというのに、この地の特産品のことも理解しておられて、お勉強されていらっしゃるのですね」
「いえ、恥ずかしながら勉強してきたわけでは……。こちらに来て、夫に教わりました。このお茶も、皆様をご招待するこのお茶会でブラッドオレンジを使いたいと思って、夫と共に知恵を絞ったのです」
「あら、辺境伯様も、ご一緒に?」
「仲睦まじくいらっしゃるのですね」
夫人達は目を輝かせて私を見つめる。
「とてもよく似合っておられますが、そのドレスも辺境伯様からの贈り物ですか?」
「はい。この度、仕立てていただきました」
答えていると、別のご夫人が言う。
「こちらのオートクチュールかしら……。どこで作ったか伺ってもよろしくて? 私もそこに頼みたいわ」
「王都のメゾン・エトワールというところです」
「あぁ……辺境伯様は、王族ですものね」
メゾン・エトワールのドレスは女性の憧れのお店だ。
王都では、高位貴族でも数年待ちでしかドレスを作ってもらえないと皆知っているのだろう。
がっかりな表情を浮かべるご夫人に、私は声を潜めて言う。
「あの、ここだけのお話なのですが」
「なにかしら」
「メゾン・エトワールの、お弟子さんがこちらに店舗を出されるというお話があります」
「まぁ!」
「本当なの!」
「すごいわ!」
ご夫人達の食いつきはすごかった。
もちろん、このお茶会で話すことはノエル様にも許可をもらっている。
ノエル様からラポワリー夫人にも確認してもらったが、支店の準備は順調なので、先に広めて欲しいとのことだったので、心置きなく話せるのだ。
メゾン・エトワールの支店ができた際、この領地近隣のご夫人が一番の顧客となるからだろう。
「いつ開店かは決まっているの?」
「いえ、そちらは聞いておりません。ですが、正式に開店日が決まりましたら、皆様にはお知らせするよう伝えておきますわ」
「よろしくお願いしますわ」
その時だった。
「……でも、王都で婚約者がいらっしゃったのでしょう? 無理矢理、妻に収まったと伺いましたわ」
「ですが、ミレーヌ様、辺境伯夫人のあのドレス。一目見ただけで、辺境伯様の溺愛が伝わってくるようですわ」
「あのドレスだって、辺境伯様の色を入れて、愛されているというアピールかしら」
「ミレーヌ様、少し声を抑えてくださいませ……。皆様から見られていますわ」
隣のテーブルで、ご令嬢達が話している声がひときわ大きく響いた。
当然、他のご夫人方にも聞こえていて、皆少し気まずげだ。
「娘が無礼をっ、もっ、申し訳ありません。少し話をして参ります」
「あっ、お待ちください……」
マルチノン男爵夫人は頭を下げると、私が答える間もなく立ち上がりご令嬢の方に向かうと、ミレーヌの腕を掴み部屋から連れ出そうとする。
だが、ミレーヌは抵抗し、侍女らも手出ししかねているようだ。
「申し訳ありません。私も行って参ります」
ご夫人方に言い置いて、私もご令嬢達の方に向かった。
本日は、子爵家から三家、男爵家五家の八家からいらっしゃる。
そのうち、お嬢様を連れてこられるところもあるそうなので、お客様は総勢十二人だ。
ノエル様は二十人近くなるかもしれないとおっしゃっていたが、今回は私の初お茶会ということで、ノエル様の方で調整をしてくださったようだ。
今日のお客様は、混沌の森に領地が近く、森から出てくる魔獣が多い年は一緒に討伐を行う家の方々だ。その際はご婦人も、混沌の森近くまで行き、救護活動に携わるのだと聞いた。
(つまりは、私以外は皆顔見知りなのね)
実際、ご婦人同士で一緒にいらっしゃった人達もいる。
ちなみに、少し人数が多いけれど、今回は皆一つのテーブルについている。
私はお誕生日席に、そこからご夫人方が座り、下座の方にご令嬢方が座っている。ご令嬢方は顔見知りだそうなので、今回は気兼ねなく話せるようにとそのように分けた。
出迎えた際に個別に挨拶はしたが、 全員がそろったところで、改めて挨拶を行った。
「皆様はじめまして。ルフォール辺境伯の元に嫁いで参ったシャルロットと申します。本日は、私の茶会にようこそおいでくださいました。どうぞ、楽しんでいかれてください」
挨拶が終わると、侍女達がお茶をサーブしていく。
私はまずは席が近くのご夫人方の様子を窺った。
「まぁ! とても華やかなお茶ね」
「クリームが乗っているわ!」
「あら、その下にあるのはレモンかしら? 輪切りにして浮かべてあるのね」
「斬新な飲み物ね!」
最初に好意的な感想を言ってくれたのは、グノー子爵夫人だ。
子爵夫人の言葉に他の招待客も頷いて好意的な感想が広がっていく。
私はお茶の説明のために口を開いた。
「こちら、浮かべているのは、辺境伯領で育てているブラッドオレンジです。お好みで、上に乗せているクリームを溶かしながら召し上がってください。王都では通常のオレンジを乗せる飲み方が流行しているのですが、ルフォール辺境伯領ではブラッドオレンジの栽培に力を入れていると伺いましたので、今回、このお茶会のためにブラッドオレンジで調整しております」
王都で流行という言葉を使ったからか、ご令嬢方の興味も引けたようだ。
「王都で流行っているの? なら、飲んでみようかしら」
「あら、香りも華やかだし、レモンティよりも飲みやすいわ!」
「……意外と飲みやすいのね」
「それに、お菓子も凝っているわよ」
「このクリームを使ったケーキ、お茶にも合うし、王都からいらっしゃっただけあって、洗練されておられるのね」
彼女達はお茶よりもお菓子の方に目が行っているようだが、ご夫人達だけではなく、ご令嬢方の口にもあったようだ。
好意的な感想ばかりが聞こえてきて、ひとまずほっとする。
そうして会場の様子に気を配っていると、グノー子爵夫人に話しかけられた。
「辺境伯夫人、こちらのお茶、大変美味しいです。家でも真似しても良いかしら」
「そのように気に入っていただけて嬉しいです。見た通り、普段お飲みの紅茶にブラッドオレンジを浮かべ、クリームを乗せるだけで簡単にできますので、どうぞ試されてください」
「あら、なら、私もやっていいかしら」
「もちろんです」
お茶をきっかけに、ご夫人方から話しかけられる。
「辺境伯夫人は嫁いで来られたばかりだというのに、この地の特産品のことも理解しておられて、お勉強されていらっしゃるのですね」
「いえ、恥ずかしながら勉強してきたわけでは……。こちらに来て、夫に教わりました。このお茶も、皆様をご招待するこのお茶会でブラッドオレンジを使いたいと思って、夫と共に知恵を絞ったのです」
「あら、辺境伯様も、ご一緒に?」
「仲睦まじくいらっしゃるのですね」
夫人達は目を輝かせて私を見つめる。
「とてもよく似合っておられますが、そのドレスも辺境伯様からの贈り物ですか?」
「はい。この度、仕立てていただきました」
答えていると、別のご夫人が言う。
「こちらのオートクチュールかしら……。どこで作ったか伺ってもよろしくて? 私もそこに頼みたいわ」
「王都のメゾン・エトワールというところです」
「あぁ……辺境伯様は、王族ですものね」
メゾン・エトワールのドレスは女性の憧れのお店だ。
王都では、高位貴族でも数年待ちでしかドレスを作ってもらえないと皆知っているのだろう。
がっかりな表情を浮かべるご夫人に、私は声を潜めて言う。
「あの、ここだけのお話なのですが」
「なにかしら」
「メゾン・エトワールの、お弟子さんがこちらに店舗を出されるというお話があります」
「まぁ!」
「本当なの!」
「すごいわ!」
ご夫人達の食いつきはすごかった。
もちろん、このお茶会で話すことはノエル様にも許可をもらっている。
ノエル様からラポワリー夫人にも確認してもらったが、支店の準備は順調なので、先に広めて欲しいとのことだったので、心置きなく話せるのだ。
メゾン・エトワールの支店ができた際、この領地近隣のご夫人が一番の顧客となるからだろう。
「いつ開店かは決まっているの?」
「いえ、そちらは聞いておりません。ですが、正式に開店日が決まりましたら、皆様にはお知らせするよう伝えておきますわ」
「よろしくお願いしますわ」
その時だった。
「……でも、王都で婚約者がいらっしゃったのでしょう? 無理矢理、妻に収まったと伺いましたわ」
「ですが、ミレーヌ様、辺境伯夫人のあのドレス。一目見ただけで、辺境伯様の溺愛が伝わってくるようですわ」
「あのドレスだって、辺境伯様の色を入れて、愛されているというアピールかしら」
「ミレーヌ様、少し声を抑えてくださいませ……。皆様から見られていますわ」
隣のテーブルで、ご令嬢達が話している声がひときわ大きく響いた。
当然、他のご夫人方にも聞こえていて、皆少し気まずげだ。
「娘が無礼をっ、もっ、申し訳ありません。少し話をして参ります」
「あっ、お待ちください……」
マルチノン男爵夫人は頭を下げると、私が答える間もなく立ち上がりご令嬢の方に向かうと、ミレーヌの腕を掴み部屋から連れ出そうとする。
だが、ミレーヌは抵抗し、侍女らも手出ししかねているようだ。
「申し訳ありません。私も行って参ります」
ご夫人方に言い置いて、私もご令嬢達の方に向かった。
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