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第1章~変化~
破壊と誕生
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世界には様々な特徴を持った生物が存在する。
例えば、タツノオトシゴはお母さんがお父さんに卵を産み付けお父さんから産まれてくる。
ウミガメは孵化するときの温度でオスかメスかが決まる。周りの砂の温度が29度より高いとメス。
29度より低いとオスになるという。カクレクマノミは、最初は「無性」として存在し、
群れの中で1番体が大きいのがお母さん、2番目に大きいのがお父さんになる。
群れの中で最大の2匹がペアとなり、他は予備軍というカタチになるという。
もし、何らかの理由でお母さんが亡くなった場合は2番目に大きかったお父さんがお母さんに性転換し、
予備軍の中で1番大きいのがお父さんになるとのこと。
「しかし、世の中には面白い研究がたくさんあるもんだがや。」
「そうそう、まずは腹ごしらえでもすんだ。」「そうだな。それが一番だがや。」
桂城が会話のように独り言を呟く。建物内に入った車は扉付近に止めたまま。
すると、ビビー、ガゴンッ!シューと音が鳴り、車の真下の床が回転する。
そして徐々に車は地下へと運ばれていく。桂城は研究所の奥に進んでいく。
どうやら、入り口と反対側の一番奥の部屋が生活をする空間らしい。研究所内は騒音が鳴り止まないため、
ドローンがわりと自由に操作できる。熊島は桂城に常に注意を払いながら研究所内をドローンで撮影していく。
素人目には何もわからない光景がずらりと並んでいる。異様な機器から異様な音、異様な容器に異様な色がした液体。その中でうずくまっている異様な生物。全てが『異様』に包み込まれている。
「なんだこれは・・・合成獣でも造っているのか?」熊島の目に映ったのは巨大なガラスの中に何色とも言い難い
液体と人ひとり分くらいが入れるような筒状のガラスケースが数十本。それぞれに無数の線や管が繋がれており、
もはや何が何だかさっぱりわからない。また、別の場所には日焼けサロンのようなカプセルが並んでいたりと、
研究所内をいくら見回しても情報量の多さとそれらが全て謎に包まれており、処理しきれない。
熊島は考えることをやめて、とにかく記録を残すことに集中した。
「そりゃ、天才科学者の考えなんて理解しようとする方がおかしいか。」ぼそりと呟く。
暫くして、部屋の奥から桂城が研究所に出てきた。「そろそろ薬品の交換時間がや。」
爪楊枝で歯の隙間に挟まった肉の筋を取りながら独り言を続ける。「俺が科学者になったのは、この実験のためなんだがや。きっとそうだがや・・・。」桂城は完全防備な特殊な服装に着替え、薬品を手に各設備の液体を調合したり機械の設定をいじったりしている。熊島はドローンに映される映像に夢中になっていく。
すると次の瞬間、「うわっ!?」突然の叫び声が森林に響き渡る。
ズルッ!!ドン!ズザァァァァ!!熊島が前日の雨による地面の泥濘に足を取られ斜面から滑り落ちていく。
【ビィ―――!!ビィ―――!!異常事態発生!異常事態発生!ビィ―――!!ビィ―――!!異常事態発生!
異常事態発生!】緊急警報が研究所内に鳴り響く。「な、なんだ!?何が起きたんだ!?」桂城に焦りが見え始める。慌てて研究所内のシステムをコントロールしているPCの場所へ行き手にしていた薬品などを机に置き、
原因究明と緊急処置を行う桂城。しかし、問題は次々に起こる。バキッ!「な!?!?」桂城の頭上で明らかに何かが折れた音がした。桂城が上を見上げようとしたそのとき、ガシャン!!電線が絡まっているドローンが目の前のPCに落下してきた。それにより、キーボードが壊れる。さらにはその衝撃で机の上に雑に置かれていた薬品が床へ落ち、ガラスの容器が割れ液体が床に広がる。ドローンに絡まっていた電線の数本が落ちた弾みで解け、床へと垂れる。先ほどまでバチバチに電気を帯びていた電線が床に広がる液体に触れ、バチバチ音を立て次第に燃え上がる。「今までの研究が・・・。」桂城は言葉も失い、その場に倒れてしまう。
1度着火した火は徐々に燃え上がり、もはや研究所内に逃げ場などない。
「いててて・・・」熊島は全身に痛みを感じ、その場から動けないといった状態で声だけを発していた。
痛がりながらも目を研究所へと向ける。今は当然ドローンを操作していない。
確実に存在に気付かれたはずだと思っていたが、研究所から桂城が出てくる様子もなければ、何か対処してくる様子もない。熊島は体が動くようになると慎重に斜面を登り、もともといた位置に戻る。録画していた画面にはもう何も映っていない。熊島はこれまでの映像が見られるのかチェックしたいのと、絶対に不審がられているという危険性を考慮し退散しようとする。その時・・・。
パリン!バタン!ガッシャーン!!火災によって研究所内のあれこれが壊れたり倒れたりを繰り返している。
そのせいか、黒く焼け焦げた何かが扉を開くボタンを押してしまう。ギィィィィ…、決まって同じ音を響かせて扉が開くかと思ったその瞬間―――――。
急激に大量の空気を取り込んでしまった研究所はもちろん、辺り一面の森林が一瞬にして燃えカスとなり消えていった。研究所は瓦礫の山と化し、森林は荒地へと姿を変えた。桂城の姿は全く見当たらない。当然といえば当然だ、
爆心地だったのだから。そしてこの爆撃に飲み込まれ命を失った人間がいる・・・熊島だ。
広範囲にわたる爆撃に巻き込まれてしまった・・・というよりは、原因を作ってしまいそれを喰らったわけだ。
研究所から離れていた熊島でさえ、身体の原形は留めていなかった。
これが街中で起きた出来事だったら何百万いや何千万人もの命を失うこととなっていただろう。
やがて、爆撃が収まり生息していた動物たちの鳴き声も止む。静まり返る現場にビュービューと風が吹き荒れる。
これにはさすがに街の人々も気が付く威力だった。テレビ局やら雑誌の記者やらが騒ぎ始め、
我先にと現場の様子を窺おうと慌てている。現場とは真逆の喧騒だ――――――。
ガッシャン!ガラガラ・・・。突然、瓦礫の山が崩れる音がする。
まさか、あの爆撃の中でも桂城は何かしらの対策を一瞬で講じて生き延びたというのか…。いや違う。
それはシルエットこそ人間のようだが、見た目は完全に人のなりはしていなかった。パラパラ・・・、
その生物が起き上がると積もっていた瓦礫の破片が落ちていく。
起き上がったその得体のしれない生物はおもむろに右手を掲げ握り拳を作る。
すると色鮮やかな何かが森林のそこら中からその拳に吸収されるかのように集まる。
そしてその生物はその拳を開き、掌を天に掲げる。その瞬間、手に吸収されるかのように集まってきた色鮮やかな
それは飛び散り、瓦礫のあちこちに潜っていく。
謎の生物がパンパン!と両手を2度叩くと、瓦礫の下から次々と同じような謎の生物が起き上がってくる。
ガラガラガラ…バタンッ!パラパラパラ…。後から起き上がってきた生物もシルエットだけ見れば人間そのもの。
しかし、明らかに体のあちこちに異様な光景が見て取れた。ある者は魚人とも呼べるような鱗や鰭が付いている。
また、ある者は角が生えている。それぞれ各所に人間は持ち合わせていない特徴がある。
まるで、その謎の生物はとある雑誌記者が予想した通りの合成獣のようだ。彼らは明確な目的があるかのように、
迅速かつ正確にそれぞれグループを編成し、一列に並びそれぞれの道を歩き出した…。
この出来事からわずか半日で日本はこの謎の生物たちに国を支配されてしまった…。
例えば、タツノオトシゴはお母さんがお父さんに卵を産み付けお父さんから産まれてくる。
ウミガメは孵化するときの温度でオスかメスかが決まる。周りの砂の温度が29度より高いとメス。
29度より低いとオスになるという。カクレクマノミは、最初は「無性」として存在し、
群れの中で1番体が大きいのがお母さん、2番目に大きいのがお父さんになる。
群れの中で最大の2匹がペアとなり、他は予備軍というカタチになるという。
もし、何らかの理由でお母さんが亡くなった場合は2番目に大きかったお父さんがお母さんに性転換し、
予備軍の中で1番大きいのがお父さんになるとのこと。
「しかし、世の中には面白い研究がたくさんあるもんだがや。」
「そうそう、まずは腹ごしらえでもすんだ。」「そうだな。それが一番だがや。」
桂城が会話のように独り言を呟く。建物内に入った車は扉付近に止めたまま。
すると、ビビー、ガゴンッ!シューと音が鳴り、車の真下の床が回転する。
そして徐々に車は地下へと運ばれていく。桂城は研究所の奥に進んでいく。
どうやら、入り口と反対側の一番奥の部屋が生活をする空間らしい。研究所内は騒音が鳴り止まないため、
ドローンがわりと自由に操作できる。熊島は桂城に常に注意を払いながら研究所内をドローンで撮影していく。
素人目には何もわからない光景がずらりと並んでいる。異様な機器から異様な音、異様な容器に異様な色がした液体。その中でうずくまっている異様な生物。全てが『異様』に包み込まれている。
「なんだこれは・・・合成獣でも造っているのか?」熊島の目に映ったのは巨大なガラスの中に何色とも言い難い
液体と人ひとり分くらいが入れるような筒状のガラスケースが数十本。それぞれに無数の線や管が繋がれており、
もはや何が何だかさっぱりわからない。また、別の場所には日焼けサロンのようなカプセルが並んでいたりと、
研究所内をいくら見回しても情報量の多さとそれらが全て謎に包まれており、処理しきれない。
熊島は考えることをやめて、とにかく記録を残すことに集中した。
「そりゃ、天才科学者の考えなんて理解しようとする方がおかしいか。」ぼそりと呟く。
暫くして、部屋の奥から桂城が研究所に出てきた。「そろそろ薬品の交換時間がや。」
爪楊枝で歯の隙間に挟まった肉の筋を取りながら独り言を続ける。「俺が科学者になったのは、この実験のためなんだがや。きっとそうだがや・・・。」桂城は完全防備な特殊な服装に着替え、薬品を手に各設備の液体を調合したり機械の設定をいじったりしている。熊島はドローンに映される映像に夢中になっていく。
すると次の瞬間、「うわっ!?」突然の叫び声が森林に響き渡る。
ズルッ!!ドン!ズザァァァァ!!熊島が前日の雨による地面の泥濘に足を取られ斜面から滑り落ちていく。
【ビィ―――!!ビィ―――!!異常事態発生!異常事態発生!ビィ―――!!ビィ―――!!異常事態発生!
異常事態発生!】緊急警報が研究所内に鳴り響く。「な、なんだ!?何が起きたんだ!?」桂城に焦りが見え始める。慌てて研究所内のシステムをコントロールしているPCの場所へ行き手にしていた薬品などを机に置き、
原因究明と緊急処置を行う桂城。しかし、問題は次々に起こる。バキッ!「な!?!?」桂城の頭上で明らかに何かが折れた音がした。桂城が上を見上げようとしたそのとき、ガシャン!!電線が絡まっているドローンが目の前のPCに落下してきた。それにより、キーボードが壊れる。さらにはその衝撃で机の上に雑に置かれていた薬品が床へ落ち、ガラスの容器が割れ液体が床に広がる。ドローンに絡まっていた電線の数本が落ちた弾みで解け、床へと垂れる。先ほどまでバチバチに電気を帯びていた電線が床に広がる液体に触れ、バチバチ音を立て次第に燃え上がる。「今までの研究が・・・。」桂城は言葉も失い、その場に倒れてしまう。
1度着火した火は徐々に燃え上がり、もはや研究所内に逃げ場などない。
「いててて・・・」熊島は全身に痛みを感じ、その場から動けないといった状態で声だけを発していた。
痛がりながらも目を研究所へと向ける。今は当然ドローンを操作していない。
確実に存在に気付かれたはずだと思っていたが、研究所から桂城が出てくる様子もなければ、何か対処してくる様子もない。熊島は体が動くようになると慎重に斜面を登り、もともといた位置に戻る。録画していた画面にはもう何も映っていない。熊島はこれまでの映像が見られるのかチェックしたいのと、絶対に不審がられているという危険性を考慮し退散しようとする。その時・・・。
パリン!バタン!ガッシャーン!!火災によって研究所内のあれこれが壊れたり倒れたりを繰り返している。
そのせいか、黒く焼け焦げた何かが扉を開くボタンを押してしまう。ギィィィィ…、決まって同じ音を響かせて扉が開くかと思ったその瞬間―――――。
急激に大量の空気を取り込んでしまった研究所はもちろん、辺り一面の森林が一瞬にして燃えカスとなり消えていった。研究所は瓦礫の山と化し、森林は荒地へと姿を変えた。桂城の姿は全く見当たらない。当然といえば当然だ、
爆心地だったのだから。そしてこの爆撃に飲み込まれ命を失った人間がいる・・・熊島だ。
広範囲にわたる爆撃に巻き込まれてしまった・・・というよりは、原因を作ってしまいそれを喰らったわけだ。
研究所から離れていた熊島でさえ、身体の原形は留めていなかった。
これが街中で起きた出来事だったら何百万いや何千万人もの命を失うこととなっていただろう。
やがて、爆撃が収まり生息していた動物たちの鳴き声も止む。静まり返る現場にビュービューと風が吹き荒れる。
これにはさすがに街の人々も気が付く威力だった。テレビ局やら雑誌の記者やらが騒ぎ始め、
我先にと現場の様子を窺おうと慌てている。現場とは真逆の喧騒だ――――――。
ガッシャン!ガラガラ・・・。突然、瓦礫の山が崩れる音がする。
まさか、あの爆撃の中でも桂城は何かしらの対策を一瞬で講じて生き延びたというのか…。いや違う。
それはシルエットこそ人間のようだが、見た目は完全に人のなりはしていなかった。パラパラ・・・、
その生物が起き上がると積もっていた瓦礫の破片が落ちていく。
起き上がったその得体のしれない生物はおもむろに右手を掲げ握り拳を作る。
すると色鮮やかな何かが森林のそこら中からその拳に吸収されるかのように集まる。
そしてその生物はその拳を開き、掌を天に掲げる。その瞬間、手に吸収されるかのように集まってきた色鮮やかな
それは飛び散り、瓦礫のあちこちに潜っていく。
謎の生物がパンパン!と両手を2度叩くと、瓦礫の下から次々と同じような謎の生物が起き上がってくる。
ガラガラガラ…バタンッ!パラパラパラ…。後から起き上がってきた生物もシルエットだけ見れば人間そのもの。
しかし、明らかに体のあちこちに異様な光景が見て取れた。ある者は魚人とも呼べるような鱗や鰭が付いている。
また、ある者は角が生えている。それぞれ各所に人間は持ち合わせていない特徴がある。
まるで、その謎の生物はとある雑誌記者が予想した通りの合成獣のようだ。彼らは明確な目的があるかのように、
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