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第2章~黎明~
情報と捜索
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目の前が光り輝き目を細める。徐々に慣れていき目を開けるとそこには何者かわからない何かのシルエットだけが
認識できる。そのシルエットが呟く。「あなたはどんな困難にも負けず乗り越えられるでしょう。
しかし、20XX年●月●日、あなたは死にます。」――――――いつものようにここで目が覚める。
ザァァァァァァァァ―――――。今日は土砂降りの雨音で目が覚めた。「んっ、あぁーーあ。」
伸びと欠伸を豪快にかます。佐伯と倉敷はここ数日、倉敷の飛行能力を使い何度か研究所で情報収集をしていた。
それで収穫はいくつかあった。2人が研究所で見つけたのは桂城が日々の研究の記録に対する自分の感情を
書き記したデータの記録書というよりは日記のようなものだった。
それともう一つ、日本地図が描かれどこでどのようなことをしたのか、出来事や数字などさまざまな書き込みが
されていたボードだ。そして一番驚いたものは、なんと映像が一部残っていたことだ。
いずれも研究所の入り口とは真反対の一番奥の位置辺りで見つけたものだ。佐伯と倉敷は知る由もないが、
2人が見つけたその日記とボードとカメラは桂城が最低限の生活をする唯一のプライベート空間だった場所にあったのだ。プライベート空間といっても、食事や睡眠をする際に使用するだけで、結局そこにも研究に関する内容のものはいくつかあった。研究所にあるものは研究の結果をデータとして確実に記録するものだとしたら、その部屋にあるのは桂城の見解や感情など、私的な内容がメインに記載されているものだったのだ。
ちなみにそこで2つの手掛かりが見つかったのには、桂城が意図していた理由とは逆のものだった。
桂城は研究に人生を費やしてきた男。その他のことは疎かに生きてきた。とはいえ桂城も人間。人並みに普通の生活もしなければ生きていけない。そんな研究に熱心過ぎる桂城が最低限の作業をするときにも頭の中は研究のことで
いっぱいになっており、私生活における失敗を数多くやらかしてきた。
そこで桂城はこの部屋で起きるトラブルによって研究所になにか被害が出ては困ると考え、その部屋の隔離を徹底したのだった。その結果、今回研究所の方で起きた爆発から完全ではないが、多少の研究内容を残す形となった。
佐伯と倉敷がその2つから入手した情報は、桂城が行っていた実験は人体実験だったということ。
そして、その数は1000体にも上る。桂城はどのような方法で研究所へついてくるように誘導したのかはわからないが、これまでに東京都から60人、各道府県から20人ずつ連れ出している。桂城は街から人が居なくなっているのが、近くの1つの街に集中すると怪しまれると考え、全国各地から連れ出していたのだ。
そして、映像として残っていたのは謎の生物たちが次々と瓦礫の中から登場しグループで列を作り規則正しい動きでこの研究所からそれぞれの方向へと歩いて行く映像だった。桂城は予め自分たちの故郷に帰るように1人ずつデータを収集し、それをチップにして体内に埋め込んでいた。そのため、謎の生物たちはグループで列を作り規則正しい
動きでそれぞれの方向へと歩いて行った。映像の視点的に十分ここにこのカメラがあっておかしくないのだが、
気になるのはこの映像を誰がどのようにして撮ったのか。そしてその目的は何だったのかということだ。
それは現状ではわからなかった。そして最後に、桂城は1000体の実験台にはそれぞれ成功か失敗かの判断材料の
1つとして、その度合いをランク付けしていた。見つけた資料によると、Sランク・Aランク・Bランク・Cランク・Dランクの5項目に分けられており、SランクとAランクはそれぞれのランクに計50人。
BランクとCランクはそれぞれのランクに計200人。Dランクは計500人、といった内訳となっている。
さらにはこの人数の配置まで記載されていた。SランクとAランクは東京都に4人と各道府県に1人。
BランクとCランクは東京都に16人と各道府県に4人。Dランクは東京都に30人と各道府県に10人とのこと。
謎の生物たちは故郷に帰るようにチップを埋め込まれているため、こんなに綺麗な割振りができるとなると、
まるで実験の成功と失敗のバランスを操っているかのようにも思えてくる。
「やっぱりこの研究所の爆発と謎の生物たちは関係してたんだな。」ニヤつく佐伯。
「そうだな。で今、予想が確信に変わったわけだが、これからどうする?」倉敷は佐伯の計画を聞いてみることに。「とりあえず、次の目標はどっかに飛んで行った青白い光を手に入れた奴を探し出して、仲間にしないとな。」
佐伯は自身の能力がまだ何かわかっていない。佐伯自身、何の能力なのか一番知りたがっている。
発動条件や効果の継続時間、能力を使うことで起きる異変や症状、それらの一覧表的なものを見つけるつもりでもあったが、どうやら見つからない。一方、倉敷に関しては能力を把握するために色々と試していた。
そこでわかったことは空を飛ぶことで生じる現象は1つ。いくらでも飛べるが、距離が長ければ長いほど着地してからの動きが鈍くなるということだった。倉敷自身、飛行距離が長いと体の重さがいつもの2倍にも3倍にもなるという。ここで重要なのが、飛行している『時間』ではなくて『距離』というところ。つまりどんなに高速で移動しても飛行距離が長いと着地点での動きは鈍るのだ。逆にダラダラと飛んでいても距離が短ければ、着地後もたいして苦にはならない。「倉敷の飛行であちこち探すといっても、むやみに探し続けても時間の無駄だし、ある程度目星つけてからの方がいいよな。」といいつつ、佐伯はその目星のつけ方をどうするべきか思いつかず悩んでいた。
「情報の集め方だよな。」倉敷もしばし考え込み、やがて口を開く。
「なんかテレビとかネット記事でニュースになってたりしてればいいんだけどな。○○がこんなことに!?みたいな。そういう普通じゃ考えられないような出来事が起きていれば、もしかそしたら能力を手にした奴の仕業かもしれないって現地に向かえるよな。」「あぁ、なるほど。」佐伯は何も思いつかず、感心するだけだった。
「佐伯、この前の話覚えてるか?」倉敷の問いに佐伯は頭の上に?が浮かんでそうな顔をして無言で倉敷を見る。「ほら、ゲイとかの人が居なくなってて探してるっていう…。」「あぁ、言ってたなそんなこと。」「佐伯は知らないかもしれないけど、ああいうのって拡散とかすごいしてくれるんだよ。だからまあ、あとはSNSでこんなことでき
るようになった!とか、俺超能力手に入れた!とかあほみたいな発信してくれれば・・・。」「それはあるな。」
倉敷の言葉を遮って佐伯も同感する。「俺も今みたいな世界じゃなくて、もとの日本の状態で急に不思議な力を手に
入れたら自慢するだろうなぁ。」それは倉敷の提案にではなく、あほみたいに発信する奴への同感だった。
ちょっとズレはじめた佐伯を無視し、倉敷は携帯を取り出してざっくりと調べ始める。「あれ?倉敷なんでふてくされた顔してんの?」佐伯は原因がわかっていないため、さらに倉敷にストレスを与えるような質問をする。
「はぁ、今日はとりあえず解散して俺が提案した2つの方法でちょっとお互い探してみようぜ。」小さくため息をついてから倉敷はそう提案した。佐伯は倉敷に同意してその日は解散した。そもそも能力の内容を知らない以上、
確実な方法などはなくどれも信用性には欠けるだろうということで、結局倉敷が提案したニュースになっていないかのチェックと、SNSによる発信をリサーチして探すことになった。
認識できる。そのシルエットが呟く。「あなたはどんな困難にも負けず乗り越えられるでしょう。
しかし、20XX年●月●日、あなたは死にます。」――――――いつものようにここで目が覚める。
ザァァァァァァァァ―――――。今日は土砂降りの雨音で目が覚めた。「んっ、あぁーーあ。」
伸びと欠伸を豪快にかます。佐伯と倉敷はここ数日、倉敷の飛行能力を使い何度か研究所で情報収集をしていた。
それで収穫はいくつかあった。2人が研究所で見つけたのは桂城が日々の研究の記録に対する自分の感情を
書き記したデータの記録書というよりは日記のようなものだった。
それともう一つ、日本地図が描かれどこでどのようなことをしたのか、出来事や数字などさまざまな書き込みが
されていたボードだ。そして一番驚いたものは、なんと映像が一部残っていたことだ。
いずれも研究所の入り口とは真反対の一番奥の位置辺りで見つけたものだ。佐伯と倉敷は知る由もないが、
2人が見つけたその日記とボードとカメラは桂城が最低限の生活をする唯一のプライベート空間だった場所にあったのだ。プライベート空間といっても、食事や睡眠をする際に使用するだけで、結局そこにも研究に関する内容のものはいくつかあった。研究所にあるものは研究の結果をデータとして確実に記録するものだとしたら、その部屋にあるのは桂城の見解や感情など、私的な内容がメインに記載されているものだったのだ。
ちなみにそこで2つの手掛かりが見つかったのには、桂城が意図していた理由とは逆のものだった。
桂城は研究に人生を費やしてきた男。その他のことは疎かに生きてきた。とはいえ桂城も人間。人並みに普通の生活もしなければ生きていけない。そんな研究に熱心過ぎる桂城が最低限の作業をするときにも頭の中は研究のことで
いっぱいになっており、私生活における失敗を数多くやらかしてきた。
そこで桂城はこの部屋で起きるトラブルによって研究所になにか被害が出ては困ると考え、その部屋の隔離を徹底したのだった。その結果、今回研究所の方で起きた爆発から完全ではないが、多少の研究内容を残す形となった。
佐伯と倉敷がその2つから入手した情報は、桂城が行っていた実験は人体実験だったということ。
そして、その数は1000体にも上る。桂城はどのような方法で研究所へついてくるように誘導したのかはわからないが、これまでに東京都から60人、各道府県から20人ずつ連れ出している。桂城は街から人が居なくなっているのが、近くの1つの街に集中すると怪しまれると考え、全国各地から連れ出していたのだ。
そして、映像として残っていたのは謎の生物たちが次々と瓦礫の中から登場しグループで列を作り規則正しい動きでこの研究所からそれぞれの方向へと歩いて行く映像だった。桂城は予め自分たちの故郷に帰るように1人ずつデータを収集し、それをチップにして体内に埋め込んでいた。そのため、謎の生物たちはグループで列を作り規則正しい
動きでそれぞれの方向へと歩いて行った。映像の視点的に十分ここにこのカメラがあっておかしくないのだが、
気になるのはこの映像を誰がどのようにして撮ったのか。そしてその目的は何だったのかということだ。
それは現状ではわからなかった。そして最後に、桂城は1000体の実験台にはそれぞれ成功か失敗かの判断材料の
1つとして、その度合いをランク付けしていた。見つけた資料によると、Sランク・Aランク・Bランク・Cランク・Dランクの5項目に分けられており、SランクとAランクはそれぞれのランクに計50人。
BランクとCランクはそれぞれのランクに計200人。Dランクは計500人、といった内訳となっている。
さらにはこの人数の配置まで記載されていた。SランクとAランクは東京都に4人と各道府県に1人。
BランクとCランクは東京都に16人と各道府県に4人。Dランクは東京都に30人と各道府県に10人とのこと。
謎の生物たちは故郷に帰るようにチップを埋め込まれているため、こんなに綺麗な割振りができるとなると、
まるで実験の成功と失敗のバランスを操っているかのようにも思えてくる。
「やっぱりこの研究所の爆発と謎の生物たちは関係してたんだな。」ニヤつく佐伯。
「そうだな。で今、予想が確信に変わったわけだが、これからどうする?」倉敷は佐伯の計画を聞いてみることに。「とりあえず、次の目標はどっかに飛んで行った青白い光を手に入れた奴を探し出して、仲間にしないとな。」
佐伯は自身の能力がまだ何かわかっていない。佐伯自身、何の能力なのか一番知りたがっている。
発動条件や効果の継続時間、能力を使うことで起きる異変や症状、それらの一覧表的なものを見つけるつもりでもあったが、どうやら見つからない。一方、倉敷に関しては能力を把握するために色々と試していた。
そこでわかったことは空を飛ぶことで生じる現象は1つ。いくらでも飛べるが、距離が長ければ長いほど着地してからの動きが鈍くなるということだった。倉敷自身、飛行距離が長いと体の重さがいつもの2倍にも3倍にもなるという。ここで重要なのが、飛行している『時間』ではなくて『距離』というところ。つまりどんなに高速で移動しても飛行距離が長いと着地点での動きは鈍るのだ。逆にダラダラと飛んでいても距離が短ければ、着地後もたいして苦にはならない。「倉敷の飛行であちこち探すといっても、むやみに探し続けても時間の無駄だし、ある程度目星つけてからの方がいいよな。」といいつつ、佐伯はその目星のつけ方をどうするべきか思いつかず悩んでいた。
「情報の集め方だよな。」倉敷もしばし考え込み、やがて口を開く。
「なんかテレビとかネット記事でニュースになってたりしてればいいんだけどな。○○がこんなことに!?みたいな。そういう普通じゃ考えられないような出来事が起きていれば、もしかそしたら能力を手にした奴の仕業かもしれないって現地に向かえるよな。」「あぁ、なるほど。」佐伯は何も思いつかず、感心するだけだった。
「佐伯、この前の話覚えてるか?」倉敷の問いに佐伯は頭の上に?が浮かんでそうな顔をして無言で倉敷を見る。「ほら、ゲイとかの人が居なくなってて探してるっていう…。」「あぁ、言ってたなそんなこと。」「佐伯は知らないかもしれないけど、ああいうのって拡散とかすごいしてくれるんだよ。だからまあ、あとはSNSでこんなことでき
るようになった!とか、俺超能力手に入れた!とかあほみたいな発信してくれれば・・・。」「それはあるな。」
倉敷の言葉を遮って佐伯も同感する。「俺も今みたいな世界じゃなくて、もとの日本の状態で急に不思議な力を手に
入れたら自慢するだろうなぁ。」それは倉敷の提案にではなく、あほみたいに発信する奴への同感だった。
ちょっとズレはじめた佐伯を無視し、倉敷は携帯を取り出してざっくりと調べ始める。「あれ?倉敷なんでふてくされた顔してんの?」佐伯は原因がわかっていないため、さらに倉敷にストレスを与えるような質問をする。
「はぁ、今日はとりあえず解散して俺が提案した2つの方法でちょっとお互い探してみようぜ。」小さくため息をついてから倉敷はそう提案した。佐伯は倉敷に同意してその日は解散した。そもそも能力の内容を知らない以上、
確実な方法などはなくどれも信用性には欠けるだろうということで、結局倉敷が提案したニュースになっていないかのチェックと、SNSによる発信をリサーチして探すことになった。
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