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第2章~黎明~

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「おい佐伯!こいつみてくれよ!」佐伯の鼓膜が電話越しに倉敷の声で破れそうになる。
「なんだよ倉敷、声でかすぎだよ。」素直に文句を言う佐伯に倉敷はしぶしぶ謝罪する。
「わりぃ、でもよ、結構期待できそうなやつ見つけたんだよ。」「ん・・・何?」時刻は朝の5時。
佐伯は倉敷の電話で起こされたうえに第一声が大声だったこともあり、ちょっと機嫌が悪く反応も冷ややかだ。
「今URL送ったから見てくれよ!」倉敷はそんな佐伯のテンションの低さなんてお構いなしに話を続ける。
確かに朝一のテンションではなかったかもしれないが、そもそも今の活動は佐伯が謎の生物から日本を取り返そうといい始めたのがきっかけだ。だから倉敷からしたら、たまに自分と佐伯のテンションが逆転していることがあること自体に納得がいっていない。しかし、佐伯がローテンションだったときは何度かあった。それを何も言わずにやり過ごしてきた倉敷。実際に調査し始めて2週間が経つ。それっぽいものを見つけた倉敷が興奮するのも当たり前の話だ。やっと一歩前進するチャンスが来たのかもしれないのだ。
「なになに?『最近触れたものが壊れたり直ったりする。気持ちわりぃ・・・。』なんだこれ。怖い話か?」
佐伯は頭がいい方ではないうえに今は寝起きだ。とぼけているのではなく、素の状態でこの発言だ。
「こいつの他の発言もそれっぽいんだよ。」倉敷はまた別のURLを佐伯に送る。「『どうやら右手で触れると壊れて左手で触れると直るらしい・・・こえぇぇ。』確かにめっちゃ能力手に入れた奴っぽいな。」佐伯もだんだん目が
覚めてくる。佐伯は黙ったまま能力者っぽいそいつを調べてみた。倉敷は佐伯に話し続ける。
「さっそく本人に連絡取ってみようと思ってさっきこいつに連絡しちまったよ。」するとひたすら画面をスクロールしていた佐伯が言う。「倉敷、こいつめっちゃ知らない奴から連絡きすぎててもう対応してないって書いてるぜ。」「え?まじか。」「でも、とりあえずプロフィールに広島って書いてるし、広島行ってみるか?」「あ、プロフィールか、見てなかったな。おう行ってみようぜ。」2人はさっそく広島へ向かった。もちろん倉敷が飛んで行く。
「着いたな。しかし、初めて来たな広島なんて!」佐伯が修学旅行の中学生みたいにはしゃいでいる。
「しかし、この画像どこのお店だろうな。」倉敷は華麗に佐伯をスルーして本題に切り込む。
単純にそういうキャラというのもあるが、その場から動かず画像から居場所を特定しようとしているのはやはり、
長距離飛行の反動で動きが鈍くなってしまっているのが最大の原因だ。今回は東京から広島間、約810kmの飛行で鈍いどころか一歩も動けないほど体が重いようだ。それに気付いた佐伯が倉敷に近付く。「能力の反動って相当やばいみたいだな。大丈夫か?」「あぁ、反動で動きは鈍くなるものの、辛いとかそういう苦痛はないから大丈夫だ。」「そうか。ならよかったけど・・・」「今後、謎の生物たちと戦うことがあれば、その最中にこんな状況になっちまったら絶望的だけどな・・・。」自嘲的な笑みを浮かべる倉敷。
「とりあえず、俺がこの写真を街の人に見せて聞き込みするから、倉敷は休んでてくれよ。」「あぁ、すまない。俺もネットで調べてみるよ。」「おう、動けるようになったら連絡くれ!」「わかった。」こうして2人はそれぞれが今できる方法で場所の特定をしようとした。

「すみません。この画像のお店ってこの辺にないですか?」「え?あぁ、ちょっとわからないわね。」「そうですか。ありがとうございます。」こんなやり取りを続けてかれこれ1時間は経つだろうか。佐伯は未だに決定的な証言を得られずにいる。プロフィールに広島と書いてあった。というだけで現地へ来たが、まだまだ人を探すにはその範囲は広すぎる。それに最悪の場合はSNS登録時に広島に住んでいただけで、今は全然違う地域に住んでいる可能性だってある。佐伯は一旦倉敷に電話をかけた。「あ、倉敷体の方はどうだ?」「ごめん、まだ立ち上がることも厳しい。」「そうか、そんなに酷いなら今後は使い方を考えていかないとな。」「あぁ、そうだな。距離と回復具合を
把握しておくよ。」「そうだな。それでよ、こっちは1時間近く聞き込みしてみたけど誰も知らないってよ。」
「そうか。まぁそんな上手くはいかないか・・・」「だな。まずはこいつがほんとに広島に居るかの確信がほしいな。」「佐伯、例えばだけど観光案内所とか街に詳しそうな人に聞いてみるとか・・・その画像の店自体が観光名所じゃなくても、どこかの名所の近くにある店って可能性もあるし、知らなきゃ知らないで観光名所のない地域から
調べていくとかできるし、まだ範囲を絞っていける。」「なるほどな。何も考えずに街の人に聞き込みしてたわ。」「一旦こっちに戻ってきてくれ。休憩がてら話したいこともあるし。」「わかった。」佐伯は倉敷の話したいことというのが気になり、二つ返事で応じた。そして戻ろうとしたその時、後ろから呼び止められる。
「ちょっとそこの青年。君はこの辺りでは見ない顔だな。」佐伯は振り返る。そこに居たのは謎の生物だった。
一瞬驚いたが、東京だけが支配されたわけではない。日本が支配されたのだ。広島にも謎お生物が居て当然だ。
東京以外の道府県にはそれぞれ20人いるのだ。「あ、初めまして。佐伯といいます。実は親友と旅行に来てまして・・・」「ふ~ん、そりゃ見ない顔なわけだ。俺は広島に住んでいる住人は一人残らず把握しているからな。」「はは、そうなんですね。」倉敷と一緒に居ない今、佐伯は1人でこの状況を打破しないといけない。
「ところでなんで広島なんだ?」謎の生物からの質問が止まらない。「えぇっと・・・。」明らかな顔の動揺と言葉の詰まり具合に謎の生物は佐伯を怪しむ。「本当は何しに広島に来たんだ?」「本当は・・・」佐伯は完全に言葉に詰まる。目は泳ぐ、膝は震える。こんな奴誰が見ても怪しい。謎の生物の視線がだんだんと厳しくなるのをひしひしと感じる佐伯。ここから逆転できる術を持ち合わせていない佐伯は辛さのあまり今すぐ消えて居なくなりたい気分だ。(もう俺にこの現状を打ち破ることはできない・・・、やばいやばいやばい・・・消えたい。)心の中で強く願うばかりで、もう何もできない。「あ?あいつどこ行きやがった!?」目の前で叫び声が聞こえる。
そう今目の前にいる謎の生物の発言だった。「!?!?!?」佐伯は頭がパニックだ。
「くっそ~、佐伯とか言ってたなあの野郎。一体どこ行きやがった。いや、それより気になるのはどうやっていきなり姿を消したかだな・・・。」謎の生物もそれなりに困惑しており、佐伯が逃げたことへの怒りと目の前で突然消えた不思議な状況に整理がついていない。(え?目の前にいるのに見えてないのか?)佐伯は念のため声は出さないでおこう・・・なんて考えられるタイプではない。万事休すかと思われたこの場面から逃げ切れるかもしれないというめまぐるしい展開に自身もついていけず、驚きのあまり声が出ないだけだ。周りの住人も佐伯と謎の生物のやり取りを目にしていた者がざわざわしはじめる。その様子を嗅ぎ付けた事態を知らない者が知っている者に話を聞く。
こうした連鎖反応で騒ぎが大きくなっていく。「お前らうるせーぞ!!」大きさを増していくざわめきが謎の生物をイラつかせた。一瞬にしてシーンと静まり返る。この一部始終を謎の生物の目の前で見ていた佐伯。どうやら佐伯の姿が誰にも見えていないらしい。声が聞こえるかどうかの可否は気になるところだが、これが佐伯の能力なのだとしたら、倉敷のような副作用も発生することも考えて無謀なチャレンジは避けるべきだ。今はここから逃げることを最優先だ。佐伯は結局動く音でわかるのではないかと疑問を抱いたが、姿が見えない以上気にする必要もないと考え全速力でその場を立ち去った。逃げている最中の佐伯は意外と冷静で、むやみやたらに逃げているのではなく、しっかりと倉敷のもとに向かっていた。その倉敷は、だいぶ体が軽くなったのかうろちょろして体を動かしている。
「おーい、倉敷~!」「え!?」倉敷は周りをキョロキョロするが誰の姿も確認できない。ここで佐伯は少し倉敷にイタズラを仕掛けようと後ろに回るつもりだったが、ぶわぁん!「あ・・・」その瞬間佐伯の姿を倉敷が捉えた。
どうやら効力が切れたらしい。「佐伯・・・お前、いつの間にそんなとこに?」「まあ、ちょっと色々あって姿が消えてたんだよ。」「まさか、能力か?」「っぽいよな。」佐伯自身もしっかりとは把握できていないため、曖昧な返事をする。そして佐伯は倉敷にさっきの事の説明をした。「へぇ~、恵まれてるな。」「だよな。」佐伯は鼻で笑いながら倉敷の恵まれてるという言葉に共感した。ピンチの場面で能力を発揮できたこと、そしてその能力がその場面に適していたこと。全てが恵まれていた。「それで、倉敷の話したいことって何?」佐伯は本題を切り込む。
「あぁ、もう1人能力者っぽい奴見つけたんだよ。」倉敷からの報告に佐伯は少しニヤついた。
探すのがものすごく大変で、進展のなかったこの状況で少し物事が前に進んだ気がした。

気持ちばかり焦ってしまってはロクな事にはならないので、2人は休憩がてら雑談をしていた。
「まぁ、わかってたことだけどよ、広島に来て謎の生物と対面すると思ってなくてびっくりしたよ。」
「謎の生物は東京の奴等と同じ感じなのか?」倉敷が聞く。「あぁ、そんな感じだ。」「へぇ、なんか変な感覚だよな。よくわかんねーけど。」慣れない出来事だ。当然といえば当然だろう。「今日は切り上げてホテル探すか。
佐伯が謎の生物と出くわした件もあるし。そんで明日はちょっと探し方変えてみよう。」「そうだな。今は無理するときじゃないよな。」佐伯も倉敷の意見に納得し、この日、2人はホテルに宿泊した。
その日の夜、「明日の探し方なんだけどよ・・・」倉敷が話を切り出す。
「まずはもうちょっと情報収集してからにしないか?」倉敷の意図が佐伯には全く分からなかった。
「どういうことだよ、倉敷。もうこいつの発信してる情報は全部見たろ。」「あぁ、そうなんだけど、それで1日苦労したし明日も同じようにやっても可能性は低いと思う。」「じゃあ、他にどんな情報を集めるんだよ。」
「正直、俺らはこいつのことしか見てなかった。」「当たり前だろ、こいつが能力者の可能性あるんだから。」
「でも、実際それで今日結果は得られなかっただろ。」「あぁ。」「だから今度は周りから攻めていくんだよ。」「あ?どういうこと?」佐伯は倉敷が何を言っているのか、何を言いたいのかさっぱりわかっていない。
「つまり、SNSをもっと有効活用するんだよ。例えばこいつの友人がフォロワーに居ないか探す。そしてそれっぽい奴が自分の住んでるところの情報を発信してないか調べるんだ。」「あぁ、なるほど。」「それっぽいのがあれば、そいつもそこの住んでる可能性がグンと上がる。そしてその地域で聞き込みをすれば、今の方法よりは見つけやすいと思う。」「さすが倉敷だな。俺にはそんなこと思いつかねーわ。」佐伯は自虐を織り交ぜて倉敷を褒める。
夕飯を済ませた後、倉敷の提案通り能力者っぽい奴の交友関係を調べ、そこから居場所を割り出す作戦を決行した。これはなかなかあっさりと見つけられた。SNSには秘密主義者ばかりではない。色々と情報を晒している人間もいる。そして翌日、2人は友人から当たり、ついに能力者っぽい奴の元まで辿り着いた。その能力者っぽい奴がちゃんと話が聞けるのが昼からということで、2人は時間と集合場所を決め一旦その場を離れた。「いや~、昨日とは打って変わってあっさりだったな。」佐伯は満足そうな顔をしている。「そうだな。作戦があたったな。」倉敷もどことなく嬉しそうな表情を浮かべている。2人はとりあえず時間を潰すのに近くのファミレスで過ごすことにした。

2人は軽食を済ませ、集合時間の5分前に地下街にある広場に到着した。
それからすぐして能力者っぽい奴が姿を現した。「おーい!やっほー!」初対面とは思えない軽いノリで声をかけてきた。実際はさっき一度顔を合わせているとはいえ、まだまだ赤の他人のはずなのだが・・・。佐伯も頭がいい方ではないが、そんな自分を棚に上げてこいつは頭の悪そうな奴だなと倉敷にボソッと呟いた。
「お忙しいところお時間を作っていただきありがとうございます。」倉敷が話しかける。「自分は倉敷彰といいます。」「あ、俺は佐伯拓真です。」2人が自己紹介をする。「おう、俺は角田剛!で、話ってなんだ?」本題に切り込んできたのは相手からだったことに2人は顔がピクッと反応した。「そうですね。単刀直入に言いますが、角田さ
んは最近不思議な力を手にしましたか?」「おいおい、いきなり直球過ぎないか?」佐伯はびっくりして目を見開いて倉敷に顔を向ける。「大丈夫だ。任せておけ。」倉敷は非常に落ち着いていた。佐伯はそれを察し、黙って小さく頷いた。ここは倉敷に任せほうがいいと判断したのだ。「あぁ、そうなんだよ。なんかよ、右手で触れると物が
壊れて、左手で触れると元に戻るんだよ。」「それはいつ頃からとかわかりますか?」「んー、そうだな~。ついこの前なんだけど、コンビニに行こうと思って外歩いてたら変な光った球が空から飛んできて。でも、速度がすごい早くてよ。気付いた時には俺の体に当たって暫くして消えたんだよ。たぶんその出来事があった日からなんだよな。
こんな力が身に付いたのは。」「なるほど。」倉敷は一言呟き、心の中でほぼ確定していた。「ではここからが本題ですが、桂城大の研究所が爆発したニュースは見ましたか?」「え?あぁ、知ってるよ。あれ凄いらしいな。街であの規模の爆発じゃ、めちゃくちゃ人が死んでたらしいもんな。」「えぇ。」軽く相槌をうち、倉敷は周りを確認して
から角田に告げた。「どうやらその研究所の爆発が謎の生物と関係しているみたいなんです。それともう一つ。
あなたのその能力もまた、それと関連しているのです。」「???」角田は倉敷が何を言っているのかわからなかった。発言の内容が難しかった訳ではない。突拍子もない発言に戸惑っているの。「一体、どういうことだ?」角田
はぼんやりとした質問で返す。倉敷は角田にここまでの経緯を話した。頭が悪そうな角田に事細かく話しても無駄だと悟り、大まかな内容を伝えた。「じゃあ、俺のこの力ってお前らが原因ってこと?」「まぁ、簡単に言うとそうですね。」「そうか。イマイチ使い方も分かってなくて便利な時と困るときあんだよなぁ。」「それは俺たちも同じです。だから色々試して自分の能力を正確に把握する必要があります。」「で、お前らが俺を探して会いに来た理由は?」「そもそも自分たちが研究所に向かったのは、このまま謎の生物に支配されたまま生活なんてやってられないというのがきっかけです。しかし、謎の生物は人間離れした強さを持っています。あの見せしめでそれはご存じでしょう。」「あれは酷かったな。俺はテレビで観てたけどよ。現場で見せられるってのもしんどそうだな。」
「そうですね。それでつまりは我々が束になっても敵わないような相手なんです。だから、研究所で放ってしまった3つの青白い光によって能力を手に入れた人を仲間にして謎の生物から日本を取り返そうという目的で今に至るわけです。」「ふ~ん。」角田は話の内容は理解したみたいだ。少しの沈黙があったが角田が口を開く。
「面白そうだな!」この一言で佐伯と倉敷は顔を見合わせニヤつく。「それじゃあ、これからよろしくお願いします。」「おう!」こうして2人は謎の生物に対抗する仲間を1人見つけた。
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