嘘つきは泥棒の始まり〜裏切りの代償〜

HARUKA

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第9章

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翌朝、2人は急いで香のマンションに向かった。

スマホを持った鈴。

「準備はいい?」

「うん、もうすぐ出てくる。」

ドアが開く音た聞こえてきた。


ガチャ


鈴も唖然としている。

キスをしながら、2人の男女が仲良く香の家から出てた。

香は涙をこらえながら、その光景を見ている。鈴がスマホで撮影をしてくれた。

「少し待ってから家に入ろう。」

「本当に香の家で過ごしてたんだ。大和さんはイカれてるね。普通できないよ。奥さんがいるのに女を連れ込むなんて。許せない。」

鈴が怒ってくれてることに涙が溢れ出す。
衝撃の光景で脚も動かなかった。

部屋に入るのが怖い。
またあの光景の残骸を見ないといけない。

盗聴ショップの店員が言ってたとおりだ。

現実は辛く悲しい。

だからセックス動画の事を話してくれたのがわかった。それくらいしないと怒りが収まらないということだろう。

今になってやっとわかった香。

私達の使ってたベッドで平気でやってる二人。もうやっていけない。

鈴は泣き止むまで待ってくれた。

「香、覚悟はいい?」

「本当に辛いよ。」

「うん、泣いてスッキリした。」

「行くよ!」

香は鍵を開けて部屋の中に入った。

何とも言えない匂いが部屋を覆っている。
きっと朝もやって出勤したのだろう。

性行為の後の匂いなんだろう。

涙をぐっとこらえて、リビングに向かう。
香が作り置きした食べ物を二人で食べてる。

食器はそのままシンクに残っている。
部屋も汚くなっている。

バスルームの化粧品も使われている。

「酷い人たちだな。」

「ここまでされることしたかな?」

鈴は動画を回し、私は写真を撮る。
鈴がベッドルームの中に入ると

「何これ?」

大きな声が聞こえる。

「どうしたの?」

「待って! 香、大丈夫?」

「うん、頑張る。」


ベッドルームに行くと生々しい状況だった。

香りが見たままで、白い液が入ってるゴムが散乱していて、今朝やったであろう、ゴムもそのままベッドに置いてある。シーツの汚れも酷い。

鈴も無言で動画を回す。

香は貴重品を机の引き出しから取り出し、かばんに詰め込む。

もうここには帰ってこないと決めた。
2人には地獄に行ってもらう。

鈴は店員に聞いた、ベッド周りにカメラを仕掛け、リビングにも仕掛けて、テストしている。

冷静に行動してくれる鈴に感謝だ。

香も泣きながら、ある程度の荷物をバレない程度に持ち出す。

部屋のあちこちを確認して、盗聴器も仕掛ける。

二人で黙々と仕掛け、テストしてながら、よく見える場所に仕掛けた。声も映像も入る。

これでOKだ。
重い足取りで鈴の家に帰る。


「酷い状況だったね。」

「うん、よくあんなことできるよ。」

「あの二人はお似合いだよ。」

「香には大和さんは似合わないよ。」

「そう思う。」

「香、早く別れて次にいったほうがいい」

「うん。」

「女を家に連れ込むってロクな男じゃないよ。」

「そうだよね。」

「探偵も調べよう。信用できる人じゃないとな。誰かいないかな?」

「調べてくれる人はいるんだ。そうすると弟に話さないといけない。」

「弟に話すと事が大きくなって、多分、あの2人は仕事すべて失う。」

「それでいいじゃない。」

「そこまでする必要はあるかなって。」

「あるよ。酷い状況だったよ。」

「うん」

「今から見る動画できっと気持ちが変わるよ。」

「大和さんは何時に帰ってくるの?」

「時間はバラバラだったから」

「そっか、いつも女の家に行ってるからバラバラの時間なんだね。今日は早く帰ってくるかもよ。」

鈴の目は汚い物を見るように動画に目をやる。

「腹ごしらえしてから、今後の計画をしよう。」

「うん、鈴ありがとう。」

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