Hold on me〜あなたがいれば

紅 華月

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流水ノ章

31 愛の為なら

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その『声』はあまりに唐突だった。

皆が皆、固唾を飲んでどうにも出来ぬ息苦しさすら漂い張り詰めた空気の中…『天女』如きその声は、男ばかりの闘いの場に相応しくない。

何故?…どうしてだ?…死を目前にした自分の幻聴か?…この命賭けて愛している女なのだから無理もねぇか…

そんな事を一気に頭の中を巡らせた圭介だが、リアル過ぎる声に引かれるように姿勢そのままでゆっくりと振り返る。

「………。」

「……、み、美優…」

そこにいる彼女は、先程までの静かな怒りの表情ではなく…何時ぞやに京極へ向けた『無』の表情が浮かんでいた。

「…何故、連れて来たのですか。それに貴女がたまで…幹哉、説明を。」

「幹哉くんを責めないで、会長。…彼は『舎兄の嫁』に逆らえなかっただけなのよ。あんな怖い美優さん…初めて見たわ。」

「……?」

「…すんませんす。姉貴には…あれ以上歯向かえなかったもんで。」

傍らでは共に来たみずきや幹哉に説明を求めた笛木だが、2人の言葉にどうにも要領が得ず首を傾げる。

そうしている間にも、美優はゆっくりと足を進め圭介の前へとやって来たのだが…

「み、美優!何でお前こんなトコにッ…まだ本調子でもねぇってのに、何ムチャやってやが…」

“バシィ!!”

「ッ!?」

病院を抜け出し、場に現れた彼女を叱りつけようと口を開いた圭介が全てを言い切るその前に、手痛い痛烈なビンタが彼の左頬へと張られる。

女に対してぞんざいな扱いを散々して来た彼ではあるが、女からビンタを張られる経験はこれが『初めて』だ。

「……。」

「どうして…どうしてそうやって自分勝手なの!?…何で…っ、1人で全部を背負おうとするの?…圭介さんの嘘つきぃ!」

「…み…みゆ…」

「……嬉しかったのにっ…『別れ話が過ぎらないくらい、幸せにする。』って言ってもらえて…すごく嬉しかったのに!何でっ…自分はあんな事言うの?!皆がいるのに出し抜いてっ…たった1人でこんな所に乗り込んで来て!…っ、それで私の為に死なれたって、私はちっとも嬉しくなんかない!!」

「……ッ…」

「流平さんが咲希さんと亡くなって、遺される人の辛さがわかる貴方が!…私にも『同じ思い』をさせるの…?」

「美優、さんッ…」

彼女の言葉は、南雲には痛い程に伝わった。自分が医師となったのも、すんなりと足を洗った南雲とは違い…圭介はもがき苦しみながら極道となった。そんな友人を2度と失いたくないというその思いが、南雲を必死に医師へと導き押し上げたのだ。

「私だけじゃない…『北斗聖龍会』の皆や南雲先生、真次さんだって圭介さんを失いたくないって思ってる!会の『若頭』がそんな事で示しが付くと思うの?!」

「……。」

「私は、圭介さんの側にいるって決めた時…これまでの全部を『捨てた』。それと同時に色んな覚悟を決めて腹を据えた。…会の若頭の『嫁』として…極道の女として生きていくって決めたその『覚悟』を甘くみないで!!」

誰もが押し黙り、口を挟む事など出来やしない。…美優の叫びは最もであり、彼女の据えた覚悟が如何に重いものかを皆の心にも訴え震わせたのだから。

…そんな中、何も反論出来ず黙っていた圭介がようやくその口を開く。

「…。悪かった…オレが、悪かった…ッ…許してくれ、美優…」

最初こそ勝手に病院を抜け出して来た彼女に腹立だしい思いがあった彼も、今やすっかり母親に叱られた子供のように萎縮しシュンとなってしまっている。そしてそのまま縋るようにそっと抱きしめた。

「…ッ、やっぱ…オレはお前がいなきゃダメだぁ…元々ダメ人間なんだからよ…」

「そうなんですっ。圭介さんには『私』が必要不可欠なのっ、置いてったってどこまでだって付いてくんだからっ。」

やがて笑い合う2人に、会の面々からはやれやれといった雰囲気が流れ始め…

「…今のって…犬も食わねぇ『夫婦喧嘩』ってヤツすかぁ?」

「意外にド派手ですね、清水さん。」

「この夫婦…もしかして周りを巻き込むパターン?…勘弁して欲しいなぁ。その度に俺、圭介に当たられるの?嫌んなっちゃうなぁ~。」

「先生!ステルス戦法で逃げる準備しとかなきゃっしょ!」

「バカ野郎!夫婦喧嘩なんかする訳ねぇだろッ。したとしても…そん時ゃオレが悪りぃんだろうからな、ひたすら土下座で謝る!」

「あっはは!殊勝な心掛けっすね若頭!」

ドッ!と笑いが沸き起こる中…するりと圭介の腕から抜け出した美優は、呆けた様子で見ていた2人のロシア人に話し掛ける。

「…あの。貴方が…『ミハエル・ロゼーニョ』さん…ですか?」

「……。」

「私の…『祖父』、なんでしょうか?」

「…ミユウ・イブキ?」

「はい。私が『雪吹美優』です。」

驚声を小さく上げ、ロシア語で何かを呟いたロゼーニョが感慨深げに彼女を見つめる。

「…。ハナシニキイテイタトオリデス!エンジェルハ『マリア』ニ、ニタノデスネ。…トテモウツクシク、セイチョウシマシタ!…エネッツァ、ソウオモイマセンカ?」

「はい…ドン。面影がありありと残っていて…私も驚いてます。」

「…え、エンジェル?」

「なんか知らねぇがこのジジイ、美優を『エンジェル』って呼んでるぜ。」

「……。」

「イエス!ムスメノマリアモ、ミユウヲ『エンジェル』ト、ヨンデタデス!ムスメノ『エンジェル』…ンー、ニッポンゴデハ、ナントイウデスカ?」

「…『天使』です、ドン。」

「オォ!テンシ!マリアハ、アナタヲ『テンシ』ノヨウダト、カワイガッテイマシタ!ナラバ、ワタシニトッテモカワイイ『エンジェル』デス!」

「…。要はめんこちょんこ、ってヤツか。…って納得出来るかァ!何が『エンジェル』だ!」

「オォ…ニッポンノオトコ、ヤパリ『タンキ』デスネ!ソンナオトコニ、エンジェルハワタセマセーン!ドントタッチデス!」

「うるせぇ!『ドントタッチ』じゃねぇよ!美優はオレの嫁だっつってんだろが!嫁に触って何が悪りぃ!!」

「……。幹哉さん…なんかコントでも見てる気分す、俺。」

「ンな事言うなって司。兄貴にすれば『瀬戸際』なんだぜ?」

「でも姉貴をジジイと取り合うとか…」

「はは…まぁな。2人の感想は最もだけどよ…」

自称『亭主』と自称『祖父』がギャーギャーと言い争い、純正の日本語と片言の日本語が飛び交う様は正に阿鼻叫喚の如く。

そんな様子を、会の面々は僅か呆れたように見ていたのも束の間、傍らにいる美優がその口を開いた。

「…本当に、私の『祖父』なんですか?」

「……は?」
「…what's?」

「私の母は、確かに『まりあ』と言います。漢字表記で『真理亜』と。目の色の色素の薄い…娘の私が言うのも可笑しいですが、とても綺麗な母でした。でも…その母からロシアの事なんて、何一つ聞いた事なんてありません。」

「……。」

「それは…父も同じです。母が突然亡くなって、6歳から一緒には暮らしていないので尚更かもしれませんが…」

「…エンジェル?」

「なので…私は、素直に貴方を『祖父』と認められません。何より信じられないんです。」

「オォ…エンジェル。ソンナ『カナシイコト』ヲ、イワナイデクダサイ!ワタシハ、アナタノ『グランパ』デス!ホントウノコトナノデス!」

「……。」

「コレハ、マリアガワタシニオクッテクレタ、アナタノ『シャシン』デス。2サイノカワイイ『エンジェル』ガ、ウツッテマス!」

「……。あ…」

差し出された2枚の古びた写真。1枚には母マリアと思われる美しい女性に抱っこされた…もう1枚にはぺったりと座ってクマのぬいぐるみを抱きしめる、どちらも当時2歳と思しき美優がいた。当然ながら見ない訳にはいかないと、北斗の面々もワラワラと集まり覗き込む。

「め、めっちゃ可愛いっす!姉貴っ!」

「おやおや、これはこれは…」

「…攫っちまいたいくらい可愛いな、こりゃ…って、何で鼻を抑えてんだ?圭介。」

「な、何でもねぇッ…」

よもや2歳の美優があまりに可愛すぎて鼻血が噴き出そうだ…とは、口が裂けても言えやしない。そんな事を知られては末代まで笑い者だ…と、圭介は気を引き締めつつ鼻をすする。

「コレデ、ワカッテクレマシタカ?ミユウハワタシノ、カワイイ『エンジェル』デース!」

「……。ほ、本当…なんですね…」

まさか自分の祖父がロシア人で、しかもその人はロシアマフィアを牛耳る『ドン』だなんて…。

目の前のその人は、ニコニコと笑い穏やかな人だが…とてもそうは見えない。

「…わかりました。何となくですけど、納得出来た気がします。」

けれど圭介を『認めない』、美優をロシアに『連れ帰る』となると、それはまた別な話だ。

「では次のお話を。…どうして圭介さんを『認めて』くれないんですか?」

「フム…エンジェル?ナラバ、オシエテクダサイ。…コノオトコノ『ドコ』ガ、イイデスカ?」

「……。」

「ワタシ、シッテマス。ケイスケ・シミズハ、エンジェルニ『ヒドイコト』シタデス!アナタハ、ソレヲユルシタデスカ?」

「はい、許しました。今は私を何より大事だと言ってくれるし、愛してくれます。…私も、圭介さんを愛してます。」

「エンジェル…アナタノキモチ、ワカリマス。デスガ、ワタシハユルセマセン。イッショニロシア、イクデス。」

「…どうしても、圭介さんと私を引き離すと言うの?」

「イエス!ソレガ、エンジェルノ『シアワセ』ダカラデス!」

「……。なら…私達をここで『殺して』下さい。」

「ッ!美優?!」
「エンジェル!?」

肩に置かれていた祖父ロゼーニョの手を払い、ドン!と突き放した美優は、圭介を背に庇うようにして数歩下がっていく。再びの緊迫に何も出来ず会の面々は固唾を飲む。

「この人と引き離されるくらいなら、一緒に死んだ方がマシ。…さっきも言ったはずです、私が決めた覚悟を女の戯言と甘く見ないで下さい。…圭介さんと一緒にいるのが、私のこれ以上ない『幸せ』なの…」

「エ、エンジェルッ…」

「…ごめんなさい圭介さん。あんな偉そうな事を言った私ですけど…一緒に『死んで』くれますか?」

「あぁ…望むところだぜ。お前は死んだってオレの『嫁』だ…きっと流平が迎えに来てくれるさ…」

「はい。優しい人ですものね…流平さん。」

どこか達観したかのように落ち着き払った2人を前に、誰もが身動き出来ずピシリと固まる。重苦しい空気の中…決断を迫られていた祖父ロゼーニョは、重く吐息を吐き出す。その目には在りし日の娘マリアの『最期の姿』が重なり見えたのだ。

「…コウサンデス。マケマシタ、エンジェル…コノ『ミハエル・ロゼーニョ』ノナノモトニ、ケイスケ・シミズヲ、エンジェルノオットト…『ミトメマス』。」

「ッ!」

「…本当、ですか?」

「イエス。デスカラ…『シヌ』ナドト、カナシイコト…イワナイデクダサイ、マイエンジェル。」

「…はい。ありがとうございます…『おじいちゃん』。」

「…?、オジイチャン?…ドウイウイミデスカ?エネッツァ。」

「…。日本では『祖父』の事を、敬愛を持ってそう呼ぶのですよ…ドン。」

「オォ!オジイチャン!マイエンジェルハ、イクツニナッテモ、カワイイデスネ!」

「ちなみに…ミスター清水は『孫婿』殿となります。」

「マゴムコ!ケイスケ!コレカラハ、ナカヨシデス!デスガ、ワタシカラミレバ、マダマダ『コゾウ(小僧)』デス!ハハハ!」

「…随分と絶好調じゃねぇかジジイ。貴様呼ばわりの次には小僧呼ばわりたぁ、調子の良いこったぜ…」

尚もハッハッハ!と笑うロゼーニョに、圭介は早くもげんなりとする。

「何やら…ボケボケしている内に話が決まったようですね、何よりです。…ミスターロゼーニョ、圭介と美優さんの事はご心配なく。我ら『北斗聖龍会』の皆が共にいますので。」

「…ンー…アナタハ?」

「失礼。『北斗聖龍会』会長の笛木八雲と申します。この清水圭介の『親』と言えば…おわかり頂けますでしょうか。」

「オォ!ミスターフエキ!『ホクトセイリュウカイ』ハ、ミンナツヨイデスネ!…マイエンジェル『ミユウ』トケイスケ、オネガイシマス!」

「えぇ、ご安心下さい。ところで…貴方に近付いてきた『女狐』は何処に?」

「…。『ミセス・シノ』ノコトデスネ?カノジョナラ、ワタシトイッショニコノ『ウラ』ニイマシタ。…モウニゲタカモ、デスヨ?」

「……そうでしょうか…」

ロゼーニョの言葉をやんわりと否定した笛木が、見上げた視線を傍らへと向けじっとりと見つめる。その先にいるのは…佐野組の組員『本宮』だった。

ひっ!と声にならない声を上げ、へたり込んでしまった本宮は尚も足掻き、場からの逃走を図る。だがそれを受け、ダッ!と駆け出した真次によってあっさりと失敗に終わった。

「…てめぇ…逃げられると思ってんのか。あァ?!」

ガン!と顔スレスレを蹴られ、わなわなとする本宮を真次は凄み睨み下ろす。…彼の本性が垣間見えた瞬間でもあった。
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