イースターとハロウィンの大冒険

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「まずは、採取だね。」
パンプリンは、そう言いながら薬草を小さな手で丁寧に摘んでいった。
すると、ピロリンっと音と一緒にパネルみたいな物が浮かび上がった。
「パンプリン・・・・。
このパネルみたいな物、あれだよね？」
そう。イースター王国とハロウィン王国共通図書館にある資料。
『これで君も冒険者』に記載されていたのと同じ。
恐る恐るパネルを見ると、『ヒール草』と書かれていた。
よく見ると『ヒール草。効能：5%の治癒力。リング草と混ぜれば100%の治癒力のポーションが出来上がる。』っと。
「ボクの御先祖様が移り住んだ世界みたい(汗)」
パンプリンは、遠くの方を見つめたまま、
「あの本、君の御先祖様が書いたんだ。」っと。
パンプリンの記憶力がよければ、ゴブリンとかドラゴンなどと書かれていたような・・・・。
まあ、まずは素材採取をやることにしよう。うん。



数刻後。二匹は、腰辺りに着けていた数種類のチャームの内、家の形したチャームを陽当たりのいい処に投げた。
イーストの投げたチャームは、ハッピーなメロディーが流れながらアトリエが出てきた。
ロリータ風の可愛らしいデザイン。
パンプリンの方は、お化け屋敷で流れているような怖い音が流れながらアトリエが出てきた。
こちらは、ゴシック風の妖しいデザイン。
「「よし！集めた素材でアイテムを作ろう！」」
初めて触る素材に二匹は、ウキウキMAX＆職人魂に火がついたようだ。
この後、アトリエに入ってみたら空間が繋がっていて、ビックリしたのであった。



あれから、数日が過ぎた頃。
とある街のギルドでちょっとした事件が起きていた。
「そうか、回復系ポーションを手に入れることが難しくなったか・・・・。」
彼の名は、ギガント。
この街・マルターメのギルドマスターであり、街を守っている。
が、少し窮地にたたされている。
この世界の職業は、二つ。
一つは、冒険者。
もう一つは、生産者。
この街には、生産者と冒険者が均等に生活しているのだが。
「全く、ポーションの買い占めする冒険者が現れるとは！」
そう。この世界のギルド共通条約の一つである『買い占め禁止条令』。
それを立て続けに三回も破ったのだから、ギルド関係者達は、全員頭を抱えた。
罪を犯した者は全員処罰を受けたが、買い占めたポーションは全て使いきったあとだった。
その為、ポーション不足に陥っている状況。
素材を集めるにも、もう薬草が取り尽くしてしまった状態。
うーんっと、唸っているとき門番が血相を変えて、走ってきた。
この後、違う意味の悲鳴をあげる三秒前。



イースト＆パンプリンのアトリエでは。
あれから、ポーションや防具に武器まで、製作しまくった二匹は頭を抱えこんでいた。
「この作品の山、どうしよう(汗)」
イーストの嘆きに、パンプリンは書庫室から資料の山と戦っていた。
タイトルは、『ギルドに登録するには』『道具を作ったら』『お店を開く条件』など。
「やっぱり、人間達の住む村や街に行かないといけないみたい。」
ちなみに、この世界には獣人族が普通に生活しているようだ。