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空の章
壱、久遠城 (前)
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空の章
壱、「久遠城」(前)
セツカから謎のメッセージを受け取ったロンとエイルは、空の覇者・神龍族が住まう久遠城の門前に立ってしまった。
空の上は空気が澄みわたっていて、とても気持ちがいい。少し見下ろせば、下には一面の鮮やかな緑の絨毯と山の起伏が解る。
「なあ、一旦、竜宮か仙人界に戻って義姉上の話を詳しく訊いた方がよくないか?」
エイルの提案にロンも「賛成だが」と口ごもる。
「……もう遅い……」
悲しいかな。門兵がこちらに近づいてくる。ロンは急いで革袋から『天地開闢廉書』を取り出した。
「何者か」
「怪しいものではございません。私は海底龍神族の将軍を勤めるロン・ツーエンと申します。こちらは海底龍王エイシャ様の第一王子であらせられるエイル様。我らは天空神龍族の女王・リナリア様に謁見したく馳せ参じました。我らの身元はこちらの『天地開闢廉書』をご検分頂ければ証明されましょう」
二人の門番は、ロンが差し出した巻物に「東方王御璽」の文字を発見し、「通れ」と巻物を返して、門を通してくれた。武器を取り上げられなかった上に、身体調査が無かったことにロンは安堵の息を吐く。可能な限り、この左眼はいじられたくはない。
ロンの懸念も無視して、エイルは巨大な積乱雲と蒼穹の世界に歓声を上げる。
「……わあ……すげえ……」
天空に立つ久遠城は六十階まで吹き抜けになっており、空を自由に大小の神龍が泳ぐ。
「あれが国民なのか?」
「六十階より上を飛行するのはな。それより下は全部見回りの兵士だ。かつては国民も自由飛行だったらしいが、大戦後は制限がかけられた――って、お前は本当に仙人界で勉強してないんだな!!」
海底から戻ったロンを諫めた気性はどこへやら。エイルは初めて見る光景が楽しくて仕方がないらしい。しかし、ロンは周囲からひしひしと伝わってくる視線が痛いので、自然と早足になった。六十階まで螺旋状の廊下を行かねばならないのかとうんざりしつつも歩を進める。
だが、「待ちな」と低い女の声に行く手を阻まれる。青い女鎧を纏った男装の女を先頭に五人の兵士がやってきた。
「あんた達、海底からの使者だって?」
「はい。こちらがエイル王子。私は将軍のロン・ツーエンです」
「ふうん。私は近衛本隊の元帥フロン・リーだ。目的を聞こう」
ロンは「参りましたね」とフロンに苦笑する。エイルがロンの服の背中を引っ張るが、それは無視し、ロンは「うーん」と唸る。
「なんだ? 話せないのか?」
「いえ、どうお話しした者かと迷っているだけです。私は仮にも将軍位を賜ったものですので、空のリー元帥の御名前は存じ上げております。神龍族の女王リナリア様の片腕だと名声は海にも届いております。そんな貴殿を信用して打ち明けるのですが、本来の我々の目的は、空の秘宝・空石を借り受けに参るつもりだったのですが――久遠城到着の寸前に、海底で眠る我らが龍王姫・セツカ姫様に『それをしてはならない』と諭されてしまいまして……考えあぐねていたところでございます」
隻眼の将軍は、困ったような笑みを浮かべながらフロンに「信じてもらえるとは端から思っておりませんよ」と恥ずかしげもなく言葉にする。
「空石を借り受けるだと? 元帥、やはり怪しすぎます。捕えましょう」
フロンの横から出てきた槍を持った青い鎧の兵が一歩前に出たのを「待て」と女傑は制止をかける。
「……ふむ、占術師のババ様がおっしゃったとおりだな。さて、どうしたものか……」
フロンが腕を組んで考え込むのを、エイルが「占術師?」と尋ねた。
「神龍族は王の信が篤い占術師の発言に、国政の重きを置いている。占術師が国を動かすことは禁じられているが、王への発言権は強い、で間違いは無いでしょうか?」
「……官僚でも無い一将軍が随分と他国について勉強しているのだな」
「私の場合は特殊です。なにせ、私は海底龍王の養子にあたりますから、国交には知識が必要かと仙界で学ばせて頂いただけのこと」
フロンはまたロンとエイルを上から下まで、舐めるように見た後で「ついてこい」と命じた。
◇
やっと王への謁見が許されたかのように思われたが、二人が通されたのは小さな老婆が中央にちょこんと居座る部屋だった。書庫と言っても過言でないほどに天井まで巻物だらけだった。
「タオのババ様、連れてきたぞ。予言通りだ。王への謁見はどうする?」
「そう焦るでないよ……よく来た。御客人。まあ、掛けなさい」
小さな老婆は、二枚の座布団の上に腰かけるよう、ロンとエイルを促した。唯一の入り口は、剣を佩いたフロンが立って塞がっている。
まだ緊張しているエイルに反して、ロンは諦めたように革袋と太刀をフロンから見えるよう背に置いて、座布団の上に座った。
不承不承、エイルもそれに倣う。
「ここに連れてこられたということは、やはり空石について迷うておったかえ?」
「ああ、敵意もまるで感じられん」
老婆の質問に、フロンが簡潔に答える。
「海の王子と将軍は大戦後に眠ったセツカ姫の覚醒の為に空と地上の秘宝を持ち帰るように言われた。そうだね?」
老婆の質問に、ロンが「左様でございます。しかし……」と説明しようとしたら、老婆が遮る。
「肝心のセツカ姫は秘宝を持ち帰ってはならぬと警告した」
「はい。ゆえに迷いながらも、ここに参りました」
タオと呼ばれた占術師は「やはりあの姫は賢いねえ」と文机の上に乱雑に配置された大きな碁石のような黒と白の石をぶつけ合う。
「姫の忠告は正しいよ。今はまだ三龍界は停戦の間柄だ。要するに戦争は終わってはいない。そこへ防衛一方だった海が空と大地に『秘宝をよこせ』などと言ったら、戦争再開は不可避だ。エイシャ王の考えは霧に覆われて見えないが、ひとまず戦争は回避された。このババの話を少し聞いてから、リナリア王にお目通りを願いなさい。どこも戦争の再開を憂いているのだからねえ」
タオ老婆はそう告げると、また白と黒の石の配置を変えて「ふむ、参ったねえ」と一人で唸る。
「王子と将軍には悪いが、緊急事態だよ。フロン。女王にお伝えして、兵を整えなさい――また地上の懲りない連中が攻めてきた。数は百を超えるよ」
「――ちっ、今年に入って何度目だ……!!」
タオ老婆とフロン元帥の口調では、やはり空と地上はまだ安寧には程遠いらしい。
ロンはとっさに上着を脱いで、立ち上がり、太刀を手に取った。
「あ、おい、ロン!!」
「エリンはここに居ろ!! 王子が出ては余計にこじれる――フロン殿、微力ながら助太刀致す!!」
「私に点数稼ぎをしたところで秘宝は手に入らんぞ」
「そうだな。だが、この連中を退けねば、おちおち真面目な話もできぬゆえだ」
隻眼の若き将軍は朗らかに笑って、フロンと共に城の外へと駆けた――。
◇
空との交渉が終われば、地上とも話さねばならない。眼帯姿と顔を晒せば、すぐに地上で捕縛されることは自明。ロンは息苦しいが、覆面を被って白い太刀を鞘から抜きはらった。
久遠城の門前には、天まで届く樹が雲を突き破り、それを伝ってぞろぞろと金茶色の鎧を付けた皮膚に龍の鱗を持つ若い男たちが、空の兵士たちと刃を交えていた。
中でもフロンは元帥位にあるだけの実力はある。強い。
「いつも通り、絶対に殺すな!! 方陣を維持し、護りを固めよ!!」
相手が野放図ならば、こちらは指揮系統の取れた正規軍だ。勝敗は一目瞭然だった。
「右翼が手薄だ!! 誰か、補助に――」
「俺が行こう」
フロンの指揮に俊敏な動きで飛び出したのはロンだった。すべて峰打ちで鎧を破壊し、右翼をあっという間に制圧した。空の兵士も、傷を負ってはいるがいずれも軽傷だ。
如何せん、数が多い。しかし、上からの援護もあった。
「エリンか……」
久遠城の窓から矢を射かけるエイルの顔までは龍人族も把握できまい。
正門前では、フロムとロンの善戦により、相手はどんどんと減る味方の数に怯えて後退していった。気絶している者達は乱雑に空から樹に投げられる。
気絶した仲間を全員収容すると、樹は縮むように下がっていった。
「ツーエン将軍、助かった。礼を言う」
「なに、俺はこれが本職だ――それより、覆面をとらせてくれ……息苦しくて敵わん」
すっぽりと被っていた布袋を取ると、新鮮な酸素を求めて、汗だくのロンが顔を見せた。
「こんな襲撃は珍しくないのか?」
「それも含めて、詳しく話そう。まずは助太刀、感謝する」
フロンが差し出した手を、ロンは屈託なく笑って握りしめた。
続...
壱、「久遠城」(前)
セツカから謎のメッセージを受け取ったロンとエイルは、空の覇者・神龍族が住まう久遠城の門前に立ってしまった。
空の上は空気が澄みわたっていて、とても気持ちがいい。少し見下ろせば、下には一面の鮮やかな緑の絨毯と山の起伏が解る。
「なあ、一旦、竜宮か仙人界に戻って義姉上の話を詳しく訊いた方がよくないか?」
エイルの提案にロンも「賛成だが」と口ごもる。
「……もう遅い……」
悲しいかな。門兵がこちらに近づいてくる。ロンは急いで革袋から『天地開闢廉書』を取り出した。
「何者か」
「怪しいものではございません。私は海底龍神族の将軍を勤めるロン・ツーエンと申します。こちらは海底龍王エイシャ様の第一王子であらせられるエイル様。我らは天空神龍族の女王・リナリア様に謁見したく馳せ参じました。我らの身元はこちらの『天地開闢廉書』をご検分頂ければ証明されましょう」
二人の門番は、ロンが差し出した巻物に「東方王御璽」の文字を発見し、「通れ」と巻物を返して、門を通してくれた。武器を取り上げられなかった上に、身体調査が無かったことにロンは安堵の息を吐く。可能な限り、この左眼はいじられたくはない。
ロンの懸念も無視して、エイルは巨大な積乱雲と蒼穹の世界に歓声を上げる。
「……わあ……すげえ……」
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「あれが国民なのか?」
「六十階より上を飛行するのはな。それより下は全部見回りの兵士だ。かつては国民も自由飛行だったらしいが、大戦後は制限がかけられた――って、お前は本当に仙人界で勉強してないんだな!!」
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だが、「待ちな」と低い女の声に行く手を阻まれる。青い女鎧を纏った男装の女を先頭に五人の兵士がやってきた。
「あんた達、海底からの使者だって?」
「はい。こちらがエイル王子。私は将軍のロン・ツーエンです」
「ふうん。私は近衛本隊の元帥フロン・リーだ。目的を聞こう」
ロンは「参りましたね」とフロンに苦笑する。エイルがロンの服の背中を引っ張るが、それは無視し、ロンは「うーん」と唸る。
「なんだ? 話せないのか?」
「いえ、どうお話しした者かと迷っているだけです。私は仮にも将軍位を賜ったものですので、空のリー元帥の御名前は存じ上げております。神龍族の女王リナリア様の片腕だと名声は海にも届いております。そんな貴殿を信用して打ち明けるのですが、本来の我々の目的は、空の秘宝・空石を借り受けに参るつもりだったのですが――久遠城到着の寸前に、海底で眠る我らが龍王姫・セツカ姫様に『それをしてはならない』と諭されてしまいまして……考えあぐねていたところでございます」
隻眼の将軍は、困ったような笑みを浮かべながらフロンに「信じてもらえるとは端から思っておりませんよ」と恥ずかしげもなく言葉にする。
「空石を借り受けるだと? 元帥、やはり怪しすぎます。捕えましょう」
フロンの横から出てきた槍を持った青い鎧の兵が一歩前に出たのを「待て」と女傑は制止をかける。
「……ふむ、占術師のババ様がおっしゃったとおりだな。さて、どうしたものか……」
フロンが腕を組んで考え込むのを、エイルが「占術師?」と尋ねた。
「神龍族は王の信が篤い占術師の発言に、国政の重きを置いている。占術師が国を動かすことは禁じられているが、王への発言権は強い、で間違いは無いでしょうか?」
「……官僚でも無い一将軍が随分と他国について勉強しているのだな」
「私の場合は特殊です。なにせ、私は海底龍王の養子にあたりますから、国交には知識が必要かと仙界で学ばせて頂いただけのこと」
フロンはまたロンとエイルを上から下まで、舐めるように見た後で「ついてこい」と命じた。
◇
やっと王への謁見が許されたかのように思われたが、二人が通されたのは小さな老婆が中央にちょこんと居座る部屋だった。書庫と言っても過言でないほどに天井まで巻物だらけだった。
「タオのババ様、連れてきたぞ。予言通りだ。王への謁見はどうする?」
「そう焦るでないよ……よく来た。御客人。まあ、掛けなさい」
小さな老婆は、二枚の座布団の上に腰かけるよう、ロンとエイルを促した。唯一の入り口は、剣を佩いたフロンが立って塞がっている。
まだ緊張しているエイルに反して、ロンは諦めたように革袋と太刀をフロンから見えるよう背に置いて、座布団の上に座った。
不承不承、エイルもそれに倣う。
「ここに連れてこられたということは、やはり空石について迷うておったかえ?」
「ああ、敵意もまるで感じられん」
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「海の王子と将軍は大戦後に眠ったセツカ姫の覚醒の為に空と地上の秘宝を持ち帰るように言われた。そうだね?」
老婆の質問に、ロンが「左様でございます。しかし……」と説明しようとしたら、老婆が遮る。
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「姫の忠告は正しいよ。今はまだ三龍界は停戦の間柄だ。要するに戦争は終わってはいない。そこへ防衛一方だった海が空と大地に『秘宝をよこせ』などと言ったら、戦争再開は不可避だ。エイシャ王の考えは霧に覆われて見えないが、ひとまず戦争は回避された。このババの話を少し聞いてから、リナリア王にお目通りを願いなさい。どこも戦争の再開を憂いているのだからねえ」
タオ老婆はそう告げると、また白と黒の石の配置を変えて「ふむ、参ったねえ」と一人で唸る。
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「――ちっ、今年に入って何度目だ……!!」
タオ老婆とフロン元帥の口調では、やはり空と地上はまだ安寧には程遠いらしい。
ロンはとっさに上着を脱いで、立ち上がり、太刀を手に取った。
「あ、おい、ロン!!」
「エリンはここに居ろ!! 王子が出ては余計にこじれる――フロン殿、微力ながら助太刀致す!!」
「私に点数稼ぎをしたところで秘宝は手に入らんぞ」
「そうだな。だが、この連中を退けねば、おちおち真面目な話もできぬゆえだ」
隻眼の若き将軍は朗らかに笑って、フロンと共に城の外へと駆けた――。
◇
空との交渉が終われば、地上とも話さねばならない。眼帯姿と顔を晒せば、すぐに地上で捕縛されることは自明。ロンは息苦しいが、覆面を被って白い太刀を鞘から抜きはらった。
久遠城の門前には、天まで届く樹が雲を突き破り、それを伝ってぞろぞろと金茶色の鎧を付けた皮膚に龍の鱗を持つ若い男たちが、空の兵士たちと刃を交えていた。
中でもフロンは元帥位にあるだけの実力はある。強い。
「いつも通り、絶対に殺すな!! 方陣を維持し、護りを固めよ!!」
相手が野放図ならば、こちらは指揮系統の取れた正規軍だ。勝敗は一目瞭然だった。
「右翼が手薄だ!! 誰か、補助に――」
「俺が行こう」
フロンの指揮に俊敏な動きで飛び出したのはロンだった。すべて峰打ちで鎧を破壊し、右翼をあっという間に制圧した。空の兵士も、傷を負ってはいるがいずれも軽傷だ。
如何せん、数が多い。しかし、上からの援護もあった。
「エリンか……」
久遠城の窓から矢を射かけるエイルの顔までは龍人族も把握できまい。
正門前では、フロムとロンの善戦により、相手はどんどんと減る味方の数に怯えて後退していった。気絶している者達は乱雑に空から樹に投げられる。
気絶した仲間を全員収容すると、樹は縮むように下がっていった。
「ツーエン将軍、助かった。礼を言う」
「なに、俺はこれが本職だ――それより、覆面をとらせてくれ……息苦しくて敵わん」
すっぽりと被っていた布袋を取ると、新鮮な酸素を求めて、汗だくのロンが顔を見せた。
「こんな襲撃は珍しくないのか?」
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