27 / 36
海の章
壱、ロン・ツーエンの眠り
しおりを挟む
壱、「ロン・ツーエンの眠り」
竜宮の自室の寝台で、昏々と眠るロンを泣き腫らした両眼を隠しもしないセツカとヤンジン、そしてテムが見守っていた。
「……それが始祖の龍と三宝玉の真実か……」
セツカが語って聞かせた『始祖の龍』にまつわる真実に、ヤンジンとテムはただただロンを眺め続けるしかできない。
◇
会談の間で、左眼に宝玉を取り込み、邪神の恨みに飲まれてしまったロンが危害を加える前に、セツカは涙ながらにロンの体内を巡る血液を操って、彼を強制的な昏睡状態にした。
「……セツカ……」
そう呟いて、昏倒したロンに走り寄り、眠るロンを抱いて声も無く泣いた。
「真君、先ほどの呪符をもう一度ロンの左眼に貼ってください。今度は『破邪悠眠』の文字を入れて……お願い致します」
セツカに言われた通りの、呪符を作って力を込めた呪符をヤンジンはセツカに渡し、セツカは小さく呪を吹き込んでロンの左眼に呪符を張り付けた。
混乱を極めた会談の場にやってきたテムも、一部始終を見ていたようで愕然としてエイルに飛びついた。
恋人を抱いたまま泣く愛娘に心を痛めながらも、その場をまとめたのはエイシャだった。
「……リナリア、ルー・ソン……相見互いに思うところはあろうが、今は戦の時ではない。宝玉を失った以上、戦は禁物。犠牲となった哀れな母娘を祀り、後日改めて領空域を明確に決定する――タオ老師、恨みを忘れるなとは言わぬが、恨みの連鎖は我が娘の涙によって断ち切る。よいな?」
水球の中で茫然自失としていたタオは両手を合わせて、謝罪と礼を口にした。
エイルも溢れそうな涙を堪えながら「リナリア女王、フギ王子がとても心配しておられた」と呟く。
「……フギと、お逢いになった……?」
「はい。昨日のことです。私と真君に『母を助けて欲しい』と、『父を失った戦争はもう嫌だ』とおっしゃっていました。どうか、幼い王子に『母君は昏君であられた』などという心ない言葉をお耳に入れないようにしてあげてください――お願いします」
リナリアは「ああ」と両手で顔を覆った。
「つらいようじゃが、本日の三龍王会談はこれにて閉会としよう。エイシャ王よ、次回はいつになさるおつもりか?」
東方王がそう問えば、エイシャは「遅くとも三日以内には」と返す。リナリアとルー・ソンもそれに了承した。タオのルー・ソン王殺害未遂もその場で裁かれる。
二度目の三龍王会談は、五百年前の惨劇から生まれた怨嗟を痛感される集いとなった。
――たった一人の心優しい若者の眠りによって。
◇
ヤンジンはロンの部屋にあった椅子に腰かけて、セツカに再度問う。
「その『始祖の龍』の話を他に知る者は?」
セツカは心配そうにロンを覗き込むテムを手招いて膝に乗せた。
「わたくしだけです。仙界に留学した折、書庫で調べました」
「仙界で? ならば、俺や東方王ご夫妻が知らないのはなぜだ?」
「記憶をたどる術には限界があります。ですが、わたくしが見つけた『天地開闢廉書』の対になるはずだった紙片を、仙界で最も古い泉に浮かべ、海水に残る残留思念をかき集めたのです。創世期の思念ですから、三年と七カ月をかけてやっとたどり着きました」
「……なるほど。貴殿以上の水の使い手はいない。俺にも到底できない術だな。ロンの左眼が『始祖の龍』に由来すると知って、渋るこいつに抑止と封じの念を込めた呪符渡し、さっさと開放しちまえばこいつも自由になると考えていんたんだが、裏目に出てしまった……すまぬ。謝っても許されるとは思っていないが……」
セツカは「いいえ」と言った。
「ロンのお師匠様が真君だと知った時に眠っていたわたくしが、せめて義父上にだけでもお伝えするべきでした。三秘宝があのままだったら、真君が動かずともロンが眼帯を取り払っていたでしょう。もう天地が争うことはない。ですから、真君、もうご自身を責められないでくださいませ」
ヤンジンは返す言葉が見つからなかった。ロンが出逢った時からセツカをどれほど想っていたかを知っている身としては、今度はセツカに哀しい瞳をさせている負い目がぬぐえないのだ。
「ロンは、身の内で『始祖の龍』と戦っているはず――何千年の眠りであっても、ここを離れるつもりはございません。ロンは、五百年待ち、停戦中の国を巡る危険を冒してまで、わたくしを目覚めさせてくれましたもの……」
セツカは膝の上のテムを優しく撫でる。テムは目を細めてそれを甘受している。だが、ふと「セツカ」とテムは顔を上げた。
「なんでしょう?」
「今まで、ロン以外に『始祖の龍』の眼を持った奴はいなかったのか?」
「わたくしが調べた限りではいません。ロンと、『始祖の龍』は偶然が重なって波長が合ってしまったようなのです。醜いと実の家族に受け入れられなかった孤独と、醜悪な眼と憎む心、そして海の民であったこと」
「やはり海は『始祖』の思念が最も濃い、か」
ヤンジンは前傾姿勢になって顔を手で覆った。
「創世より遥か昔から海は『始祖』の住処だったせいでしょう。ですが、邪神となった『始祖』が呪った『世』は天と大地です」
「ゆえに、創世より天と地は争いが絶えぬ訳だ。すべては『始祖』が創り上げた舞台で我らは踊らされている」
「はい。ここで一つの疑問が浮かびます――『始祖の龍』が初めて言葉を交わした人間です。真君はどう思われますか?」
セツカは自身でも仮定がある。それを確信に変える為に、ヤンジンに問いを投げたのだ。
「貴殿とロンが惹かれ合った理由が解る気がするぜ。俺は、その人間――いや、仙人だろう。そいつこそが真の『始祖』だと思うがな」
「同感です。そして、その者はまだ世界を見守っている。わたくしは、そう思うのです。ロンがどう目覚めるのかを……きっと見定めていると」
「貴殿まで旅に出るなど行ってくれるなよ? それこそ俺は起きた瞬間にロンに縊り殺されちまう……」
「ふふっ、そうですね。ロンなら、きっと大丈夫。信じています」
テムを撫でながらセツカはやっと微笑んだ。ロンとセツカ――この二人の強い絆の正体が、ヤンジンはいまだに把握できずにいる。
◇
ロンの部屋を離れたヤンジンは一人、竜宮を歩く。せっかくセツカが五百年の眠りから覚め、ロンもセツカも後はただ幸せな時間を過ごして欲しいと願っていたのに、今度はセツカからロンを奪ってしまった。彼女は許してくれたが、ヤンジンは寝覚めが悪い。
「どうしたもんかねえ……」
でかい独り言を言いながら、部屋の前を通り過ぎると「わざとらしいですよ」とエイルが扉から顔を出した。
「偶然だなあ、エリン」
「だからわざとらしいですって。なんの御用でしょうか?」
「お前は誰かさんと違って手足が飛んでこないのが心地よくて、つい、な。ちと相談だ」
エイルは盛大に顔をしかめたが、部屋で一人腐っていてもしょうがないので、のそのそと部屋から出て、ヤンジンに「中庭の四阿に行きましょう」と声をかけた。
水面の下にありながら、陽光が入り込んでくる四阿は、人気も少なく、落ち着いて話すにはうってつけだった。
「真君が俺に相談って、何ですか? 嫌な予感しかしませんけど……」
「まあ、聞け。東方王様と西王母様、エイシャ王はもう気づかれていると思うが、三龍各界の御柱である秘宝がすべてロンの眼の中だ」
「あ、言われてみれば……!! それって、どの界にも柱が無いってことですよね!? 非常にまずいんじゃないですか?」
「そう。非常にまずい。だが、ロンの左眼を開放すれば『始祖の龍』の呪いが世界中にばら撒かれて、もっと悲惨な状態になる――となれば、奴の眼は封じたまま、秘宝だけを取り出す方法が必須になる――ここまではいいか?」
エイルは神妙な面持ちで頷いた。
「残念ながら、俺様くらいの高位の仙人でもそんな術は可能なのかが解らぬ。実行する身としても、危険の方が大きい。では、どうするか? 手っ取り早いのは、術を行使する数を増やして反動を分散してやる。これだけでもかなりの危険が軽減されるはず、というのが俺の仮定だ」
真君の説明に納得したエイルは「なるほど」と身体を前に乗り出した。
「じゃあ、問題は行使する人たちですよね? そんな高度な術士、片手程度しか思い浮かびませんけど……」
ヤンジンは指を折って数えるエイルの手を掴んだ――。
「まずはお一人目を説得に行く。付いてこい」
すっくと立ちあがったヤンジンの後ろを小走りで追いながら、エイルは「だ、誰ですか!?」と尋ねる。
ヤンジンは真顔で正面を向いたまま答えた。
「海底龍王エイシャ様だ」
続...
竜宮の自室の寝台で、昏々と眠るロンを泣き腫らした両眼を隠しもしないセツカとヤンジン、そしてテムが見守っていた。
「……それが始祖の龍と三宝玉の真実か……」
セツカが語って聞かせた『始祖の龍』にまつわる真実に、ヤンジンとテムはただただロンを眺め続けるしかできない。
◇
会談の間で、左眼に宝玉を取り込み、邪神の恨みに飲まれてしまったロンが危害を加える前に、セツカは涙ながらにロンの体内を巡る血液を操って、彼を強制的な昏睡状態にした。
「……セツカ……」
そう呟いて、昏倒したロンに走り寄り、眠るロンを抱いて声も無く泣いた。
「真君、先ほどの呪符をもう一度ロンの左眼に貼ってください。今度は『破邪悠眠』の文字を入れて……お願い致します」
セツカに言われた通りの、呪符を作って力を込めた呪符をヤンジンはセツカに渡し、セツカは小さく呪を吹き込んでロンの左眼に呪符を張り付けた。
混乱を極めた会談の場にやってきたテムも、一部始終を見ていたようで愕然としてエイルに飛びついた。
恋人を抱いたまま泣く愛娘に心を痛めながらも、その場をまとめたのはエイシャだった。
「……リナリア、ルー・ソン……相見互いに思うところはあろうが、今は戦の時ではない。宝玉を失った以上、戦は禁物。犠牲となった哀れな母娘を祀り、後日改めて領空域を明確に決定する――タオ老師、恨みを忘れるなとは言わぬが、恨みの連鎖は我が娘の涙によって断ち切る。よいな?」
水球の中で茫然自失としていたタオは両手を合わせて、謝罪と礼を口にした。
エイルも溢れそうな涙を堪えながら「リナリア女王、フギ王子がとても心配しておられた」と呟く。
「……フギと、お逢いになった……?」
「はい。昨日のことです。私と真君に『母を助けて欲しい』と、『父を失った戦争はもう嫌だ』とおっしゃっていました。どうか、幼い王子に『母君は昏君であられた』などという心ない言葉をお耳に入れないようにしてあげてください――お願いします」
リナリアは「ああ」と両手で顔を覆った。
「つらいようじゃが、本日の三龍王会談はこれにて閉会としよう。エイシャ王よ、次回はいつになさるおつもりか?」
東方王がそう問えば、エイシャは「遅くとも三日以内には」と返す。リナリアとルー・ソンもそれに了承した。タオのルー・ソン王殺害未遂もその場で裁かれる。
二度目の三龍王会談は、五百年前の惨劇から生まれた怨嗟を痛感される集いとなった。
――たった一人の心優しい若者の眠りによって。
◇
ヤンジンはロンの部屋にあった椅子に腰かけて、セツカに再度問う。
「その『始祖の龍』の話を他に知る者は?」
セツカは心配そうにロンを覗き込むテムを手招いて膝に乗せた。
「わたくしだけです。仙界に留学した折、書庫で調べました」
「仙界で? ならば、俺や東方王ご夫妻が知らないのはなぜだ?」
「記憶をたどる術には限界があります。ですが、わたくしが見つけた『天地開闢廉書』の対になるはずだった紙片を、仙界で最も古い泉に浮かべ、海水に残る残留思念をかき集めたのです。創世期の思念ですから、三年と七カ月をかけてやっとたどり着きました」
「……なるほど。貴殿以上の水の使い手はいない。俺にも到底できない術だな。ロンの左眼が『始祖の龍』に由来すると知って、渋るこいつに抑止と封じの念を込めた呪符渡し、さっさと開放しちまえばこいつも自由になると考えていんたんだが、裏目に出てしまった……すまぬ。謝っても許されるとは思っていないが……」
セツカは「いいえ」と言った。
「ロンのお師匠様が真君だと知った時に眠っていたわたくしが、せめて義父上にだけでもお伝えするべきでした。三秘宝があのままだったら、真君が動かずともロンが眼帯を取り払っていたでしょう。もう天地が争うことはない。ですから、真君、もうご自身を責められないでくださいませ」
ヤンジンは返す言葉が見つからなかった。ロンが出逢った時からセツカをどれほど想っていたかを知っている身としては、今度はセツカに哀しい瞳をさせている負い目がぬぐえないのだ。
「ロンは、身の内で『始祖の龍』と戦っているはず――何千年の眠りであっても、ここを離れるつもりはございません。ロンは、五百年待ち、停戦中の国を巡る危険を冒してまで、わたくしを目覚めさせてくれましたもの……」
セツカは膝の上のテムを優しく撫でる。テムは目を細めてそれを甘受している。だが、ふと「セツカ」とテムは顔を上げた。
「なんでしょう?」
「今まで、ロン以外に『始祖の龍』の眼を持った奴はいなかったのか?」
「わたくしが調べた限りではいません。ロンと、『始祖の龍』は偶然が重なって波長が合ってしまったようなのです。醜いと実の家族に受け入れられなかった孤独と、醜悪な眼と憎む心、そして海の民であったこと」
「やはり海は『始祖』の思念が最も濃い、か」
ヤンジンは前傾姿勢になって顔を手で覆った。
「創世より遥か昔から海は『始祖』の住処だったせいでしょう。ですが、邪神となった『始祖』が呪った『世』は天と大地です」
「ゆえに、創世より天と地は争いが絶えぬ訳だ。すべては『始祖』が創り上げた舞台で我らは踊らされている」
「はい。ここで一つの疑問が浮かびます――『始祖の龍』が初めて言葉を交わした人間です。真君はどう思われますか?」
セツカは自身でも仮定がある。それを確信に変える為に、ヤンジンに問いを投げたのだ。
「貴殿とロンが惹かれ合った理由が解る気がするぜ。俺は、その人間――いや、仙人だろう。そいつこそが真の『始祖』だと思うがな」
「同感です。そして、その者はまだ世界を見守っている。わたくしは、そう思うのです。ロンがどう目覚めるのかを……きっと見定めていると」
「貴殿まで旅に出るなど行ってくれるなよ? それこそ俺は起きた瞬間にロンに縊り殺されちまう……」
「ふふっ、そうですね。ロンなら、きっと大丈夫。信じています」
テムを撫でながらセツカはやっと微笑んだ。ロンとセツカ――この二人の強い絆の正体が、ヤンジンはいまだに把握できずにいる。
◇
ロンの部屋を離れたヤンジンは一人、竜宮を歩く。せっかくセツカが五百年の眠りから覚め、ロンもセツカも後はただ幸せな時間を過ごして欲しいと願っていたのに、今度はセツカからロンを奪ってしまった。彼女は許してくれたが、ヤンジンは寝覚めが悪い。
「どうしたもんかねえ……」
でかい独り言を言いながら、部屋の前を通り過ぎると「わざとらしいですよ」とエイルが扉から顔を出した。
「偶然だなあ、エリン」
「だからわざとらしいですって。なんの御用でしょうか?」
「お前は誰かさんと違って手足が飛んでこないのが心地よくて、つい、な。ちと相談だ」
エイルは盛大に顔をしかめたが、部屋で一人腐っていてもしょうがないので、のそのそと部屋から出て、ヤンジンに「中庭の四阿に行きましょう」と声をかけた。
水面の下にありながら、陽光が入り込んでくる四阿は、人気も少なく、落ち着いて話すにはうってつけだった。
「真君が俺に相談って、何ですか? 嫌な予感しかしませんけど……」
「まあ、聞け。東方王様と西王母様、エイシャ王はもう気づかれていると思うが、三龍各界の御柱である秘宝がすべてロンの眼の中だ」
「あ、言われてみれば……!! それって、どの界にも柱が無いってことですよね!? 非常にまずいんじゃないですか?」
「そう。非常にまずい。だが、ロンの左眼を開放すれば『始祖の龍』の呪いが世界中にばら撒かれて、もっと悲惨な状態になる――となれば、奴の眼は封じたまま、秘宝だけを取り出す方法が必須になる――ここまではいいか?」
エイルは神妙な面持ちで頷いた。
「残念ながら、俺様くらいの高位の仙人でもそんな術は可能なのかが解らぬ。実行する身としても、危険の方が大きい。では、どうするか? 手っ取り早いのは、術を行使する数を増やして反動を分散してやる。これだけでもかなりの危険が軽減されるはず、というのが俺の仮定だ」
真君の説明に納得したエイルは「なるほど」と身体を前に乗り出した。
「じゃあ、問題は行使する人たちですよね? そんな高度な術士、片手程度しか思い浮かびませんけど……」
ヤンジンは指を折って数えるエイルの手を掴んだ――。
「まずはお一人目を説得に行く。付いてこい」
すっくと立ちあがったヤンジンの後ろを小走りで追いながら、エイルは「だ、誰ですか!?」と尋ねる。
ヤンジンは真顔で正面を向いたまま答えた。
「海底龍王エイシャ様だ」
続...
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる