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口は災いの元
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「さぁ、たっちしてほらほら」
まだ、はっきりしない意識の中でゴーフルを呼び掛ける声がした。
どこか懐かしい声だ。
「んん、ママ?」
思わずそう呟いて、ゴーフルは我に返った。
そこは、バスではなく列車の中だった。
いつの間にか眠ってしまったゴーフルをマリッサは抱きかかえて乗り換えたのだろう。
「そうよ、私がママよ。よく眠ったわね」
「……あ、いやこれは……」
顔を真っ赤にしてゴーフルが言い訳の言葉を探す。
「あらあら兄さん、顔が真っ赤よ。お熱でもあるのかしら? 」
わざとらしくマリッサがからかいの言葉をささやき、おでこをくっつける。
「やめてよ、恥ずかしいよ」
精一杯の抵抗の言葉は消えいりそうだ。
「今のうちにトイレにと思ったけど間に合わなかったみたいね」
マリッサの言葉の通り、ゴーフルの下半身は冷たくなっていた。
「うう、またやっちゃった」
「いいのよ、その為にオムツをしてるんだから。さぁベビーベッドのある車両まで行きましょ」
マリッサに手を引かれて、赤ちゃん用の授乳や着替えができる部屋に向かう。
その途中で、同じように着替えから戻ったと思われる親子とすれ違う。
相手もマリッサと同じくらいの若い母親で、子供はゴーフルよりも少し小さい。
マリッサは、どこか親しみを込めた表情でその母親に会釈をした。
ゴーフルはできるだけ目を合わせないよううつ向いていた。
「ママ、あの子も間に合わなかったのかな?」
「そうかもしれないわね。可愛い女の子ね」
そんな会話が聞こえてきた。
たしかに、今のゴーフルの格好を見て男だと気づく者はいないだろう。
「よいしょ、はいここに寝転んでね」
一段高くなったベッドには、子供が間違って落ちないように高めの柵に囲まれていた。
子供というよりも、それはもっと幼い赤ん坊の為のベッドという感じだ。
「じゃあドレスを捲るから、足をあげましょうね」
言われるままに、恥ずかしい体の一部を妹に向かって晒す。
「いいこね、助かるわ」
マリッサは兄のその姿勢にも微塵も動揺していない。
「は、はやくしてよ」
ゴーフルが急かす。
「ふふ、小さいけれど可愛い女の子なのに、あそこがついてるわ」
「ああ、見ちゃいやぁ」
「大丈夫よ、産まれたまんまで毛なんて生えてないし、兄さんのおちっこで汚れてるそれはとっても愛らしいわ」
「やだよ、早くしてマリッサ!」
マリッサはわざとらしく、ゆっくり綺麗に拭き取っていく。
ゴーフルは、気持ち悪さがなくなって心地よさを感じながら、それでも外気に触れた為にぶるっと身体を震わせる。
「はい、終わったわよ」
「あ、ありがとう。じゃあ早く……」
ゴーフルはそこまで言って言葉に詰まった。
自ら、オムツをあてて欲しいとマリッサに懇願するのはゴーフルにとって屈辱的だった。
「早くどうして欲しいのかしら?」
マリッサが目敏く気付き言葉を促す。
「え、えーとオムツを……」
「どうしたの?」
「オムツを当てて下さい」
ゴーフルは何とか声に出す。
「いいわよ」
ゴーフルはホッと胸を撫で下ろす。
「その代わり、さっきみたいに私の事をママって呼んでね。ママ、大好きなオムツをぼくに当てて!って言うのよ」
マリッサの口から思ってもいない要求が飛び出す。
「そ、そんな事……」
「いいのよ、言わないなら。そのままスカートの下に何も履かずに客席に戻りましょうか」
マリッサが笑いながら言う。
冗談を言う時の笑いではない、本気の時の微笑みだった。
まだ、はっきりしない意識の中でゴーフルを呼び掛ける声がした。
どこか懐かしい声だ。
「んん、ママ?」
思わずそう呟いて、ゴーフルは我に返った。
そこは、バスではなく列車の中だった。
いつの間にか眠ってしまったゴーフルをマリッサは抱きかかえて乗り換えたのだろう。
「そうよ、私がママよ。よく眠ったわね」
「……あ、いやこれは……」
顔を真っ赤にしてゴーフルが言い訳の言葉を探す。
「あらあら兄さん、顔が真っ赤よ。お熱でもあるのかしら? 」
わざとらしくマリッサがからかいの言葉をささやき、おでこをくっつける。
「やめてよ、恥ずかしいよ」
精一杯の抵抗の言葉は消えいりそうだ。
「今のうちにトイレにと思ったけど間に合わなかったみたいね」
マリッサの言葉の通り、ゴーフルの下半身は冷たくなっていた。
「うう、またやっちゃった」
「いいのよ、その為にオムツをしてるんだから。さぁベビーベッドのある車両まで行きましょ」
マリッサに手を引かれて、赤ちゃん用の授乳や着替えができる部屋に向かう。
その途中で、同じように着替えから戻ったと思われる親子とすれ違う。
相手もマリッサと同じくらいの若い母親で、子供はゴーフルよりも少し小さい。
マリッサは、どこか親しみを込めた表情でその母親に会釈をした。
ゴーフルはできるだけ目を合わせないよううつ向いていた。
「ママ、あの子も間に合わなかったのかな?」
「そうかもしれないわね。可愛い女の子ね」
そんな会話が聞こえてきた。
たしかに、今のゴーフルの格好を見て男だと気づく者はいないだろう。
「よいしょ、はいここに寝転んでね」
一段高くなったベッドには、子供が間違って落ちないように高めの柵に囲まれていた。
子供というよりも、それはもっと幼い赤ん坊の為のベッドという感じだ。
「じゃあドレスを捲るから、足をあげましょうね」
言われるままに、恥ずかしい体の一部を妹に向かって晒す。
「いいこね、助かるわ」
マリッサは兄のその姿勢にも微塵も動揺していない。
「は、はやくしてよ」
ゴーフルが急かす。
「ふふ、小さいけれど可愛い女の子なのに、あそこがついてるわ」
「ああ、見ちゃいやぁ」
「大丈夫よ、産まれたまんまで毛なんて生えてないし、兄さんのおちっこで汚れてるそれはとっても愛らしいわ」
「やだよ、早くしてマリッサ!」
マリッサはわざとらしく、ゆっくり綺麗に拭き取っていく。
ゴーフルは、気持ち悪さがなくなって心地よさを感じながら、それでも外気に触れた為にぶるっと身体を震わせる。
「はい、終わったわよ」
「あ、ありがとう。じゃあ早く……」
ゴーフルはそこまで言って言葉に詰まった。
自ら、オムツをあてて欲しいとマリッサに懇願するのはゴーフルにとって屈辱的だった。
「早くどうして欲しいのかしら?」
マリッサが目敏く気付き言葉を促す。
「え、えーとオムツを……」
「どうしたの?」
「オムツを当てて下さい」
ゴーフルは何とか声に出す。
「いいわよ」
ゴーフルはホッと胸を撫で下ろす。
「その代わり、さっきみたいに私の事をママって呼んでね。ママ、大好きなオムツをぼくに当てて!って言うのよ」
マリッサの口から思ってもいない要求が飛び出す。
「そ、そんな事……」
「いいのよ、言わないなら。そのままスカートの下に何も履かずに客席に戻りましょうか」
マリッサが笑いながら言う。
冗談を言う時の笑いではない、本気の時の微笑みだった。
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