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ジャスミンとリッカ①
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アレクには、お姉さんと妹ががいた。
アレクのお姉さんは、マリッサの同級生だったので、ゴーフルとも全く面識がない訳ではなかった。
「ただいま」
ゴーフルは情けない姿を誰にも見られたくないので、静かにアレクの家に入る。
「ほら、そんな所に立ってないで入れよ」
その様子を見てアレクは少し苛ついていた。
「あら、おかえりなさい! 」
奥からアレクの姉であるジャスミンが現れる。
足下には妹のリッカがいた。
「お兄たま、おかえりなさい。その子だぁれ?」
「ふふっ、なんだか不思議ね。ねぇアレク?」
「なんだよ」
「だって、昔のあなたもそんな感じで玄関でモジモジしていたことがあったわね」
「……」
アレクは、何も言わない。
ジャスミンは、今度は玄関に立っていたゴーフルに向かって言った。
「大丈夫よ、こちらにおいで」
手を広げて彼女が迎え入れる。
「姉さん、後頼むよ」
アレクはそれを見届けて奥に引っ込んだ。
「まずは、シャワーを浴びようね。そのままじゃ風邪を引いてしまうわ」
下半身の不快感と、冷たさでゴーフルはブルッと震える。
優しく手を引かれてシャワー室に向かう間、リッカが好奇心でじろじろとゴーフルを見てくる。
「あぁ、おもらししちゃったの?そっかぁまだオムツなんだね、ふぅーん。あたちはねえ、今はもうお姉さんパンツなんだよ」
「こらリッカ、可哀想でしょ。まだ小さいんだから!リッカだって、つい最近まで夜の失敗が続いてたわよね?」
「でもでも、あたちお昼はちゃんとおトイレでしてるもん。もう赤ちゃんじゃないもん」
どう見ても4歳未満のリッカの言葉に、ゴーフルは顔を赤らめる。
「そうね、リッカはもうお姉ちゃんなんだから、小さな子には優しくできるわよね」
ジャスミンは子育てに慣れているようで、簡単にリッカを言い含めてしまう。
「うん、分かった。あたちお姉たんだから」
満面の笑みを、ゴーフルに向けるリッカの目は純粋な分、余計に厄介だ。
「さぁ、1人で脱ぎ脱ぎできるかな? ああ、そのリュックを背負ったままじゃ無理よ」
ゴーフルは、自分の力だけで衣服を脱げる事を示そうとしたが、かえって1人では着替えにも苦戦するような幼い子供だと認識されてしまった。
「はい、ばんざーい」
リッカが追い打ちをかけるように声を出す。
ゴーフルは、諦めの意味を込めて手を上げる。
それを優しくジャスミンが脱がしていく。
「はい、右のあんよ」
「ひだりのあんよ♪」
2人がかりでゴーフルは裸にされる。
「ちょっと待ってね。リッカ、あなたもついでに入っちゃいなさい!」
「はーい」
先ほどのゴーフルとは異なり、リッカはさっさと着ていた衣服を脱ぎ捨てていく。
「えへへ、おもらしちゃんも一緒に入ろう」
「お、おもらしちゃんじゃないもん」
リッカを目の前にした、ゴーフルの口調は自然と幼児の言葉を真似ていた。
意識的に真似たというよりは、今の自分の状況を脳が判断し無意識にそのようなしゃべり方になってしまったようだ。
「さぁ、身体を綺麗に洗ってあげる」
ジャスミンも履いていた長いスカートを脱ぎ捨てて太ももを露出させている。
言葉の通り、ゴーフルはジャスミンによって汚れた身体をスポンジで拭われていく。
大人の頃はおろか、子供時代ですら他人に身体を洗ってもらった経験をゴーフルはした事がない。
されるがままに、髪や下半身も泡に包まれていく。
「ふふ、アワアワのお風呂は気持ちいいでしょ?」
リッカが同じように泡に包まれてゴーフルに笑顔を向けた。
鏡には、少し頬を緩ませたゴーフルの顔が写っていた。
「じゃあ、仕上げにいつものパタパタもしましょうか?」
「わーい、リッカもパタパタしたい」
「パタパタってなに?」
「身体を拭いたら、オムツかぶれにならないように白い粉でパタパタするのよ」
ゴーフルは聞きなれない言葉に戸惑いを覚えた。
「リッカも、それをやるの?」
思いきってゴーフルは尋ねる。
「あたちは、最近やってないけど。くすぐったくて、あまーい匂いがするんだよ」
それを聞いて、ゴーフルは恥ずかしさを感じた。
自分より年下の幼児がすでに卒業したオムツを、身につける事になるという事実上に羞恥心を感じたのだ。
「あったあった。リュックの中にちゃんと替えのオムツも入ってたわよ」
アルフレッドが、ゴーフルに必要なものを入れたといったのはそういう事だったのだ。
「えーと、やっぱり。これ赤ちゃんリュックね?だったら、ふむふむ住所はこの近くね。連絡先も書いてる!」
「あ、それは」
ジャスミンは、マリッサの連絡先を当然知っている。
という事は、もしかするとゴーフルが依然大人であったマリッサの兄であると気づく可能性もある。
「ふふ、アーシャちゃんて言うんだ。マリッサらしいわね」
「え!?」
「どこかで貴方のことを見た事がある気がしてたのよ」
ジャスミンが、かがみこんでゴーフルをじっと見つめた。
もし、正体が分かってしまったら、あの失敗や一緒に入浴した事も問いただされるだろう。
ゴーフルはどうにか誤魔化す方法はないか、頭を働かせていた。
アレクのお姉さんは、マリッサの同級生だったので、ゴーフルとも全く面識がない訳ではなかった。
「ただいま」
ゴーフルは情けない姿を誰にも見られたくないので、静かにアレクの家に入る。
「ほら、そんな所に立ってないで入れよ」
その様子を見てアレクは少し苛ついていた。
「あら、おかえりなさい! 」
奥からアレクの姉であるジャスミンが現れる。
足下には妹のリッカがいた。
「お兄たま、おかえりなさい。その子だぁれ?」
「ふふっ、なんだか不思議ね。ねぇアレク?」
「なんだよ」
「だって、昔のあなたもそんな感じで玄関でモジモジしていたことがあったわね」
「……」
アレクは、何も言わない。
ジャスミンは、今度は玄関に立っていたゴーフルに向かって言った。
「大丈夫よ、こちらにおいで」
手を広げて彼女が迎え入れる。
「姉さん、後頼むよ」
アレクはそれを見届けて奥に引っ込んだ。
「まずは、シャワーを浴びようね。そのままじゃ風邪を引いてしまうわ」
下半身の不快感と、冷たさでゴーフルはブルッと震える。
優しく手を引かれてシャワー室に向かう間、リッカが好奇心でじろじろとゴーフルを見てくる。
「あぁ、おもらししちゃったの?そっかぁまだオムツなんだね、ふぅーん。あたちはねえ、今はもうお姉さんパンツなんだよ」
「こらリッカ、可哀想でしょ。まだ小さいんだから!リッカだって、つい最近まで夜の失敗が続いてたわよね?」
「でもでも、あたちお昼はちゃんとおトイレでしてるもん。もう赤ちゃんじゃないもん」
どう見ても4歳未満のリッカの言葉に、ゴーフルは顔を赤らめる。
「そうね、リッカはもうお姉ちゃんなんだから、小さな子には優しくできるわよね」
ジャスミンは子育てに慣れているようで、簡単にリッカを言い含めてしまう。
「うん、分かった。あたちお姉たんだから」
満面の笑みを、ゴーフルに向けるリッカの目は純粋な分、余計に厄介だ。
「さぁ、1人で脱ぎ脱ぎできるかな? ああ、そのリュックを背負ったままじゃ無理よ」
ゴーフルは、自分の力だけで衣服を脱げる事を示そうとしたが、かえって1人では着替えにも苦戦するような幼い子供だと認識されてしまった。
「はい、ばんざーい」
リッカが追い打ちをかけるように声を出す。
ゴーフルは、諦めの意味を込めて手を上げる。
それを優しくジャスミンが脱がしていく。
「はい、右のあんよ」
「ひだりのあんよ♪」
2人がかりでゴーフルは裸にされる。
「ちょっと待ってね。リッカ、あなたもついでに入っちゃいなさい!」
「はーい」
先ほどのゴーフルとは異なり、リッカはさっさと着ていた衣服を脱ぎ捨てていく。
「えへへ、おもらしちゃんも一緒に入ろう」
「お、おもらしちゃんじゃないもん」
リッカを目の前にした、ゴーフルの口調は自然と幼児の言葉を真似ていた。
意識的に真似たというよりは、今の自分の状況を脳が判断し無意識にそのようなしゃべり方になってしまったようだ。
「さぁ、身体を綺麗に洗ってあげる」
ジャスミンも履いていた長いスカートを脱ぎ捨てて太ももを露出させている。
言葉の通り、ゴーフルはジャスミンによって汚れた身体をスポンジで拭われていく。
大人の頃はおろか、子供時代ですら他人に身体を洗ってもらった経験をゴーフルはした事がない。
されるがままに、髪や下半身も泡に包まれていく。
「ふふ、アワアワのお風呂は気持ちいいでしょ?」
リッカが同じように泡に包まれてゴーフルに笑顔を向けた。
鏡には、少し頬を緩ませたゴーフルの顔が写っていた。
「じゃあ、仕上げにいつものパタパタもしましょうか?」
「わーい、リッカもパタパタしたい」
「パタパタってなに?」
「身体を拭いたら、オムツかぶれにならないように白い粉でパタパタするのよ」
ゴーフルは聞きなれない言葉に戸惑いを覚えた。
「リッカも、それをやるの?」
思いきってゴーフルは尋ねる。
「あたちは、最近やってないけど。くすぐったくて、あまーい匂いがするんだよ」
それを聞いて、ゴーフルは恥ずかしさを感じた。
自分より年下の幼児がすでに卒業したオムツを、身につける事になるという事実上に羞恥心を感じたのだ。
「あったあった。リュックの中にちゃんと替えのオムツも入ってたわよ」
アルフレッドが、ゴーフルに必要なものを入れたといったのはそういう事だったのだ。
「えーと、やっぱり。これ赤ちゃんリュックね?だったら、ふむふむ住所はこの近くね。連絡先も書いてる!」
「あ、それは」
ジャスミンは、マリッサの連絡先を当然知っている。
という事は、もしかするとゴーフルが依然大人であったマリッサの兄であると気づく可能性もある。
「ふふ、アーシャちゃんて言うんだ。マリッサらしいわね」
「え!?」
「どこかで貴方のことを見た事がある気がしてたのよ」
ジャスミンが、かがみこんでゴーフルをじっと見つめた。
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