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モラリスト
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それから私は村に戻った。
私が居ないことに気づいたお母様は腹を立てただろう。
私は村には戻ったが、そこは自宅ではなく別の場所である。
夜になり、辺りが暗くなりはじめた頃に私はあの、頭がおかしな醜男の家を訪ねた。
「ねぇ、兄さん開けて。お願い」
扉を叩くと、男は顔を出し驚く。
そこには、最愛の妹が立っていたからだ。
「は、ハンナ」
どこまで似ているのかは分からないが、暗がりなら多少の違いは分からない。
「なぜ、戻ってきたんだ。あの男はどうした」
「兄さん、ねえ、兄さん」
私は涙を浮かべ、そのまま男の胸に飛び込んだ。
半透明の薄いピンクの布地を一枚羽織っただけで下着などはつけていない。
ピッタリとくっつけば、お互いの肉の感触がそのまま伝わるほどだった。
男の心臓の鼓動、息乱れにわざと呼応させるように、短く激しく息を吐き出す。
「ハンナ、すまなかった。俺はどうかしていたんだ」
「兄さん、言わないで」
人差し指を男の唇にあてる。
「大丈夫、私全部わかっていたから」
「ああ、すまない。俺は……俺は……」
男は泣きながら、しかしその手で私の体を弄ろうと膝の辺りで指先を這わせる。
私はそれを無理やり両方のふとももで挟み込みがっちりと抑え込む。
身動きがとれなくなった男の身体が前傾に傾く。
私は両腕を男の首裏に回し顔を近づける。
「ハンナ、駄目だ、ハンナ」
そう言いながらも、私が近づけた唇に吸い付くように合わせてくる。
臭気で噎せそうになるのを堪えながら舌を絡ませていく。
男の脆弱な理性を壊しながら、小さな指で逆に男のそれを撫で回す。
「はぁ、はぁだ、だめ」
「兄さん、こんなに私はあなたを愛しているというのに」
「俺っ、ぁぁぁ」
「でも、もう行かないと。私逃げてきたのよ」
あと少しという所で私は手を止めて、離れる。
「はぁはぁ、な、なんで」
「だから、助けてくね。兄さん」
「絶対に、助ける」
「兄さん、ありがとう。助けてくれたらきっとこの続きを、いえそれ以上のことを」
「ハンナ、行くのか」
「行かないと、あの女に捕まってしまうわ」
「ハンナ、助けるからな」
「ええ、待ってるわ兄さん、きっと私をあそこから救い出してね」
「ああ」
足早に扉を開けて私は闇夜に飛び出した。
それから私は自宅へと向かった。
まだ口の中がざらつく不快感に支配されていた。
私が居ないことに気づいたお母様は腹を立てただろう。
私は村には戻ったが、そこは自宅ではなく別の場所である。
夜になり、辺りが暗くなりはじめた頃に私はあの、頭がおかしな醜男の家を訪ねた。
「ねぇ、兄さん開けて。お願い」
扉を叩くと、男は顔を出し驚く。
そこには、最愛の妹が立っていたからだ。
「は、ハンナ」
どこまで似ているのかは分からないが、暗がりなら多少の違いは分からない。
「なぜ、戻ってきたんだ。あの男はどうした」
「兄さん、ねえ、兄さん」
私は涙を浮かべ、そのまま男の胸に飛び込んだ。
半透明の薄いピンクの布地を一枚羽織っただけで下着などはつけていない。
ピッタリとくっつけば、お互いの肉の感触がそのまま伝わるほどだった。
男の心臓の鼓動、息乱れにわざと呼応させるように、短く激しく息を吐き出す。
「ハンナ、すまなかった。俺はどうかしていたんだ」
「兄さん、言わないで」
人差し指を男の唇にあてる。
「大丈夫、私全部わかっていたから」
「ああ、すまない。俺は……俺は……」
男は泣きながら、しかしその手で私の体を弄ろうと膝の辺りで指先を這わせる。
私はそれを無理やり両方のふとももで挟み込みがっちりと抑え込む。
身動きがとれなくなった男の身体が前傾に傾く。
私は両腕を男の首裏に回し顔を近づける。
「ハンナ、駄目だ、ハンナ」
そう言いながらも、私が近づけた唇に吸い付くように合わせてくる。
臭気で噎せそうになるのを堪えながら舌を絡ませていく。
男の脆弱な理性を壊しながら、小さな指で逆に男のそれを撫で回す。
「はぁ、はぁだ、だめ」
「兄さん、こんなに私はあなたを愛しているというのに」
「俺っ、ぁぁぁ」
「でも、もう行かないと。私逃げてきたのよ」
あと少しという所で私は手を止めて、離れる。
「はぁはぁ、な、なんで」
「だから、助けてくね。兄さん」
「絶対に、助ける」
「兄さん、ありがとう。助けてくれたらきっとこの続きを、いえそれ以上のことを」
「ハンナ、行くのか」
「行かないと、あの女に捕まってしまうわ」
「ハンナ、助けるからな」
「ええ、待ってるわ兄さん、きっと私をあそこから救い出してね」
「ああ」
足早に扉を開けて私は闇夜に飛び出した。
それから私は自宅へと向かった。
まだ口の中がざらつく不快感に支配されていた。
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