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壮年の白騎士は圧勝しました
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「ちっ、今日のところは勘弁してやる! 今度あったらボコボコにしてやるからな」
勇ましい負け惜しみを叫んだ敵国の騎士達は一目散に撤退していった。
「何度やったら諦めるんだあいつら」
傷1つ負っていない白騎士のライオットは、わざわざ追撃するような事はしない。
相手が自国の領土に逃げていくのを確認し、あとは見張り達に仕事を引き継いだ。
「ライオットさん、お疲れ様です!今日も強かったですね」
ライオットに声をかけたのは黒騎士のミーナだ。
銀の短髪で瞳は赤みががった茶色、騎士にも関わらず高貴な人間のように立ち振る舞いに品格が漂う。
額の汗すら、キラキラと光に照らされれば宝石のようであった。
代々騎士の家系であるゼヴィウス家の長女として産まれた彼女は、跡取りであった兄が夭逝した為、黒騎士の称号を引き継ぐ事になった。
「いやいや、君も強かったよ。その細腕で敵をどんどん斬り倒す姿は圧巻だった」
常に甲冑を着ているのでライオットは、ミーナが女性という事には気づいていない。
隠しているつもりはなかったのだが、ライオットは男性だと強く思い込んでおり、本当の事をいいそびれてしまっていた。
ミーナが小回りが効く速攻型の騎士であるのに対して、ライオットは隆々とした上半身の腕力を活かしたパワー型の騎士であった。
「一度、俺も稽古をつけてもらおうかな。何しろ君のお祖父様は伝説の黒騎士ガルガンティア様だからな」
「いえいえ、私なんてお祖父様からしたら赤子同然ですよ」
ライオットはけっして品があるとは言えなかったが、良い意味で泥臭く、豪気な性格だ。
「はっはっは、どうだこの大浴場でひと風呂浴びてから酒でも飲まないか!」
「は、はい。そうしたい気持ちはありますが私は姫様への報告に向かいます」
「なんだ、そんなのは衛兵等に任せておけばいいじゃないか」
「そうはいきませんよ、騎士たるもの忠誠を誓った主様への礼節も大切な仕事ですから」
「相変わらず固いな君は。まぁいいだろう俺は後から行くとしよう。君の早馬ならすぐだろうしな」
「はい、おまかせください」
ミーナは一礼して、馬を走らせた。
みるみるうちに見えなくなった。
「皆の衆、それでは勝利の祝杯をあげよう!その前にこの汚れきった肉体を清めようぞ!」
「おぉー」
若手の騎士らを引き連れてライオットは大浴場へと向かった。
ライオットは、他の騎士からの信頼も厚く、よく慕われていた。
士気が高いのはライオットのような面倒見の良い騎士がいるおかげだろう。
そこに目をつけたのは、敵国の科学者の1人パーセルだった。
勇ましい負け惜しみを叫んだ敵国の騎士達は一目散に撤退していった。
「何度やったら諦めるんだあいつら」
傷1つ負っていない白騎士のライオットは、わざわざ追撃するような事はしない。
相手が自国の領土に逃げていくのを確認し、あとは見張り達に仕事を引き継いだ。
「ライオットさん、お疲れ様です!今日も強かったですね」
ライオットに声をかけたのは黒騎士のミーナだ。
銀の短髪で瞳は赤みががった茶色、騎士にも関わらず高貴な人間のように立ち振る舞いに品格が漂う。
額の汗すら、キラキラと光に照らされれば宝石のようであった。
代々騎士の家系であるゼヴィウス家の長女として産まれた彼女は、跡取りであった兄が夭逝した為、黒騎士の称号を引き継ぐ事になった。
「いやいや、君も強かったよ。その細腕で敵をどんどん斬り倒す姿は圧巻だった」
常に甲冑を着ているのでライオットは、ミーナが女性という事には気づいていない。
隠しているつもりはなかったのだが、ライオットは男性だと強く思い込んでおり、本当の事をいいそびれてしまっていた。
ミーナが小回りが効く速攻型の騎士であるのに対して、ライオットは隆々とした上半身の腕力を活かしたパワー型の騎士であった。
「一度、俺も稽古をつけてもらおうかな。何しろ君のお祖父様は伝説の黒騎士ガルガンティア様だからな」
「いえいえ、私なんてお祖父様からしたら赤子同然ですよ」
ライオットはけっして品があるとは言えなかったが、良い意味で泥臭く、豪気な性格だ。
「はっはっは、どうだこの大浴場でひと風呂浴びてから酒でも飲まないか!」
「は、はい。そうしたい気持ちはありますが私は姫様への報告に向かいます」
「なんだ、そんなのは衛兵等に任せておけばいいじゃないか」
「そうはいきませんよ、騎士たるもの忠誠を誓った主様への礼節も大切な仕事ですから」
「相変わらず固いな君は。まぁいいだろう俺は後から行くとしよう。君の早馬ならすぐだろうしな」
「はい、おまかせください」
ミーナは一礼して、馬を走らせた。
みるみるうちに見えなくなった。
「皆の衆、それでは勝利の祝杯をあげよう!その前にこの汚れきった肉体を清めようぞ!」
「おぉー」
若手の騎士らを引き連れてライオットは大浴場へと向かった。
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そこに目をつけたのは、敵国の科学者の1人パーセルだった。
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