12 / 373
第1章
12.アルター指導員の講義――光の神々と闇の神々――
しおりを挟む
それでは、神々の教義について大まかにお教えしましょう。
まず、神々は「光の神々」と「闇の神々」に分けられますが、始原の母によって神々が創られた際には、そのような区別はありませんでした。
後に神々の意見が対立し、神々の集いから五柱の大神らが離脱した後に、離脱した神々が「闇の神々」と呼ばれるようになったに過ぎません。
そのように呼ばれる理由は、最初に離脱したのが暗黒神アーリファだったからです。
暗黒という言葉から闇が連想された訳です。
これに対応して、集いに残った神々は「光の神々」と呼ばれるようになりました。
しかし、これは後の世の者たちが便宜的にそう呼ぶようになっただけで、神々が「光の神」「闇の神」と自称する事はありません。
実際、闇の神々は互いに協調している訳ではなく、少なくとも闇の五大神と呼ばれる神々は、各々自分以外の神は全て間違っていると称しています。
闇の小神の中には大神に従属する者も少なからずいますが、中には小神でありながら自身だけが正しいと主張する者も存在します。
つまり少なくとも「闇の神々」を一つの仲間であると考えるのは適切ではありません。
これに比べると光の神々は互いに協調しあっており、仲間意識はあるといえますな。
ちなみに、神託等において神々自身は、「集いに残った者たち」「集いから離れた者たち」と称することがあります。
光の神々の闇の神々の間には、明白な違いが存在します。それは、寛容さと協調性です。
光の神々は寛容で協調性があるのに対して、闇の神々にはこれらの概念は希薄です。
光の神々の教義には、それぞれ対立する点もありますが、光の神々は基本的に互いに寛容で協調しあっています。
状況によって好ましい対応は違ってくるし、正しい答えは人によって違う、同じ人の中ですら時として正しい答えは変わるということを理解し、自身の考えを無条件に押し付けることはしません。
しかしこの結果、光の神々には「絶対的な教義」「絶対的な正義」が存在しないという信者にとってはある意味不安定な状況も生じてしまっています。
例えば、今の社会のあり方が、正しいのか正しくないのか、光の神々は簡単に断言してはくれないのです。このため信者には迷いが生じます。
また、教義を曲解されてしまう危険も生じているといえます。
光の神々は、信徒に対しても基本的に寛容であるため、自らの考えと個々の信徒の解釈に多少の違いがあっても、神託でとがめるようなことは少ないといわれます。
もともと神託自体が頻繁にあることではないのですが、それを差し引いても光の神々が信者を神託で責めることは、闇の神々に比べて少ないといわれています。
結果、教義の拡大解釈などが起きてしまうこともあるわけです。
そもそも、光の神々は、世界のありようを基本的に担い手達に委ねており、細かい事まで指示したり命令したりしようとは考えていない。とも言われていますな。
また、光の神々の信者には、漠然と光の神々全体を信じているという者や、最も敬意を払う神は決めているが、同時に他の神に祈ることもある、といった者も少なからず存在します。
光の神々が互いに協調しあい、尊重しあっているからこそ、このようなことも許されるわけです。
これに比べて闇の神々は不寛容で排他的です。
自分の教義は絶対的に正しく、他の神々の教義は間違っていると説きます。
また、自らの教義に反する考えの信徒を神託で責めることも比較的多く、結果的に闇の神々の信徒にとっては神の教義は絶対的なものと認識されています。
これは、盲目的に神の教えを信じていれば良いということになり、ある意味で信者に安心感を与えます。これも闇の神々を信仰する者が絶えない理由の一つといえます。
当然ながら、どの神を信仰しているかあいまいな信者というものは、闇の神々の信仰においては存在できません。
あるとすれば、ある闇の大神とそれに連なる従属神を信じており、中でも特に特定の従属神に傾倒している、という事はありえるでしょうな。
まず、神々は「光の神々」と「闇の神々」に分けられますが、始原の母によって神々が創られた際には、そのような区別はありませんでした。
後に神々の意見が対立し、神々の集いから五柱の大神らが離脱した後に、離脱した神々が「闇の神々」と呼ばれるようになったに過ぎません。
そのように呼ばれる理由は、最初に離脱したのが暗黒神アーリファだったからです。
暗黒という言葉から闇が連想された訳です。
これに対応して、集いに残った神々は「光の神々」と呼ばれるようになりました。
しかし、これは後の世の者たちが便宜的にそう呼ぶようになっただけで、神々が「光の神」「闇の神」と自称する事はありません。
実際、闇の神々は互いに協調している訳ではなく、少なくとも闇の五大神と呼ばれる神々は、各々自分以外の神は全て間違っていると称しています。
闇の小神の中には大神に従属する者も少なからずいますが、中には小神でありながら自身だけが正しいと主張する者も存在します。
つまり少なくとも「闇の神々」を一つの仲間であると考えるのは適切ではありません。
これに比べると光の神々は互いに協調しあっており、仲間意識はあるといえますな。
ちなみに、神託等において神々自身は、「集いに残った者たち」「集いから離れた者たち」と称することがあります。
光の神々の闇の神々の間には、明白な違いが存在します。それは、寛容さと協調性です。
光の神々は寛容で協調性があるのに対して、闇の神々にはこれらの概念は希薄です。
光の神々の教義には、それぞれ対立する点もありますが、光の神々は基本的に互いに寛容で協調しあっています。
状況によって好ましい対応は違ってくるし、正しい答えは人によって違う、同じ人の中ですら時として正しい答えは変わるということを理解し、自身の考えを無条件に押し付けることはしません。
しかしこの結果、光の神々には「絶対的な教義」「絶対的な正義」が存在しないという信者にとってはある意味不安定な状況も生じてしまっています。
例えば、今の社会のあり方が、正しいのか正しくないのか、光の神々は簡単に断言してはくれないのです。このため信者には迷いが生じます。
また、教義を曲解されてしまう危険も生じているといえます。
光の神々は、信徒に対しても基本的に寛容であるため、自らの考えと個々の信徒の解釈に多少の違いがあっても、神託でとがめるようなことは少ないといわれます。
もともと神託自体が頻繁にあることではないのですが、それを差し引いても光の神々が信者を神託で責めることは、闇の神々に比べて少ないといわれています。
結果、教義の拡大解釈などが起きてしまうこともあるわけです。
そもそも、光の神々は、世界のありようを基本的に担い手達に委ねており、細かい事まで指示したり命令したりしようとは考えていない。とも言われていますな。
また、光の神々の信者には、漠然と光の神々全体を信じているという者や、最も敬意を払う神は決めているが、同時に他の神に祈ることもある、といった者も少なからず存在します。
光の神々が互いに協調しあい、尊重しあっているからこそ、このようなことも許されるわけです。
これに比べて闇の神々は不寛容で排他的です。
自分の教義は絶対的に正しく、他の神々の教義は間違っていると説きます。
また、自らの教義に反する考えの信徒を神託で責めることも比較的多く、結果的に闇の神々の信徒にとっては神の教義は絶対的なものと認識されています。
これは、盲目的に神の教えを信じていれば良いということになり、ある意味で信者に安心感を与えます。これも闇の神々を信仰する者が絶えない理由の一つといえます。
当然ながら、どの神を信仰しているかあいまいな信者というものは、闇の神々の信仰においては存在できません。
あるとすれば、ある闇の大神とそれに連なる従属神を信じており、中でも特に特定の従属神に傾倒している、という事はありえるでしょうな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる