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第3章
20.奴隷の務め
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9月5日早朝。
ジュディア・ラフラナンは、エイクの部屋の寝台の上に一糸まとわぬ姿で座っていた。
昨夜犯罪奴隷としてエイクの家に引き取られた彼女は、早速エイクに体を求められた。
エイクの行いは初めてのときよりも一層執拗で屈辱的だった。
だがジュディアは、自分は今の境遇を甘んじて受け入れなければならないのだと、懸命に自分に言い聞かせていた。
(戦う者として生きると決めたならば、敗北の結果は受け入れるべきだ。
騙まし討ちにあったというならともかく、騙し討ちにしたのはこちらの方だったのだから、尚更だ)
ジュディアは徒党を組み、偽の情報でエイクを誘き寄せ、毒まで使って彼を殺そうとした。
そこまでしておきながら、完膚なきまでに敗れたのだから、何をされようが文句を言える筋合いではない。
そう思ったからこそ、裁判を受ける権利を放棄して速やかに犯罪奴隷となった。
犯罪奴隷として送られる先が、エイクの屋敷だと聞かされた時も納得すべき決定だと思った。
(それに、あのまま家に居たなら、結局は堪え難い目にあっていたのだ……)
ジュディアの実家であるラフラナン子爵家において、父の後妻とジュディアの関係はきわめて険悪だった。
そして、世継の男子を産んで発言力を増した後妻の主導で、ジュディアをある貴族に嫁がせる話が進められていた。
元々騎士として国に使える事を望んでいたジュディアは、政略結婚自体を受け入れ難く思っていた。
その上、相手のザンクロフト伯爵は、嫌がらせの為に選んだのではないかと思われるような酷い人物だった。
容姿がオークのようだといわれるのはまだ良い。だが、性格もオークのようだというのは流石に問題だろう。
ザンクロフト伯爵は何人もの侍女に手をつけ、しかもただ犯すだけではなく、酷く惨たらしい暴力を振るい、何人もの侍女を不具にしてしまっているとまで噂されていた。
ジュディアがフォルカス・ローリンゲンの取り巻きとなったのは、フォルカスの権力でこの縁談を止めさせたいとの考えもあったからだ。
この考えは成功していたといえる。ジュディアがフォルカスの取り巻きになると、縁談話は進まなくなっていた。
フォルカスにとっては、炎獅子隊でも若手の有望株と目されていたジュディアが自分の取り巻きとなっているのは意義のあることだった。
そして、ザンクロフト伯爵もそれなりの貴族だが、その力はローリンゲン侯爵家には遠く及ばない。ザンクロフト伯爵にもあえてローリンゲン侯爵家と無用の波風を立ててまでジュディアを望む気持ちはなかったのだろう。
だが、フォルカスがあのような形で死ぬと、当然事態は悪化した。
ジュディアはただの侍女としてザンクロフト伯爵家に送られる事になった。政略結婚の道具ですらなく、ただの貢物にされてしまったという事だ。
こうなってしまえば、本当にどんな扱いを受けるか知れたものではない。
そのような事をとても受け入れることが出来なかったジュディアは、家を出奔した。
そのジュディアにエンリケ・デアーロが声をかけてきた。
ジュディアは、実家やザンクロフト伯爵家から追っ手がかかって、迷惑をかけることになるかも知れないと説明したが、エンリケはどうせ国を見限るつもりだから気にしないと告げ、彼女を仲間に迎え入れた。
エンリケが盗賊の力を借りてエイクを討とうとすることにも、ジュディアは反対しなかった。むしろ、今度こそ決着をつけてやると意気込んだ。
そしてその結果として、彼女は犯罪奴隷としてこの屋敷につれてこられ、このような有様となっているのだった。
(どうせこの身を弄ばれるなら、家の都合で訳の分からぬ貴族の相手をするよりも、全力で戦って敗れた相手にされる方が納得できるというものだ。そう思わなくてはならない)
ジュディアはそう考えるが、身の震えを止めることは出来なかったし、自身の哀れな境遇を嘆く気持ちを抑える事も出来なかった。
ジュディアは右手を己の左肩にあてた。
そこには犯罪奴隷であることを示す焼印が刻まれている。
昨夜その傷跡をエイクに口で吸われ声を上げてしまった時、ジュディアは自分が征服され屈服したのだと実感した。
ジュディアは顔を上に向けた。涙が零れ落ちそうになったからだ。
その時、ノックもなく扉が開きエイクが入って来た。
ジュディアは思わずシーツを手繰り寄せ胸元を隠したが、己の行いを滑稽に思った。
あのような事をされた相手に対して体を隠すことに、今更どんな意味があるというのだろうか?
エイクはジュディアの様子になど構わずに彼女に近づき冷淡な声で告げた。
「お前は奴隷としてここに来ている。当然働いてもらうぞ」
「分かって……、承知しました」
ジュディアは言い方を変え、服従の意思を示す。
彼女はエイクが娼館の主と親しくしているという事を知っていた。
女奴隷の働き先に困る事はないはずだ。
彼女は己の運命を悟った。
(全て受け入れなければならない)
そして、もう一度そう自分に言い聞かせた。
だが、エイクの口から告げられたのは、ジュディアが想像していたものとは別の命令だった。
「お前には冒険者になってもらう」
「は?」
ジュディアは思わず間の抜けた声を漏らしてしまった。
エイクは、自分のものにした女達を、ただ屋敷に置いておくのはもったいないと考えていた。
カテリーナとテティスは王都でも有数の冒険者パーティ“夜明けの翼”の一員だった。
先ごろハイファ神殿から引き取った元闇司祭のルイーザは、既に神聖魔法は使えなくなっているものの、ユリアヌス大司教が「不幸にも天才」と称し、幼くして闇教団の幹部となりおおせてしまった才能は確かで、斥候と軽戦士としての腕だけでも中々のものだった。
そして、ジュディアは王国最精鋭部隊といわれる炎獅子隊において若手の有望株と一目置かれていた人物だ。
4人でパーティを組めばバランスも悪くはない。
“夜明けの翼”が消滅して腕利きの冒険者が不足している“イフリートの宴亭”に属させれば、上手い事仕事もまわせて好都合なように思われる。
(まあ、前衛が薄いから、直ぐに“夜明けの翼”の後釜は務まらないだろうが、将来は有望だ)
エイクはそう考えていた。
リーリアも戦士として冒険者をしていたが、残念ながら他の面々に比べるとその実力は数段下で、パーティを組んでも足手まといになるので、メンバーに加えることは出来ない。
このため、現時点では前衛の数が“夜明けの翼”よりも1人少ない。
その上、ジュディアの戦士としての実力は、テオドリックはおろかガルバにも劣る。ルイーザの斥候や軽戦士としての腕もジャックよりも下だ。
テオドリックらは腐っても10年以上の経験を積み王都でも有数と言われていた冒険者だった。歳若いジュディアやルイーサはまだまだ彼らには及ばない。
だが、その才能は恐らくテオドリックらを超えている。
適切な経験を積めば“夜明けの翼”を超えるのにそれほど時間を要さないだろう。
エイクはそう判断し、4人を冒険者として働かせる事にしたのだった。
ちなみに、パーティのリーダーはテティスに任せるつもりだ。
彼女なら本来の主であるフィントリッドとエイクの関係がこじれない限り、エイクを裏切ることは考えにくい。
少なくともエイクを憎んでいる事が確実な他の者達に任せるよりは遥かにましだろう。
またエイクはテティスの冒険者としての実力を高く評価していた。
かつてエイクは“夜明けの翼”の事を仮想敵と考え、その能力を観察していた。
そのエイクが見るところでは、テティスの加入を切っ掛けに“夜明けの翼”の冒険者活動は一段と効率の良いものになっていたのである。
エイクは“夜明けの翼”の中で冒険者としての総合的な能力が最も高いのはテティスであり、リーダーとしての資質もテオドリックより上だと思っていた。
そして、テティスには事前にこの話を通し承諾を得ていた。
ジュディアに身支度を整えさせたエイクは、4人を集めて自身の意思を伝えた。
ルイーザが即座に「すべて命令に従います」と答えた。
幼少の頃から、ひたすらグロチウスらに従う事で生き抜いてきた彼女は、今はエイクに従う事で生き残ろうと考えているようで、全てにおいて従順そのものだった。
「は、はい。私も従います」
一拍遅れてカテリーナはそう答えた。
カテリーナは困惑しているようだったが、このことに不満を感じる事はないだろうと、エイクは思っていた。
何しろ彼女は堅苦しいのを嫌って実家を飛び出し、自ら冒険者になったという経歴の持ち主だ。
また冒険者稼業が出来るなら、この家で毎日汲々と暮らしているよりも、よほどましだと思うことだろう。
「承知しました」
ジュディアも再度了承の意を述べた。
(ジュディアも元々騎士志望だったのだから、戦いを生業とすることにさほど不満はないはずだ。むしろよい鬱憤晴らしになるんじゃあないかな。
今後は俺のせいで鬱憤がたまる生活をさせることになるから、それを晴らす手段を用意してやってもいいだろう)
エイクはそんなことを考えていた。
「リーダーはテティスに任せる。構わないな」
エイクの確認に対して3人が口々に了承の言葉を口にする。
その言葉を受け、テティスは自分が指揮することになる女達を改めて見回した。
(やっぱり、揃いも揃って抵抗する意思をなくした者の目をしている。こうなってしまうと、いうことを聞かせるのも簡単なのよね)
テティスはそう考えた。
彼女はこのような有様になってしまった者達のことを良く知っていた。
それは奴隷として生きる事を受け入れてしまった者達だ。
「それでは私がリーダーを勤めさせてもらいます」
そしてテティスはエイクにそう告げた。
エイクは満足気に頷く。
こうしてこの日、王都アイラナの街に新たな冒険者パーティが誕生したのだった。
ジュディア・ラフラナンは、エイクの部屋の寝台の上に一糸まとわぬ姿で座っていた。
昨夜犯罪奴隷としてエイクの家に引き取られた彼女は、早速エイクに体を求められた。
エイクの行いは初めてのときよりも一層執拗で屈辱的だった。
だがジュディアは、自分は今の境遇を甘んじて受け入れなければならないのだと、懸命に自分に言い聞かせていた。
(戦う者として生きると決めたならば、敗北の結果は受け入れるべきだ。
騙まし討ちにあったというならともかく、騙し討ちにしたのはこちらの方だったのだから、尚更だ)
ジュディアは徒党を組み、偽の情報でエイクを誘き寄せ、毒まで使って彼を殺そうとした。
そこまでしておきながら、完膚なきまでに敗れたのだから、何をされようが文句を言える筋合いではない。
そう思ったからこそ、裁判を受ける権利を放棄して速やかに犯罪奴隷となった。
犯罪奴隷として送られる先が、エイクの屋敷だと聞かされた時も納得すべき決定だと思った。
(それに、あのまま家に居たなら、結局は堪え難い目にあっていたのだ……)
ジュディアの実家であるラフラナン子爵家において、父の後妻とジュディアの関係はきわめて険悪だった。
そして、世継の男子を産んで発言力を増した後妻の主導で、ジュディアをある貴族に嫁がせる話が進められていた。
元々騎士として国に使える事を望んでいたジュディアは、政略結婚自体を受け入れ難く思っていた。
その上、相手のザンクロフト伯爵は、嫌がらせの為に選んだのではないかと思われるような酷い人物だった。
容姿がオークのようだといわれるのはまだ良い。だが、性格もオークのようだというのは流石に問題だろう。
ザンクロフト伯爵は何人もの侍女に手をつけ、しかもただ犯すだけではなく、酷く惨たらしい暴力を振るい、何人もの侍女を不具にしてしまっているとまで噂されていた。
ジュディアがフォルカス・ローリンゲンの取り巻きとなったのは、フォルカスの権力でこの縁談を止めさせたいとの考えもあったからだ。
この考えは成功していたといえる。ジュディアがフォルカスの取り巻きになると、縁談話は進まなくなっていた。
フォルカスにとっては、炎獅子隊でも若手の有望株と目されていたジュディアが自分の取り巻きとなっているのは意義のあることだった。
そして、ザンクロフト伯爵もそれなりの貴族だが、その力はローリンゲン侯爵家には遠く及ばない。ザンクロフト伯爵にもあえてローリンゲン侯爵家と無用の波風を立ててまでジュディアを望む気持ちはなかったのだろう。
だが、フォルカスがあのような形で死ぬと、当然事態は悪化した。
ジュディアはただの侍女としてザンクロフト伯爵家に送られる事になった。政略結婚の道具ですらなく、ただの貢物にされてしまったという事だ。
こうなってしまえば、本当にどんな扱いを受けるか知れたものではない。
そのような事をとても受け入れることが出来なかったジュディアは、家を出奔した。
そのジュディアにエンリケ・デアーロが声をかけてきた。
ジュディアは、実家やザンクロフト伯爵家から追っ手がかかって、迷惑をかけることになるかも知れないと説明したが、エンリケはどうせ国を見限るつもりだから気にしないと告げ、彼女を仲間に迎え入れた。
エンリケが盗賊の力を借りてエイクを討とうとすることにも、ジュディアは反対しなかった。むしろ、今度こそ決着をつけてやると意気込んだ。
そしてその結果として、彼女は犯罪奴隷としてこの屋敷につれてこられ、このような有様となっているのだった。
(どうせこの身を弄ばれるなら、家の都合で訳の分からぬ貴族の相手をするよりも、全力で戦って敗れた相手にされる方が納得できるというものだ。そう思わなくてはならない)
ジュディアはそう考えるが、身の震えを止めることは出来なかったし、自身の哀れな境遇を嘆く気持ちを抑える事も出来なかった。
ジュディアは右手を己の左肩にあてた。
そこには犯罪奴隷であることを示す焼印が刻まれている。
昨夜その傷跡をエイクに口で吸われ声を上げてしまった時、ジュディアは自分が征服され屈服したのだと実感した。
ジュディアは顔を上に向けた。涙が零れ落ちそうになったからだ。
その時、ノックもなく扉が開きエイクが入って来た。
ジュディアは思わずシーツを手繰り寄せ胸元を隠したが、己の行いを滑稽に思った。
あのような事をされた相手に対して体を隠すことに、今更どんな意味があるというのだろうか?
エイクはジュディアの様子になど構わずに彼女に近づき冷淡な声で告げた。
「お前は奴隷としてここに来ている。当然働いてもらうぞ」
「分かって……、承知しました」
ジュディアは言い方を変え、服従の意思を示す。
彼女はエイクが娼館の主と親しくしているという事を知っていた。
女奴隷の働き先に困る事はないはずだ。
彼女は己の運命を悟った。
(全て受け入れなければならない)
そして、もう一度そう自分に言い聞かせた。
だが、エイクの口から告げられたのは、ジュディアが想像していたものとは別の命令だった。
「お前には冒険者になってもらう」
「は?」
ジュディアは思わず間の抜けた声を漏らしてしまった。
エイクは、自分のものにした女達を、ただ屋敷に置いておくのはもったいないと考えていた。
カテリーナとテティスは王都でも有数の冒険者パーティ“夜明けの翼”の一員だった。
先ごろハイファ神殿から引き取った元闇司祭のルイーザは、既に神聖魔法は使えなくなっているものの、ユリアヌス大司教が「不幸にも天才」と称し、幼くして闇教団の幹部となりおおせてしまった才能は確かで、斥候と軽戦士としての腕だけでも中々のものだった。
そして、ジュディアは王国最精鋭部隊といわれる炎獅子隊において若手の有望株と一目置かれていた人物だ。
4人でパーティを組めばバランスも悪くはない。
“夜明けの翼”が消滅して腕利きの冒険者が不足している“イフリートの宴亭”に属させれば、上手い事仕事もまわせて好都合なように思われる。
(まあ、前衛が薄いから、直ぐに“夜明けの翼”の後釜は務まらないだろうが、将来は有望だ)
エイクはそう考えていた。
リーリアも戦士として冒険者をしていたが、残念ながら他の面々に比べるとその実力は数段下で、パーティを組んでも足手まといになるので、メンバーに加えることは出来ない。
このため、現時点では前衛の数が“夜明けの翼”よりも1人少ない。
その上、ジュディアの戦士としての実力は、テオドリックはおろかガルバにも劣る。ルイーザの斥候や軽戦士としての腕もジャックよりも下だ。
テオドリックらは腐っても10年以上の経験を積み王都でも有数と言われていた冒険者だった。歳若いジュディアやルイーサはまだまだ彼らには及ばない。
だが、その才能は恐らくテオドリックらを超えている。
適切な経験を積めば“夜明けの翼”を超えるのにそれほど時間を要さないだろう。
エイクはそう判断し、4人を冒険者として働かせる事にしたのだった。
ちなみに、パーティのリーダーはテティスに任せるつもりだ。
彼女なら本来の主であるフィントリッドとエイクの関係がこじれない限り、エイクを裏切ることは考えにくい。
少なくともエイクを憎んでいる事が確実な他の者達に任せるよりは遥かにましだろう。
またエイクはテティスの冒険者としての実力を高く評価していた。
かつてエイクは“夜明けの翼”の事を仮想敵と考え、その能力を観察していた。
そのエイクが見るところでは、テティスの加入を切っ掛けに“夜明けの翼”の冒険者活動は一段と効率の良いものになっていたのである。
エイクは“夜明けの翼”の中で冒険者としての総合的な能力が最も高いのはテティスであり、リーダーとしての資質もテオドリックより上だと思っていた。
そして、テティスには事前にこの話を通し承諾を得ていた。
ジュディアに身支度を整えさせたエイクは、4人を集めて自身の意思を伝えた。
ルイーザが即座に「すべて命令に従います」と答えた。
幼少の頃から、ひたすらグロチウスらに従う事で生き抜いてきた彼女は、今はエイクに従う事で生き残ろうと考えているようで、全てにおいて従順そのものだった。
「は、はい。私も従います」
一拍遅れてカテリーナはそう答えた。
カテリーナは困惑しているようだったが、このことに不満を感じる事はないだろうと、エイクは思っていた。
何しろ彼女は堅苦しいのを嫌って実家を飛び出し、自ら冒険者になったという経歴の持ち主だ。
また冒険者稼業が出来るなら、この家で毎日汲々と暮らしているよりも、よほどましだと思うことだろう。
「承知しました」
ジュディアも再度了承の意を述べた。
(ジュディアも元々騎士志望だったのだから、戦いを生業とすることにさほど不満はないはずだ。むしろよい鬱憤晴らしになるんじゃあないかな。
今後は俺のせいで鬱憤がたまる生活をさせることになるから、それを晴らす手段を用意してやってもいいだろう)
エイクはそんなことを考えていた。
「リーダーはテティスに任せる。構わないな」
エイクの確認に対して3人が口々に了承の言葉を口にする。
その言葉を受け、テティスは自分が指揮することになる女達を改めて見回した。
(やっぱり、揃いも揃って抵抗する意思をなくした者の目をしている。こうなってしまうと、いうことを聞かせるのも簡単なのよね)
テティスはそう考えた。
彼女はこのような有様になってしまった者達のことを良く知っていた。
それは奴隷として生きる事を受け入れてしまった者達だ。
「それでは私がリーダーを勤めさせてもらいます」
そしてテティスはエイクにそう告げた。
エイクは満足気に頷く。
こうしてこの日、王都アイラナの街に新たな冒険者パーティが誕生したのだった。
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