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第3章
68.卑劣な襲撃
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“大樹の学舎”を襲撃したのは、ゴルブロ一味だった。
バルドス率いる者達の内、バルドス当人とその配下の合計8名の盗賊たちだ。
彼らは南門などへは向かっておらず、二手に分かれてそれぞれの別の場所に襲撃をかけたのである。
目標の一つはエイクの屋敷。
そしてもう一つがこの“大樹の学舎”だ。
これはゴルブロによる報復行為だった。
大勢の部下を倒されたゴルブロは、エイクに対して報復を誓った。
ゴルブロ個人の心情としても報復を望んでいたし、それ以上に、これほどの被害を受けた以上徹底的にやり返さなければ、舐められてしまって今後のあらゆる活動に支障を来たすからだ。
凶悪な盗賊団として名を売っていたゴルブロたちにとって、報復は必須の行為だった。
そして、エイクの策よって賞金首とされてしまった以上、もはや行動を制限する必要は何もない。
むしろ、もっとも残虐な方法で報復するべきだ。エイク1人を殺しただけではもはやすまされない。
ゴルブロ一味は全員が当然のようにそう考えた。
そして報復の方法として選んだのは、相手の家族など大切な者を惨殺すること。今までもゴルブロが多用して来たやり口だ。
しかし、父の死後天涯孤独の身になっているエイクには家族はいない。
あえてエイクが大切だと思っている者がいるとすれば、彼に仕えている使用人たちくらいだろう。そう考えてゴルブロ一味は彼の屋敷を狙った。
そして更に、その使用人達の出身地である孤児院すらも標的としたのだ。
そんな思惑によって襲撃を受けてしまった“大樹の学舎”だったが、今はまだ犠牲は出ていない。
襲撃を受けたとき、孤児達と院長のバルバラは全員が一番大きな部屋に固まっていた。
そしてその部屋には、バルバラが“限定ゴーレム作成”の魔法で作成したブロンズゴーレムが配置されており、孤児達はその背後で身を寄せ合っている。
ブロンズゴーレムは身の丈は180cmほどだが、体幅は広く、長く作られた腕を左右に伸ばしたその全長は4mほどにもなる。ゴーレムはそうやって腕を広げて子供達を守っているかのようだった。
ブロンズゴーレムの左側には、馬の上半身に大魚の下半身を持った奇妙な魔物が控えている。
氷水を司る上位精霊ケルピーだ。バルバラが顕現させたものだった。
バルバラ自身は、ブロンズゴーレムの右斜め後ろに立ちバルドス達をにらみつけている。
その前には14・5歳ほどの灰色の髪をした少年がロングソードを両手で構えて立ち、勇敢にもバルバラを守ろうとしていた。
バルドスたちがその教室に踏み込んだ時には、既にそんな態勢が整えられていた。
“限定ゴーレム作成”の魔法は、行使するのに2・30分ほどの時間を必要とする儀式魔法である。
つまりゴーレムがこの場にいるということは、既に襲撃に備えて準備を整えていたということだ。
さらに言えば、貧しいはずの孤児院に、材料を用意するのに多額の費用が必要なゴーレムが配置されていること自体が、余りにも不自然だ。
ところが、そのような不自然なはずの状況に遭遇しても、バルドスたちはいささかも動じていなかった。
ゴーレムには急所が存在せず、バルドスたち軽戦士が特に苦手にする相手だ、上位精霊のケルピーも当然侮れない。
もう少し少人数で襲撃していたなら、バルドス達の方が敗北していただろう。
だがこの人数なら恐れることはない。
要するにその魔物たちを使役する魔法使いを押さえてしまえばいいのだから。
バルドスらは、あたかも最初からそう理解していたかのように素早く動いて、5人が前衛となってゴーレムとケルピーそして少年の前に立った。
バルドスを含む3人は後ろに残り、直ぐに動けるように身構える。
そのうちの1人は魔法の発動体である杖を手にしていた。エルデンという名のそれなりの腕を持つ魔術師だ。
5人の前衛で相手の前衛にぶつかって、その動きを押さえ込み、そこですかさず残る3人が相手前衛の後ろに回り込んでバルバラを拘束するつもりである。
ゴーレムやケルピーに攻撃を命ずるのは一言声に出すだけで済むので、このようなやり方でも止められない。その結果、自分たちにも相応の被害は出るだろう。
だが、多くの古語魔法、特に他者に影響を与える古語魔法は詠唱を終えるのに多少の時間を必要とする。その時間を短縮させるには、英雄級と称されるほどの実力が必要だ。
今の間合いなら、まず間違いなく詠唱を終わらせる前にバルバラを拘束することが出来る。
それにバルドス達は、魔法の一撃程度なら耐えられるだけの準備をしていた。
どちらにしろ、バルバラを押さえれば実質的に戦いは終了だ。
拘束して手足を押さえれば、行使に身振り手振りを必要とする古語魔法は使えなくなる。
そして、バルバラの意識をなくせばケルピーは顕現を保てず、ゴーレムへ指示することも全くできなくなる。
結果ゴーレムは最初に標的にした者を狙い続けるから、その者が部屋を出て遠くまで逃げれば、恐らく扉を壊してでもその者を追いかけて行ってしまう。実質的に無力化できるのだ。
それまでの間に多少の被害は出るだろうが、それで終わりである。
だが、彼らがそのように動こうとする前に、バルバラが声を上げた。
「お待ちなさい。争う必要はありません。子供達を助けてくれるなら私は抵抗しません。
その方があなた方にも被害が出なくて好都合なはずです」
バルドスはその美しい女をからかってやるつもりになって、その声に応じた。
「ほう、覚悟は出来てるってわけかい?」
「ええ、あなた方が私達を殺すつもりだという事も分かっています」
「それを承知で、抵抗しません。とは肝が据わった先生だ。
いいだろう、あんたの勇気に免じて餓鬼どもは助けてやろうじゃあねえか。
とりあえず、その物騒な魔物を消せ。そうしたら餓鬼どもを逃がしてやる」
「そんな言葉が信用できるわけがないでしょう。
まずあなた方が扉の前を空けてください。ゴーレムとケルピーに護衛させて子供達を逃がします。
後はあなた方が好きなようにすればよいでしょう」
「あんたが古語魔法の使い手でもあるって事は知っているぜ。そこまで引いてやった挙句に攻撃魔法でも喰らったんじゃあ割りにあわねぇ。
大方指輪あたりが発動体になってるんだろ?先にそれを捨ててもらおうか」
そう告げつつ、バルドスはこの交渉を上手く利用しようと思い始めていた。
上手くすれば自分達の被害をなくし、より確実にバルバラを拘束する事も出来ると思ったからだ。
そしてバルバラを殺さずに捕らえることが出来れば、楽しみも増えるというものだった。
もちろん、状況次第では即座に交渉を打ち切って、多少の被害は承知の上でバルバラを押さえる為に即座に動く用意も疎かにはしていない。
バルバラは反駁した。
「子供たちがこの場を離れる前に魔法を全く使えなくなるわけには行きません。
それではあなた達が約束を破っても何も出来なくなってしまうではないですか。
子供たちが離れたなら、その時には発動体を手放しましょう」
「それじゃあ、別の方法で敵意がないことを証明してもらおうか」
「どうしろというのです?」
「服を全部脱いで裸になりな。
どうせ、後でそういうことになるんだからよ、手間が省けるってもんだろ?」
「……ッ」
バルバラは思わず奥歯をかみ締めた。
若干の逡巡の後、バルバラが答えた。
「……そうすれば、子供達を逃がしてもらえるのですね?」
「当たり前じゃあねえか。そん時は、俺達全員であんたにかかりっきりになってるからよ、餓鬼共の相手なんかしてられねえよ」
バルバラは一度深く呼吸をしてから答えた。
「分かりました」
「先生!」
彼女の前に立つ少年が、彼女の方を振り向いてそう叫ぶ。
バルバラは微笑みを見せながら少年に告げた。
「良いのです、オルリグ。あなたは全力で弟妹達を守りなさい。私が居なくなってもずっとですよ」
「先生……」
オルリグと呼ばれた少年は呻くようにそう口にすることしか出来なかった。
そうしてバルバラは身に纏う黒色のローブに手をかけ、それを脱ぎ始める。
そんなバルバラをさらに嘲るようにバルドスが声をかけた。
「安心しろよ、先生さんよ。
お察しの通り最後には殺しちまうが、悔いが残らねえようにその前に徹底的に楽しませてやるからよ。
あんたが経験した事がねえような、すげえ事をたっぷり味あわせてやるよ。俺達全員でな。せいぜい期待しててくれよ」
バルドスの部下達も「ひひひ」「へへ」などと、いやらしい笑い声を上げた。
バルバラは奥歯をかみ締め懸命に震えるのを堪えながら服を脱ぎ始めた。
ローブが床に落ちる。その下に着ていたのは簡素なシャツと薄手のスカートだ。
そのシャツのボタンが外され、肌があらわになってゆく。
そしてシャツも脱ぎ捨てられ、彼女は上半身肌着姿になった。
バルドスは興奮しながらその様子に見入っていた。
(いい体をしてやがるじゃあねえか。
出るところは出てるし、締まるところは締まってて、実に旨そうだ。喰いでがありそうだぜ。こいつは本当にたっぷり楽しめるな)
彼は好色なにやけ笑いを浮かべながらそう思った。
彼の部下達も、凶悪な笑みを見せたり、舌なめずりをしたりして、その欲望を隠そうともしていない。
彼ら全員の目には、目の前の獲物を、その命が果てるまで貪り喰おうとする狂気じみた獣の欲望が満ちていた。
そんな部下達を代表するかのように、バルドスが更に凶悪な宣告を行う。
「本当に死ぬまでやってやるぜ、覚悟しろよ」
そうして、部下ともども更に欲望を滾らせた。
間もなくこの場で、暴虐の狂宴が始まろうとしていた。
バルドス率いる者達の内、バルドス当人とその配下の合計8名の盗賊たちだ。
彼らは南門などへは向かっておらず、二手に分かれてそれぞれの別の場所に襲撃をかけたのである。
目標の一つはエイクの屋敷。
そしてもう一つがこの“大樹の学舎”だ。
これはゴルブロによる報復行為だった。
大勢の部下を倒されたゴルブロは、エイクに対して報復を誓った。
ゴルブロ個人の心情としても報復を望んでいたし、それ以上に、これほどの被害を受けた以上徹底的にやり返さなければ、舐められてしまって今後のあらゆる活動に支障を来たすからだ。
凶悪な盗賊団として名を売っていたゴルブロたちにとって、報復は必須の行為だった。
そして、エイクの策よって賞金首とされてしまった以上、もはや行動を制限する必要は何もない。
むしろ、もっとも残虐な方法で報復するべきだ。エイク1人を殺しただけではもはやすまされない。
ゴルブロ一味は全員が当然のようにそう考えた。
そして報復の方法として選んだのは、相手の家族など大切な者を惨殺すること。今までもゴルブロが多用して来たやり口だ。
しかし、父の死後天涯孤独の身になっているエイクには家族はいない。
あえてエイクが大切だと思っている者がいるとすれば、彼に仕えている使用人たちくらいだろう。そう考えてゴルブロ一味は彼の屋敷を狙った。
そして更に、その使用人達の出身地である孤児院すらも標的としたのだ。
そんな思惑によって襲撃を受けてしまった“大樹の学舎”だったが、今はまだ犠牲は出ていない。
襲撃を受けたとき、孤児達と院長のバルバラは全員が一番大きな部屋に固まっていた。
そしてその部屋には、バルバラが“限定ゴーレム作成”の魔法で作成したブロンズゴーレムが配置されており、孤児達はその背後で身を寄せ合っている。
ブロンズゴーレムは身の丈は180cmほどだが、体幅は広く、長く作られた腕を左右に伸ばしたその全長は4mほどにもなる。ゴーレムはそうやって腕を広げて子供達を守っているかのようだった。
ブロンズゴーレムの左側には、馬の上半身に大魚の下半身を持った奇妙な魔物が控えている。
氷水を司る上位精霊ケルピーだ。バルバラが顕現させたものだった。
バルバラ自身は、ブロンズゴーレムの右斜め後ろに立ちバルドス達をにらみつけている。
その前には14・5歳ほどの灰色の髪をした少年がロングソードを両手で構えて立ち、勇敢にもバルバラを守ろうとしていた。
バルドスたちがその教室に踏み込んだ時には、既にそんな態勢が整えられていた。
“限定ゴーレム作成”の魔法は、行使するのに2・30分ほどの時間を必要とする儀式魔法である。
つまりゴーレムがこの場にいるということは、既に襲撃に備えて準備を整えていたということだ。
さらに言えば、貧しいはずの孤児院に、材料を用意するのに多額の費用が必要なゴーレムが配置されていること自体が、余りにも不自然だ。
ところが、そのような不自然なはずの状況に遭遇しても、バルドスたちはいささかも動じていなかった。
ゴーレムには急所が存在せず、バルドスたち軽戦士が特に苦手にする相手だ、上位精霊のケルピーも当然侮れない。
もう少し少人数で襲撃していたなら、バルドス達の方が敗北していただろう。
だがこの人数なら恐れることはない。
要するにその魔物たちを使役する魔法使いを押さえてしまえばいいのだから。
バルドスらは、あたかも最初からそう理解していたかのように素早く動いて、5人が前衛となってゴーレムとケルピーそして少年の前に立った。
バルドスを含む3人は後ろに残り、直ぐに動けるように身構える。
そのうちの1人は魔法の発動体である杖を手にしていた。エルデンという名のそれなりの腕を持つ魔術師だ。
5人の前衛で相手の前衛にぶつかって、その動きを押さえ込み、そこですかさず残る3人が相手前衛の後ろに回り込んでバルバラを拘束するつもりである。
ゴーレムやケルピーに攻撃を命ずるのは一言声に出すだけで済むので、このようなやり方でも止められない。その結果、自分たちにも相応の被害は出るだろう。
だが、多くの古語魔法、特に他者に影響を与える古語魔法は詠唱を終えるのに多少の時間を必要とする。その時間を短縮させるには、英雄級と称されるほどの実力が必要だ。
今の間合いなら、まず間違いなく詠唱を終わらせる前にバルバラを拘束することが出来る。
それにバルドス達は、魔法の一撃程度なら耐えられるだけの準備をしていた。
どちらにしろ、バルバラを押さえれば実質的に戦いは終了だ。
拘束して手足を押さえれば、行使に身振り手振りを必要とする古語魔法は使えなくなる。
そして、バルバラの意識をなくせばケルピーは顕現を保てず、ゴーレムへ指示することも全くできなくなる。
結果ゴーレムは最初に標的にした者を狙い続けるから、その者が部屋を出て遠くまで逃げれば、恐らく扉を壊してでもその者を追いかけて行ってしまう。実質的に無力化できるのだ。
それまでの間に多少の被害は出るだろうが、それで終わりである。
だが、彼らがそのように動こうとする前に、バルバラが声を上げた。
「お待ちなさい。争う必要はありません。子供達を助けてくれるなら私は抵抗しません。
その方があなた方にも被害が出なくて好都合なはずです」
バルドスはその美しい女をからかってやるつもりになって、その声に応じた。
「ほう、覚悟は出来てるってわけかい?」
「ええ、あなた方が私達を殺すつもりだという事も分かっています」
「それを承知で、抵抗しません。とは肝が据わった先生だ。
いいだろう、あんたの勇気に免じて餓鬼どもは助けてやろうじゃあねえか。
とりあえず、その物騒な魔物を消せ。そうしたら餓鬼どもを逃がしてやる」
「そんな言葉が信用できるわけがないでしょう。
まずあなた方が扉の前を空けてください。ゴーレムとケルピーに護衛させて子供達を逃がします。
後はあなた方が好きなようにすればよいでしょう」
「あんたが古語魔法の使い手でもあるって事は知っているぜ。そこまで引いてやった挙句に攻撃魔法でも喰らったんじゃあ割りにあわねぇ。
大方指輪あたりが発動体になってるんだろ?先にそれを捨ててもらおうか」
そう告げつつ、バルドスはこの交渉を上手く利用しようと思い始めていた。
上手くすれば自分達の被害をなくし、より確実にバルバラを拘束する事も出来ると思ったからだ。
そしてバルバラを殺さずに捕らえることが出来れば、楽しみも増えるというものだった。
もちろん、状況次第では即座に交渉を打ち切って、多少の被害は承知の上でバルバラを押さえる為に即座に動く用意も疎かにはしていない。
バルバラは反駁した。
「子供たちがこの場を離れる前に魔法を全く使えなくなるわけには行きません。
それではあなた達が約束を破っても何も出来なくなってしまうではないですか。
子供たちが離れたなら、その時には発動体を手放しましょう」
「それじゃあ、別の方法で敵意がないことを証明してもらおうか」
「どうしろというのです?」
「服を全部脱いで裸になりな。
どうせ、後でそういうことになるんだからよ、手間が省けるってもんだろ?」
「……ッ」
バルバラは思わず奥歯をかみ締めた。
若干の逡巡の後、バルバラが答えた。
「……そうすれば、子供達を逃がしてもらえるのですね?」
「当たり前じゃあねえか。そん時は、俺達全員であんたにかかりっきりになってるからよ、餓鬼共の相手なんかしてられねえよ」
バルバラは一度深く呼吸をしてから答えた。
「分かりました」
「先生!」
彼女の前に立つ少年が、彼女の方を振り向いてそう叫ぶ。
バルバラは微笑みを見せながら少年に告げた。
「良いのです、オルリグ。あなたは全力で弟妹達を守りなさい。私が居なくなってもずっとですよ」
「先生……」
オルリグと呼ばれた少年は呻くようにそう口にすることしか出来なかった。
そうしてバルバラは身に纏う黒色のローブに手をかけ、それを脱ぎ始める。
そんなバルバラをさらに嘲るようにバルドスが声をかけた。
「安心しろよ、先生さんよ。
お察しの通り最後には殺しちまうが、悔いが残らねえようにその前に徹底的に楽しませてやるからよ。
あんたが経験した事がねえような、すげえ事をたっぷり味あわせてやるよ。俺達全員でな。せいぜい期待しててくれよ」
バルドスの部下達も「ひひひ」「へへ」などと、いやらしい笑い声を上げた。
バルバラは奥歯をかみ締め懸命に震えるのを堪えながら服を脱ぎ始めた。
ローブが床に落ちる。その下に着ていたのは簡素なシャツと薄手のスカートだ。
そのシャツのボタンが外され、肌があらわになってゆく。
そしてシャツも脱ぎ捨てられ、彼女は上半身肌着姿になった。
バルドスは興奮しながらその様子に見入っていた。
(いい体をしてやがるじゃあねえか。
出るところは出てるし、締まるところは締まってて、実に旨そうだ。喰いでがありそうだぜ。こいつは本当にたっぷり楽しめるな)
彼は好色なにやけ笑いを浮かべながらそう思った。
彼の部下達も、凶悪な笑みを見せたり、舌なめずりをしたりして、その欲望を隠そうともしていない。
彼ら全員の目には、目の前の獲物を、その命が果てるまで貪り喰おうとする狂気じみた獣の欲望が満ちていた。
そんな部下達を代表するかのように、バルドスが更に凶悪な宣告を行う。
「本当に死ぬまでやってやるぜ、覚悟しろよ」
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間もなくこの場で、暴虐の狂宴が始まろうとしていた。
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