彼女の理想に近づく為に、僕は何度でも繰返す

トン之助

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第2話 彼女はあまり喋らない

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  この空気をどうにかしてほしい……クラスメイトは今そう思っているだろう


「はいじゃあ次、美化委員決めまーす。誰かいますか?」
「掃除得意なので私やってみたいです!」
「おぉ!  ありがとう!  えっと名前は……」

「星宮です!」
「星宮さんだって、藤宮さん!  宮つながりでいいね」
「……」

「じゃあ次は男子……」


 司会として喋っているのは僕だ。

 積極的に喋っている。

 そう一方的に……

 藤宮さんに……

 一人で……

 ……


 あれ?  クラス委員って僕だけだったかな?

 藤宮さんを見れば名簿に決まった委員を記入している。僕が話しかけるな度に、ギロりと横目で睨んでくる。だが、しかしそんな事では負けない!


 藤宮さん、字きれいだね

 藤宮さん、髪の毛サラサラだね

 藤宮さん、まつ毛長いね

 藤宮さん、いい匂いするね


 バシンッ

 ビンタされた。うん、最後のはやりすぎた。


 クラスメイトは僕の発言をまるで爆弾処理をする人みたいに観察していた。そしてトドメの一言に「あちゃー」という顔をして手を合わせていた。


「うざい……」


 彼女は口下手なようだ。


「よし、これで全部終わりだね!んじゃ委員の人よろしく!」

 そう言って僕は二日酔い先生を起こした。

「先生遅刻しますよ?」
「なに?  遅刻だと……まずい校長……に」

 この時クラスの殆どは、こいつアホだと思っただろう。

「おはようございます。いい朝ですね」
「いい度胸してんな黒江!」
「やだなぁ、そんな怒った顔したらせっかくの美人が台無しですよ?」
「ほう、私を美人と呼ぶか?  後で職員室来い。ってかその左頬どうした?  赤いぞ」

 僕は先生から指摘された所を擦りながら

「愛の証です!」

 バコッ

 頭の上に名簿が折れ曲がってめり込んでいるこんなことどうやってできるの?

「っね?  結構激しめの愛です!」

 クラスメイトと先生はドン引きしていた。

「あぁ……そのなんだ、藤宮……辞めるなら今だぞ?」
「そうよ藤宮さん!  そんな変態と一緒にいたら汚されるわ!」
「今ならまだ間に合うわ!」

 女子達の声は早く辞めろと言っている。

「クロエお前は勇者だ」
「まさか昨日振られたのに、またアタックするなんて」
「合掌!」

 男子達は羨望の眼差し。そこで俺は口を開く。

「じゃあ聞くが女子の皆よ!  藤宮さんが抜けたら誰が委員長をすると言うのだね?」


「うっ……それは」
「確かに……」
「でも……」

「ほらみたまえ!  誰も手を挙げないではないか!  反対意見を通すならその代替案を出すのが当たり前だ!  という訳で藤宮さんはこのまま委員長を続けてもらう!  異論は認めない!」

 そんなの横暴だ!  正論なのがムカつく等々様々な意見を言っているが気にしない!  だって一緒にやりたいもん!

「と言ってるが、藤宮はどうだ?」

 先生の最終確認の声。

「別に……」

 あれかな?  藤宮さんは誰に対しても口数が少ないのかな?


「はははははははっ!  僕の勝ちだ!  クラスと先生の公認という事で!  じゃあ藤宮さん改めてよろしく。あっ、それから好きです付き合って下さい!」

 僕は丁寧に垂直にお辞儀をし、手を差し出して握手を求める。どっかのテレビ番組みたいだ!

 ドゴンッ

 俺の右肩にかかと落としが炸裂した。

 アンディなあの人も目が覚める強烈な一撃だ。僕の意識が無くなる寸前……顔を上げると、そこにはエデンが広がっていた

 振り上げた足、なびくスカート、そこから伸びる肉付きが程よいおみ足…そしてそこからさらに深淵へと視線が進んで……

「水玉……サイ……コー」

 その声は意識の深淵へと誘われた。

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