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10話
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遅い! あと10分でチャイムが鳴っちゃうじゃない!
あいつ、遅刻するつもり?
私はミナミと奈緒と教室で会話をしながらも、内心そう思っていた。
付き合う前は、あいつが遅刻スレスレで入って来ようが、何も気にはしていなかった。
だけど付き合い出してからは、いつもソワソワして仕方がない。
それは――。
「おはよー」
と、優介が教室の前の出入口から、爽やかな笑顔を振りまきながら、教室に入って来る。
ようやく来た。
私はスッと立ち上がると「ごめん、トイレ行ってくる」
と、私は言って、後ろの出入口の方へと歩き出す。
それは教室に来るのが遅いのは、時間ギリギリまで誰かと話し込んでいることを知ってしまったから。
それが男友達だけなら良いのだけど、優介は同じクラス以外の女友達も多い。
別に優介が信用していない訳ではないけど、やっぱり取られるんじゃないかと心配になってしまう。
――私はトイレに行くふりをしてから、教室に戻り、前の入口から入る。
一番前の出入口側に座っている優介に近づくと、「おはよー」
と、挨拶をして、肩に手を乗せた――笑顔、笑顔。
「今日も女の子と話していたの?」
「あ? 何で分かったの?」
「ふー……いつもだからよ」
優介は彼女が出来たからといって、キッパリ女友達と接するのを止められるような器用な性格をしていない事は知っている。
きっと可哀想だと思って、思い悩んでしまうタイプだ。
まぁ、そんな優しいところが優介の良いところでもあるのだけど――。
「浮気は許さないからね!」
「そんな事する訳ないだろ。俺の目を見てみろよ」
「どれどれ」
私がジッと見つめると、優介も私をジッと見つめる。
恥ずかしがって目を逸らすかと思っていたから、何だかこっちが恥ずかしくなってしまった。
「濁ってる」
「あ? そんな訳ないだろ」
と、優介は笑顔をでそう言った。
「ふふ、冗談よ! じゃ、もうすぐ始まるし、席に戻るね」
「あぁ」
※※※
放課後。
今日はゴミ当番なので、教室のゴミを回収すると校舎裏にあるゴミ捨て場へと向かう――。
するとゴミ捨て場から少し離れた並木道で、男女が向き合って話し合っているのを見かける。
あの後ろ姿は奈緒だよね?
相手はウルフカットの髪型をした目つきの鋭い男の子。
奈緒より身長が高く整った顔をしているので、アイドルでもやっていけそうな感じだ。
男の子の方が積極的に話しかけているようだけど、こんな人気のない所で何を話しているのかしら?
――まさか、告白?
そうだと気まずいので、ゴミ袋をゴミ捨て場にソッと置くと、早々に立ち去る――。
見掛けたことのない男子だったわね……奈緒はあの事件があったから、男の人と話すのが苦手で、男友達はほとんど居ないはず。
だとすると、さっきのは男の子の方から話しかけた?
だったら、ちょっと心配だな……。
奈緒はツンケンしている所があって、サッパリしている様な性格に見えるけど、本当は繊細で、人を寄せ付けない態度を取ることで心を保っている所がある。
だからさっきの男の子みたいに、押しの強そうな男子には弱いのよね……変な男子じゃなきゃ良いけど。
※※※
教室に戻り、鞄を手に取って正面を向くと、自分の席でチラチラと構って欲しそうにこちらを見ている優介が目に入る。
はいはい、そんなに見なくたって構ってあげるわよ。
私はそう思いながら、優介の方へと向かった。
珍しいな、いつもなら様子なんて見ないで来るのに。
「チラチラこっちをみて、どーしたの?」
「あ、いや。話したい事があって。今度の日曜日だけど、空いてる?」
「日曜日? 多分、大丈夫だと思うよ」
ん……この流れって、もしかして。
「じゃあさ、映画でも観に行かない?」
「えっと……二人で?」
「うん、二人で」
え? え?
これってデートのお誘いで良いんだよね!?
「駄目かな?」
私がテンパっていると、優介は直ぐに返答がないことに不安に思ったのか、寂しそうな声で聞いてくる。
「うぅん、大丈夫だよ」
と、私が慌てて返事を返すと、優介はパッと明るい笑顔を見せた。
なんて可愛らしい表情するのよ、まったく……ドキッとしちゃったじゃない。
「良かった!」
「それで、時間や待ち合わせ場所はどうする?」
「あとでメール送るよ」
と、優介は答えて、立ち上がり「それじゃ、用事あるから先、帰るわ」
「分かった。またね」
優介は紺色の手提げバッグを片手に持つと、「おぅ!」
と、返事をして教室を出ていった。
私が優介を見送っていると、「美穂さん」
と、良太君が自分の席から、声を掛けてくる。
意外……良太君って自分から女の子に話しかけられないタイプだと思っていた。
人を見かけで判断したら駄目ね。
私は良太君の方へと歩きながら「なに?」
良太君は笑顔を浮かべ「今から話すことは優介には内緒だけど、今朝ギリギリに教室に入ってきたのは、いま女の子の間で流行っている映画は何かって聞いていたからだってよ」
「え? そうなの?」
「うん! 本人が言ってた。多分、美穂さんを誘う準備をしていたんじゃないかな?」
「へぇ……教えてくれて、ありがとう」
「いえいえ。ごめんね、突然話しかけて。優介の友達として、二人には上手く言って欲しかったから、どうしても伝えたくて」
「うぅん、大丈夫。ありがと!」
良太君も友達思いの良い子なんだね。
優介、あんた幸せ者だね。
「それじゃ俺、部活があるから」
と、良太君は言って立ち上がる。
「うん、じゃあね」
「じゃあね」
――私は教室を出ていく良太君を見送る。
さて……そんなこと聞いちゃったら、私も頑張らないとね。
デートか……何を着ていこう。
あいつ、遅刻するつもり?
私はミナミと奈緒と教室で会話をしながらも、内心そう思っていた。
付き合う前は、あいつが遅刻スレスレで入って来ようが、何も気にはしていなかった。
だけど付き合い出してからは、いつもソワソワして仕方がない。
それは――。
「おはよー」
と、優介が教室の前の出入口から、爽やかな笑顔を振りまきながら、教室に入って来る。
ようやく来た。
私はスッと立ち上がると「ごめん、トイレ行ってくる」
と、私は言って、後ろの出入口の方へと歩き出す。
それは教室に来るのが遅いのは、時間ギリギリまで誰かと話し込んでいることを知ってしまったから。
それが男友達だけなら良いのだけど、優介は同じクラス以外の女友達も多い。
別に優介が信用していない訳ではないけど、やっぱり取られるんじゃないかと心配になってしまう。
――私はトイレに行くふりをしてから、教室に戻り、前の入口から入る。
一番前の出入口側に座っている優介に近づくと、「おはよー」
と、挨拶をして、肩に手を乗せた――笑顔、笑顔。
「今日も女の子と話していたの?」
「あ? 何で分かったの?」
「ふー……いつもだからよ」
優介は彼女が出来たからといって、キッパリ女友達と接するのを止められるような器用な性格をしていない事は知っている。
きっと可哀想だと思って、思い悩んでしまうタイプだ。
まぁ、そんな優しいところが優介の良いところでもあるのだけど――。
「浮気は許さないからね!」
「そんな事する訳ないだろ。俺の目を見てみろよ」
「どれどれ」
私がジッと見つめると、優介も私をジッと見つめる。
恥ずかしがって目を逸らすかと思っていたから、何だかこっちが恥ずかしくなってしまった。
「濁ってる」
「あ? そんな訳ないだろ」
と、優介は笑顔をでそう言った。
「ふふ、冗談よ! じゃ、もうすぐ始まるし、席に戻るね」
「あぁ」
※※※
放課後。
今日はゴミ当番なので、教室のゴミを回収すると校舎裏にあるゴミ捨て場へと向かう――。
するとゴミ捨て場から少し離れた並木道で、男女が向き合って話し合っているのを見かける。
あの後ろ姿は奈緒だよね?
相手はウルフカットの髪型をした目つきの鋭い男の子。
奈緒より身長が高く整った顔をしているので、アイドルでもやっていけそうな感じだ。
男の子の方が積極的に話しかけているようだけど、こんな人気のない所で何を話しているのかしら?
――まさか、告白?
そうだと気まずいので、ゴミ袋をゴミ捨て場にソッと置くと、早々に立ち去る――。
見掛けたことのない男子だったわね……奈緒はあの事件があったから、男の人と話すのが苦手で、男友達はほとんど居ないはず。
だとすると、さっきのは男の子の方から話しかけた?
だったら、ちょっと心配だな……。
奈緒はツンケンしている所があって、サッパリしている様な性格に見えるけど、本当は繊細で、人を寄せ付けない態度を取ることで心を保っている所がある。
だからさっきの男の子みたいに、押しの強そうな男子には弱いのよね……変な男子じゃなきゃ良いけど。
※※※
教室に戻り、鞄を手に取って正面を向くと、自分の席でチラチラと構って欲しそうにこちらを見ている優介が目に入る。
はいはい、そんなに見なくたって構ってあげるわよ。
私はそう思いながら、優介の方へと向かった。
珍しいな、いつもなら様子なんて見ないで来るのに。
「チラチラこっちをみて、どーしたの?」
「あ、いや。話したい事があって。今度の日曜日だけど、空いてる?」
「日曜日? 多分、大丈夫だと思うよ」
ん……この流れって、もしかして。
「じゃあさ、映画でも観に行かない?」
「えっと……二人で?」
「うん、二人で」
え? え?
これってデートのお誘いで良いんだよね!?
「駄目かな?」
私がテンパっていると、優介は直ぐに返答がないことに不安に思ったのか、寂しそうな声で聞いてくる。
「うぅん、大丈夫だよ」
と、私が慌てて返事を返すと、優介はパッと明るい笑顔を見せた。
なんて可愛らしい表情するのよ、まったく……ドキッとしちゃったじゃない。
「良かった!」
「それで、時間や待ち合わせ場所はどうする?」
「あとでメール送るよ」
と、優介は答えて、立ち上がり「それじゃ、用事あるから先、帰るわ」
「分かった。またね」
優介は紺色の手提げバッグを片手に持つと、「おぅ!」
と、返事をして教室を出ていった。
私が優介を見送っていると、「美穂さん」
と、良太君が自分の席から、声を掛けてくる。
意外……良太君って自分から女の子に話しかけられないタイプだと思っていた。
人を見かけで判断したら駄目ね。
私は良太君の方へと歩きながら「なに?」
良太君は笑顔を浮かべ「今から話すことは優介には内緒だけど、今朝ギリギリに教室に入ってきたのは、いま女の子の間で流行っている映画は何かって聞いていたからだってよ」
「え? そうなの?」
「うん! 本人が言ってた。多分、美穂さんを誘う準備をしていたんじゃないかな?」
「へぇ……教えてくれて、ありがとう」
「いえいえ。ごめんね、突然話しかけて。優介の友達として、二人には上手く言って欲しかったから、どうしても伝えたくて」
「うぅん、大丈夫。ありがと!」
良太君も友達思いの良い子なんだね。
優介、あんた幸せ者だね。
「それじゃ俺、部活があるから」
と、良太君は言って立ち上がる。
「うん、じゃあね」
「じゃあね」
――私は教室を出ていく良太君を見送る。
さて……そんなこと聞いちゃったら、私も頑張らないとね。
デートか……何を着ていこう。
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