28 / 47
ダブルデート
しおりを挟む
「俺は構わないけど、誠と沙織ちゃんは?」
「沙織さん、どうする?」
「いいわよ」
沙織は、初めから想定していたかのように、あっさりと答えた。
「決まりね。先にどちらにするかだけど――」
沙織が突然、挙手をする。
「私と誠さんは後が良いです」
楓は驚いた表情を見せるも、すぐに表情を戻した。
「私は大丈夫よ。御二人さんは?」
「石田、大丈夫だよな?」
「おう、大丈夫」
「それじゃ、最初は私と誠君。石田君と、沙織ちゃんね。ここに居ても良いけど、離れるなら、一時間後、ここに戻ってきて」
「分かった」
沙織は石田に近づくと、右腕を握った。
「少し、散歩しましょ」
二人だけの時間をわざと作るかのように沙織はそう言って、腕をグイッと引っ張る。
「あ、あぁ……」
石田は驚いた表情を浮かべながら、返事をした。
沙織は石田の腕を離さないまま歩き出す。
石田は沙織に合わせて、照れ臭そうに自分の髪を触りながら、歩き出した。
誠は自分と伯父さん以外で、親しげに男性と肩を並べて歩く沙織の姿をみるのは、初めての事だった。
だからだろうか。
誠は沙織を石田に取られたかのような複雑な表情を浮かべ、二人を見送っている。
楓はそんな誠を黙ったまま見つめ、一生懸命に誠の気持ちを探ろうとしているかのようだった。
少しして、これ以上、見ていられなくなったようで、楓は誠に近づき、右腕を掴む。
誠は集中していて驚いたのか、ビクッと体を震わせた。
「そんな心配しなくても大丈夫よ。それとも私とじゃ、不満?」
「あ、すみません。そんなつもりじゃ」
誠の慌てた様子をみて、楓はクスッと笑う。
「私達は、何をしようか?」
「椅子も片付けてしまったから、俺達も散歩をしましょうか?」
「うん、賛成」
二人は川沿いを、肩を並べて歩きだす。
川のせせらぎが聞こえ、穏やかな時間が流れる。
「水がキラキラと光っていて、綺麗ね」
楓が川を眺めながら、呟いた。
「そうですね」
心ここにあらずといった感じで、誠も川の方をボーっと眺める。
二人はそのまま、黙って歩き続けた。
「――ねぇ、せっかくだから聞きい事があるんだけど」
「何ですか?」
「誠君の顔の好みは? 可愛い子が好き? それとも綺麗な子?」
「え、行き成りですか。そうですね――どちらかというと可愛い方ですね」
誠は照れ臭そうに微笑む。
「へぇ……じゃあ、性格は積極的な方が良い? それとも、消極的な方がいい?」
楓は自分の方に心を向けさせようと、目を輝かせ、グイグイと攻め始める。
まるで、あなた色に染まるから教えて欲しい。
そんな心が入り混じっているかのようにも感じる。
「それは難しい質問ですね。うーん……何て言ったら良いのか、分かりませんが、気持ちを伝えてくれる方が嬉しいです」
「そう……じゃあ、次の質問ね。誠君は、年上の女性でも大丈夫な人?」
おそらくそれは自分の事を指していて、楓にとって一番知りたいところ。
楓はそれが滲み出るぐらいに、真剣な眼差しで誠を見つめた。
誠は誰かを思い浮かべるかのように躊躇いもせずに、直ぐに口を開く。
「大丈夫です」
「――分かった、最後の質問。ちょっと止まってくれる?」
「はい」
誠は歩くのをやめ、楓と向き合う。
「どうしたんですか?」
楓は誠の両手を手に取ると、上目遣いで見つめる。
「じゃあ、私なんてどうですか?」
誠の伝えて欲しいという想いに感化されてか、楓は自然と、自分の想いを口にした。
※※※
石田と沙織は川沿いをしばらく歩くと、コンクリートの階段を見つけて座っていた。
石田は一番下に、沙織は二段上に座り、ボーっと川の方を見つめている。
「一時間も何をすればいいんだろ?」
「そうね」
沙織は誘ったのは良いが、それから先は何も考えていないようだった。
飽きた石田は落ち着かない様子で、小石を拾っては、ポイッと下に投げている。
「ねぇ、石田君。ちょっと質問して良いかな?」
石田は石を投げるのをやめ、上を向く。
「あぁ、いいよ」
「男の人って、やっぱり若い子の方が好きなの?」
「それって、沙織ちゃんは年下に好きな子がいるって事?」
「う、うん。まぁ、そんな感じ」
沙織はうつむき、照れ臭そうに答える。
「年下の方が好きとは、よく聞くけど、そんなの人それぞれじゃね」
「そうだよね……私、年上としか付き合ったことないから、良く分からなくなっちゃって」
「そうなんだ……大丈夫、俺が好きな人は年上だよ。女性が年下を好きになっても、おかしいなんて思わない」
沙織は石田に勇気をもらったかのように、明るく微笑む。
「ありがとう」
「どう致しまして」
「誠さんの友達が、あなたで良かったです」
「そりゃ、どうも」
二人は仲良く笑った。
「沙織さん、どうする?」
「いいわよ」
沙織は、初めから想定していたかのように、あっさりと答えた。
「決まりね。先にどちらにするかだけど――」
沙織が突然、挙手をする。
「私と誠さんは後が良いです」
楓は驚いた表情を見せるも、すぐに表情を戻した。
「私は大丈夫よ。御二人さんは?」
「石田、大丈夫だよな?」
「おう、大丈夫」
「それじゃ、最初は私と誠君。石田君と、沙織ちゃんね。ここに居ても良いけど、離れるなら、一時間後、ここに戻ってきて」
「分かった」
沙織は石田に近づくと、右腕を握った。
「少し、散歩しましょ」
二人だけの時間をわざと作るかのように沙織はそう言って、腕をグイッと引っ張る。
「あ、あぁ……」
石田は驚いた表情を浮かべながら、返事をした。
沙織は石田の腕を離さないまま歩き出す。
石田は沙織に合わせて、照れ臭そうに自分の髪を触りながら、歩き出した。
誠は自分と伯父さん以外で、親しげに男性と肩を並べて歩く沙織の姿をみるのは、初めての事だった。
だからだろうか。
誠は沙織を石田に取られたかのような複雑な表情を浮かべ、二人を見送っている。
楓はそんな誠を黙ったまま見つめ、一生懸命に誠の気持ちを探ろうとしているかのようだった。
少しして、これ以上、見ていられなくなったようで、楓は誠に近づき、右腕を掴む。
誠は集中していて驚いたのか、ビクッと体を震わせた。
「そんな心配しなくても大丈夫よ。それとも私とじゃ、不満?」
「あ、すみません。そんなつもりじゃ」
誠の慌てた様子をみて、楓はクスッと笑う。
「私達は、何をしようか?」
「椅子も片付けてしまったから、俺達も散歩をしましょうか?」
「うん、賛成」
二人は川沿いを、肩を並べて歩きだす。
川のせせらぎが聞こえ、穏やかな時間が流れる。
「水がキラキラと光っていて、綺麗ね」
楓が川を眺めながら、呟いた。
「そうですね」
心ここにあらずといった感じで、誠も川の方をボーっと眺める。
二人はそのまま、黙って歩き続けた。
「――ねぇ、せっかくだから聞きい事があるんだけど」
「何ですか?」
「誠君の顔の好みは? 可愛い子が好き? それとも綺麗な子?」
「え、行き成りですか。そうですね――どちらかというと可愛い方ですね」
誠は照れ臭そうに微笑む。
「へぇ……じゃあ、性格は積極的な方が良い? それとも、消極的な方がいい?」
楓は自分の方に心を向けさせようと、目を輝かせ、グイグイと攻め始める。
まるで、あなた色に染まるから教えて欲しい。
そんな心が入り混じっているかのようにも感じる。
「それは難しい質問ですね。うーん……何て言ったら良いのか、分かりませんが、気持ちを伝えてくれる方が嬉しいです」
「そう……じゃあ、次の質問ね。誠君は、年上の女性でも大丈夫な人?」
おそらくそれは自分の事を指していて、楓にとって一番知りたいところ。
楓はそれが滲み出るぐらいに、真剣な眼差しで誠を見つめた。
誠は誰かを思い浮かべるかのように躊躇いもせずに、直ぐに口を開く。
「大丈夫です」
「――分かった、最後の質問。ちょっと止まってくれる?」
「はい」
誠は歩くのをやめ、楓と向き合う。
「どうしたんですか?」
楓は誠の両手を手に取ると、上目遣いで見つめる。
「じゃあ、私なんてどうですか?」
誠の伝えて欲しいという想いに感化されてか、楓は自然と、自分の想いを口にした。
※※※
石田と沙織は川沿いをしばらく歩くと、コンクリートの階段を見つけて座っていた。
石田は一番下に、沙織は二段上に座り、ボーっと川の方を見つめている。
「一時間も何をすればいいんだろ?」
「そうね」
沙織は誘ったのは良いが、それから先は何も考えていないようだった。
飽きた石田は落ち着かない様子で、小石を拾っては、ポイッと下に投げている。
「ねぇ、石田君。ちょっと質問して良いかな?」
石田は石を投げるのをやめ、上を向く。
「あぁ、いいよ」
「男の人って、やっぱり若い子の方が好きなの?」
「それって、沙織ちゃんは年下に好きな子がいるって事?」
「う、うん。まぁ、そんな感じ」
沙織はうつむき、照れ臭そうに答える。
「年下の方が好きとは、よく聞くけど、そんなの人それぞれじゃね」
「そうだよね……私、年上としか付き合ったことないから、良く分からなくなっちゃって」
「そうなんだ……大丈夫、俺が好きな人は年上だよ。女性が年下を好きになっても、おかしいなんて思わない」
沙織は石田に勇気をもらったかのように、明るく微笑む。
「ありがとう」
「どう致しまして」
「誠さんの友達が、あなたで良かったです」
「そりゃ、どうも」
二人は仲良く笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる