クラスメイトに良く当たる占い師を紹介して貰ったら、可愛い彼女が出来ました

若葉結実(わかば ゆいみ)

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第17話 大胆な行動をしてくるでしょう!

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 花火大会の当日。駅で星恵さんを待っていると、星子さんからメールが届く。メールには『今日は女の子の方から、大胆な行動をしてくるでしょう!』と書かれていた。

 え、大胆な行動!? 何だろう……メールをみてテンションが上がった俺は珍しく『だったら俺も、大胆な行動をした方が良いですか?』と、返信をしてみる。

 するとメールは直ぐに返事が届き『大吉です!!!』と書かれていた。たった一言なのに、溢れんばかりの期待を感じる。これは裏切らない様にしないとな。

 ──少しして改札口から星恵さんが出てくる。まだ寒い季節だけあって、星恵さんは灰色の厚手のロングコートに黒の手袋をして寒さ対策をしていた。

「お待たせ」と、星恵さんは俺に手を振りながら近づく。

「行こうか?」
「うん」

 俺は星恵さんの返事を聞いて、星恵さんに合わせながら歩き出した──まずはバスに乗り、目的地の近くまで向かう。

「今日、晴れて良かったね」

「そうだね」と、俺は返事をして窓際に座る星恵さんの方へと視線を向けた──嬉しいけど……バスって隣同士が近すぎるよな。

 夜に女の子と出かけるなんて、今まで無かったのもあって、妙にドキドキしてしまう。まだデートは始まったばかりなのに、こんな調子で大丈夫か?

 ※※※

 バスから降りた俺達は歩いて公園へと向かった──ここの公園は数分だけでは回り切れない程、広い。それなのに見渡す限りのイルミネーションが施されていて、俺達を幻想的な世界へと誘い込む。

 星恵さんは両手で口を覆いながら「わぁ……凄いねえ」と円らな瞳を輝かせた。

「本当……思わずウルっと来ちゃった」
「私も……」
「時間はまだあるし、ゆっくり見て回ろうか」
「うん!」

 クリスマスツリーの様に装飾された並木道に、花畑の様に敷き詰められたイルミネーション。そして光のトンネル……一体、どこに目をやって良いのか困ってしまう。

「ねぇねぇ、みてみて。ご当地キャラをかたどったイルミネーションまであるよ! 可愛いねぇ」

 そう言ってはしゃぐ星恵さんをみて、ここにも見ておかないといけないものがある事に気付く。俺は星恵さんを見つめながら「そうだね」と返事をした。

 ──半分ぐらい進んだところで俺は、上着のポケットから手を出し、「はぁ……はぁ……」と、息を吹きかける。

「寒いね」と星恵さんに話しかけると、星恵さんは待ってましたと言わんばかりに、パァァァ……っと笑顔をみせ「しょうがないなぁ」と言って、手袋を脱ぎ始めた。

「手を繋いであげるよ!」と、星恵さんは言って、俺の方へと手を伸ばし──俺の手を握る。

 嬉しそうにしている顔と、セリフが合っていなくて、何とも可愛らしい。

「温かいでしょ?」
「うん、温かいよ!」
「ふふん」

 星恵さんは上機嫌の様で、俺の手を小学生の様にブンブンと振りながら歩き始める──本当は星恵さんが俺と手を繋ぎたがっている事に気付いていた。

 星恵さんが俺に手をコツンコツンと当てたり、ポケットから手を出しては引っ込めたりと落ち着かない様子だったから……。

 でも、気付かないふりをしていた。だってもし星子さんがいう大胆な行動が、これだったら、占いは外れてしまう事になるから。

 星恵さんの様子から、俺の判断は間違っていなかったんだと思う。だったら俺は、もっと大胆な事をしないとな。

 星恵さんがブンブンと振っていた手を止め、ゆっくりと立ち止まる。俺も合わせて立ち止まった。

「光輝君、そろそろ花火が始まるみたいだよ」
「え、もうそんな時間? 早いな」
「ねぇ」

 俺達は手を繋いだまま、夜空を見上げる──いまの星空だけでも十分に綺麗なのに、色とりどりの花火が、夜空を彩った。

 何とも贅沢な景色だな……まるでゲームの世界のラブシーンの様だ。ふと星恵さんが気になり、視線を向けてみる。

 星恵さんは言葉にできないぐらいに感動している様で、黙って夜空を見上げていた。

 ──花火は30分ほどで終わる。俺はまだ夜空を見上げている星恵さんに「綺麗だったね」と声を掛けた。

 星恵さんは胸に手を当てながら「うん……まだ心臓がドキドキしてる」

「落ち着いたら、続きを見て回ろうか」
「うん」

 ──少しして、俺達はゆっくりと歩き始める。最後に俺と同じ高さくらいある大きなハートの形をしたイルミネーションの前に来ると、俺達は立ち止まった。

「──これで最後だね」
「うん」
「どうする? ──もう帰る?」

 星恵さんは俯き加減で、何処か物足りなそうにそう言った。

「いや……もう少しこうしていたいな」
「分かった」

 ──冷え込んできたな。明日は学校があるし、風邪をひいたら大変だ。長居は出来ない。

 俺はゴクッと固唾を飲むと「星恵さん、あのさ──」と口にして、星恵さんの方に体を向けた。星恵さんも体をこちらに向けると「何?」と首を傾げて返事をする。

「俺……星恵さんと一緒に勉強した時から、星恵さんの事、その……気になりだして、話せなかった時には繋がっていたい気持ちになって……この間、釣りを一緒にしている時、焦りと不安を覚えるほど──君が好きだと気付いた」

 俺は視線を逸らしたり、空を見上げたり、髪を撫でたりと恥ずかしさを紛らわしながらも「だから……これからもずっと俺と一緒に居て欲しい!」と、最後まで言い切った。

 思わずギュッと目を閉じてしまったから、星恵さんの表情は分からない。だけど──星恵さんは俺の両手を掴み「はい、喜んで!」と返事をしてくれた。

「本当!?」と目を開けると、星恵さんの可愛い笑顔が飛び込んでくる。

「うん、本当! 私も占いの事で光輝君の優しさに触れてから──うぅん、本当はもっと前から気になっていて好きだったの……だから凄く嬉しいよ」

 それを聞いた俺は嬉しさのあまり笑みを零す。星恵さんはそんな俺をみて、恥ずかしくなった様で髪を撫でながら俯いた。

「ありがとう。俺も嬉しいよ」

 俺はそう言って、星恵さんの手を握る。そしてゆっくり歩き出した。

「帰ろうか」
「うん!」
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