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第18話 やきもち
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それから数ヶ月経ったある日の昼休み。俺がジュースを買おうと廊下に出ると、正面から高橋さんが歩いてくる。
結局、あれから嫌っている理由は分からず、気まずくなった俺は視線を逸らしながら、横を通り過ぎようとした。
すると高橋さんは立ち止まり「光輝君、ちょっと良い?」と、声を低くして話しかけてきた。俺も立ち止まり「──うん、良いけど何?」と答える。
高橋さんの顔……やっぱり怒ってる。日頃の高橋さんの顔はこんなに強張っていない。
「あのさ。最近、星恵と遊び──」とまで、高橋さんが言い掛けたところで、高橋さんの後ろから星恵ちゃんが近づきながら「あら、菜緒《なお》と光輝君なんて珍しい組み合わせね。どうしたの?」と話しかけてきた。
「何でもない」
高橋さんはそう言って、逃げるかのようにそそくさと、その場を離れる。星恵ちゃんは黙って首を傾げていた。
一体、高橋さんは何を言いたかったんだろ? 星恵ちゃんと関りがあるのは確かだけど……。
「ねぇ、星恵ちゃん」
「なに?」
「今日も一緒に帰ろうよ。ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「うん、良いよ」
※※※
こうして一緒に帰る約束した俺は、放課後、星恵ちゃんと一緒に帰る。
「それで、話って何?」
考えたら廊下で高橋さんが言い掛けた事を、星恵ちゃんに言って良いのだろうか? うーん……ダイレクトにいかずに、ちょっと遠回しに聞いてみるか。
「えっと……星恵ちゃんと高橋さんってさ、仲良さそうだけど、幼馴染なの?」
「菜緒と? うん、そうだよ。私と菜緒は長いよ~、なんと幼稚園の頃からずっと一緒なんだから!」
「へぇー……そうなんだ」
「で、何で光輝君が菜緒の事を気にしてるの?」
「い、いや……ちょっと……」
「え、まさか──」
星恵ちゃんは嫌な事を考えているのか眉を顰め、表情を曇らせる。俺は慌てて「あ、星恵ちゃんが考えている様な事じゃないって」と否定した。
「じゃあ何で?」
「それは──」
話が拗れるぐらいなら正直に話した方が良いよな?
「それは俺、何だか高橋さんに嫌われている気がしたから……」
「菜緒が光輝君を? 何で?」
「分からない。分からないから星恵ちゃんなら知ってるかな? って思って、今日、誘ってみたんだ」
「あぁ、そういう事。ん~……」と、星恵ちゃんは考え事を始めた様で、人差し指を顎に当てる。
「嫌われてるって感じ始めたのは、いつ頃からなの?」
「えっと、俺達が付き合う前。確か……そう、星恵ちゃんが誕生日プレゼントをくれた後ぐらい」
「あの時ぐらいか……」と星恵ちゃんは言いながら、腕を下ろし「そういえば今日は何を話していたの?」
「話していたというか、高橋さんが最近、星恵と遊びまで言い掛けて、終わっちゃったよ」
「そうなんだ」
星恵ちゃんはそう返事をして、正面を見つめたまま歩き続ける。
「光輝君、ごめん。それ……私が原因かも?」
「え、どういう事?」
星恵ちゃんは頬を掻きながら「えっと……多分、光輝君と過ごす時間が長くなって、菜緒と過ごす時間が短くなっちゃったから、菜緒はあなたにヤキモチを焼いているのかも……」
「え……そんな事ってあるの?」
「うん、普通にあると思うよ。長ければ長い程ねぇ……」
「ほぅ……」
星恵ちゃんは顎から手を離すと、両手を合わせ「あともう一つ……ごめん!」
「何が?」
「照れくさくて、まだ家族以外、あなたが彼氏だって事、言えてないの!」
「あぁ……じゃあ彼氏でも無いのに、遊び過ぎだと思われているのかな?」
「かもかも」と、星恵ちゃんは頷く。
「はぁ……どうする?」
「とりあえず直ぐに光輝君が彼氏だと、菜緒に話してみるよ」
「分かった」
結局、あれから嫌っている理由は分からず、気まずくなった俺は視線を逸らしながら、横を通り過ぎようとした。
すると高橋さんは立ち止まり「光輝君、ちょっと良い?」と、声を低くして話しかけてきた。俺も立ち止まり「──うん、良いけど何?」と答える。
高橋さんの顔……やっぱり怒ってる。日頃の高橋さんの顔はこんなに強張っていない。
「あのさ。最近、星恵と遊び──」とまで、高橋さんが言い掛けたところで、高橋さんの後ろから星恵ちゃんが近づきながら「あら、菜緒《なお》と光輝君なんて珍しい組み合わせね。どうしたの?」と話しかけてきた。
「何でもない」
高橋さんはそう言って、逃げるかのようにそそくさと、その場を離れる。星恵ちゃんは黙って首を傾げていた。
一体、高橋さんは何を言いたかったんだろ? 星恵ちゃんと関りがあるのは確かだけど……。
「ねぇ、星恵ちゃん」
「なに?」
「今日も一緒に帰ろうよ。ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「うん、良いよ」
※※※
こうして一緒に帰る約束した俺は、放課後、星恵ちゃんと一緒に帰る。
「それで、話って何?」
考えたら廊下で高橋さんが言い掛けた事を、星恵ちゃんに言って良いのだろうか? うーん……ダイレクトにいかずに、ちょっと遠回しに聞いてみるか。
「えっと……星恵ちゃんと高橋さんってさ、仲良さそうだけど、幼馴染なの?」
「菜緒と? うん、そうだよ。私と菜緒は長いよ~、なんと幼稚園の頃からずっと一緒なんだから!」
「へぇー……そうなんだ」
「で、何で光輝君が菜緒の事を気にしてるの?」
「い、いや……ちょっと……」
「え、まさか──」
星恵ちゃんは嫌な事を考えているのか眉を顰め、表情を曇らせる。俺は慌てて「あ、星恵ちゃんが考えている様な事じゃないって」と否定した。
「じゃあ何で?」
「それは──」
話が拗れるぐらいなら正直に話した方が良いよな?
「それは俺、何だか高橋さんに嫌われている気がしたから……」
「菜緒が光輝君を? 何で?」
「分からない。分からないから星恵ちゃんなら知ってるかな? って思って、今日、誘ってみたんだ」
「あぁ、そういう事。ん~……」と、星恵ちゃんは考え事を始めた様で、人差し指を顎に当てる。
「嫌われてるって感じ始めたのは、いつ頃からなの?」
「えっと、俺達が付き合う前。確か……そう、星恵ちゃんが誕生日プレゼントをくれた後ぐらい」
「あの時ぐらいか……」と星恵ちゃんは言いながら、腕を下ろし「そういえば今日は何を話していたの?」
「話していたというか、高橋さんが最近、星恵と遊びまで言い掛けて、終わっちゃったよ」
「そうなんだ」
星恵ちゃんはそう返事をして、正面を見つめたまま歩き続ける。
「光輝君、ごめん。それ……私が原因かも?」
「え、どういう事?」
星恵ちゃんは頬を掻きながら「えっと……多分、光輝君と過ごす時間が長くなって、菜緒と過ごす時間が短くなっちゃったから、菜緒はあなたにヤキモチを焼いているのかも……」
「え……そんな事ってあるの?」
「うん、普通にあると思うよ。長ければ長い程ねぇ……」
「ほぅ……」
星恵ちゃんは顎から手を離すと、両手を合わせ「あともう一つ……ごめん!」
「何が?」
「照れくさくて、まだ家族以外、あなたが彼氏だって事、言えてないの!」
「あぁ……じゃあ彼氏でも無いのに、遊び過ぎだと思われているのかな?」
「かもかも」と、星恵ちゃんは頷く。
「はぁ……どうする?」
「とりあえず直ぐに光輝君が彼氏だと、菜緒に話してみるよ」
「分かった」
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