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第19話 恋人が居るなら海に誘うと吉!
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それから数ヶ月経過する。星恵ちゃんは高橋さんに俺が彼氏だと話した様だが、だからといって、何も進展は無かった。
まぁ、当然か。言うなれば俺は恋敵のようなものなんだから。もう嫌われてる理由は分かっているし、何も気にする事はない。俺は以前と変わらず、星恵ちゃんと過ごす日々を満喫していた。
そんなある日。自室のベッドでゴロゴロとしながら携帯を触っていると星子さんから久しぶりにメールが届く。
えー、なになに『今月は恋人が居るなら海に誘うと吉!』
「ほぅ……体型には自信が無いが、星恵ちゃんの水着姿をみる大チャンスだな」
俺は直ぐに星恵ちゃんに電話をする。星恵ちゃんも携帯を触っていた様で直ぐに「はい」と電話に出た。
「あ、突然なんだけどさ。今月、海に行かない?」
「うん、行く行く。いつが良い?」
「うーん……来週の日曜日あたり、どうかな?」
「良いね! じゃあ待ち合わせ場所とか後で連絡するね」
「うん、分かった」
俺はそう返事をして電話を切る。随分とスムーズに話は済んだけど……ん? 何で待ち合わせ場所は後で何だ? ──まぁ、気にするような事じゃないか。
※※※
海に行く当日。俺は星恵ちゃんの指定してきた駅で降り、外に出た。目の前の噴水が待ち合わせ場所で、俺はそこで星恵ちゃんを待つ──。
「え……」
少しすると水色のリュックを背負い、花柄ワンピースに麦わら帽子を被った星恵ちゃんがやってきて、その隣には何故か、白いTシャツにデニムのショートパンツを履いた高橋さんが居た。
「お待たせ~」と、星恵ちゃんは俺の前で立ち止まる。高橋さんは一歩距離を置いて立ち止まり、俺と顔を合わせたくないのか、腕を組んで斜めに体を向けた。
「高橋さんも誘ったんだね」
「うん、たまには三人も良いじゃない?」
「そうだね……」
「じゃあ行こうか」
星恵ちゃんはそう言って、バス停に向かって歩き出す。俺は星恵ちゃんの隣を歩き、高橋さんは星恵ちゃんの後ろを歩き出した。
星恵ちゃんは俺にグイっと近づくと「何も相談しないで、勝手にごめん。菜緒は大切な親友だし、どうしても光輝君と仲良くなって欲しくて誘ったの。何か不満があるなら、その埋め合わせは後でするから、今日は付き合って」と小声で話しかけてくる。
俺も小声で「そういう事か。了解」と返事をした。
上手くいくかは分からないが、こっちとしても嫌われているより、仲良くなった方が気分いいし、やれるだけやってみるか。
※※※
俺達はバスに乗って海に向かう──最初は俺と星恵ちゃんが隣同士に座っていたが、せっかく三人だからとトイレ休憩の時に、位置を交換し、いまは俺と高橋さんが隣同士になっていた。
正直、女子と腕が触れそうなぐらい近くに座る事なんて、星恵ちゃん以外ない事だし、ドキドキしている。高橋さんの方は、ずっと窓の外を見つめ、こちらに顔を向けないので分からなかった。
とりあえず無言でいるのは気まずいから「──海、楽しみだね」と声を掛けてみる。高橋さんは顔をこちらに向けることなく「そうね」と、素っ気なく返事をした。
おはようと言った時もそうだったけど……ちゃんと返事はしてくれている。本当に嫌いなら返事だって返さないだろう。俺が勝手に思い込んでいただけで、本当は接し方が分からないだけなんじゃ……だったら──。
「海、好き?」と、続けて話し掛けてみる。
「そうね……好きな方じゃないかな?」
お、さっきより返事が長くなったぞ。少し楽しくなってきた俺は更に「へぇ、そうなんだ。体を動かすのは好きな方?」と聞いてみる。
「えぇ、好きな方ね。だから剣道部に入ったの」
「なるほど。調子はどう?」
「スランプの時もあったけど、最近は順調の方ね」
「へぇ、凄いね」
──ここで会話が途切れるが、深追いはしない。喋り過ぎてウザいって思われるのも嫌だしね……俺は様子を見ながら、高橋さんとの会話を楽しんだ──。
まぁ、当然か。言うなれば俺は恋敵のようなものなんだから。もう嫌われてる理由は分かっているし、何も気にする事はない。俺は以前と変わらず、星恵ちゃんと過ごす日々を満喫していた。
そんなある日。自室のベッドでゴロゴロとしながら携帯を触っていると星子さんから久しぶりにメールが届く。
えー、なになに『今月は恋人が居るなら海に誘うと吉!』
「ほぅ……体型には自信が無いが、星恵ちゃんの水着姿をみる大チャンスだな」
俺は直ぐに星恵ちゃんに電話をする。星恵ちゃんも携帯を触っていた様で直ぐに「はい」と電話に出た。
「あ、突然なんだけどさ。今月、海に行かない?」
「うん、行く行く。いつが良い?」
「うーん……来週の日曜日あたり、どうかな?」
「良いね! じゃあ待ち合わせ場所とか後で連絡するね」
「うん、分かった」
俺はそう返事をして電話を切る。随分とスムーズに話は済んだけど……ん? 何で待ち合わせ場所は後で何だ? ──まぁ、気にするような事じゃないか。
※※※
海に行く当日。俺は星恵ちゃんの指定してきた駅で降り、外に出た。目の前の噴水が待ち合わせ場所で、俺はそこで星恵ちゃんを待つ──。
「え……」
少しすると水色のリュックを背負い、花柄ワンピースに麦わら帽子を被った星恵ちゃんがやってきて、その隣には何故か、白いTシャツにデニムのショートパンツを履いた高橋さんが居た。
「お待たせ~」と、星恵ちゃんは俺の前で立ち止まる。高橋さんは一歩距離を置いて立ち止まり、俺と顔を合わせたくないのか、腕を組んで斜めに体を向けた。
「高橋さんも誘ったんだね」
「うん、たまには三人も良いじゃない?」
「そうだね……」
「じゃあ行こうか」
星恵ちゃんはそう言って、バス停に向かって歩き出す。俺は星恵ちゃんの隣を歩き、高橋さんは星恵ちゃんの後ろを歩き出した。
星恵ちゃんは俺にグイっと近づくと「何も相談しないで、勝手にごめん。菜緒は大切な親友だし、どうしても光輝君と仲良くなって欲しくて誘ったの。何か不満があるなら、その埋め合わせは後でするから、今日は付き合って」と小声で話しかけてくる。
俺も小声で「そういう事か。了解」と返事をした。
上手くいくかは分からないが、こっちとしても嫌われているより、仲良くなった方が気分いいし、やれるだけやってみるか。
※※※
俺達はバスに乗って海に向かう──最初は俺と星恵ちゃんが隣同士に座っていたが、せっかく三人だからとトイレ休憩の時に、位置を交換し、いまは俺と高橋さんが隣同士になっていた。
正直、女子と腕が触れそうなぐらい近くに座る事なんて、星恵ちゃん以外ない事だし、ドキドキしている。高橋さんの方は、ずっと窓の外を見つめ、こちらに顔を向けないので分からなかった。
とりあえず無言でいるのは気まずいから「──海、楽しみだね」と声を掛けてみる。高橋さんは顔をこちらに向けることなく「そうね」と、素っ気なく返事をした。
おはようと言った時もそうだったけど……ちゃんと返事はしてくれている。本当に嫌いなら返事だって返さないだろう。俺が勝手に思い込んでいただけで、本当は接し方が分からないだけなんじゃ……だったら──。
「海、好き?」と、続けて話し掛けてみる。
「そうね……好きな方じゃないかな?」
お、さっきより返事が長くなったぞ。少し楽しくなってきた俺は更に「へぇ、そうなんだ。体を動かすのは好きな方?」と聞いてみる。
「えぇ、好きな方ね。だから剣道部に入ったの」
「なるほど。調子はどう?」
「スランプの時もあったけど、最近は順調の方ね」
「へぇ、凄いね」
──ここで会話が途切れるが、深追いはしない。喋り過ぎてウザいって思われるのも嫌だしね……俺は様子を見ながら、高橋さんとの会話を楽しんだ──。
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