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第41話 こういうのも悪くないなって
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俺は御土産屋に入ると、ウサギをモチーフにしたマスコットキャラクターがプリントされた白いハンドタオルを買う。
外に出ると、直ぐにビニール袋から取り出し「買ってきたよ」と星恵ちゃんに近づいた。
「可愛いタオルだね」
「でしょ?」と俺は返事をして、星恵ちゃんの後ろに回って立ち止まる。
「拭いてあげるから、ジッとしてて」
「え。じ、自分で拭けるよ」
「良いから」
俺がそう言って拭き始めると、星恵ちゃんは緊張しているようで、ジッとしながら肩を強張らせていた。
「──何だか、彼氏に髪を拭かれるって、恥ずかしいね」
「そうかな?」
「そうだよ……」
拭いていると、柔らかい星恵ちゃんの髪からフワァっとシャンプー? の良い匂いがしてきて、何だか風呂上がりの髪を拭いている気分になる。た、確かに恥ずかしい──かも。
それでも俺は無言で拭き続け、ある程度、乾いたのを確認すると「これぐらいで良いかな?」
「うん、後は自分でやるから良いよ。ありがとう」
「どう致しまして」
俺は正面に移動すると、タオルを渡し、ポップコーンを受け取る。
「待ってる間、わたし食べたから、あと全部食べて良いよ」
「味が三種類あって、迷ったからSサイズにしたんだけどさ。量、足りた?」
「うん、足りたよ」
「そう、なら良かった」
俺はポップコーンをパクパクと食べながら「次、どうしようか?」
「そうねぇ……この後、ちょっとトイレに行かせて」
「了解」
「戻ってきたら、最後にメリーゴーランドに乗って帰ろうか?」
「メリーゴーランドか、いいね」
──星恵ちゃんが戻ってくると、俺達はメリーゴーランドに向かう。乗り場に着くと、直ぐにスタッフさんに案内された。
俺が馬車に座ろうと進むと、星恵ちゃんは何故か馬の方に進む。
「あれ? 一緒に座らないの?」
「うん。私は馬の方が好きなの」
「そうなんだ。じゃあ俺も馬にするかな」
俺はそう言って、星恵ちゃんの後ろの馬に座る──少ししてスタッフが注意事項をアナウンスして、ジリリリリ……と出発音が鳴った。馬がゆっくり動き出し、メルヘンチックな音楽が流れる。
──周りの景色を眺めて楽しんでいると、星恵ちゃんが後ろを振り向く。
「おーい、光輝君。楽しんでる~?」と、星恵ちゃんは笑顔を見せながら、俺に向かって手を振ってくる。
俺も手を振りながら「うん、楽しんでるよ~」と返した。
「そう、良かった!」
星恵ちゃんはそう言って前を向く。
永遠に距離が縮まる事のないメリーゴーランド……綺麗な髪を風でなびかせながら、乗っている星恵ちゃんの後姿をジッと見つめながら、こう思う──たまには、こういうのも悪くないなって。
※※※
次の日の夕方。俺はベッドで横になりながら、昨日の事を思い出していた。口紅で思い出したけど、そういえば星恵ちゃん、誕生日にあげた口紅を使ってくれた事あったっけ?
俺はあの時にあげた口紅の色を思い出すため、携帯の写真フォルダを開く──あった! うーん……この色だよな……。
高校の時、ずっと注目はしていたけど、この色になった事は無かった。大人っぽい色だから、大人になってからするのかな? ぐらいに考えていたけど、その気配は無いんだよな。大切な物だから使いたくないって事なのかな? だったら嬉しいけど……。
俺がそう考えていると、星子さんからメールが届く。開いてみるとそこには『耐え忍ぶ時がやってきます。頑張ってください』と書かれていた。
突然の事に驚いた俺は上半身を起こし「はぁ!? どういうことだよ、星子さん!」と叫んでいた。
──そのまま硬直し、様子をみていると、今度は星恵ちゃんから電話が来る。俺はスゥー……ハァー……と深呼吸をしてから、電話に出た。
「はい」
「あ、もしもし光輝君。突然で、申し訳ないですが明日、暇ですか?」
えっと……なぜ敬語?
「うん、長期連休はまだ続くから暇ですよ」
「そうですか……うちの父、海外勤務で、ずっとこっちに居なかったのですが……明日帰ってくるんです」
「おぉ、それは良かったね」
「他人事ではないのですよ?」
「ん? どういうこと?」
「父が……一緒に食事を食べましょうと言ってます」
「!」
まさかこんな早いタイミングで、星恵ちゃんのお父さんに挨拶する日が来るなんて思ってもみなかったので、ビックリして言葉を失う。
「えっと……マジで?」
「マジです」
「あー……」
どうする? ──どうするもこうするも無いか。誘われているのに行かないなんて失礼だし、滅多に帰って来ないと言っているんだから──
「じゃあ、準備しておきます」
「ありがとう!」
星恵ちゃんはそう言って、電話を直ぐに切ってしまった。敬語だったのは、申し訳ない気持ちからきていたのかな? まぁ……いずれは挨拶しなきゃいけないんだし、それが早まっただけだ。
それは良いけど……何を着て行けば良いんだ? 俺は急いで携帯で調べ、引き出しから服を選び始めた。
外に出ると、直ぐにビニール袋から取り出し「買ってきたよ」と星恵ちゃんに近づいた。
「可愛いタオルだね」
「でしょ?」と俺は返事をして、星恵ちゃんの後ろに回って立ち止まる。
「拭いてあげるから、ジッとしてて」
「え。じ、自分で拭けるよ」
「良いから」
俺がそう言って拭き始めると、星恵ちゃんは緊張しているようで、ジッとしながら肩を強張らせていた。
「──何だか、彼氏に髪を拭かれるって、恥ずかしいね」
「そうかな?」
「そうだよ……」
拭いていると、柔らかい星恵ちゃんの髪からフワァっとシャンプー? の良い匂いがしてきて、何だか風呂上がりの髪を拭いている気分になる。た、確かに恥ずかしい──かも。
それでも俺は無言で拭き続け、ある程度、乾いたのを確認すると「これぐらいで良いかな?」
「うん、後は自分でやるから良いよ。ありがとう」
「どう致しまして」
俺は正面に移動すると、タオルを渡し、ポップコーンを受け取る。
「待ってる間、わたし食べたから、あと全部食べて良いよ」
「味が三種類あって、迷ったからSサイズにしたんだけどさ。量、足りた?」
「うん、足りたよ」
「そう、なら良かった」
俺はポップコーンをパクパクと食べながら「次、どうしようか?」
「そうねぇ……この後、ちょっとトイレに行かせて」
「了解」
「戻ってきたら、最後にメリーゴーランドに乗って帰ろうか?」
「メリーゴーランドか、いいね」
──星恵ちゃんが戻ってくると、俺達はメリーゴーランドに向かう。乗り場に着くと、直ぐにスタッフさんに案内された。
俺が馬車に座ろうと進むと、星恵ちゃんは何故か馬の方に進む。
「あれ? 一緒に座らないの?」
「うん。私は馬の方が好きなの」
「そうなんだ。じゃあ俺も馬にするかな」
俺はそう言って、星恵ちゃんの後ろの馬に座る──少ししてスタッフが注意事項をアナウンスして、ジリリリリ……と出発音が鳴った。馬がゆっくり動き出し、メルヘンチックな音楽が流れる。
──周りの景色を眺めて楽しんでいると、星恵ちゃんが後ろを振り向く。
「おーい、光輝君。楽しんでる~?」と、星恵ちゃんは笑顔を見せながら、俺に向かって手を振ってくる。
俺も手を振りながら「うん、楽しんでるよ~」と返した。
「そう、良かった!」
星恵ちゃんはそう言って前を向く。
永遠に距離が縮まる事のないメリーゴーランド……綺麗な髪を風でなびかせながら、乗っている星恵ちゃんの後姿をジッと見つめながら、こう思う──たまには、こういうのも悪くないなって。
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次の日の夕方。俺はベッドで横になりながら、昨日の事を思い出していた。口紅で思い出したけど、そういえば星恵ちゃん、誕生日にあげた口紅を使ってくれた事あったっけ?
俺はあの時にあげた口紅の色を思い出すため、携帯の写真フォルダを開く──あった! うーん……この色だよな……。
高校の時、ずっと注目はしていたけど、この色になった事は無かった。大人っぽい色だから、大人になってからするのかな? ぐらいに考えていたけど、その気配は無いんだよな。大切な物だから使いたくないって事なのかな? だったら嬉しいけど……。
俺がそう考えていると、星子さんからメールが届く。開いてみるとそこには『耐え忍ぶ時がやってきます。頑張ってください』と書かれていた。
突然の事に驚いた俺は上半身を起こし「はぁ!? どういうことだよ、星子さん!」と叫んでいた。
──そのまま硬直し、様子をみていると、今度は星恵ちゃんから電話が来る。俺はスゥー……ハァー……と深呼吸をしてから、電話に出た。
「はい」
「あ、もしもし光輝君。突然で、申し訳ないですが明日、暇ですか?」
えっと……なぜ敬語?
「うん、長期連休はまだ続くから暇ですよ」
「そうですか……うちの父、海外勤務で、ずっとこっちに居なかったのですが……明日帰ってくるんです」
「おぉ、それは良かったね」
「他人事ではないのですよ?」
「ん? どういうこと?」
「父が……一緒に食事を食べましょうと言ってます」
「!」
まさかこんな早いタイミングで、星恵ちゃんのお父さんに挨拶する日が来るなんて思ってもみなかったので、ビックリして言葉を失う。
「えっと……マジで?」
「マジです」
「あー……」
どうする? ──どうするもこうするも無いか。誘われているのに行かないなんて失礼だし、滅多に帰って来ないと言っているんだから──
「じゃあ、準備しておきます」
「ありがとう!」
星恵ちゃんはそう言って、電話を直ぐに切ってしまった。敬語だったのは、申し訳ない気持ちからきていたのかな? まぁ……いずれは挨拶しなきゃいけないんだし、それが早まっただけだ。
それは良いけど……何を着て行けば良いんだ? 俺は急いで携帯で調べ、引き出しから服を選び始めた。
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