その愛は契約に含まれますか?[本編終了]

谷絵 ちぐり

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閑話 ○○しないと出られない部屋

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※無事、三兄弟全てカプ成立になりました。
書いてイインダヨーと心の広い読者さまのおかげです。
長く引っ張ってしまったにも関わらず読んでくださりありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
感謝と記念のお話です。
3カプの反応の違いをお楽しみくだされば幸いです。



アイク×リュカの場合


「アイク、セックスってなんでしょうか?」
「さぁ」

見渡す限り真っ白な部屋には扉がひとつ。
ノブを捻っても押しても引っ張っても微動だにしない。
灯りもないのに仄明るい。
部屋の中央にはおあつらえ向きに大きなベットがひとつ。
リュカは壁に手を這わせて歩く。
時折コツコツと叩いたりもする。

「アイク!すごいですよ、この部屋は継ぎ目がありません」

ぐるりと部屋を一周したリュカはベッドの端に座るアイザックに駆け寄った。
おいで、と言われるままに膝によじ登る。

「リュカ、ここに大きなベッドがあるね?」
「はい。どなたかの寝室でしょうか?」

こてと首を傾げるリュカ。
あぁー可愛い可愛い、とアイザックは力いっぱいリュカを抱きしめた後、ころりとベッドに転がした。

がなんの意味かはわからないが・・・ベッドの意味はわかる?」
「へ?」

二人は鍵の開くカチリという音が聞こえるまで抱き合った。



エルドリッジ×ナルシュの場合


「ふむ。なるほど」

リュカ達と同じような部屋に閉じ込められたナルシュは、顎に手を当てて頷いた。
よし、とポンとひとつ手を打つ。

「エル、やろう」
「待て、待て、待て」
「なんだよ」

すでにナルシュはエルドリッジを大きなベッドに押し倒している。

「どう考えてもこの状況は怪しいだろうが!」

ん?と首を傾げるナルシュ。
あぁー可愛い可愛い、とエルドリッジは思ったが心を鬼にした。

「いいか?ナル。なにかの罠かもしれないんだぞ?ここの空気がどんどん無くなっていってしまうとか。お前は少し短絡的すぎるぞ」
「んー、だめ?」

エルドリッジに跨ってゆるゆると腰を振るナルシュに、駄目じゃないとエルドリッジが答えるのは数秒後──。




ジェラール×ニコラスの場合

「ジェラールは私が守ります!」
「あ、はい」

ニコラスは継ぎ目の無い部屋のあちこちを検分し始めた。
それをジェラールはベッドに座って眺めている。
まずは扉が本当に開かないのか押したり引いたり、最後には体当たりまでしたが開かなかった。
次は一巡り壁を検分した後は、四つん這いになって床までコツコツと叩いている。
そして──

「ジェラール!ここですよ、きっと」

壁の角、床からほんの少しだけ上の壁をニコラスは叩いた。

「音が違います」

そう言って剣の柄でその壁を突いた。
何度か力いっぱい突くとガラガラと壁が崩れていく。
中には小さなレバーがあり、ニコラスがそれを引くとカチリと鍵の開く音がする。

「開きました!」

満面の笑みで駆け寄るニコラスにジェラールは、ありがとうとその手を握った。
はにかんだような、けれど得意げなニコラスの顔。
あぁー可愛い可愛い、とジェラールはニコラスの肩を抱いて部屋を出た。

「ご褒美をあげなくちゃいけないね?」
「え?」

こてんと首を傾げるニコラスの耳にふぅと息を吹きかけて、ジェラールはニコラスをお持ち帰りした。
もちろんめちゃくちゃ抱いた。




※ベッドという言葉があるのにセックスという言葉がないのはおかしいのでは?
そう思ってらっしゃる方もいるかと思います。
答えは簡単です、作者が寝台と書くべきところをベッドと書いて投稿してしまったからです←
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