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雨上がりのスピードで
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パブロフの犬という有名な実験がある。
犬にベルを鳴らして餌を与えると、ベルを鳴らしただけで犬が唾液を分泌するようになるというアレだ。
那智は今、自分がその犬になるべく躾されているような気がしてならない。
おはようから始まり、行ってきます、ただいま、おかえり、いってらっしゃい、おやすみとその全てにチュッと軽くキスをされる。
その時、ニコと笑まれると心臓が跳ねるのを抑えることができない。
朝陽が第一寮に戻るまでの期間限定だ、と那智は心を戒めていた。
なのにこれでは挨拶=キスと脳が覚えてしまう、それは良くない、だけど嫌じゃない。
きっと忘れたくとも忘れられない記憶になる。
「甘っ!お砂糖も裸足で逃げ出すレベル。いいじゃん、もうそのまま流されときなよ」
「もう流されてるよ、そりゃもう桃もびっくりの速さ。我ながらちょろいって思ってる」
「雨上がりの濁流か」
どんぶらこっこじゃなかったらなに?とみゃーちゃんと腹から笑いあった。
あの雨の日の翌日、コスタリカーナでみゃーちゃんに目敏く首筋に残る痕を見つけられた。
ヤッちゃった?とまたあのジェスチャーをされて、恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
そんな那智の前髪にはみゃーちゃんからのプレゼントのヘアピンがキラリと輝いている。
丸く白い、光の当たる角度によって色が変わる石が湖に浮かぶ月のようなそれ。
うさぎのヘアピンはまだ財布の中だ。
最後の抵抗のようにそこで傷だらけになっている。
どんなに今だけ今だけ、と言い聞かせてもその今に流されてしまう。
「僕さ、今まで色んな人と付き合って別れてきてるでしょ?」
「みゃーちゃん、急にどしたの?」
「いいから聞いて。付き合って別れたって事実は全部一緒、んで当たり前だけど中身は全部違うんだ」
「──朝陽は違うって言いたいんでしょ」
「当たりー、なっちは賢いねぇ」
カウンターから乗り出したみゃーちゃんに頬をぐりぐりとされて、ぽんと頭を撫でられた。
にこにことみゃーちゃんは心から笑ってくれている、自分を思ってくれているとわかる。
「なっち、死んだらこの恋愛の達人みゃーちゃんが骨を拾ってやるから安心しなさい」
「達人ってあんたフラれてばっかでしょうに」
「ママ、ひどいっ」
みゃーちゃんは両手で顔を覆って泣き真似をして、ほんとのことでしょとママは笑う。
「でもほんとに旦那になったのねぇ」
「別に、旦那ってわけじゃ・・・」
「那智?流れってのはね、留まるとどんどんと澱むのよ。だからね、思い切って流れに飲まれちゃいなさい」
「ちゃんと拾ってよ?」
そんなのはもうとっくに飲み込まれていて今はただの悪足掻きだ。
太陽のような笑顔も、まっすぐなところも強引に引っ張りあげてくれるところも好ましいと思う。
大きな手で包まれるのも、棒アイスをあっという間に食べてしまうところも、おんぶされた広い背中も。
肩越しに見えた視界はいつもと違っていて、目線が違うだけでとても清々しく思えた。
バイト終わり、駅へ向かうと朝陽が待っていることが多くなった。
本人は自分もバイトだから、と言う。
うっかり顔が緩みそうになるのでぎゅうと眉間に力をいれてやり過ごす。
「なち、おつかれ」
「ん、おつかれさま」
「今日はさ・・・」
手に持った小さな紙袋を見せようとする朝陽に、なんだろう?と寄っていく。
飼い慣らされてきたような気がしないでもない。
「月城君!」
「え?」
ふわふわのスカートに艶のあるピンク色の唇が、手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。
「あれ?月城君、彼女待ってたんじゃなかったの?」
「いや、ちが」
「こんばんはー、私たち月城君と同じバイト先なの」
「月城君のお友達?」
「違うよ、なちは俺の」
「っそう、そうなんです。偶然ばったり会って」
「そうなんだぁ」
「あの、終電あるんで僕はこれで。それじゃ」
ぺこぺこと頭を下げながら逃げるように立ち去る様はかっこ悪いと思う。
だけど、あの場にいることも出来ない。
なち、と大きな声が聞こえるがとてもじゃないけど振り向けない。
走って走って、ホームに着いた時にはあっさりと追いつかれていた。
無言で電車に乗って、無言で電車を降りる。
なにか話すことも目を合わすことも出来ない。
向こうもきっとそうだろう、可愛い女の子と並べて見て目が覚めたはずだ。
同じ部屋に帰るのは嫌だなぁ、と思うと足取りも自然と重くなった。
「なち、手ぇ繋ごう」
「なんで・・・」
「いつも繋いでる」
夜中の住宅街に人気はない、いつもなら引っ張って歩いてもらっている。
だけど、今日は握ったトートバッグから手が離せない。
「それともおんぶしてやろうか?」
あの広い背中にひっつけば、このザワザワとした気持ちも落ち着くんだろうことは容易に想像できる。
流されてしまえ、と思う反面それではいけないとも思う。
自分は流されてもいいが、朝陽が流されてしまうのは駄目だ。
「さっき、駅で変なこと言おうとしただろ」
「さっき?」
「バイト先の人らに」
「あぁ、なちのこと友達だって勘違いしてたみたいだから。今度ちゃんと言っとくよ」
「あかん、言うたらあかん」
「なんで」
「気持ち悪いって、そんなんだと思わなかったって、言われて、変な目で見られて、からかわれて、そんで、そんで」
「うん」
「居場所が、なくなる」
ジャリと音がして俯いた視線の先にはくたびれたスニーカーのつま先があって、すぐにそれは広い背中に変わった。
「乗れ」
だけど、でも、それは、と忙しなく動く思考は、早く!の声に突き動かされるようにその背中に身を任せた。
「よちよち、怖がりのなっちゃんをおぶって行きまちょうねぇ~」
「赤ちゃんちゃうわ、あほ」
汗ばんだ背中は熱いほどで、揺れる振動が、低く笑う声が心地よい。
こんなのは駄目だとか、まだ引き返せるとか、自分より可愛い女の子の方が、とか考えることはぐちゃぐちゃで混乱してしまう。
けれど一番に溢れてくるのは嬉しいという一言に尽きた。
この恋に、眩しい朝陽に、焼け焦げて流されて溺れてしまう。
※どんぶらこっこじゃなかったらなに?→どんぶらギュオンだと思います。
犬にベルを鳴らして餌を与えると、ベルを鳴らしただけで犬が唾液を分泌するようになるというアレだ。
那智は今、自分がその犬になるべく躾されているような気がしてならない。
おはようから始まり、行ってきます、ただいま、おかえり、いってらっしゃい、おやすみとその全てにチュッと軽くキスをされる。
その時、ニコと笑まれると心臓が跳ねるのを抑えることができない。
朝陽が第一寮に戻るまでの期間限定だ、と那智は心を戒めていた。
なのにこれでは挨拶=キスと脳が覚えてしまう、それは良くない、だけど嫌じゃない。
きっと忘れたくとも忘れられない記憶になる。
「甘っ!お砂糖も裸足で逃げ出すレベル。いいじゃん、もうそのまま流されときなよ」
「もう流されてるよ、そりゃもう桃もびっくりの速さ。我ながらちょろいって思ってる」
「雨上がりの濁流か」
どんぶらこっこじゃなかったらなに?とみゃーちゃんと腹から笑いあった。
あの雨の日の翌日、コスタリカーナでみゃーちゃんに目敏く首筋に残る痕を見つけられた。
ヤッちゃった?とまたあのジェスチャーをされて、恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
そんな那智の前髪にはみゃーちゃんからのプレゼントのヘアピンがキラリと輝いている。
丸く白い、光の当たる角度によって色が変わる石が湖に浮かぶ月のようなそれ。
うさぎのヘアピンはまだ財布の中だ。
最後の抵抗のようにそこで傷だらけになっている。
どんなに今だけ今だけ、と言い聞かせてもその今に流されてしまう。
「僕さ、今まで色んな人と付き合って別れてきてるでしょ?」
「みゃーちゃん、急にどしたの?」
「いいから聞いて。付き合って別れたって事実は全部一緒、んで当たり前だけど中身は全部違うんだ」
「──朝陽は違うって言いたいんでしょ」
「当たりー、なっちは賢いねぇ」
カウンターから乗り出したみゃーちゃんに頬をぐりぐりとされて、ぽんと頭を撫でられた。
にこにことみゃーちゃんは心から笑ってくれている、自分を思ってくれているとわかる。
「なっち、死んだらこの恋愛の達人みゃーちゃんが骨を拾ってやるから安心しなさい」
「達人ってあんたフラれてばっかでしょうに」
「ママ、ひどいっ」
みゃーちゃんは両手で顔を覆って泣き真似をして、ほんとのことでしょとママは笑う。
「でもほんとに旦那になったのねぇ」
「別に、旦那ってわけじゃ・・・」
「那智?流れってのはね、留まるとどんどんと澱むのよ。だからね、思い切って流れに飲まれちゃいなさい」
「ちゃんと拾ってよ?」
そんなのはもうとっくに飲み込まれていて今はただの悪足掻きだ。
太陽のような笑顔も、まっすぐなところも強引に引っ張りあげてくれるところも好ましいと思う。
大きな手で包まれるのも、棒アイスをあっという間に食べてしまうところも、おんぶされた広い背中も。
肩越しに見えた視界はいつもと違っていて、目線が違うだけでとても清々しく思えた。
バイト終わり、駅へ向かうと朝陽が待っていることが多くなった。
本人は自分もバイトだから、と言う。
うっかり顔が緩みそうになるのでぎゅうと眉間に力をいれてやり過ごす。
「なち、おつかれ」
「ん、おつかれさま」
「今日はさ・・・」
手に持った小さな紙袋を見せようとする朝陽に、なんだろう?と寄っていく。
飼い慣らされてきたような気がしないでもない。
「月城君!」
「え?」
ふわふわのスカートに艶のあるピンク色の唇が、手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。
「あれ?月城君、彼女待ってたんじゃなかったの?」
「いや、ちが」
「こんばんはー、私たち月城君と同じバイト先なの」
「月城君のお友達?」
「違うよ、なちは俺の」
「っそう、そうなんです。偶然ばったり会って」
「そうなんだぁ」
「あの、終電あるんで僕はこれで。それじゃ」
ぺこぺこと頭を下げながら逃げるように立ち去る様はかっこ悪いと思う。
だけど、あの場にいることも出来ない。
なち、と大きな声が聞こえるがとてもじゃないけど振り向けない。
走って走って、ホームに着いた時にはあっさりと追いつかれていた。
無言で電車に乗って、無言で電車を降りる。
なにか話すことも目を合わすことも出来ない。
向こうもきっとそうだろう、可愛い女の子と並べて見て目が覚めたはずだ。
同じ部屋に帰るのは嫌だなぁ、と思うと足取りも自然と重くなった。
「なち、手ぇ繋ごう」
「なんで・・・」
「いつも繋いでる」
夜中の住宅街に人気はない、いつもなら引っ張って歩いてもらっている。
だけど、今日は握ったトートバッグから手が離せない。
「それともおんぶしてやろうか?」
あの広い背中にひっつけば、このザワザワとした気持ちも落ち着くんだろうことは容易に想像できる。
流されてしまえ、と思う反面それではいけないとも思う。
自分は流されてもいいが、朝陽が流されてしまうのは駄目だ。
「さっき、駅で変なこと言おうとしただろ」
「さっき?」
「バイト先の人らに」
「あぁ、なちのこと友達だって勘違いしてたみたいだから。今度ちゃんと言っとくよ」
「あかん、言うたらあかん」
「なんで」
「気持ち悪いって、そんなんだと思わなかったって、言われて、変な目で見られて、からかわれて、そんで、そんで」
「うん」
「居場所が、なくなる」
ジャリと音がして俯いた視線の先にはくたびれたスニーカーのつま先があって、すぐにそれは広い背中に変わった。
「乗れ」
だけど、でも、それは、と忙しなく動く思考は、早く!の声に突き動かされるようにその背中に身を任せた。
「よちよち、怖がりのなっちゃんをおぶって行きまちょうねぇ~」
「赤ちゃんちゃうわ、あほ」
汗ばんだ背中は熱いほどで、揺れる振動が、低く笑う声が心地よい。
こんなのは駄目だとか、まだ引き返せるとか、自分より可愛い女の子の方が、とか考えることはぐちゃぐちゃで混乱してしまう。
けれど一番に溢れてくるのは嬉しいという一言に尽きた。
この恋に、眩しい朝陽に、焼け焦げて流されて溺れてしまう。
※どんぶらこっこじゃなかったらなに?→どんぶらギュオンだと思います。
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