5 / 24
嬉
しおりを挟む「ねーねー侑花」
「何?」
「今日木曜日だからキックボクシングあるよ」
プールの授業が終わって制服に着替えた頃、教室に至ります。
今は、休み時間なのでクラスの皆も適当に
遊んでいたり群れていたりと色々。
私はいつも香菜といる。まぁほぼ女子トークが多い。
「そうなんだ」
「さっきーもいるよ~?」
「だ、だから?」
さっきーもいるから体験来いと?
嫌、いくら何でもいきなりは無理でしょう。
生徒だって八人いるらしいし。大変でしょ?
なのに、もう一人加わったら面倒みるの大変そう……
行きたいよ?行きたいけど……何か照れる。
「迷惑だよ」
「誰が?」
その、さっきーのお父さんにさっきーにも。
と言うと香菜はさっきーも喜んでくれると思うから大丈夫!
と私を励ましてくれた。でも心配だなぁ……
本当に大丈夫なのかな?でもさっきーのキックボクシング姿
絶対見てみたい。自分のスマートフォンに収めたい。
あ、用は撮りたいと言う事ね。
「さっきーに聞いてみたら?次の授業で」
「……緊張する」
「大丈夫!冗談気味でさ!」
「わ、分かった」
絶対断られそうだけど、頑張ってみない事もない。
ただ聞けばいいだけ…そう、聞けばいいだけだ。
……なのに何でこんなに心臓がドクドクと踊っているかのように
飛び跳ねているように、ハートが割れそうになるほど
緊張しているのだろうか。
多分、今私の顔絶対火照ってるよ……
でも聞いてみないとだめだ。よし、頑張ろう。
ーーキーンコーンカーンコーンーー
授業が始まるチャイムが鳴った。
もちろん皆も席につく。社会の歴史だ。
南先生、男の先生。時々面白い事を言ったり凄い優しい三十路。
まだ言ってなかったと思うけど、私のクラスは一年一組です。
席は一番後ろの廊下側の方。さっきーも席についた。
よし、聞こう。大丈夫だよ。……あーもう!
何で私の心臓さっきから全く収まらないの!?
「……さっきー」
「何?」
「今日って、……何かある?」
「うん。あるよ」
ですよね。キックボクシングがね。
家の近くにお父さんが空き家を買って開いたって。
大翔も前行ってたけど部活とか勉強するからあんまり
行けなくなったらしい。皆忙しくなるよね。
しかももうすぐテスト期間だから。
塾や勉強やらと皆も忙しくなる。私は家庭教師がいる。
「キックボクシングだよね?」
「そうだよ」
「た、楽しい?」
強くなったら楽しいよ。
俺はエクササイズ程度だけどねと言いながら笑うさっきー
今日はさっきーの笑顔見れる事多いな。嬉しい
「蒼井も来る?」
「……えっ!?」
まさかさっきーの方から誘ってくれるとは……
これっていい方向だよね?
私ちゃんと聞けてなかったけど、物凄く嬉しい。
これは、行っていいという事だよね?
そう捉えていいんですよね?香菜……進歩したよ私。
私成長した。絢斗の時はこんな事思わなかったのに。
さっきーの事になると、一緒にいたいと思うし
もっと話したいと思う。これが恋なんだね。
「行きたい!」
「分かった。場所分かる?」
「香菜と行くよー」
「あー、了解」
私は行く約束をした。
今は六時間目だからもうすぐ終わるけれど
今からでも待ち遠しい。早く行きたいなぁ……
と思うのもあっという間。今は香菜と
キックボクシングの習い事、カルマーズに来た。
ここで空手もやっているらしい。
だからさっきーって筋肉半端ないのかもと考えていた。
さっきーは既に来ていた。かっこいい。
さっきーって何でも似合いそう、学ランとか……
私達の中学校、桜岡中学校はブレザーなのです。
「じゃあ侑花、私シャドーするから」
「……うん?」
「あ、蒼井?」
休憩をしていたさっきーが私に話し掛けた。
うわぁ……さっきー汗かいてる前髪を掻き上げる仕草
めちゃくちゃ、凄いかっこいい。イケメン。
でもわざわざ私のところに……体験って?
あー、体験ってどうすればいいか教えてくれるのかな。
「蒼井体験だよね?」
「そうだよ」
「じゃあここで座ってて見てて。暇だったらあのサンドバッグとか殴ったり蹴ったりしてていいから!」
色々と説明してくれた。
暇だったらって、暇になるわけがない。
さっきーを見てて暇になんてならない。かっこいい。
何か終わるまで見てれる気がする。
さっきーの事、中学校以外で見たの久しぶりだな……
小学校の頃は私の学年ほぼ決まった公園で遊んでる。
それで良くさっきーの事も見てたけど。
その時は恋愛感情なんてなかったからなぁ。
「さっきーー」
「ん?」
「……頑張って」
さっきーが、出たそれプールの時の。
あれ本当にビックリした。とか言いながら私を見た。
もちろんサンドバッグで殴りながらも話してる。
何かさっきーってたまに器用だなぁ。
多分、恋愛とかそういうのに関しては不器用。
みたいな感じなのかな。
「さっきーってさ、好きな人とかいないの?」
「……微妙。蒼井は?」
「いっ、いるよ?」
絢斗じゃない人だよね?
とか引き気味に確認をいれてくるさっきー。
え?何か当てようとしてる?マジで?
ちょ、当てられたら冗談で済みませんよね!?
バレたらどうするの?そのまま告白しろって事?
無理だよ、私の精神持ちません、恥ずかしい。
多分、嫌絶対恥ずかし過ぎて死ぬと思うよ。
「……分かんないや」
「何それ。当てようとして結局それ?」
さっきーは笑いながら言ってくれたのに。
私は苦笑いで返してしまった。
内心、当てて欲しいとか思っていたのかもしれない。
当てられてもらった方が告白しやすかった。
「ごめん、怒った?」
「……さっきーだよ」
え?と私に聞き返してきた。
別に怒ってるわけじゃないのは分かるでしょう。
告白したかった。気付いてほしい。
この気持ちに気付いてほしいの。さっきーはただでさえ
本当に天然で鈍感だから、普通にアピールしても
全く気付かない。少しずつメールもしてるのに。
「さっきーが、……好きなの」
「本当に?」
「今嘘つく訳ないでしょ」
だよね。と笑顔を絶やさないさっきー。
何かここに来てその笑顔がムカつく。
好きなのってちゃんと言ったよね?私。
なのになんにも言ってくれないの?分かってない?
嫌、流石に告白すれば分かるでしょう。
さっきーもそこまで鈍感ではないと思うし。
「俺も……好きかも」
「……は?」
「ごめん!変だよね」
嫌、変とかそういう問題じゃなくて。
好きかも?さっきーが私を?嘘でしょ?
……嬉しい。普通に嬉しい。
これは両想いというものなのでしょうか?
けれど、本当に好きになってくれてるのかが不安。
私って結構心配症でそういうの気にするタイプ。
それに嫉妬深いから……
「俺達、付き合う?」
「……嘘」
「ホント。嫌ならいいよ」
ホントだよね?ドッキリでしたーとかないよね?
あったらそれ私泣くよ?信じていいんだよね?
さっきーだから信じるよ。
さっきーじゃなかったら私は信じてないと思う。
……本当に嬉しいな。泣きそう。
「……ありがとう」
「うん、どういたしまして」
凄い優しい笑顔で私の頭を撫でた。
うん。優しい手のひら。凄い気持ちいい。
何て居心地がいいのだろうか。
ただ頭を撫でられているだけなのに……
変だよね?でもそのぐらい嬉しいという事だから。
これからの日々が楽しみで仕方ない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる