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彼女の力
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――2階廊下。
3人のもとへと戻った俺達は、どこから攻撃を仕掛けられるか分からない廊下から移動して、入口がひとつだけの備品倉庫跡に入った。会社の資料や器具備品が棚いっぱいに並べてある部屋だった。埃っぽいのは仕方ない。
起こったできごと全てを3人に話すと、タカマツが悔しそうに拳を握りしめてた。
「そうですか。逃げたんですね、あの野郎。」
ボコボコにしてやるなんて大口叩いて出て行ってこのざまで、俺は顔が歪んだ。
「……あぁ、悪かったなお前ら。」
俺は3人に頭を下げた。
「え、やめてくださいよ頭!」
焦ってタカマツが俺の肩を掴んで上半身を起こした。
「そうやで、逃げられたもんしゃーないやないですか。」
「そうですよ!」
既に目を覚ましていたトシキも痛々しく包帯だらけだったけど、いつもの調子で話せていた。ミヤシゲも外見は元気に見えた。多分撃たれてる分内側の再生まではできていないだろう。それでもトシキと笑いかけてくれた。
スー、ハー。大きく息を吸って吐いた。
「そうだな。……ま、振り出しに戻っただけだ。あいつがいつ仕掛けてくるかわからねぇ。全員気ぃ引き締めとけ。」
「はい!」
元気な3つの返事が嬉しかった。こいつら生きていてくれてよかった。
「それにしても兄貴。」
一番奥に座って、様子を見守っていたユースケが口を開いた。
「あいつ。‘代が変わっても‘って、もしかして先代のことを……。」
「あぁ。」
ユースケと目を見合わせて続けた。あとの3人もなんの話だろうと首をかしげて俺を見つめる。
「クアリクは知ってんのかもしんねぇ。1年前の抗争で姿消した先代頭のこと。」
3人のもとへと戻った俺達は、どこから攻撃を仕掛けられるか分からない廊下から移動して、入口がひとつだけの備品倉庫跡に入った。会社の資料や器具備品が棚いっぱいに並べてある部屋だった。埃っぽいのは仕方ない。
起こったできごと全てを3人に話すと、タカマツが悔しそうに拳を握りしめてた。
「そうですか。逃げたんですね、あの野郎。」
ボコボコにしてやるなんて大口叩いて出て行ってこのざまで、俺は顔が歪んだ。
「……あぁ、悪かったなお前ら。」
俺は3人に頭を下げた。
「え、やめてくださいよ頭!」
焦ってタカマツが俺の肩を掴んで上半身を起こした。
「そうやで、逃げられたもんしゃーないやないですか。」
「そうですよ!」
既に目を覚ましていたトシキも痛々しく包帯だらけだったけど、いつもの調子で話せていた。ミヤシゲも外見は元気に見えた。多分撃たれてる分内側の再生まではできていないだろう。それでもトシキと笑いかけてくれた。
スー、ハー。大きく息を吸って吐いた。
「そうだな。……ま、振り出しに戻っただけだ。あいつがいつ仕掛けてくるかわからねぇ。全員気ぃ引き締めとけ。」
「はい!」
元気な3つの返事が嬉しかった。こいつら生きていてくれてよかった。
「それにしても兄貴。」
一番奥に座って、様子を見守っていたユースケが口を開いた。
「あいつ。‘代が変わっても‘って、もしかして先代のことを……。」
「あぁ。」
ユースケと目を見合わせて続けた。あとの3人もなんの話だろうと首をかしげて俺を見つめる。
「クアリクは知ってんのかもしんねぇ。1年前の抗争で姿消した先代頭のこと。」
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