ブラッシング!!

倉畑コウキ@小説書く介護職

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伝言

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 あっけなく5人は行ってしまった。
 おかしらさんは両脇から抱えられるようにして歩いていった。
 そしてあるところでフッと姿を消した。次の現場へ行ったんだろう。

 あたしはなんとなく、誰も居なくなった場所を眺めていたが、伝言しないといけないのを思い出してあの部屋に戻ることにした。
 戻りながら考えてみた。これからあの殺し屋クアリクはどうなるんだろうか、どうするんだろうか。もう立派なヒットマンな訳だし、殺しを失敗したんだから、やっぱり殺されてしまうのかな。

 悪いやつだし悪いやつだし悪いやつだし、可哀想でもないけど殺されてしまうのはなんだか残念だなと思っていると部屋に到着していた。けどクアリクの姿は無かった。

 傷から溢れたんだろう。血がポツポツと落ちていた。
 追いかけてみると、あるところで途切れていた。

 恐らくどこかに隠れたんだろう。きっと近くに居る。荒い息が微かに聞こえる。
 あたしは気持ち大きな声で託された伝言を何もない廊下で言った。

 そうだ。彼が殺されようとあたしには正直関係ない。でもあたしが残念に思ってるのはまたあんな電流が走るような闘いを見たいと思ってるからだ。
 だから彼には早々にここを立ち去ってもらわなきゃいけない。

 巡り巡っていつかまたあの2人が出会って、素手で喧嘩し合うのをあたしは見たい。
 圧倒的な力に立ち向かう訳じゃないから、もう感動はしないかもしれないけど、楽しみで仕方ない。

 だから伝言ついでにもう一言添えてみた。
 「さっさと行きなよ! 水で洗い流しちゃうぞー!」

 ガラガラガラ~ぺっ!
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