泡沫の如く儚い平和

琴里 美海

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第壱拾八話

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 槿花が生まれて早数年。とは言っても妖怪と人間の時間の流れは大分違うから、まだ槿花の見た目は幼いままだった。と言うか、おいらの見た目だってそんなに変わってない。
 おいらは槿花の見た目について最近やっと知った。
 どうやら槿花の体は色素を作れない体らしく、そのせいで日の光にも弱い。だからそんなに外出しちゃいけないらしく、それを槿花に伝えると相当不満そうな顔をされた。まぁ槿花は外で遊ぶの好きだから仕方が無いと言えば仕方が無いんだけど。だけど兄として妹の事が心配なんだって。
 だけどどれだけおいらが頑張っても槿花は外に出る事を止めなかった。だから仕方なく、極力肌を出さない格好をする事を約束させた。

「にーちゃ、今日はお出掛けずらか?」

 おいらが玄関で草履を履いていると、槿花が後ろから話し掛けて来た。

「あー、雉に呼ばれてるんずらよ。」

 あの人暇になるとすぐにおいらの事呼び出すんだよな。そんな事を考えていると、槿花がおいらの服を掴んで来た。

「おらも行きたいずら。」
「駄目ずらよ。」
「何でずらか!!!」
「槿花が日光に弱いからずら。」

 本当に、槿花はおいらがどれだけ心配しても全く気にしない。何時も心配するこっちの身にもなってほしい。
 おいらは立ち上がって槿花の頭を撫でた。

「帰ったら遊んであげるずら。」

 そう言うと槿花はパッと明るい顔をした。

「ホントずら!?嘘吐いたら怒るずらよ!!」

 槿花はその場で飛び跳ねると、おいらは家を出て行った。
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