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第壱拾五話
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落ち着かねぇ。
「暁光、大丈夫っすか?」
「お前、これが大丈夫に見えるか?」
何時の間にか家の中に入り込んでいた雀に、俺は割と大きな声でそう聞いた。
もうさっきから別に山道下ったりした訳でもねぇのに膝が笑っちまってるんだよ。滅茶苦茶ガクガクしてんだよ。
「何があったんっすか?」
「何が?んなもん、一つしか無ェだろ。」
俺はさっきの事を思い出した。
「お前氷柱が笑ったんだぞ!!?」
「それっすか!?あ、でも結構大事な事っすね。氷柱さんちゃんと笑えたんっすか!」
「あぁもう可愛いのなんのって!!!あいつ笑う時目ェ瞑ってよ!!!んでちょっと恥ずかしそうなんだよ!!!何だよあれ!!!可愛過ぎか!!!!」
飛び上がって盛大に床に倒れた。
「暁光、気持ち悪いっすよ?」
「煩ェ!!!お前だって氷柱の笑顔見たら絶対に悶えるっての!!!」
「悶えるかどうかは分からないにしても、暁光程にはならないと思うっす。」
ったく、これだから氷柱の魅力が分からない奴は。昔っからあいつの事見てきた俺が言うんだ、間違い無ェよ。
起き上がって俺は窓の外を見た。一羽の鳩が飛んで来ていたからだ。
部屋の中に入った瞬間に人の姿になった。
「よ、何の用だ?」
「ん。」
そう言って差し出して来たのは、一枚の真っ黒い羽根だった。受け取らなくても、良く見なくてもそれが誰の羽根かすぐに分かった。
「お前、これ何処にあった?」
「さっき氷柱が攫われたって話を聞いて、個人的に調べた。連れて行かれた先の社の中に落ちてた。」
差し出し続ける羽根を俺は掴んで、指先に力を入れて発火させて、灰すら残さずに燃やした。
「氷柱さん、怪我してたんっすよね?」
「怪我をさせたのは妖かしじゃぞ。」
何時の間にか部屋の入口の所に立っていた鶴が話しに割って入って来た。お陰で全員の視線は鶴に向いた。
「姉さんじゃないっすか!!」
雀は鶴に飛び付くと、鶴は雀の頭を撫でた。
「お久しぶりっす!!」
「うむ、そなたの口調は相変らずじゃのう。」
「姐御。」
「そなたも来ておったのか。やれ姉さんやら、やれ姐御やら、妾はそんな大した者ではないのじゃがのう。」
「そんな事無いっす!!姉さんは素敵な人っす!!あっしも姉さんみたいな素敵な女性になりたいっすよ。」
「いやお前は無理だろ。」
「あんた落ち着き無いし。」
「酷いっす!!!」
鶴を見ると笑っている。
「姉さん!?」
「いや、そなたはそれで良いではないか。何時も元気なのがそなたの良い所じゃ。」
「あ、姉さん…………!!」
(絆されてやがる。)
そんな事平和の一言で表せる様な雰囲気が一変して、さっきの話に戻った。
「所で、そなたの持って来たあの羽根、どうしてあれがあるのかえ?」
「鴉が氷柱を狙ってる。直接喧嘩も売られたしな。」
「うむ、確かに彼女は食せば美味であろうな。」
「手前ェ俺の目の前で何言ってやがるよ。」
思い切り威嚇すると鶴は笑った。
「喰わぬわ。妾は人を喰うつもり等毛頭無い。」
「そうっすよ!!姉さんは暁光と違って野蛮じゃないっす!!」
「よぉ雀、焼き鳥になる覚悟は出来たか?」
「止めてくださいっす!!!」
まぁ今はそんな冗談は置いといて、大事な話に戻るか。
氷柱は見事に狙われてる。んな事最初っから分かってた事だけど、こうもあからさまな事をされると改めて確認する事になる。
人を喰わない鶴ですら、氷柱は喰えば旨いだろうって言わせるんだ、そりゃ狙われるよな。
「そう言えば氷柱は?」
「部屋に居る筈じゃが?」
「…………………」
何となく気になる。
俺は立ち上がって部屋の出入口に向かった。
「氷柱さんの所っすか?」
「おう。」
俺は部屋を出て行った。
「暁光、大丈夫っすか?」
「お前、これが大丈夫に見えるか?」
何時の間にか家の中に入り込んでいた雀に、俺は割と大きな声でそう聞いた。
もうさっきから別に山道下ったりした訳でもねぇのに膝が笑っちまってるんだよ。滅茶苦茶ガクガクしてんだよ。
「何があったんっすか?」
「何が?んなもん、一つしか無ェだろ。」
俺はさっきの事を思い出した。
「お前氷柱が笑ったんだぞ!!?」
「それっすか!?あ、でも結構大事な事っすね。氷柱さんちゃんと笑えたんっすか!」
「あぁもう可愛いのなんのって!!!あいつ笑う時目ェ瞑ってよ!!!んでちょっと恥ずかしそうなんだよ!!!何だよあれ!!!可愛過ぎか!!!!」
飛び上がって盛大に床に倒れた。
「暁光、気持ち悪いっすよ?」
「煩ェ!!!お前だって氷柱の笑顔見たら絶対に悶えるっての!!!」
「悶えるかどうかは分からないにしても、暁光程にはならないと思うっす。」
ったく、これだから氷柱の魅力が分からない奴は。昔っからあいつの事見てきた俺が言うんだ、間違い無ェよ。
起き上がって俺は窓の外を見た。一羽の鳩が飛んで来ていたからだ。
部屋の中に入った瞬間に人の姿になった。
「よ、何の用だ?」
「ん。」
そう言って差し出して来たのは、一枚の真っ黒い羽根だった。受け取らなくても、良く見なくてもそれが誰の羽根かすぐに分かった。
「お前、これ何処にあった?」
「さっき氷柱が攫われたって話を聞いて、個人的に調べた。連れて行かれた先の社の中に落ちてた。」
差し出し続ける羽根を俺は掴んで、指先に力を入れて発火させて、灰すら残さずに燃やした。
「氷柱さん、怪我してたんっすよね?」
「怪我をさせたのは妖かしじゃぞ。」
何時の間にか部屋の入口の所に立っていた鶴が話しに割って入って来た。お陰で全員の視線は鶴に向いた。
「姉さんじゃないっすか!!」
雀は鶴に飛び付くと、鶴は雀の頭を撫でた。
「お久しぶりっす!!」
「うむ、そなたの口調は相変らずじゃのう。」
「姐御。」
「そなたも来ておったのか。やれ姉さんやら、やれ姐御やら、妾はそんな大した者ではないのじゃがのう。」
「そんな事無いっす!!姉さんは素敵な人っす!!あっしも姉さんみたいな素敵な女性になりたいっすよ。」
「いやお前は無理だろ。」
「あんた落ち着き無いし。」
「酷いっす!!!」
鶴を見ると笑っている。
「姉さん!?」
「いや、そなたはそれで良いではないか。何時も元気なのがそなたの良い所じゃ。」
「あ、姉さん…………!!」
(絆されてやがる。)
そんな事平和の一言で表せる様な雰囲気が一変して、さっきの話に戻った。
「所で、そなたの持って来たあの羽根、どうしてあれがあるのかえ?」
「鴉が氷柱を狙ってる。直接喧嘩も売られたしな。」
「うむ、確かに彼女は食せば美味であろうな。」
「手前ェ俺の目の前で何言ってやがるよ。」
思い切り威嚇すると鶴は笑った。
「喰わぬわ。妾は人を喰うつもり等毛頭無い。」
「そうっすよ!!姉さんは暁光と違って野蛮じゃないっす!!」
「よぉ雀、焼き鳥になる覚悟は出来たか?」
「止めてくださいっす!!!」
まぁ今はそんな冗談は置いといて、大事な話に戻るか。
氷柱は見事に狙われてる。んな事最初っから分かってた事だけど、こうもあからさまな事をされると改めて確認する事になる。
人を喰わない鶴ですら、氷柱は喰えば旨いだろうって言わせるんだ、そりゃ狙われるよな。
「そう言えば氷柱は?」
「部屋に居る筈じゃが?」
「…………………」
何となく気になる。
俺は立ち上がって部屋の出入口に向かった。
「氷柱さんの所っすか?」
「おう。」
俺は部屋を出て行った。
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