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第弐拾六話
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母さんは語った。あたいとの出会いの事を。多分、もっと他にも言わなきゃいけない事もあったんだろうけど、あくまであたいが分かる範囲で言ってくれた。
正直まだ知りたい事とか聞きたい事が残ってるけど、だけど今はこれだけで良いや。これ以上聞いたらあたいの頭じゃ追い付けなくなる。
「お話は終わりましたか?」
煩い奴がそう言ってくると、あたいはそいつの方を向いた。
「まだ色々と整理が付かない事があると思われますが、森神様は森神様の速度で事を分かっていけば良いと思います!!」
簡単に言ってくれるけど、あたいにとっちゃ自分の早さでもちゃんと分かる日が来るか分からないんだよ。
「手前共からは、今はこれ以上お話しする事はございません!!色葉殿はまだ森神様にお話しする事はございますか?」
「私は、まぁ無い事は無いんだけど、今は良いかな。」
「作用でございますか!!では恵風殿はございますか?」
「私は無いよ。最も、炎陽ちゃんが聞きたい事があるなら、私が代わりに聞いたりするけど。」
そう言ってあたいを見た。だからこれ以上は聞けないっての。そう考えながら首を横に振った。
「無さそうだね。」
「では本日はこれにてお開きといたしましょう!!!森神様、何かありましたら我々の村をどうぞ頼ってください!!!とは言っても、大したお力添えが出来るかは分かりかねますが。」
そう言って煩い奴は頭を下げた。今回はそんなに勢いは凄くなかった。だけどやっぱり頭を地面に当たるくらい下げた。
話が終わって、あたい等は森に帰る事にした。元々人間の村に降りる理由なんて普段なら無いし、それにあたいはやりたい事が出来たから。
森に入ってすぐに、あたいは恵風の手を引っ張った。
「如何したの?」
(なぁ、あたい行きたい所があるんだ。)
それは母さんの話の中で出て来た、母さん達とあたいが初めて会った場所。父さんが死んだ場所。
あたいはそれを伝えて恵風をジッと見た。
「………分かった。早瀬は如何する?」
(私は先に帰るわ。)
「そうか。」
母さんは先に寝床に向かって走って行った。
あたいは恵風に連れられて、あたいが言った場所に来た。それはさっき、あたいが闇雲に走って、結果辿り着いた場所だった。
「此処で合っていると思うんだけど、やっぱり頭が覚えていなくても、体が覚えているんだろうね。」
だから、だからあたいは知らない内に此処に来たって、こいつはそう言いたいんだろうな。
あたいは中央の大きな木に近付いて、木の幹に触れた。命の力に溢れたその木は、自然とあたいを安心させてくれた。
「他に行きたい場所はある?」
そう聞かれてあたいは恵風を見てから少し考えた。行きたい場所は特に無い。だけど、教えてほしい事なら一つある。
(なぁ恵風。)
「うん、何?」
(あたいに人間の言葉を教えてくれ。)
正直まだ知りたい事とか聞きたい事が残ってるけど、だけど今はこれだけで良いや。これ以上聞いたらあたいの頭じゃ追い付けなくなる。
「お話は終わりましたか?」
煩い奴がそう言ってくると、あたいはそいつの方を向いた。
「まだ色々と整理が付かない事があると思われますが、森神様は森神様の速度で事を分かっていけば良いと思います!!」
簡単に言ってくれるけど、あたいにとっちゃ自分の早さでもちゃんと分かる日が来るか分からないんだよ。
「手前共からは、今はこれ以上お話しする事はございません!!色葉殿はまだ森神様にお話しする事はございますか?」
「私は、まぁ無い事は無いんだけど、今は良いかな。」
「作用でございますか!!では恵風殿はございますか?」
「私は無いよ。最も、炎陽ちゃんが聞きたい事があるなら、私が代わりに聞いたりするけど。」
そう言ってあたいを見た。だからこれ以上は聞けないっての。そう考えながら首を横に振った。
「無さそうだね。」
「では本日はこれにてお開きといたしましょう!!!森神様、何かありましたら我々の村をどうぞ頼ってください!!!とは言っても、大したお力添えが出来るかは分かりかねますが。」
そう言って煩い奴は頭を下げた。今回はそんなに勢いは凄くなかった。だけどやっぱり頭を地面に当たるくらい下げた。
話が終わって、あたい等は森に帰る事にした。元々人間の村に降りる理由なんて普段なら無いし、それにあたいはやりたい事が出来たから。
森に入ってすぐに、あたいは恵風の手を引っ張った。
「如何したの?」
(なぁ、あたい行きたい所があるんだ。)
それは母さんの話の中で出て来た、母さん達とあたいが初めて会った場所。父さんが死んだ場所。
あたいはそれを伝えて恵風をジッと見た。
「………分かった。早瀬は如何する?」
(私は先に帰るわ。)
「そうか。」
母さんは先に寝床に向かって走って行った。
あたいは恵風に連れられて、あたいが言った場所に来た。それはさっき、あたいが闇雲に走って、結果辿り着いた場所だった。
「此処で合っていると思うんだけど、やっぱり頭が覚えていなくても、体が覚えているんだろうね。」
だから、だからあたいは知らない内に此処に来たって、こいつはそう言いたいんだろうな。
あたいは中央の大きな木に近付いて、木の幹に触れた。命の力に溢れたその木は、自然とあたいを安心させてくれた。
「他に行きたい場所はある?」
そう聞かれてあたいは恵風を見てから少し考えた。行きたい場所は特に無い。だけど、教えてほしい事なら一つある。
(なぁ恵風。)
「うん、何?」
(あたいに人間の言葉を教えてくれ。)
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