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第壱拾弐話
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帰って来たら鶴が家の中にいた。
「あ、暁光さんお帰りなさい。」
「うむ、勝手に上がらせてしまった、済まぬのう。」
「ホントだっての。」
「いえ、私が勝手にやったんです。」
氷柱が入れたなら良いや。
俺は氷柱の隣に腰を降ろした。
「何か用か?」
「うむそうであった。先日この付近で白鳥を見付けたのだが、それを雀は知っておるのか?」
「知ってるってーか、俺が教えたからな。」
正直あれこれ言うのはどうかと思ったけど、何も知らないで突然遭遇するよりはマシだと思って勝手に伝えた。まぁ其れが本当に正しいかなんて事は俺にだって分からない。
鶴は特に何も言わない。こいつは完璧に理解している事しか否定も肯定もしてこない。
「その時の雀の反応はどうだったのかえ?」
「ま、多分お前が今考えてる通りだと思うけどな。」
実際はどんな顔を想像してるかは分からないけどな。
鶴に雀が来ているか聞かれたが、残念ながら最近雀は来ていない。多分だけど、もう白鳥と遭遇してる。さてと、もしそうなってるなら俺はどうしようか。正直下手にあれこれしたくはない。
「雀から来るのを待つだけだな。」
「そうじゃのう。」
「つーか用件はそれだけか?」
「うむ、雀の事を聞けただけで十分だからのう、妾はそろそろ御暇するとするかのう。」
そう言って鶴は立ち上がった。
「送ってくか?」
「平気じゃ、それ程妾はヤワではない。」
まぁそんな事は俺だってよく分かってる。
鶴は部屋から出て行くと、多分氷柱の所に帰ると伝えに行ったんだろうな。だって氷柱の「もう帰るんですか?」って声が聞こえてくる。鶴の声はよく聞こえないけど、氷柱の声ははっきりと、よく、もう死ぬほど鮮明に聞こえる。氷柱のは可愛いから、意地でも聞き逃したくない。
さてと、俺は飯でも作るとするか。
「あ、暁光さんお帰りなさい。」
「うむ、勝手に上がらせてしまった、済まぬのう。」
「ホントだっての。」
「いえ、私が勝手にやったんです。」
氷柱が入れたなら良いや。
俺は氷柱の隣に腰を降ろした。
「何か用か?」
「うむそうであった。先日この付近で白鳥を見付けたのだが、それを雀は知っておるのか?」
「知ってるってーか、俺が教えたからな。」
正直あれこれ言うのはどうかと思ったけど、何も知らないで突然遭遇するよりはマシだと思って勝手に伝えた。まぁ其れが本当に正しいかなんて事は俺にだって分からない。
鶴は特に何も言わない。こいつは完璧に理解している事しか否定も肯定もしてこない。
「その時の雀の反応はどうだったのかえ?」
「ま、多分お前が今考えてる通りだと思うけどな。」
実際はどんな顔を想像してるかは分からないけどな。
鶴に雀が来ているか聞かれたが、残念ながら最近雀は来ていない。多分だけど、もう白鳥と遭遇してる。さてと、もしそうなってるなら俺はどうしようか。正直下手にあれこれしたくはない。
「雀から来るのを待つだけだな。」
「そうじゃのう。」
「つーか用件はそれだけか?」
「うむ、雀の事を聞けただけで十分だからのう、妾はそろそろ御暇するとするかのう。」
そう言って鶴は立ち上がった。
「送ってくか?」
「平気じゃ、それ程妾はヤワではない。」
まぁそんな事は俺だってよく分かってる。
鶴は部屋から出て行くと、多分氷柱の所に帰ると伝えに行ったんだろうな。だって氷柱の「もう帰るんですか?」って声が聞こえてくる。鶴の声はよく聞こえないけど、氷柱の声ははっきりと、よく、もう死ぬほど鮮明に聞こえる。氷柱のは可愛いから、意地でも聞き逃したくない。
さてと、俺は飯でも作るとするか。
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